先週、東京・神保町花月にて、アホマイルド・クニ脚本演出のサイレント舞台「乙女心に死す」が上演された。
キュートンのパフォーマンスを手掛けるほか、「MONO-KAKI大賞」ショートストーリー部門で大賞を受賞するなど、表現者として多方面で活躍を見せるクニ。前回は現実とバーチャルゲームを融合させ、ノスタルジックで悲しいラブストーリーをセリフなしに作りあげた。
今回の舞台は、少年少女・坂口演じる女生徒が主人公。この女生徒は無口で変わり者なため、ギンナナ金成、少年少女・阿部、ガリットチュウ熊谷にいじめられている。御茶ノ水男子・しいはしジャスタウェイ演じる1人の少年・しいはしは、そんな坂口を助けようとするがなかなか勇気が出ない。そんなある日、しいはしはふとしたきっかけで闇の住人と出会い、坂口を助けるために悪魔の契約を交わしてしまうのだった。闇の力を手に入れたしいはしは、いじめっ子たちを憎む気持ちがエスカレート。とうとう彼らに殺意を抱き始める。次第に暴走し自分を止められなくなるしいはし。ところがその後しいはしが目にしたのは……。近くても遠く、遠くても近い坂口としいはしの距離に観客は終始くぎ付け。坂口としいはしの笑顔に会場からは安堵のため息が漏れたのもつかの間、そこには予想だにできないが真実が。さらに、坂口の身に避けられない運命が降りかかるのだった。
金成らが企てる卑怯ないじめに貶められる坂口と、闇の住人たちの手に堕ちていくしいはし。舞台では全出演者のすべての表情がそのワンシーンのすべてであり、次の流れを作り出していた。彼らの痛む心は、演技はもちろんのこと、クニセレクトのさまざまな音楽や照明で表現。彼らの感情が爆発したとき、会場からはすすり泣く声も。すべてが種明かしされるラストには、張り詰めた空気が会場全体を覆っていた。
公演中盤となる8月2日の舞台では、椿鬼奴がゲスト出演のアナザーストーリーを上演。しっかりと自分を出す坂口と、本編とは違う形で現れるしいはしが、短い時間ながらもつながるハッピーな展開を見せた。全体的にコミカルなやりとりの中、鬼奴はさらにずば抜けたキャラ・ロックマンとして登場。あらゆる意味ですべての空気をぶち壊し、会場を爆笑の渦に巻き込んだ。
また1つ新たな世界を生み出したクニは、今後どのような舞台を見せてくれるのか。8月11日(土)には、東京・新宿シアターモリエールにて、アホマイルド、椿鬼奴出演のライブ「キュートン10周年記念祝賀パーティー」も開催。ファンはこちらもお楽しみに。
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