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私は2018/12/21に「米国債残高1位の中国は米国債売却で反撃するという言説について」という記事を書き、中国が保有する米国債売却をテーマとした記事を書きました。
直近でロイター通信でこの話題について報じられたため、今日は改めてこの問題を取り上げ、「中国の環球時報が報じる米国債保有縮小と米国のデフォルトリスク」と題して論じたいと思います。
まずはロイター通信の記事をご紹介します。
『ロイター通信 2020/09/04 06:54 中国、米国債保有を段階的に縮小も 関係悪化で=環球時報
[上海 4日 ロイター] - 中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は専門家の話として、米中間の対立激化を受けて、中国が米国債の保有を段階的に削減する可能性がある、と報じた。
上海財経大学のXi Junyang教授は、「中国は通常の環境下でも、米国債の保有残高を8000億ドル程度にまで徐々に引き下げるだろう」との見方を示した。詳細な時間軸は示さなかった。その上で、「もちろん、全額売却するのは軍事衝突の発生など極端な場合のみだ」とした。
中国は米国債の保有残高で世界2位。6月の残高は1兆0740億ドルで、5月の1兆0830億ドルから減少した。
中国は今年に入って、米国債保有残高を一貫して縮小させている。
保有残高が8000億ドルとなれば、現在の水準から25%以上圧縮することになる。アナリストは、中国が米国債の大量売却に動くことを「核オプション」と呼び、世界金融市場の動揺の引き金になると指摘している。
また同紙は、米国債売却のもう1つの理由として、米国のデフォルトリスクを挙げる。米国の政府債務の対国内総生産(GDP)比率は、第二次世界大戦終戦以降で最大の水準である約100%まで急上昇しており、世界的に安全ラインとされる60%を大きく超過している。』
上記ニュースでは、環球時報というメディアがあります。
環球時報は中国共産党機関紙の人民日報系のメディアで、その環球時報が中国の米国債保有縮小を報じているとしています。
米中覇権戦争は貿易戦争から金融戦争へと展開しており、米国議会、トランプ政権は、中国をウイグル人、香港の民主化デモの弾圧の問題で、香港自治法を制定し、中国に対して厳しい制裁措置を講じています。
金融制裁では、米国株式市場に上場する中国系企業に対して上場廃止することや、中国の5大銀行(中国銀行、中国工商銀行、中国建設銀行、中国交通銀行、中国農業銀行)を中心とした中国国内の銀行に対して、ドル決済システムのSWIFTから追放することなども検討されています。
こうした米国の対応に対して、中国の対抗策として、中国が大量に保有する米国債の売却というものがあります。
この米国債の売却にどういう目的があるのか?といえば、米国金利を急騰させることが目的と推察しています。
米国債とは債券であるため、債権を大量に売却すれば債券価格は下落する一方で、金利は逆に上昇します。
そして米国金利の指標になっているのが米国債の金利であるため、米国の金利が上昇することになります。
中国共産党の狙いは、国債金利を急騰させることで米国政府の借り入れコストを増大させ、米国企業の設備投資の資金調達コストや、個人が住宅を購入する際の住宅ローンの金利を上昇させ、米国の経済成長を抑制させることが狙いではないかと考えられます。
こうした見方は以前からも指摘されていたことで、中国が米国債を大量売却するのでは?という言説の論拠でもあります。
しかしながら現実的には中国が米国債を売却してもマーケットにほとんど影響を与えていません。ウォールストリートジャーナルが2019/05/14に報じた記事では、仮に中国が大量の米国債を売却したとしても、市場が巨大マーケットであるため、何ら影響はないとしています。
下記は米国の10年物国債のチャートです。
<10年物米国債の月足のチャート>
(出典:SBI証券)
上記は10年物の米国債の金利のチャートですが、金利は上昇するどころか、0.5%〜1.0%のレンジにまで下落しています。
この右肩下がりのチャートはトランプ大統領が政策金利を引き下げるようFRBに圧力をかけ、米国債の金利も下落していて、10年物の米国債に限らず、5年物も30年物も米国債の金利は下落しています。
ロイター通信の記事では、中国が今年2020年に入ってから少しずつ米国債を売却し、5月の1兆830億ドルから、6月は1兆740億ドル減少したことが報じられていますが、チャートを見る限り、債券市場のマーケットへの影響は限定的だったといえます。
しかしながら過去から、中国が米国債を大量売却するシナリオ自体、可能性は低いものの手段としてあり得るという言説がありました。
私はそうした言説に対して否定的な立場で論説を展開してきましたが、それには理由があります。
まず中国の米国債売却は、中国の外貨準備高が減少することを意味します。
中国は、内需型経済の米国や日本と異なり、輸出がGDPの5割以上を占める輸出国で、技術を盗んで自国の工場で安く生産して輸出で貿易黒字を積み上げてきました。
その貿易黒字はどうするのか?といえば米国債で運用します。
なぜ米国債で運用するかといえば、銀行預金の場合、万一経営破綻した場合にペイオフ制度で守られるのは1000万円程度であるためです。
米国債は銀行預金よりも安全なのです。
そのため、米国債で主に運用し、外貨準備高が積み上がります。
中国の人民元は決して強い通貨ではなく、ハードカレンシーではないため、米国債を売却して外貨準備高を減少させることは、ある意味で自分の首を自分で絞めるのと同じです。
米国債以外に運用するとして米ドルキャッシュを持っていたとしても、めぼしい安全な投資先がないため、米国債を買うしかありません。結局売却して米ドルのキャッシュを手にしたとしても、米国債を買わざるを得ないという現実の問題があるのです。
また米国債売却によって米国金利を上昇させて経済成長を抑制させようとして、仮に米国金利が上昇すれば中国が保有する米国債に評価損が発生します。
国債を売却するということは、債券市場で売り注文を出すことに他ならず、それは自動的に売れるのではなく、買い手がいて始めて売れるものです。即ち現実的な売買は、買い手と売り手がマッチするまでは少しずつ売却していくことになるため、一回の大量売り注文で、一回の売買が成立して売れるということは現実的にはあり得ません。
さらに仮に米国債が下落したとなれば、今度はドルが売られてドル安になるシナリオもあり、この場合は人民元高となります。
輸出立国にとって自国通貨高は非常に困る話であり、中国の場合はトランプ政権による追加関税をかけられてただでさえ苦境に陥っています。
米国との貿易で稼ごうにも関税をかけられて対米輸出利益は減少してきた状況で、人民元高となれば輸出利益はさらに減少します。
関税と人民元高は、中国にとって大きなダメージになることでしょう。
そもそも米国サイドからみても、中国が米国債を売却しても何ら困ることはありません。例えばゼロ金利に苦しむ日本の金融機関とか、為替リスクはあっても金利が上昇すれば米国債を喜んで買うでしょうし、日本の金融機関のみならず、欧州各国やアジアなど、米国債を買いたい国はいくらでも存在します。
ロイター通信の記事の最後には、米国債のデフォルトリスクについて触れていますが、これについては論外で、米国にとって自国通貨の米ドル建ての国債の残高が増大したとしても、FRBが買い取ればいいだけの話であり、米国のデフォルトリスクなどそもそも存在しません。
これは日本の借金問題1000兆円の話と全く同じであり、環球時報が指摘しているとしても、ロイター通信が報じているとしても、話にならないくらいアホらしい指摘です。
というわけで今日は「中国の環球時報が報じる米国債保有縮小と米国のデフォルトリスク」と題して論説しました。
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先々週から、仕事の方がめちゃくちゃ忙しく、なかなか記事がかけませんでしたが、久しぶりに記事を書きます。
今日は経済問題について取り上げ「11年ぶりの低水準となった全国企業短期経済観測調査について」と題して論説します。
下記は日本経済新聞の記事です。
『日本経済新聞 2020/07/01 08:54 大企業製造業の景況感、11年ぶり低水準 日銀6月短観
日銀が1日発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)はマイナス34になった。リーマン危機後の2009年6月以来11年ぶりの低水準だ。3月の調査から26ポイントの落ち込みで、悪化幅は過去2番目の大きさ。新型コロナウイルスの感染拡大で世界的に経済活動が停滞している影響がくっきり表れた。
業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた値。大企業製造業のDIはQUICKが事前に集計した民間予測の中心値(マイナス31)を下回った。マイナスは2四半期連続、悪化は6四半期連続になる。かねて米中貿易摩擦で業況が悪化していたところに新型コロナの世界的な流行が追い打ちをかけた。
非製造業はマイナス17で25ポイント悪化した。過去最大の悪化幅だ。中小企業の景況感も悪化した。製造業はマイナス45で30ポイント下がった。
大企業の景況感は小売りだけが改善し、他の業種は軒並み悪化した。DIが最も低かったのはコロナ禍が直撃する宿泊・飲食サービスでマイナス91だった。過去最低を更新した。入国制限や外出自粛で観光客が「蒸発した」(日銀)。レジャー施設などを含む対個人サービスは64ポイント下がり、マイナス70で過去最低だ。感染防止のために長期間の営業自粛を迫られた。
製造業で最もDIが悪かったのは基幹産業である自動車だ。55ポイントも落ち込み、マイナス72となった。09年6月(マイナス79)以来の低い水準だ。世界的な需要の急減で生産調整を余儀なくされている。鉄鋼や生産用機械の悪化も目立った。
小売りはプラス2で9ポイント上昇した。食品スーパーやホームセンターで「巣ごもり需要が好調だった」(日銀)という。
業況悪化で企業の資金繰りは悪化している。全産業の資金繰り判断DIは3で10ポイント低下した。コマーシャルペーパー(CP)の発行環境判断も22ポイント低下し、8となった。人手不足が続いてきた雇用は、製造業で一転して「過剰」となった。非正規雇用を中心に雇用が減る恐れがある。
先行きは改善を見込む。大企業(全産業)の業況判断DIはマイナス21で、5ポイント上昇する。ただ、新型コロナの感染者はブラジルやインドなど新興国で増加に歯止めがかからず、経済活動を再開した米国でも再び増えている。不透明感は強い。』
上記の記事は、日銀が発表した6月の短観についての記事で、リーマンショックの2009年以来、11年ぶりの低水準となったと報じられています。
新型コロナウイルス感染拡大により、輸出や個人消費が急速に落ち込み、企業心理を冷やしたということで、特に自動車産業は55ポイントも悪化しているとのことです。
<短観>
(出典:日銀のホームページ)
上記は日銀のホームページから引用したものですが、日本経済新聞の記事の通り、2020年6月調査分で、直近の製造業の大企業では、マイナス34と大幅に悪化していますが、先行きも大企業でマイナス27となっています。
とはいえ、新型コロナウイルスで世界大恐慌が来るといわれていたわけなので、こうなるのは目に見えていたことです。
むしろなぜこうなったのか?人災の疑義も含めて考えていかなければならないものと思います。
なぜ景況感が大きく落ち込んだのか?を具体的にいえば、それは社会活動、経済活動を自粛したからに他なりません。
活動がどれだけ自粛されたのか?元内閣官房参与で京都大学の教授の藤井聡氏は、ツイッターで次の図を公表しています。
<グーグルによる各国の交通利用状況推移と藤井聡氏による注釈>
(出典:藤井聡氏のツイッター)
時系列でみると、小池都知事は、3/25に自粛を要請し、4/7に緊急事態宣言を出しました。小池都知事が自粛要請した3/25〜4/7までは他国との比較で活動が行われていましたが、GW後に活動が欧米並みに縮退しています。
JAPANとTokyoの赤いグラフを見ていただきたいのですが、3/25までは他国との比較では活動していたことがよくわかるかと思います。
一方でGW過ぎには活動量が半減し、日本の経済活動も欧米並みに衰退していることが一目で分かります。
3/25といえば、小池都知事が「オーバーシュート、ロックダウン、感染爆発、都市封鎖」といった語彙を発言しました。となれば、小池都知事が発言してから経済活動が停滞したといえます。
小池都知事の発言から日本の空気が変わったのです。
もちろん最初は北海道で外出自粛というものありました。とはいえ札幌は北海道の地方都市です。
東京という大都市の首都で小池都知事が「オーバーシュート」「ロックダウン」と言い出すとさすがにヤバイということになり、経済活動が凹んでいったと私は考えます。
海外からの往来自粛さえやっておけば、感染は収束していたということが最近になってわかってきており、単に経済にダメージを与えて感染拡大に影響がなかったということで、景況感がめちゃくちゃ悪くなっているのは、小池都知事に責任があると考えることもできます。
あのとき、小池都知事が騒がなければ、ここまでにならなかったのでは?という疑義が濃厚です。
感染拡大しているのが、感染収束となれば、100歩譲ってその発言は許せますが、おそらく都知事選挙対策で、「コロナに立ち向かうリーダー」として発言していたのでは?と私は勝手に思っています。
東京都内では感染者数が拡大していますが、当時とはCPR検査を受診できる環境がまるで異なるため、一概に恐れる必要はないと私は考えます。
それどころか、コロナで死亡する人は少なくただの風邪であり、そのコロナで死亡する人と、その他で死亡する人をここまで差別しなければならない合理的な理由は見出せません。
3.11の東日本大震災でも、放射能と放射線の区別すらつかない有識者と呼ばれる白痴者らが恐怖をあおり、菅直人政権は年間50ミリシーベルト累積する地域に対して避難命令を出しましたが、実際には逃げる必要はありませんでした。
今の状況はパンデミックならぬインフォデミックといえます。間違った情報に怯え、冷静な行動、冷静な言説ができない人々が、残念ながら国会議員が多数いて、有識者と呼ばれる人らも実効再生産数などのデータを無視して緊急事態宣言の再発を訴えることで、再び経済にダメージを与えるのみならず、感染者拡大を防止することもできないでいるのです。
いたずらに恐怖をあおる小池都知事のような政治家や、科学的な根拠を無視した言説を発する有識者らに騙されないようにしなければ、日本はコロナ禍と、消費増税10%で大打撃を与えた自国の経済を元通りに戻すことはできず、貧困化した日本を次世代に引き継ぐことになるでしょう。
それこそ、将来世代へツケを残すことであると私は思います。
というわけで今日は「11年ぶりの低水準となった6月の全国企業短期経済観測調査について」と題して論説しました。
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今日は「2019年度の税収が激減」と題して論説します。
下記は時事通信の記事です。
『時事通信 2020/06/17 21:23 19年度税収、50兆円台半ばに コロナ響き3年ぶり減少
2019年度の国の税収が見込み額(60.2兆円)から大幅に下振れることが17日、明らかになった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた実体経済の悪化や納税猶予などで、2年ぶりに60兆円を割り込むだけでなく、50兆円台半ばまで落ち込む見通しだ。税収減は3年ぶり。
19年度税収をめぐり、政府は当初62.5兆円の過去最高額を見込んでいたが、米中貿易摩擦に伴う日本企業の輸出低迷などを受け、昨年末に60.2兆円へ下方修正した。さらに、コロナ禍で納税が困難な事業者に来年1月末まで国税の納付を猶予したことで、「税収が大きく減ることは確実だ」(財務省幹部)という。今年に入ってからの景気悪化も影響する。』
上記記事の通り、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国の税収が2年ぶりに60兆円を割り込む見通しとなりました。
企業活動の停滞に加え、収入が急減した場合に、納税を1年猶予する措置を導入したことも響いていますが、2020年度はもっと不透明感が強く、民間の資産では50兆円台前半まで落ち込むという試算があります。
とはいえ、私はこうした報道をすることに違和感があります。
なぜならば2019年10月の消費増税の影響で、10月〜12月の実質GDPは▲7.1%でした。GDPが減るとなれば、税率が同じであれば税収が減るのは当たり前です。
GDPが減るという情報以上の情報が、この時事通信の記事にはありません。もちろん税収に関するニュースは大事なので、報道するマスメディアが存在したとして、この情報を流させているのは、財務省が意図的に流させているのでは?という疑義が濃厚です。
マスメディアを通じて税収が大幅に減収することを日本国民に知らしめることで、さらなる増税や支出削減の布石を打とうとしていることが、ありありと見て取れます。
そのため、この報道を見たに国民は、「そっかぁー!なんか一律10万円とかいっていたけど、あんまり10万円とかもらってはいけないのでは・・・。」と萎縮させる空気を醸成します。
税収大幅減収という情報は、情報としては間違っていませんが、これがかなり大きく取り上げられるところに財務省の意図を感じます。
この内容はもっと小さくてもいい記事です。
それよりも経済がダメになることの方が、もっと深刻であって、経済がダメになって経済の恵みを国民も日本政府も得ているので、国民は所得を得て、政府は税収を得ているということを、まず理解するべきでしょう。
税収大幅減少!と報じれば、国民の所得=GDPが減少していることについての問題意識が希薄になります。何しろ税収が減収するのはわかりきったことで、コロナ禍でさらに法人税や所得税が減収することが見込まれるのです。
GDPの6割を占める個人消費に大きなダメージがあれば日本経済がダメになるのは必須。むしろGDPの6割を占める個人消費を拡大させるために、財政赤字を拡大して一律10万円給付を2度ならぬ3度やったり、公共事業を増やしたりしなければなりませんし、消費税をゼロにするのも有効な経済政策です。
もし皆さんのご家庭で、子どもが死にかかって病院に行ったとします。
病院の出費が何百万かかるとして、まだ子どもが入院中のとき、母親が「何百万も出費で家計の赤字が増えるけどどうしよう?」などという母親がいるでしょうか?
母親がそういえば、父親の方は「子どもが死にかけているんだから、そんなお金の話などしなくてもいいでしょ。」と。
それでも何百万もかかるなどとお金の話をされれば、いい加減してくれ!と言いたくもなります。
だいたい子どもの命が300万円などといっている人は悪い奴で、そう考えると税収が大幅減少することを大きく報じるのは、悪い話です。
子どもが日本の経済だとするならば、子どもが元気になって後で稼いでくれれば何ら問題ありません。
今は300万かかろうが、500万かかろうが、お前は黙れ!という話です。
普通の倫理のある大人ならそうなります。
記事では猶予措置について報じられていますが、猶予措置によって資金繰りが大幅に改善する一方、猶予対象期間が長いため、将来の納税額は増える面もあるという指摘もありますが、むしろ納税額を将来に持ち越して増やさせず、全部1年ずつ遅らせ、場合によってはずっと未来永劫遅らせてもいいくらいの話です。
景気が良く成れば税収は増加します。そのため、払えるようになったら少しずつ戻してもらえればいいのです。
劣後ローンのように借りているのと同じですが、出世払いでちょっとずつ返させ、返すことができないくらいなら、そのまま債権を放棄してあげてしまうくらいで問題ありません。
企業活動が元気になることが大事であることを改めて私たち国民は認識する必要があるものと思います。
というわけで今日は「2019年度の税収が激減」と題して論説しました。
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今日は、税金の役割について別の角度から論じたいと思いまして、「租税は財源確保の手段ではなく、経済を調整する手段でもある!」と題して論説します。
過去、スペンディング・ファーストやMMT理論を通じて、行政運営の財源は、税収で賄われているわけではないことをご説明しました。国家の財政運営は、企業経営と異なり、家計簿管理とも異なります。
税金には3つの役割(景気の安定化装置、格差縮小を目的とした所得再分配、複数通貨を使用する不便さからの解放)があるというお話もさせていただきましたが、別の切り口として管理通貨制度という側面からお話をします。
管理通貨制度について、いつからそうなったのか?歴史を抑えておきたいと思います。
1944年 金本位制→金ドル本位制に移行
米ドルが基軸通貨として金と交換できるという体制で、ブレトンウッズ体制もしくはIMF体制ともいいます。
1971年 金ドル本位制→管理通貨制度
米国が米ドルと金の兌換停止に踏み切り、金と通貨の関係は完全に切り離されて管理通貨制度に移行されました。
上記の通り、1971年以降は管理通貨制度で世界は動いています。
1971年の出来事は、いわゆるニクソンショックと呼ばれるものです。第二次大戦後、欧州国は貿易黒字を確保し続け、その結果米ドルが外貨準備高としてどんどん膨れ上がりました。
欧州国は米ドルをたくさん保有するものの、果たして米国にはそれだけの金地金を保有するのか?という疑問を持つようになりました。
金ドル本位制では米ドルは、金と交換できるという兌換紙幣の位置づけであったことがその理由なのですが、当然、金という資源は有限であり、無限に存在するものではないため、米国が米ドルの発行残高に見合う金地金など持っているわけがありません。
そこで兌換を停止というニクソン大統領の宣言により、金ドル本位制は終焉しました。
歴史を遡りますと、兌換紙幣や金本位制の歴史は古いです。モンゴルのフビライ・ハンが1260年に通貨を統一して、「中統元宝交鈔」という銀を裏付けにした紙幣を発行しましたが、モンゴルの経済が経済成長を続ける過程で、銀の保有が不足し、1287年に「至元通行宝鈔」という銀の交換を前提としない紙幣を発行しました。モンゴルの「至元通行宝鈔」は人類初の不換紙幣で、貴金属の裏付けがない紙幣となります。
金本位制の歴史でいえば、1689年に勃発した第2次100年戦争で、英国が1815年にワーテルローの戦いでナポレオンを亡ぼし、英国は、その翌年1816年に貨幣法を制定して金本位制を法的に整備しました。
その後、1929年にウォール街株式暴落事件で、日本の高橋是清大蔵大臣は1931年に金本位制を捨てて積極財政に転ずるなどした後、1944年に世界はブレトンウッズ体制の元、金ドル本位制になります。
そして1971年にニクソンショックを経て、現在の管理通貨制度に至っています。
税金の役割を管理通貨制度という側面から見た場合、経済を調整する為に存在するともいえます。
通貨の供給量を増やした場合、インフレになりやすくなります。もちろん通貨の供給量を増やしただけでは、インフレになりません。インフレ・デフレは、需要の過不足によって物価変動が生じるものであって、通貨の供給量を増やすだけではインフレになりませんが、インフレになりやすい環境を作ることは可能です。
通貨の供給量を増やして、財政出動を例えば1000兆円1年でやるとなれば、需要>供給の差が大きすぎて高インフレの状態になります。
その時のインフレ率が高くて、それを放置するとバブルが発生する可能性はあり得ます。
通貨を供給しすぎた場合、その通貨を回収しなければならないとなれば、金融政策で「国債の売りオペレーション(国債を市中に売却して現金を吸い上げる)」や「法定準備預金の利率の引き上げ(貸出の抑制のために準備預金の利率を引き上げる)」という方法の他に、増税によって市中に流通する通貨を回収するという方法があります。
いずれもマネーストックを減らす行為であり、インフレを抑制することが可能です。
政府は通貨を供給し、その代わりに租税という方法で一部の通貨を回収する。そうやって国内の景気の状態をコントロールするのが税金の役割という考え方もあるのです。これは税金の目的の一つのビルトインスタビライザー機能と呼ばれるものです。
管理通貨制度という側面で見ても、税金の役割は、財源確保ではなく、経済を調整する手段、マネーストックという市中に出回っている貨幣量を調整する手段なのです。
景気がいいときは増税して日本国中に行き渡っている通貨を回収し、バブルが発生しないように景気の過熱を抑制します。景気が悪いときは減税して通貨を回収しないようにして、通貨の流通量を増やし、景気が良くなりやすい環境を作ります。通貨の供給量を増やすだけではインフレにならないことは、先ほども述べさせていただきました。
このように景気を調整する手段として租税というものが存在しているのですが、世界を見ると例えばEUのマーストリヒト条約や、ドイツが憲法に財政規律を入れていることなど、税金が行政を運営するコストの財源と思っていることが多い。
これは大なる勘違いで間違っています。世界中でこうした勘違いがあり、政策論争をすると「ではその財源はどうするの?」という話になります。
管理通貨制度という側面で考えた場合、政府が使う財源は2つあります。
1つ目は国債の発行もしくは政府短期証券の発行です。前者は財政法第4条による4条公債(建設国債)、特例公債法による赤字国債、後者は財政法第7条による財務省証券(=政府短期証券)の発行です。
政府が負債を増やして資金調達するという行為は、国民に通貨を渡す行為であるため、国民を豊かにする方法といえます。
2つ目は国民から通貨を吸い上げる租税です。
政府というのは、この2つをうまく組み合わせて財源を設定するというのが、管理通貨制度における財政政策の基本的な運営方法であるといえます。
ところが今、コロナ対策の専門家会議メンバーの連中を見ていると、租税で全部回収しなければならないと思っている人が多い。というよりも、多くの日本国民もまた誤解している人が多い。
政府の方針のプライマリーバランス黒字化とは、租税の収入の範囲内で行政運営コストを賄わなければならないという考え方ですが、この発想は今まで述べてきた通り、完全に間違っています。
「行政運営を賄うために税金を払わなければならない」という言説は、国家の財政を家計簿運営、企業経営になぞった言説であるため、誤解しやすいのです。
例えば「収入が100万円しかないのに118万円も消費している家計は、18万借金していることになるので、いつか家計が破綻しますね!」と説明されたら、「それはダメだね!」と誤解してしまいます。
国家の財政運営と家計簿運営・企業経営は一緒に考えてはいけません。政府が借金を増やすという行為は、通貨を発行して国民を豊かにする行為であり、そのことを政治家、官僚、国民に知ってもらい、行政運営を賄うコストではないということを理解していただきたいと私は思います。
というわけで今日は「租税は財源確保の手段ではなく、経済を調整する手段でもある!」と題して論説しました。
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皆さんは、池上彰という人物をご存知かと思います。私は公人として池上彰氏は全く信用ができない嘘八百をメディアを通じて垂れ流している人物として、非常にネガティブに捉えています。
その池上彰氏が、GWの5/2(土)20:00放送の「池上彰のニュース 新型コロナのお金問題 借金大国の日本の対策」という番組に出て、コロナ対応における経済対策の財源について論じていました。
番組の中で、コロナの経済対策で第2次補正予算で決まった全国民への一律10万円支給について、後で国民が返さなければならないという発言があり、これは看過できないミスリードです。
そこで今日は「池上彰の”一律支給された10万円は国民が後で税金で返さなければならない”という説明のウソ」と題して論説し、池上彰氏の問題がある3つの言説について論じたいと思います。
5/2放送の池上彰氏の問題発言3つは次の通りです。
1.コロナ対策のお金、例えば一律10万円給付はどこから出てきているのか?
2.政府はどうやって借金をしているのか?
3.政府の負債は私たちの子孫が返済しなければならないというウソ
上記の3つについて問題点を指摘いたします。
1.コロナ対策のお金、例えば一律10万円給付はどこから出てきているのか?
みなさんは、一律10万円給付のお金は、どこから出ると思うでしょうか?
国民全員に一律10万円給付することを盛り込んだ2020年度補正予算案は、4/27に法案が可決・成立し、新聞各紙は事業規模117兆円で新たな国債の発行は25.7兆円と報じました。
池上彰氏は番組の中で、25.7兆円の借金を「家計に例えると・・・」として、収入が100万円で支出が100万円だった家計が、今回26万円急な用立てが必要になったなどと説明しています。
そもそも国家の財政運営を家計に例えること自体が間違いであって、日本政府には通貨発行権があり、家計には通貨発行権はありません。
2.政府はどうやって借金をしているのか?
政府が負債を増やす仕組みは、財政法第4条による4条公債(建設国債)、財政法第7条による財務省証券(政府短期証券)、特例公債法による赤字国債の発行で、政府は負債を増やします。
上記いずれの方法にせよ、政府が負債を増やした場合、反対側で必ず国民の預金が増えます。
今回、一律10万円給付で、確かに政府の負債は増えましたが、その分、全国民の預金が増えます。
また医療崩壊を防ぐためにコロナ対応の病床を増床させるために医療機関に600万円支給すれば、一時的に医療機関に従事する人が600万円預金が増え、その預金は医療機関は増床するための設備投資をしますので、設備投資業者に従事する国民の預金に変わります。
学費に苦しむ学生に対して一律10万円給付するとすれば、一時的に学生の預金が10万円増え、受け取った10万円を学費に充当することで学校側、教育に従事する人らの預金に変わります。
以上、負債を増やす財源は、集めた税金で支出しているわけではありませんし、後払いということで後で消費税率を引き上げるとか、コロナ税などの名目で増税するなどの必要もありません。
ところが池上彰氏は、政府の負債=国債とし、その購入原資は私たち日本国民の銀行預金であると発言しています。銀行は国民の集めた預金で貸付金を増やしているわけではありません。銀行は記帳するだけでお金を生み出します。それこそがバンク機能、信用創造機能と呼ばれるもので、生命保険会社、損害保険会社、リース会社、消費者金融・商工ローンと呼ばれる金融機関は信用創造機能を持たないがゆえにノンバンクと呼ばれます。
ノンバンクは各事業者が保険料や銀行からの借入や社債発行、株式を上場しているのであれば増資などでお金を集め、それらを原資に貸出しをします。新たにお金を生み出す信用創造機能はありません。
バンク機能を持つ銀行とは、商業銀行のみならず、中央銀行の日銀もまた日銀当座預金というお金を創出することができます。
3.政府の負債は私たちの子孫が返済しなければならないというウソ
主流派経済学者らは、財政は税金で賄われていて、税金と予算の不足するものを赤字国債(特例公債)といい、借金だからあとで返さなければならないという発想で、表題の言説が出ているものと思っていますが、現実は異なります。
1000兆円の国債残高をゼロにするというのは、国民の預金をゼロにするということで、お金を1000兆円吸い上げることになります。マネーストックをゼロにするということで、確実に国家が破綻します。
1000兆円の国債をゼロにしなければならないと思っている人は、そもそもそこの認識が間違っています。政府の負債、即ち国債の残高とは何なのか?といえば、国家が通貨発行したお金の金額の控えでしかありません。
過去累積で1000兆円通貨発行したとするならば、国民側に1000兆円の預貯金が渡ったということを意味し、それ以上でもなければそれ以下でもありません。
以上3つ問題点を指摘しました。
銀行が買う国債の購入原資は日銀当座預金なのですが、これは日銀が過去発行した国債を商業銀行から買い取っているものであって、国民の銀行預金で買っているのではないのです。
池上彰氏が、これを知らずに銀行預金で国債を買っていると発言しているならば、完全な勉強不足・知識不足で、まるで白痴と言わざるをえませんし、知っていて発言しているならば、悪質なウソ吐きです。
また26兆円もいずれ返済しなければならないと説明していましたが、過去、3.11東日本大震災の復興費用をまかなう復興費が約11兆円かかるということで、2011年〜2037年の25年間、所得税2.1%を徴収していることを例に出し、今回のコロナ対策では、消費税を1%UPすれば、2.5兆円の税収が増えるので、10年間1%UPを継続すれば、25兆円の返済が可能とし、あたかもコロナ増税が必要であるような言い回しをしていました。
さらに、いずれ私たちの子孫が返さないといけない・・・という言説も全部デタラメです。
池上彰氏の言う通り、増税してそのお金で国債残高を減らすとなれば、それは国民の試算の減少を意味します。国債の発行は貨幣の供給であって日本国民の資産なのです。
ずっと返済しなくてもいいのか?といえば、返済する必要ないというのが正解です。
ところが池上彰氏は、コロナ対策で新たに生まれた借金は返済する必要があるわけではなく、今後物価が大きく上昇した後に返済すればよいとも述べていますが、そもそも復興増税自体も間違いであり、そもそも東北地方の復興で用立てしたお金も返済は不要であるということです。
というわけで今日は「池上彰の”一律支給された10万円は国民が後で税金で返さなければならない”という説明のウソ」と題して論説しました。
政府と家計は全く別物であるということ、銀行が国債を買うのは国民の預金ではありませんし、コロナ対策で用立てしたお金も後で税金で返す必要は全くありません。
経済や貨幣について正しい知識を持たない限り、正しい政治判断ができず、国民がますます苦しむことになってしまいます。
私はたとえ憲法第21条で言論の自由、報道の自由、表現の自由が保障されているとはいえ、日本のマスメディアがウソ・デタラメを垂れ流すこと、池上彰氏のような著名人がウソ・デタラメの言説を公然とあたかも正しいかの如く振り撒くことは許されないことと思いますし、発言を訂正していただきたいものと思います。
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今日は、公人である慶応大学経済学部教授の土井丈朗氏の言説を取り上げ、「慶応大学教授の御用学者、土井丈朗氏の屑っぷり」と題して論説します。
皆さんは土井丈朗という経済学者をご存知でしょうか?
土井氏は経済学者の一人で、日本経済新聞の毎月最終土曜日の朝刊に連載している「経済論壇から」と題した論壇時評を執筆している方です。
いわゆる御用学者と呼ばれる人で、東京大学の伊藤元重氏、伊藤敏孝氏、吉川洋氏らと同様、緊縮財政を支持し、景気がどうなっていようとも、消費税率を引き上げることを是とする連中です。
土井氏は、公明党の圧力で急展開となった全国民への一律10万円給付について、財政破綻を理由に批判的な論説を表明しています。
財政破綻するから10万円払うのはいかがなものか?という趣旨の言説は、いうなれば「今コロナの状況で人が死んでいったとしても、将来財政破綻するから政府は日本国民を資金面で助ける必要はなく、金のないヤツは死んでも仕方がない。」と言っているのと同じです。
人殺しに手を貸しているのと同じであり、殺人者と言っても過言ではありません。
そこまでして財務省に篭絡されたいのか?と私は思います。
仮にも土井丈朗氏にお金が全然なかったとして、その10万円で生きるか死ぬか?が決まるという状況だった場合、それでも財政破綻を理由に10万円の受け取りを拒否するのでしょうか?
というよりそもそも財政破綻はしません。100%内国建て通貨による政府の負債しか抱えていない日本政府が財政破綻する確率は”極めて低い”ではなく、”確率0%”です。
財政の信認とやらで国債が暴落しても、日銀が買い取って”はい!おしまい!”です。
しかも篭絡されたく思っている財務省ですら、ホームページ上で財政破綻しないと言い切っています。
それでもずっと緊縮財政を是としてきたため、今さら「ゴメンナサイ!過去の私の言説は間違っていました!」と言えないということなのでしょうか?
ガリレオが天動説を唱え、地動説支持者らに命を狙われるなどということがありましたが、結果的に多数派だった動説は間違っていました。
また19世紀半ばのセンメルヴェイス・イグナーツという医者を聞いたことがあるでしょうか?
センメルヴェイス・イグナーツの話は有名なセンメルヴェイス反射と呼ばれる話です。
この話はドイツのウイーン総合病院でお産をしたお母さんが産褥熱という病気で死んでしまうという状況があり、医師が不足して助産婦らがお産をすると死なないのに、医師がお産をすると産褥熱で死ぬという事象をセンメルヴェイス・イグナーツは、医師の手から何か出ているのでは?という仮説を立てました。当時は細菌という概念がなかったため、原因がよくわからなかったのです。
そこでセンメルヴェイス・イグナーツは医師に手を洗わせたら、産褥熱で死ぬお母さんが激減しました。そこでその仮説が正しいと考え、上司の医師に手洗いの重要性を説いたものの、医師らから反対されました。
なぜならば不都合な真実、汚れた手でお産をしていたことで、今まで産褥熱でお母さんが死んでいたのは、自分たちが殺していたことになってしまうからです。
そのため、センメルヴェイス・イグナーツは幽閉され、彼の仮説が公になることはありませんでした。その後、フランスの化学者パスツールによって細菌の存在がわかり、センメルヴェイス・イグナーツの主張が正しかったことが判明し、手洗いの重要性というのが広まりました。
土井丈朗氏は、日本経済新聞の論壇時評など、財政破綻論を論じてきた学者であり、日本が財政破綻することはあり得ず”確率0%”という真実は、彼にとっては不都合な真実であるといえます。
そして、コロナ騒動発生前に、彼は医療崩壊につながる適正病床を説き、公的・公立病院の再編・統合を財政の側面から主張していたのです。
土井氏は2019/12/12に読売新聞の朝刊で自身がインタビューに答えていて、翌日の2020/12/13に、その内容についてツイッターでツイートしました。そのツイートの内容は、病院の再編・統合を主張していた内容だったのですが、コロナ騒動て安倍首相が緊急事態宣言を出した2020/04/08に、ツイッターを書き換えていたのです。
下記は経済評論家、三橋貴明氏のブログの抜粋です。
『新世紀のビッグブラザーへ 2020/04/24 07:00 土居丈朗と政府貨幣発行残高
(前略)さて、疫病と恐慌に同時に襲われ、財政拡大必至の日本国において、国民意識皆無の財政破綻論者たちは、いくつかのパターンに分かれました。
1.とりあえず頭を低くし、
「財政拡大やむなし。但し、将来的には税収で返済する必要がある」
と、嘘八百を広め、将来の反転攻勢に備える。2.財政破綻論を理由に、国民の選別を言い出し、ルサンチマン・プロパガンダで自らの政治力強化を図る3.財務省への忠誠心を示すため、現時点から財政破綻論を煽る。但し、過去のツイッターを消し、フォローのツイートをするなど、情報工作は忘れない。例えば、『土居丈朗 @takero_doi 12月13日
https://twitter.com/takero_doi/status/12056379967598100482019/12/13
読売新聞昨日の朝刊の[論点スペシャル]公立・公的病院の再編・統合に、「適正病床で医療費抑制◇慶応大教授 土居丈朗氏」として、私のインタビュー記事が掲載されました。財政学の立場から、地域医療構想とその後について言及。』というツイートを消去し、『土居丈朗 @takero_doi 4月9日
https://twitter.com/takero_doi/status/1247974947302989824
読売新聞昨年12月13日朝刊の[論点スペシャル]「適正病床で医療費抑制◇慶応大教授 土居丈朗氏」の私のインタビュー記事。誤読に注意。削減だけでなく東京など都市部で増床と再編を求めた地域医療構想の推進を主張。地域医療構想には感染症病床は含まない #医療従事者に感謝 https://bit.ly/TYK200406』に差し替える。ね? わたくしがこの連中を「人間の屑」と呼ぶ理由が分かるでしょ。
特に、わざとらしくラストに「#医療従事者に感謝」のハッシュタグをつけているところなど、まさに「私は屑です」宣言で、怖気震いますわ。土居丈朗、お前の緊縮財政、病床削減路線のせいで、現場の医療従事者が死ぬ思いをしているし、実際に日本国民が死んでいるんだよ。(後略)』
公立・公的病院の再編・統合を主張していた土井氏にとって、コロナ騒動により、医師、看護師、病床数が不足しているという状況は、大変不都合な真実です。
なぜならば土井氏は、財政の問題があるから病院の数を減らすべきというのが彼の主張であり、それは国民を敵に回して批判を受ける可能性があったからです。
三橋氏のブログでは、書き換えたツイートに、わざとらしく「#医療従事者に感謝」などとつけているのを、猛烈に批判しています。本当に感謝しているのでしょうか?ということです。不都合な真実があるから、そう書き換えたのでは?と疑わざるを得ません。
だいたい医療というものは、準公共調達のビジネスであり、利益を追求する必要がなく、儲けてはいけない業種です。
平時の時は、余裕があるくらいでよく、むしろ医師、看護師がヒマな状況というのは、病気になった人、ケガした人が少ないということで、望ましいことです。
しかし今回のようなコロナのようなパンデミックになったら、余裕のキャパシティで患者を受け入れ、医療崩壊を防ぎます。
何が言いたいか?といえば、平時の時のヒマ、無駄は、緊急時には余裕のキャパシティということになります。
多くの日本国民は土井丈朗氏らの財政破綻の言説に騙され、無駄な病院は削減するべきだ!として、病院削減に反対してこなかったのです。それだけではありません。医療介護費の診療報酬についても引き上げていかなければならないものを、医療費を削減しないと財源が枯渇するというこれまたウソの話に騙され、今も騙されて税金を広く集めなければなどと考えている人が多い。
なぜこうした言説を一般人が受け入れてきたか?といえば、土井丈朗氏らに代表される経済学者が、日本経済新聞などのマスコミを使ってそのような言説を振り撒いてきたからです。
果たして土井丈朗氏は、今後も財政破綻を主張し続けるのでしょうか?
最近は、日本が財政破綻しないということを理解している日本国民が少しずつ増えていますし、現金給付一律10万円では不足するといった声や、粗利益補償すべきと言った言説もあります。
そうした中、今後土井氏が取るであろう行動としては、三橋氏が指摘する通り、以下の?〜?となるでしょう。
?財政拡大はやむを得まい。ただし将来は税収で返済する必要がある
?財政破綻論を理由に国民の選別を言い出し、ルサンチマン・プロパガンダで自らの政治力強化を図る
?財務省への忠誠心を示すため、現時点から財政破綻論を煽る。但し、自分自身に都合の悪い過去のツイッターを消し、フォローのツイートをするなどの情報工作は忘れない
?は、そもそも税収電返済は不要です。スペンディング・ファーストを知らないの?ということで、土井氏が白痴者であることが判明します。
?は、元大阪都知事、大阪市長の橋下徹がよく使う手法で、国民を分断し、選別するというナチスドイツと同じやり方ですが、この可能性は低いか?と。
?は、既にツイッターを訂正している通りで、土井氏は既に?の行動をとっています。
修正前のツイートと、修正後のツイートを確認しておきましょう。
<修正前のツイート>
<修正後のツイート>
というわけで今日は「慶応大学教授の御用学者、土井丈朗氏の屑っぷり」と題して論説しました。
〜関連記事(御用学者・間違いを認めないエリート)〜
◆エリートと呼ばれる人が正しい経済・MMT理論を理解できない理由
◆財政規律ガーとか言って、国債発行を躊躇させる輩は、人殺しと同じです!
〜関連記事(MMT理論・銀行のビジネスモデルについて)〜
◆”MMT理論よ!お願いだから、引っ込んでくれ!”と恐れる構造改革論者と緊縮財政論者
◆政府支出を拡大すればインフレ率が抑制できなくなるという言説に対する反論
◆公共事業などの政府支出は銀行預金で借りているわけではありません!
◆日本には財政問題は存在せず、金融緩和だけでは景気が良くなるわけがありません!
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今日は「設備投資を促そうとするならば研究開発費減税の厳格化ではなく法人税率の引き上げをやればいい!」と題して論説します。
与党の税制調査会で、令和2年の税制改正で、研究開発費減税を厳格化する運営とする方向にする旨が協議されたことが報じられました。
下記は産経新聞の記事です。
『産経新聞 2019/11/26 20:39 法人税優遇の適用厳格化 政府検討 企業に投資促す
研究開発費に応じて企業の法人税の納税額を軽くする「研究開発税制」について、政府・与党が、適用条件を厳しくすることを検討していることが26日、分かった。設備投資額を減価償却費の1割超としている基準を引き上げ、投資に消極的な企業には実質的な増税とする。令和2年度の税制改正では、企業のM&A(合併・買収)を促す減税措置が焦点となっており、「アメ」と「ムチ」を組み合わせて、企業の積極的な投資を引き出す。
与党の税制調査会で協議し、2年度の与党税制改正大綱に反映させる方針だが、与党税調の幹部の中には、業績が悪化している企業が増えていることなどから「生産性の低下につながりかねない」との声もあり、今後、詳細を詰める。
研究開発税制の優遇を受けるには、従業員の賃上げや国内への設備投資額で一定の条件を満たす必要がある。だが設備投資の基準は低く、大半の企業がクリアできることから、見直しの必要性を指摘する声が上がっていた。一方、多額の投資をすることで恩恵を受けている企業も多く、設備投資額の基準を大幅に引き上げた場合、経済界の反発も強まりそうだ。』
上記産経新聞の記事の通り、研究開発費減税の適用を厳格化するとのこと。政府の目的は企業に投資を促すこととしています。
具体的には、現行の設備投資額を減価償却費の1割超としている基準を引き上げ、投資に消極的な企業に実質的な増税をしようということなのですが・・・。
はっきり言います。企業に設備投資を促すのであれば、法人税率を引き上げればいいのです。
消費税が消費に対する罰則課税であり、消費すればするほど課税されるという消費を抑制することが目的であるのが消費税であり、高インフレなどでインフレ率を抑制したい場合などに有効です。
それに対して法人税は、利益に対する罰則課税であり、利益を出すくらいならば、研究開発費などの投資は言うまでもなく、人件費やその他経費をたくさん使ってください!ということなので、投資と消費が増えます。
企業すべてに法人税率の引き上げを行ったうえで、研究開発費減税を厳格化するならば、まだ理があります。本当に投資をしない内部留保ばかり貯め込む企業に対しては、たくさん増税をすればいいのです。
儲かった利益を研究開発費に回さなかった企業は増税になるとなれば、例えば利益のうち1割でも投資すれば減税、2割投資すればさらに減税、3割投資すればさらに減税・・・となります。
にもかかわらず、法人税率はそのままで、研究開発費減税を厳格化するとなれば、研究開発は進まなくなるだけではなく、投資が進まなくなるので、デフレ促進(経済成長を抑制)します。
デフレ脱却を掲げている安倍政権ですが、どうもやっていることはデフレを本気で脱却させようとは思っていないのでは?と疑わざるを得ません。供給力強化、国力強化につながらず、ただカネカネカネとやって率先して政府が緊縮財政をやり、企業にも内部留保を高めて筋肉質な財務体質を・・・などというのは、資本主義の否定に他ならず、研究開発費が減少すれば、企業の競争力はむしろ低下するだけです。
株式投資の自己資本比率を高めるなどという言説もまた資本主義を否定しているに他ならず、インフレになれば他人資本を入れて投資をして、成果が出ればROEが上昇するとなるわけですが、どうもこうした思考回路にならない日本人が多いと思われ、デフレ脱却を困難にしているのでしょう。
というわけで今日は「設備投資を促そうとするならば研究開発費減税の厳格化ではなく法人税率の引き上げをやればいい!」と題して論説しました。
表題とはテーマが異なりますが、資本金が1億超の大企業の交際費減税措置は、2019年度末に廃止にする方向であることも報じられています。これは例えば銀座の繁華街や、祇園の繁華街など、困る人がたくさんいるはずです。
研究開発費減税の厳格化も、交際費減税措置廃止にしても、内需拡大どころか内需を縮小させるデフレ促進策ばかりであり、日本の未来は暗いものとなっていくことでしょう。
残念ながら安倍政権が長く続けば続くほど、少しずつ日本がダメになっていく、そう思わざるを得ないのですが、だからといって、他の人が総理大臣をやっても同じことでしょう。
多くの人々が経済についての正しい知見を持つこと、これ以外に政策転換することは難しいと私は思っています。
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今日は「”景気は底堅い”と嘘八百を言い続けて失政により貧困化している事実に目を背ける安倍政権」と題して論説します。
私は数年前から、日本が貧困化しているのでは?と思った事象があるのですが、それは若者が車を乗らなくなったこと、電車の車中や街中でディスプレイが割れたスマートフォーンを使っている若者をよく見かけること、この2つです。これらを見るたびに、日本の貧困化が進んでいるのでは?と思うようになりました。
皆さんはどう思われるでしょうか?
よく有識者とか呼ばれている人ら、「最近の若者はゲームばかりで車に興味を持たない」と偉そうに発言をする人がいます。若者は車に興味を持たないのではなく、お金がないから車が買えないということを、彼らは微塵にも思ったことはないのではないでしょうか?
特に都内に住む学生らからみれば、地下鉄や鉄道網のインフラが世界で比較してもずば抜けて整っていることもあり、別に車を必要と感じないと思う学生が多いということもあるかもしれません。
しかしながら、そこにはお金の問題が絡んでいることは明白ではないでしょうか。
免許証を取得するには20万円以上かかり、さらに車を持とうと思えば、駐車場代や税金や保険など、相当の出費が発生します。
バブルを経験した世代や、バブル崩壊後も1997年の構造改革基本法制定による緊縮財政が始まるまで、日本が経済成長していた時代に社会人経験をし始めた人ら、貧困化した日本という事実を知らない人も多いのではと私は思います。
下記の表とグラフは、平成13年度末と平成29年度末で、免許証の取得者数の推移を示したものです。
<年齢区分別 運転免許証取得者数の推移>
(出典:警察庁の免許証取得者数と、総務省の人口統計から引用)
上記折れ線グラフを見ていただきたいのですが、若年層の人口減少という状況はあるものの、取得者数の割合が減少している点に注目していただきたく思います。
20歳〜24歳 82.9%→75.8%
25歳〜29歳 92.1%→87.9%
20代の数字を見てわかることは、人口減少のスピード以上に免許証取得者数減少のスピードの方が多いため、割合が減少しているのです。
他にも実際に貧困化を示す指標は、いくつもあります。
下記はカオナビというサイトから数字を引用したものです。
企業が労働者に支払った給与総額
1999年:217兆円 → 2009年:192兆円(▲25兆円)
労働者の平均年収
1999年:461万円 → 2009年:406万円(▲55万円)
正社員採用数
2000年:74.0% → 2010年:65.6%(▲14.4%)
また国士舘大学の小浜逸郎教授によれば、2015年度のOECD加盟国34か国中、日本の相対的貧困率は29位であることに加え、1995年には世帯収入の中央値が550万円のところが、2017年には423万円にまで減少。金融資産ゼロの世帯は3割を超えています。
<貯蓄ゼロ世帯割合(%)>
(出典:山本太郎事務所から引用)
上記の通り、貯蓄ゼロ世帯の割合も2012年→2017年で、大幅に増加しています。
決して安倍政権だけが悪いとはいいませんが、1997年の構造改革基本法以降、デフレを放置してきたのは事実であり、特に安倍政権になって以降は、2013年度を除いて、緊縮財政による実質賃金と実質消費の下落により、貯蓄ゼロ世帯の割合の増加したと言えるのではないでしょうか?
<2015年の実質賃金を100として指数化した実質賃金指数の推移>
(出典:厚労省のホームページの毎月勤労統計の資料の数値を引用)
少なくても安倍政権が目標に掲げる物価目標2%は達成されず、デフレが続いているということは、消費者物価指数の推移(下記グラフ)を見ても明らかです
<消費者物価指数(コアCPI、コアコアCPI)の推移>
(出典:総務省のホームページ「e-slat」から引用)
またデフレ放置に加え、労働市場の流動化と称して非正規雇用を増やすことができる、経営的には損益分岐点を左下にシフトできる規制緩和が、派遣業法改正以降ずっと続けられてきたこともあり、職を失う人、職に就けない日本人が続出。仮に職に就いたとしても低年収の人、あるいは非正規社員という雇用が不安定な人が増加していて、今もなお現在進行中の状況です。
非正規雇用では、雇用期間が最長でも1年と不安定なうえに、社会保険が不十分であったりします。2018年4月に規制が強化されて、無期転換ルールが開始されたものの、無期転換ルール開始前に企業から労働契約を打ち切られる「雇い止め」が増加して、生活に困窮している労働者も増加しました。
<年収200万円以下のワーキングプアと呼ばれる層の推移>
(出典:国税庁の民間給与実態統計調査の1年を通じて勤務した給与所得者について集計したもの)
ワーキングプアと呼ばれる層は、安倍政権になってからも1,100万人超を推移し続けています。
私は公務員を増やすべきだ!という立場で論説することも多いのですが、実は公務員にも非正規雇用が増えています。小浜逸郎氏(前述)によれば、地方公務員では11年間で秘跡雇用の公務員が4割増加し、全体の3分の1を占めるとのこと。しかも正規雇用の地方公務員の平均年収が660万円のところ、非正規雇用の地方公務員は207万円程度ということで、ワーキングプアすれすれの状況で彼らにはボーナスもなければ昇給もないとのこと。それだけにとどまらず、産休や看護休暇や交通費すら認めないとする自治体もあるようです。
これでは地方経済が疲弊するのは、もはや当然の帰結と言えるでしょう。その象徴として、今年10月1日の消費増税を目前の9/30までに閉店した百貨店は10店舗以上あります。
こうした中、国内の子どもの6人〜7人に1人が貧困状態にあるとされ、2012年から子ども食堂というのが全国で開設されています。
下記は日本経済新聞の記事です。
『日本経済新聞 2019/06/27 10:14 子ども食堂1.6倍に 3700カ所、6校に1つ
子供に無料か低額で食事を提供する「子ども食堂」が全国で3700カ所を超え、昨年比で1.6倍に増えたとの調査結果を支援団体が26日、公表した。どれだけ普及しているかを表す指標として、小学校数に対する食堂数の割合(充足率)も算出。都道府県平均は17.3%で、小学校6校に食堂が1カ所ある計算となった。最も高い沖縄(60.5%)と最も低い秋田(5.5%)では大きな開きがあり、地域差も明らかになった。
子ども食堂は地域のボランティアらが運営。低所得や親の帰宅が遅い家庭の子供向けに2012年ごろ始まり、全国に広がったとされる。住民の交流拠点としての役割を果たすことも多い。
調査はNPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」(東京)と全国のこども食堂地域ネットワークが実施。都道府県ごとに今年5月までの状況を集計した。
食堂数は3718カ所を確認。秋田を除く46都道府県で、昨年の調査から計1400カ所以上増えた。最も多かったのは東京の488カ所で、大阪336カ所、神奈川253カ所が続いた。最も少なかったのは秋田の11カ所。全国の年間利用者数は推計で延べ約160万人。
全ての子供が利用しやすくするには、小学校区単位で食堂があることが望ましいとして、小学校数に対する充足率も算出。高い順に沖縄60.5%、滋賀52.5%、東京36.6%だった。低かったのは秋田5.5%、青森5.6%、長崎7.0%の順だった。
むすびえの湯浅誠理事長は「子ども食堂には貧困家庭の子供だけが食事する場所との誤解があるが、交流拠点としても機能している。地域の女性を中心に関心は高く、取り組みやすい雰囲気が出てきたことで、増えたと思う」としている。』
これだけ貧困化が進んでいる指標や記事が出回っているにもかかわらず、内閣府は「景気は底堅い」などと発表をしていて、マスコミも”いざなぎ越え”と好景気であることを報じています。
<主要国のGDP伸び率>
(出典:世界経済のネタ帳から引用)
1996年と2016年のGDP成長率でみれば、ケチケチのドイツですら1.4倍になっているにもかかわらず、日本だけが1.0倍と10年間足踏み状態。先進国の米国ですら2.3倍で、トランプ政権になってからは経済はさらに絶好調で、実質賃金は年率換算で2.8%増です。
1995年には、世界のGDPに占める日本のシェアは17%に達していたのですが、現在は2018年には6%以下に落ち込んでいます。
内閣府に限らず政府関係者や、経済学者やエコノミストやアナリストら、国会議員らも含め、これらの指標は誰でも見ることができます。
にもかかわらず、そうした有識者と呼ばれる連中は、東京の場合は「銀座は人が大勢いる」とか「渋谷は活気がある」など、沖縄でいえば「国際通りは人が大勢溢れている」、大阪でいえば「インバウンドが絶好調」などといって「日本は景気が良い」という認識でいるので、あまりにもアホらしくなるのです。
私は都内に住みますが、今年ゴールデンウィークに訪れた欧州視察で、ロンドンの物価、パリの物価が高かったことに驚きました。何しろ屋台で売っているホットドッグは、3.5英国ポンド(日本円で約500円)、500㎖ペットボトルのペプシコーラが3.4€(日本円で約419円)と物価が高く、私は日本が経済成長していないということを実感しました。
日本国内の一部の都市だけをみて、あるいは都内に住む人は、日本の貧困化というのがピンと来ないかもしれませんが、恐るべきスピードで貧困化が進んでいるという実態は、誰もがいろんな指標を通じて知ることができるのです。
というわけで今日は「”景気は底堅い”と嘘八百を言い続けて失政により貧困化している事実に目を背ける安倍政権」と題して論説しました。
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