JUGEMテーマ:アトリエシリーズ
グレイ「んっ?フィリス。裏口が開いてたぜ?」
フィリス「ホントですか!?」
ロビン「ディオンちは夕方には入れねえからな。時間を改めたら入れたぜ。」
クリフ「それはブログ内でしていい発言じゃないでしょ?」
フィリス「ま、まあなんにしろこれで歯車の修理方法がわかるかもしれませんね!」
グレイ「よし!さっそくアトリエに戻って錬金だな。」
フィリス「あちゃー!材料が足りませんね。」
ロビン「木と金属が足りねえのか…どこで調達すれば…?」
クリフ「金属なら乾いた平野帯の北西エリアでソウルストンを採取するといいらしいよ。ドナの木ならファーヴェ丘陵中の木を集めればいいだろうし。」
ロビン「そうか!でも、何で知ってんだ?」
クリフ「ディオンさんの机に材料の入手場所のメモも置いてあったのを見たから。」
フィリス「しっかりしてますね…わたしそこまで頭が回らなかった…。それでは、手分けして材料を集めましょう。」
グレイ「あいよ。金属は俺に任せとけ。」
フィリス「鉱石でしたらわたしも行きます!私には鉱石の声が聞こえますからきっと早く見つかるはずです!」
グレイ「おっと、そうだったな。んじゃ、一緒に来てくれ。リアーネとロビンとクリフはその辺で木でも集めておいてくれ。」
グレイ「すげえ…こんな水晶地帯があったなんてな。最初は気付かなかったぜ。」
フィリス「ここから鉱石の声がたくさん聞こえます。あの青い結晶の中にたくさん埋まってそうです。」
グレイ「よっしゃ。ソウルストンはいただきだぜ。」
フィリス「うん!これだけあれば大丈夫そうですね。」
グレイ「そんじゃ、ファーエ丘陵に戻るとするか。」
リアーネ「どう?フィリスちゃん。足りそうかしら?」
フィリス「うん!材料はそろったから、後は錬金するだけ!よぉぉーし!」
フィリス「できたー!!」
クリフ「そういえばディオンさんはどうだろう。材料、集め終えてるかな?」
ロビン「うーん。とりあえずアトリエに戻ればいいんじゃね?」
ディオンのアトリエ
ディオン「あ、フィリスさん!材料の方はしっかり集め終わったよ。」
フィリス「わたしも部品作り終わりました!」
ディオン「そうか、本当にありがとう…!よーし。早速風車を直しちゃおうか。悪いけど、風車の前まで来てくれるかな?そこで部品を受け取るからさ!」
グレイ「おう。またあとでな。」
ディオン「ふぅ…。これで、今度こそ大丈夫なはず…。」
フィリス「ディオンさん。私の部品、問題なかったですか…?」
ディオン「うん、バッチリ!ごめんね。僕がダメダメなせいで、迷惑をかけて…。」
フィリス「だ、ダメダメだなんて、そんな…。」
ディオン「いや…。今回だって、君に助けてもらわなかったら、どうなっていたことやら…でもね。こんな僕でも、試験には合格できたんだ。何度も落ちたけど、あきらめるのはイヤだったから。必死に勉強して…なんとか、ね。」
ロビン「…。」
ディオン「僕とは違って、フィリスちゃんは筋がいいから。あきらめなければ、きっと試験にだって合格できるはず!」
フィリス「え…。これって…?」
ディオン「公認試験の推薦状だよ。いろい手伝ってもらったお礼と、今後の期待を込めてね。」
フィリス「うわぁ…!ありがとうございます!」
グレイ「やったな!フィリス。」
ロビン「この調子であと2枚集めようぜ!」
クリフ「期限までまだ300日以上あるからさ。焦んなくても大丈夫そうだよ。」
リアーネ「後は、このブログの更新頻度をもうちょっと上げていただかないとねー。」
ロビン「お、おい…それは俺たちに言われても…。」
ディオン「あはは…僕ももっと錬金術を頑張るよ。今回は本当に、君に助けられっぱなしだったからね。いつか、どんな困りごとも一人で解決できるような…そんな錬金術士に、なってみせる!だから、フィリスさんも試験、頑張ってね!応援してるよ!」
フィリス「はい!頑張ります!」
]]>JUGEMテーマ:アトリエシリーズ
アスク城
蒼龍「フィリスちゃん…最近元気かなあ?」
アサギリ「ん…?ああ、そういえばしばらく会ってなかったな。元気でやってると思うけどね。今の作戦が片付いたら会いに行く?」
蒼龍「うん!行こう行こう!」
アサギリ「…お、フェーか。…クリフさんから?…へえ、今公認の錬金術師のいる村に到着したんだって。」
蒼龍「ホント?もしかして、順調に冒険が進んでる?」
アサギリ「さあ、どうかな。それで、今はメッヘンていう村にいるらしいよ。」
???
???「よし、これで部品は大丈夫。ちょっと形がいびつだけど、たぶん平気だろう…。あとは工具を忘れないように…。ああ、ねじも持って行った方が安心かな…。」
フィリス「あのー…。」
???「うわぁっ!?お、驚いた…。もしかして…お客さんかい?でも、ごめん!僕、今から風車を直しに行かなきゃいけないんだ。悪いけど、用があるならまたあとで!それじゃあね!」
リアーネ「行っちゃったわね…。どうするの?風車を直しに行くって言ってたけど…。」
グレイ「とりあえず風車まで行ってみようか?手伝えることがあんならそれだけ用事も早く済むだろうしな。」
???「ふぅ、これでよし、っと。ん?あれ、君たちはさっきの…。わざわざ来てくれたのかい?」
フィリス「わたしはフィリスです。錬金術士の公認試験を目指しております!」
リアーネ「私はリアーネと申します。フィリスちゃんの付き添いです。」
グレイ「俺はグレイだ。同じく付き添いってところだ。」
ロビン「俺はロビン。」
クリフ「僕はクリフ。一応僕も付き添い。」
ディオン「うん、みんなよろしく。それで…僕に何か用があったのかい?」
フィリス「はい。ディオンさんって公認の錬金術師なんですよね?よければ、わたしに推薦状を書いてもらえませんか?」
ディオン「あはは…。後任の錬金術師って言っても、ついこの間試験に受かったばかりなんだけどね。まあ、それはいいか。…で、推薦状だよね。書いてあげたいのはやまやまなんだけど…。一応、錬金術の実力を見ないことにはね。」
グレイ「…まあ、そうだよな?」
ディオン「そうだなぁ…いくつか課題でも出させてもらって…。」
一同「ディオン君!」
ディオン「わ、わーっ。どうしたんですか、皆さん。」
村の人A「村の近くに魔物が出たの!何とかしてきてくれない!?」
村の人B「うちの牛が逃げちまったんだよ!頼むから、探してきてくれないか?」
村の人C「果物が豊作すぎて、収穫が追っつかないんだ。悪いけど、手伝っておくれ!」
ディオン「え!?そ、そんないっぺんに言われても、えーっと…。」
クリフ「うーんとさ…。僕らでできることなら手伝うけど?そうでしょ?フィリス。」
フィリス「そ、そうですね!ディオンさん!わつぃ、いくつかお手伝いしますよ!」
ディオン「え…それは助かるけど…いいのかい?」
フィリス「はい、もちろんです!たぶん、手分けした方が早く終わると思いますし。」
ディオン「そうか、ありがとう!うーん、そうだなぁ…。グレイさんといったね。君は腕が立ちそうだから、僕と魔物退治の手伝いをお願いできるかな?」
グレイ「おう!」
ディオン「それじゃあ、あとのみんなは牛探しと収穫の手伝いを任せてもいいかな?」
フィリス「はい!わかりました!」
ディオン「うん、悪いけど、お願いするよ。じゃあね!」
グレイ「ロビン、クリフ。後は頼むぜ?」
ロビン「ああ。魔物にやられんなよ!」
村の人B「ディオンの代わりにすまないな…。お嬢ちゃんに頼みたいのは、うちの牛探しだ。村の近くに放牧場があるんだが、柵が壊れてたところから、逃げちまったみたいでな…。頼む!あいつが魔物に襲われないうちに、見つけてきてほしいんだ!」
クリフ「そうか。魔物が家畜を狙うんだね。それは急がないと…。」
ロビン「どこ行っちまったんだろうなー。」
村の人B「それがわかれば苦労しないんだが…。ん、待てよ…?逃げた牛は食い意地の張ったやつでな。干し草のにおいを、すぐに嗅ぎつけやがるんだ。だから、放牧場にいい香りがする干し草を置けば…あいつをおびき寄せられるかもしれん。ま、どうするかはお嬢ちゃんたちに任せるぜ。」
ロビン「うーん…解決策は二通りあるけど…とりあえず放牧地に置くための干し草を使ってみたらどうだ?」
フィリス「そ、そうですね。やってみます。」
クリフ「…よし、少し待ってみようか。」
ロビン「…ああ。」
リアーネ「…。」
フィリス「…。」
一時間後
フィリス「あっ、やった!牛さん来たよ、リア姉!」
リアーネ「本当に食い意地の張った牛だこと…。」
クリフ「ま、これでクエストは達成だね。」
ロビン「なあなあ、早く報告にいこーぜ!?」
フィリス「おじさん!牛さん、連れ戻してきましたよ!」
村人B「お、本当か?いやーありがたい!こいつは礼だ。とっときな!」
フィリス「わあ…ありがとうございます!」
ロビン「飲み物か?錬金術に使えそうだなあ。」
村人B「へへ…。また何かあったら、よろしく頼むぜ!」
クリフ「この調子で、もう一つのクエストもこなそうか。」
村人C「あなたがディオンの代りにお仕事をしてくれるのね。助かるわぁ…。うれしい悲鳴ってやるなんだけど、果物が鳴りすぎちゃって、収穫が追い付かないんだよ。あたしの果樹園は村の外にあるからね。できるだけたくさん、とってきておくれ。」
ロビン「収穫したものはどうすればいいんだ?」
村人C「それは、あたしに渡してくれればいいよ。それじゃ、よろしくね。」
フィリス「はい、わかりました!えへへ、いーっぱいとってきますね!」
クリフ「へえ…本当にたくさん…ラムの村にいたころはこんなの見たことがないよ。」
フィリス「えへへ…これくらいあれば、ちょっとくらいつまみ食いしても…。」
リアーネ「ごほん。」
フィリス「あ、あはは…。冗談だよ、リア姉…。食べたいのは我慢して、たくさん収穫するぞー!」
ロビン「さっきの牛より食い意地張ってるなー。」
クリフ「これに関しては正論だね…。それじゃあ、収穫を始めるよ。」
30分後
ロビン「もうそろそろいいんじゃね?」
フィリス「そうですね。これ以上誘惑に耐えられるかわかりませんし、早く行きましょう。」
ロビン「…本当に食い意地張ってんな…アサギリんとこの赤城観てえなこというぜ。」
村人C「どうだい?たくさんとれたかい?」
フィリス「はい!そりゃあもうたくさん!」
村人C「どれどれ…ああ、こんにあとってきてくれたのかい!いやー助かったよ!お礼に、少し持っていきな。うちのくだものは、みずみずしくておいしいから。」
フィリス「うわぁ、いいんですか!?ありがとうございます!」
ロビン「あっはは!よかったな!フィリス!お前ずっと食いたそうにしていたからな!」
フィリス「うぅ…それをここで言うのはやめて…。」
村人C「はっはっは。喜んでくれたみたいでうれしいよ。今回は本当にありがとね!」
フィリス「さてと。これで、ディオンさんに頼まれたお仕事は終わったよね。」
ロビン「ああ。グレイたちはうまくやったんだろうか…。アトリエに戻ってみようぜ?」
ディオンのアトリエ
ディオン「…やぁ、フィリスさん。仕事の調子はどうだい?」
フィリス「はい、ばっちり終わりました。ディオンさんたちはどうですか?」
ディオン「はは、こっちもなんとか倒せたよ。グレイさんがいなかったら倒せなかったかも…。」
グレイ「確かにあいつは手ごわかったぜ。ま、俺の方が強かったってことだ。」
フィリス「お疲れ様です。…ディオンさんって、立派ですよね。」
ディオン「は?僕が…立派?」
フィリス「はい!あんなに村の人たちから頼られてて。後任の錬金術師って、やっぱりすごいです!」
ディオン「いやいや、僕なんて、そんな。試験だって何度も落ちて、やっと受かった有り様だし…。いろいろ頼まれているけど、時間がかかったり失敗したりで、迷惑かけっぱなしだからね…。」
リアーネ「いえ。それでも、あれだけの数の頼みごとをこなしてるなら、立派だと思いますよ。」
グレイ「そうだぜ!あんま謙遜するんじゃないぞ!」
ディオン「あはは…。そう言ってもらえると嬉しいな…。あ、そういえば推薦状だったよね!えーっと、さっき手伝ってもらったこともあるし、課題は簡単なものに…。」
村人A「ディオン、大変だ!なんだか、風車の様子がおかしいんだ!」
ディオン「え、なんだって!?おかしいな、直したばかりなのに…。わかった、すぐに行く!みんな、ごめん!話はまたあとでね!」
ロビン「あー。またこのパターンか…。また追いかけるか?」
フィリス「はい!もう一回風車に様子を見に行ってみましょう!」
グレイ「そうだよな。待っててもしょうがねえし。」
フィリス「ディオンさん!どんな感じですか?」
ディオン「ああ、フィリスさん。来てくれたんだね!風車なんだけど、困ったことになっててね…。どうやら、前に修理した時に僕が部品を作り間違えてたみたいなんだ…。」
ロビン「ええーっ!!」
ディオン「そのせいでほかの部分まで壊れちゃったらしくて…うー、どうしようかなぁ…。」
フィリス「ほかの部分まで…?それって、相当大変なことになってるんじゃ…。」
ディオン「うん…。部品を作り直すのは当然として、新しく壊れた部品の材料も集めないといけないし…。」
グレイ「それってかなり骨が折れるよなあ…。」
ディオン「うん…。まぁ、自業自得だし、仕方ないかぁ…。」
フィリス「ディオンさん。また、私のこと頼ってください!私にできることなら、何でもお手伝いしますから!」
ディオン「フィリスさん…!ありがとう!本当に助かるよ!よし。じゃあこうしよう。フィリスさんは、風車の部品を作ってきて?僕はこの間に、壊れた部分の材料を集めてくる。そうすれば、風車を直すことができるはずだ。」
フィリス「風車の部品作り…ですね。わかりました!」
ディオン「うん、よろしく頼んだよ。それじゃあね!」
グレイ「よっしゃあ!やってやるぜ!で、何を探せばいいんだ?」
フィリス「あ…そういえば、部品の作り方、教わってない…。」
ロビン「ええーっ!!それだけは忘れちゃダメだろ…。」
クリフ「仕方ない。これも試験だと思って一から考えるしかないね。」
フィリス「そうですね…どうしよう。」
グレイ「ディオンのアトリエに戻ってみたらどうだ?」
フィリス「! そうですね!」
グレイ「げっ、まじかよっ?…どうしたもんか…。」
]]>
JUGEMテーマ:アトリエシリーズ
前回のつづきから
ネタバレです
たまに誤字・脱字します。
それでもご了承の方はお進みください。
レッツ・ファンタジー!
もう一つのエンディング…
☆選択肢 中央に帰る
ロジー 「うーん。 さすがに、今までで一番悩むな…」
(ー_ー) やはりもとの職場に戻ろうか、ロジー。
ロジー 「探したぞ、エスカ」
エスカ 「あ、ロジーさん。
わたしもずっと探してたんですよ」
ロジー 「そうだったのか? だったらお互い、アトリエにでもいればよかったな」
エスカ 「あはは…。 そうですね」
ロジー 「…俺、中央に帰ることにしたよ」
エスカ 「…そうですか。 ロジーさんだったら、きっと向こうでも偉くなれますよ。
それに比べて、わたしは…」
ロジー 「何を言ってるんだよ。 今回の話だって、エスカやみんなが一緒に作ってくれたから
来たんじゃないか。
だからこれは、みんなの手柄なんだ。
俺一人じゃ、きっと何もできなかったよ」
エスカ 「そんなの、私も一緒ですよ。
ずっと二人で、頑張ってきたのに」
(ー_ー) すまん
エスカ 「…寂しくなっちゃいますね」
ロジー 「…そうだな」
ロジー 「でも、仕方ないさ。 お互い、ちゃんと独り立ちしないとな」
エスカ 「独り立ち…。 そうですね、いつまでも一緒にはいられないんですよね」
ロジー 「…ありがとう、エスカ。
お前と出会えて、本当に良かった」
エスカ 「わたしの方こそ。今までお世話になりました。
とっても楽しかったです」
ロジー 「落ち着いたら、手紙を出すよ。
きっと。お互いに話したいことが山程あるだろうしな」
エスカ 「はい! わたしもたくさん手紙を書きます。
離れてても、そうすればいつだって…」
ーアトリエ
ロジー 「よし、俺の私物はもうないな」
エスカ 「…もう、出発の日なんですね」
エスカ 「短い間でしたけど、たくさんのことを教えてくれて、ありがとうございました」
ロジー 「…ああ」
エスカ 「…えっと、どうかしましたか?」
ロジー 「あの、お、俺は…」
ーコンコン
マリオン 「準備できた?
そろそろ気球が出る時間よ」
マリオン 「って、お邪魔だったかしら」
ロジー 「…いえ、なんでもないです。 行きましょう」
エスカ 「あ、あれ? 何かいいかけませんでしたか?
ちょっと、ロジーさん!」
エスカ 「ロジーさん、忘れ物はないですか?」
ロジー 「…その確認、もう4回目だよ」
エスカ 「だ、だってその、色々あるじゃないですか!
絶対に忘れ物があるはずです!」
ロジー 「だから無いんだよ。
…もう出発なんだ」
エスカ 「う、ううう…。 でも、でもお…」
マリオン 「こら、ロジーくんを困らせないの。
…向こうでも頑張ってね、応援してるから」
ロジー 「今までお世話になりました、班長。
これまで会った中で、最高の上司でした」
(ー_ー) うわ、云ってみてえ
マリオン 「ちょ、ちょっとやめてよ。 そんな事言われたら、泣きそうになるじゃない…」
エスカ 「うわああん! マリオンさああん!」
マリオン 「ああもう、エスカちゃんまで…。
お願いだから泣かせないでよ…」
リンカ 「体に気をつけてください。
仕事が忙しくても、食事と運動は欠かさない方がいいでしょう」
ロジー 「ありがとうございます、リンカさん。
危険な任務もあるでしょうけど、お達者で」
エスカ 「う、うう…。 リンカさんはいつも通りなんですね」
リンカ 「これが永遠の別れというわけではありません」
エスカ 「ロジーさん、もう帰ってこないかもしれないんですよ?」
リンカ 「…本心を言えば、行ってほしくはありませんが。
それを云ってしまうと、ロジーが困ってしまうのではないですか?」
ロジー 「…そうですね。 困りますから、そうやって堂々と云ってくれて嬉しいです。
ありがとうございます」
マリオン 「でもね、リンカ。
そんな無表情のままじゃダメよ。 こういう時は、笑って見送らないと」
リンカ 「悲しい時に、どうやって笑顔になればいいのですか?
…これが自分の精一杯です」
ルシル 「ううう…。 ロジーせんぱ〜い…。 うぐっ、えぐっ…」
ロジー 「ははは、そんなに泣かないでくれよ、ルシル。
最後くらい、笑って別れよう」
エスカ 「ぐすん…。 ほら、ルシルちゃんも、何かロジーさんに云ってあげて…」
ルシル 「離れたくないです! ずっとみんな一緒がいいです! ううう…」
エスカ 「そ、それは云っちゃダメだよぉ…。
みんな言いたいのに…」
ルシル 「…本当に行っちゃうんですか?
本当の本当に?」
ロジー 「ああ、ルシルも頑張れよ。
お前なら、きっと街の人に好かれる、良い役人になれるさ」
ルシル 「…うわああん! やっぱり行っちゃいやです!」
エスカ 「うう…。 ダメダメ、ちゃんと切り替えないと!
ロジーさん! えっと、その、…お元気で」
ロジー 「…ああ、エスカもな。
短い間でしたが、お世話になりました。
それじゃ、行ってきます!」
エスカ 「…っ! ロジーさーん!」
ロジー 「ん…?」
エスカ 「わたし、立派な錬金術士になります!
ロジーさんがいなくても、何でも一人でできる、すごい錬金術士になります!
だから、ロジーさんも頑張ってください!
ずっとずっと、応援してますから!」
ロジー 「…まったく、みんなズルいよな。
あんなに泣かれたら、こっちも未練が残るじゃないか。
…ありがとう、エスカ。
お前も頑張れよ。 ずっと、応援してるからな」
(ー_ー) おおおおおこれで終わりかぁ…
ロジーは出世しそうだわ。 頑張れロジー!
]]>
JUGEMテーマ:アトリエシリーズ
フィリス「あれ、何だろう…?」
グレイ「火起こしでもしてたのか?」
リアーネ「火起こし…というよりは焚火ね。ちょうどいいわ。フィリスちゃん。あそこにアトリエを張ってみましょ。」
クリフ「いいかもね。あの場所で旅人が休んだってことは安全な場所なんだろうし。」
リアーネ「そう。ここなら、魔物に襲われる心配もないはずだから。」
フィリス「ああ、なるほどね…!わかった!早速張ってみる!」
アトリエ
リアーネ「はい、お疲れさま。せっかくだから、少し休んでいきましょうか。」
ロビン「おい、まだ始まったばかりだろ…。期間も限られてんだし、早いとこ先に進んだほうがいいんじゃね?」
フィリス「そうだよ、リア姉、早く先に進もうよ!」
リアーネ「ダーメ。休めるうちに休んでおかないと、いつか倒れちゃうわよ?フィリスちゃん、LPって知ってるかしら?」
フィリス「LP?」
リアーネ「簡単に言えばスタミナのことね。いくら体力に自信のある人でも、体力を使い続けていると疲れが溜まるでしょ?それと一緒で、フィリスちゃんがフィールドで行動するたびに、LPを消費しているのよ。」
グレイ「確かに、戦闘が続くとだんだん戦果が得られなくなったり、力が落ちたりするからな。俺も定期的に休むようにはしてるぜ。」
リアーネ「そうでしょ?戦闘以外でも、最初量が減ったりと、色んな所で悪影響が出るんだから。」
クリフ「疲れたらいっそのこと寝てしまうのもいいね。調合して気分転換してもよさそうだし。」
ロビン「んー。でも、あんまのんびりしても居られないよな…。フィリスはどうする?」
フィリス「そうですね…。」
グレイ「そんじゃ、あんたらの戦闘力を把握させてもらうぜ?その間だけ休んでおきな。ひとまず各々の限界を知る時間にしてどのくらい休憩を挟めばいいか逆算しよう。それでいいな?フィリス。」
ロビン「逆算って、お前算術使えるのか?」
グレイ「バカヤロウ!算術の問題じゃねえよ!要はLPがどこまで減ったら休むべきかを考えて基準を決めるんだよ。」
クリフ「今のフィリスのLPが100として…どのくらいで休む?」
リアーネ「そうね、半分を切ったら休ませてあげるべきね。」
グレイ「60辺りから拠点に戻ることにしようぜ。そんで、あんたら、どんなスキルを持ってる?」
フィリス「私はこんな感じです。」
ロビン「石つぶてを飛ばして敵の動きを鈍らせることができて、状態異常にもある程度強い…わかったぜ。リアーネさんは?」
リアーネ「ざっとこんな感じよ!」
グレイ「流石に狩りに出てるだけあってスキルが豊富だな。」
クリフ「疾風迅雷に近い戦い方をするんだね。僕らの世界で言うアーチャーに近い性能だけど…サポートガードってのは?」
ロビン「説明を見る限り、アスクの護り手戦法に近いな。庇う側はダメージが減る辺り特に…。」
リアーネ「そりゃあもちろん!フィリスちゃんに危ない思いはさせないわ!」
クリフ「ん?そういやフィリスの杖は回復には使えないの?」
フィリス「はい…。使えたとしても使う機会もありませんでしたのでやり方が分からないです…。」
グレイ「なるほどな。回復は今のところ完全にリアーネの応急処置と医者いらず頼みってわけか。錬金術なりショップなりで回復アイテムを確保しておきてえな。」
ロビン「それなら少し急いででも先に進むべきじゃね?」
クリフ「それじゃあ決まりだね。急ぐのもいいけど、資材の回収も忘れずに。」
グレイ「なんだありゃ?魔物か?」
フィリス「え?ま、魔物!?」
ロビン「でも、なんか強そうじゃねえか?」
リアーネ「ええ、私でも、勝てるかどうか怪しいわ。魔物に限ったことじゃないけど、街道を離れれば離れるほど、危ない事も多くなるの。」
クリフ「安全に旅をするなら街道を離れないほうがいいね。フィリス、今は離れよう。」
フィリス「うぅ…。わかりました。」
フィリス「うわぁ、すっかり暗くなっちゃった…。」
リアーネ「そうね、もう夜だもの。…エルトナだと、夜でもここまで暗くならないもんね。気をつけないと駄目よ?夜になると、動きが活発になる魔物もいるから。それ以外にも、夜しか取れないものが合ったり…。昼とは違うことがたくさんあるの。」
フィリス「そうなんだ…。えへへ、わたし、ワクワクしてきたよ。」
リアーネ「でも、夜更かしはお姉ちゃんが許しません。よるになったら、ちゃんと休むようにすること。いい?」
フィリス「はーい。」
グレイ「なあフィリス。試験を受けるためには推薦状ってのが3枚いるんだろ?」
フィリス「はい。公認試験に合格した錬金術師が書いてくれるそうですが…そんな人どこにいるんでしょう?」
クリフ「錬金術士も人だろうから辺鄙(へんぴ)なところにはいないと思うけど…。」
ロビン「集落にでも行ってみるのがいいんじゃねえか?」
リアーネ「それしかなさそうね。地道に頑張りましょう。」
リアーネ「…だったら、なんだって言うんですか?」
???「ふっ…。そんなに警戒するな。一つ聞きたいことがあるだけだ。」
ロビン「うわあ…キザな奴だなぁ…。」
グレイ「お前なあ、ちょっとは口を慎めよ。悪い、そんで聞きたい事って何だ?」
???「…騎士のような姿をした、骸骨の魔物を見たことはないか?」
フィリス「騎士見たいな…骸骨…?すみません、見たことないです…。」
???「…ならいい。忘れてくれ。ところで、その釜…。もしや、お前は錬金術士か?」
フィリス「あ、はい。一応…。」
???「そうか…。ならば、こいつを直せるか?」
フィリス「これは…何かのカギですか?折れちゃってますけど…。」
???「ああ。とても古いものらしくてな。俺が手に入れた時には、すでに折れていた。それで…どうだ?直せるのか?」
フィリス「…えっと。たぶんこれくらいなら、何とか…。」
???「…そうか。それなら任せたぞ。」
フィリス「えっ、あっ、ちょっ…。行っちゃった…。」
グレイ「何なんだ?変わったやうだな。突然来たと思えばカギだけ置いていきやがって…。」
クリフ「古いカギだって言ってたけど…大丈夫?」
フィリス「うん、ちゃんとやっておかないとね…。」
翌朝 ファーヴェ丘陵
フィリス「うっ…わぁ…!すっごーい!こんな景色、見たことない!」
リアーネ「そうね。…私も初めて見たとき、感動したわ。町の近くとは、ガラリと雰囲気変わるから。」
フィリス「うん…!本当にすごいや…。でも、世界ってまだまだ広いんだよね。ここよりきれいな場所も、不思議な場所も…きっと世界のどこかには、あるんだよね。」
グレイ「そうだなあ…。俺達の想像もつかねえような世界の数々、俺も解放軍に参加してこういう経験をたくさんしてきたからな。気持ちはわかるぜ。」
ロビン「そしたら、少しの間この辺の探索でもしようぜ?」
クリフ「まあ、歩き疲れたしそろそろ休んでもいいんじゃない?」
グレイ「俺はまだ大丈夫だけどな。んじゃ、資材でも集めとくか。」
ロビン「元気な奴だな…。」
アトリエ内
???「うわぁ、すごーい!見た目はテントなのに、中は普通のお家って…まるでおとぎ話みたい!机でしょー、ベットでしょー、本棚に、おっきな釜!!ん、釜…?どうして、部屋の中に釜が…?」
フィリス「あ、あのー…。」
クリフ「君、何か用でもあるの?」
???「うきゃああああ!?ご、ごめんなさい、たべないでください!まさか、魔女さんのお家だなんて思わなかったんです!勝手に入ったことは謝ります!だ、だから…その釜でぐつぐつ煮込むのはやめてぇぇ〜っ!」
クリフ「…。」
フィリス「ご、誤解です!わたし、魔女じゃなくて錬金術士です!」
???「…れ、錬金術士?」
ロビン「ほら、薬作ったり、工具を作ったりするあれだよ!」
クリフ「そんな説明でわかるわけないでしょ…。」
???「そ、そっかぁ〜!よかった、魔女じゃなくて!」
ロビン「それはいいけどさ、なにか用でもあったんじゃねえのか?」
???「あたし、旅の途中で変わった形のテントを見かけたから思わず入っちゃったの。あなたたちのお家だとは知らなくて…。本当にごめん!」
フィリス「ううん、気にしないでください。ところで、あなたも旅をしてるんですか?」
???「うん!あたし、こう見えても冒険者なんだ。…あれ?あなたもってことは…あなたも?」
フィリス「はい!わたしも、お姉ちゃんや異界の傭兵の皆さんと旅をしてるんです。」
ロビン「傭兵っていうよりは解放軍?つっても元はただの村人だけどさ。」
???「それじゃあ、あたしたち旅仲間だね!」
フィリス「はい!わたし、フィリスって言います。」
ロビン「俺はロビン。こっちはクリフ。」
クリフ「勝手に僕の分まで自己紹介しないでくれる?あ、あと一人グレイって人がいるけど、今外で資材を集めてるところなんだ。」
ティアナ「あたしは、ティアナ!気軽にティアって呼んでね!…ねぇねぇ。錬金術って、どんなものでも作れちゃうんでしょ?あたし興味あるなー。見てみたいなー!ね、おねがーい…!」
フィリス「あはは、どんなものでもってわけじゃないけど…そんな意味たいなら、見せてあげるね。」
ティアナ「やったー!ありがとー…。って、あ、ああっ!忘れてたーっ!!」
ロビン「え!?なんだよ?どうしたんだ?」
ティアナ「そういえばあたし、任務の途中だったんだ!ごめんね、フィリスちゃん!またね!」
クリフ「そそっかしい子だね。まあ元気なのはいい事だけど…。」
グレイ「いっちょ上がりっと!この世界の魔物との戦いも慣れてきたぜ!」
リアーネ「流石は異界の英雄さんね。」
グレイ「なあに、チョロいモンだぜ!俺のいた世界じゃあ大規模な戦争があったからな。魔物の相手くらい楽なもんよ。」
リアーネ「戦争…?」
グレイ「ああ。俺は元々、フィリス同様村人だったんだ。エルトナとは特徴がちげーけど、俺のいた村も辺鄙な村だった。俺は刺激が欲しくて戦争に参加したんだ。ソフィアって国を不当な支配から解放するためのな。」
リアーネ「まあ…大変だったわね。」
グレイ「それがまさか邪神との戦いにまで規模がでかくなるとは思わなかったけどな。トドメこそ友人のアルムにとられちゃったけどよ、あの戦いでも大活躍だったこの俺が、そこらの魔物では苦労しねえってことだ。」
リアーネ「あら?それって自慢かしら?」
グレイ「はは!まあな。さて、そろそろアトリエに戻ろ―ぜ?こんだけ資材がありゃ充分だろ?」
リアーネ「ええ。」
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JUGEMテーマ:アトリエシリーズ
アトリエ
ベルント「待たせたの。」
フィリス「あ、長老!話って一体…。」
ベルント「まぁ待て。その前に…。ソフィーさん。聞きたいことがあるのじゃが…。率直に言って…フィリスの錬金術の実力はどうじゃ?」
ソフィー「…短い間に、すごく上達したと思います!」
ベルント「ふむ、なるほどのう…。アサギリさんはどうじゃ?」
アサギリ「ええ、俺もソフィーさんと同意見です。」
ベルント「そうか…。フィリスよ。課題は覚えておるか?」
フィリス「はい、もちろん。錬金術で町の困りごとを解決する…ですよね。」
ベルント「うむ。お前は十分よくやった。これなら、課題は達成でいいじゃろう。」
グレイ「お?じゃあフィリスはもう外へ出ていいんだな?」
ベルント「うむ。…フィリスよ。お前の臨む通り、扉の外に出ることを許そうではないか。」
フィリス「え…!やっ…たぁぁぁ!」
飛龍(艦これ)「やったね!フィリスちゃん!」
蒼龍(艦これ)「これでもう、外に出られるね!」
クリフ「おめでとう、フィリス。」
ロビン「これで、錬金術をもっと極められるな!」
フィリス「…はいっ!ありがとう…ございましたっ!」
ベルント「…あー、その。水を差すようでね、申し訳ないんじゃがね…?…一つ言い忘れておった。扉の外に出ることは許す。許すんじゃが…期限付きじゃ。」
フィリス「…は?…えっ?ええええええっ!?」
アサギリ「そっちを先に言わないと…。それに、期限付きなのはなぜです?」
ベルント「ええい!お前が仕事を離れて以来、採掘量が極端に減っておるんじゃ!このままでは困る!そういうわけで、外にいていいのはしばらくの間だけじゃ。よいな。」
フィリス「そ、そんなぁ…。なんとかならないんですか…?」
ベルント「うぅ…。そんな顔をするでない。心が痛くなるわ。まぁでも…そうじゃなぁ。もし、ソフィーさんが言っていた公認試験に合格するくらいの錬金術師になれば…。そのときは、ずっと外にいることを許そうかのう。まぁ、不可能に近いじゃろうが…。」
フィリス「…本当ですね?」
ベルント「…え?」
フィリス「本当に、試験に受かったらずっとお外にいてもいいんですね!」
ベルント「え、いや、その…。」
フィリス「本当ですねっ!!」
アサギリ「…もう諦めましょう。」
ベルント「うっ、うう…。わかった、約束しよう…。次の公認試験に合格できれば、もう町に戻ってこいなどとは言わん。ただ、不合格だった時は…大人しく街に帰ってきてもらう。これでいいな?」
フィリス「わかりました!それで問題ありません!」
アサギリ「ベルントさんも、なんだかんだで寂しいんじゃないですか?」
ベルント「う…ううむ…。ま、まぁいずれにせよ、お目付け役はつけさせてもらうぞ、入ってこい。」
フィリス「リ、リア姉!?」
リアーネ「ふふ、長老から頼まれたの。フィリスちゃんの事、朝から晩までずーっと見張っていてほしいって。」
ベルント「…いや、そこまでは言っておらんよ、うん。遊び惚けないよう見ておれと言っただけじゃ。」
リアーネ「あら、そうでしたっけ。」
アサギリ「相変わらずですね…。でも、確かにリアーネさんは戦闘も慣れてるし、地理にもお詳しいでしょうから、頼もしいでしょうね。」
グレイ「…そうだな。俺らは異界の人間。戦いはともかく、地理はサッパリだぜ。」
フィリス「…リア姉と旅できるんだ。えへへ、楽しみだなぁ…。」
リアーネ「ええ!私もよ、フィリスちゃん!」
ベルント「…うむ。とにかく、そういうことじゃ。それではの。」
飛龍「え?待ってよ!期限っていつまでなの?」
アサギリ「行っちゃたな…。後で俺が聞いてくるよ。」
飛龍「うん。お願いね。」
ソフィー「…なんだか、ちょっと変な事になっちゃったね。」
フィリス「あははは…。そうですね…。」
プラフタ「とはいえ、よかったではありませんか。期限付きとはいえ、外には出られるのです。」
ロビン「その期限も、フィリスが公認試験に合格できれば撤回されるんだろ?こりゃあ頑張るしかねえな!」
フィリス「そうですよね…!わかりました!わたし、絶対に試験に受かって見せます!」
アサギリ「その意気ですよ!フィリスさん。」
プラフタ「ここまでの成長を見れば、無理な話ではないはず、…応援していますよ、フィリス。」
フィリス「はい!」
出発前日…。
フィリス「地図はもった。ハンカチも持った。…よし、準備ばっちり。」
ソフィー「フィリスちゃん。外に出るの、いよいよ明日だね。」
フィリス「はい!…えへへ、すっごく楽しみです!ちゃんと眠れるか心配なくらい!」
ソフィー「そっか。…ねぇ。旅に出る前に、ご両親にご挨拶しなくていいの?」
フィリス「…いいんです。どうせお小言言われるだけだし。二人なんか、知らないもん。」
ソフィー「…そっか。明日は早いから、ゆっくり休んでね。お休み、フィリスちゃん。」
フィリス「…はい。お休みなさい、ソフィー先生。」
そして、出発当日…。
ソフィー「大変お世話になりました。ありがとうございましたっ!」
アサギリ「俺からもお礼を言わせてください。皆さんには、本当にお世話になりました。」
ベルント「いやいや、礼を言うのはこちらの方じゃ。お二人も、アサギリさん達の方も、フィリスに浴してくれたこと、大変感謝しますぞ。」
グレイ「ん?どうした?」
フィリス「…いえ。何でも…ないです。」
リアーネ「…。」
アサギリ「やはり、両親の事引きづってるんですね…。」
リアーネ「…そうみたいね…。」
ゲルト「扉を開けるぞー!」
ベルント「…気をつけていくんじゃぞ。」
フィリス「…あ。はい、行ってきます。」
デニス「頑張れよー!」
ラドラ「しっかりご飯は食べるんだよー!」
ソフィー「…フィリスちゃん。いいの?」
フィリス「…え?」
アサギリ「…後悔なさらないように…俺からはこれしか言えませんが…。」
フィリス「…っ!」
ロビン「フィリス…?フィリス―!!」
ルーカス「…行かなくてよかったのかい?」
ニコラ「…いまさら、どういう顔して会えっていうのよ。」
ルーカス「はは…。それもそうだなぁ。」
フィリス「はぁ…はぁ…。」
ルーカス「フィリス…!」
ニコラ「あんた、どうして…!」
フィリス「…行ってくるから。」
ニコラ「…フィリス。」
ニコラ&ルーカス「行ってらっしゃい。」
フィリス「…行ってきます!」
フィリス「広がる青空!どこまでも続く大地―!わたし、本当にお外を歩いてるーっ!」
蒼龍「きゃ!風!?」
フィリス「今の、風って言うんですか?」
アサギリ「ええ。そうか。鉱山に囲まれてると、風が吹く隙間のないですからね。」
フィリス「今のが風…!わたし、知ってますよ!風って世界中を旅してるんですよね!あははh、わたし、風になりたい!風みたいに世界中に行ってみたい!あはははは!」
アサギリ「…俺の話、聞いてます?」
プラフタ「…ずいぶんとご機嫌な様子ですね。」
リアーネ「ええ。ずっと憧れてた、外の世界なんです。きっと嬉しくて仕方ないんでしょう。」
ソフィー「…あはは。リアーネさんも、なんだかうれしそうですね。」
リアーネ「ふふっ、ばれちゃいました?乳リスちゃんと旅できるなんて、夢みたいで。」
飛龍「リアーネさんがついてくれれば、この世界で怖いものなし!ですよね!」
プラフタ「ええ。リアーネさんが来てくれて、本当に良かった。」
リアーネ「それは、どういう…。」
ソフィー「フィリスちゃん。リアーネさん。アサギリさん。」
フィリス「はい?なんですか?」
ソフィー「あたしたち、ここでお別れしようと思うんだ。」
リアーネ&アサギリ「…!」
フィリス「…え。えええええええ!?ど、どうしてですか!?わ、わたし、何か悪いことしましたか…?」
ソフィー「そうじょないよ。フィリスちゃんのために、プラフタと決めたの。」
プラフタ「あなたはすでに、錬金術の基礎は修めています。ここからの成長に必要なのは、より多くの経験と閃き。」
ソフィー「つまり、もっともーっといろんなことをやってみるのが大事ってこと。でね?…そのためにはあたしたちがいると邪魔になるかなって思ったの。」
フィリス「そんなことないです!先生がいないと、わたし…!」
ソフィー「ううん、フィリスちゃんならもう大丈夫。だってそうでしょ?フィリスちゃんは、自分の力で外に出られたんだから、…ね?」
フィリス「…はい。今まで…ありがとう…ございました…!」
ソフィー「え、ちょっと!泣くほどの事じゃないよ!?もう二度と会えないわけじゃないんだから。」
プラフタ「その通り。…この道が見えますか、フィリス。」
フィリス「ぐすっ。見えますけど…。」
プラフタ「この道に沿って歩けば、いずれライゼンベルグという都市に辿り着きます。そこは公認試験が行われる場所。つまり、私たちの共通の目的地。」
フィリス「あ…。ってことは…!」
ソフィー「そう!同じ場所を目指してるんだから、あたしたち、またいつか会えるんだよ。だから、泣かないで。今は笑ってお別れしよう?」
フィリス「…はい!」
アサギリ「ふっ…。」
ソフィー「うん、それでこそフィリスちゃんだよ。それじゃあこれ。」
フィリス「え、これって、先生のアトリエ…!?いいんですか!?」
ソフィー「うん。あたしの事は大丈夫!これは乳リスちゃんが持って行って。」
フィリス「本当に何から何まで…。先生に頼りっぱなしですね、わたし…。」
ソフィー「いいんだよ、頼っても。だって、あたしはフィリスちゃんの先生なんだから。」
アサギリ「それでは、またおお会いできる日を楽しみにしております。」
グレイ「あんたらも頑張れよ!」
ロビン「こっちは任せろ!」
クリフ「二人とも公認試験合格してね。」
蒼龍「うん!二人なら大丈夫!ねっ?飛龍!」
飛龍「うん!」
ソフィー「みんなありがとう…。それじゃあ、そろそろ行くね。またね!」
プラフタ「お元気で。あなたが立派な淋菌術死になること、期待してます。」
フィリス「はい!!絶対に…また会いましょうね!」
リアーネ「…行っちゃったわね。アサギリさん達は?」
アサギリ「…実はまた新たな異界とも繋がりを持ちまして…。少々忙しくなることが予想されます。それでもたまには顔を出すつもりですので、クリフさん、グレイさん、ロビンさん、3人は引き続きフィリスさん達と同行をお願いします。蒼龍さん達は、一旦俺と戻ってくれる?」
蒼龍「分かった。」
飛龍「あー残念。私ももう少しこの異界にいたかったなー。」
アサギリ「また近いうちに派遣するから。あ、もしよければフィリスさん達もアスクへ再び案内しますが…。」
フィリス「うーん…。気持ちは嬉しいですが、先生達にまた会うためにも、今は我慢します!もし公認試験に合格し、一人前の錬金術師になったら、その時は…またアスク王国に呼んでください!」
リアーネ「そうね、フィリスちゃんがそういうなら。」
アサギリ「…わかりました。では、ご健勝をお祈りいたします。お気をつけて!」
フィリス「目指すは、ライゼンベルグ!…よし、しゅっぱーつ!!」
グレイたち「おーー!!」
ロビン「よっしゃあ!俺が一番ノリだ!」
クリフ「君が一番についても仕方ないでしょ。」
アスク城
アサギリ「ただいま戻りました。」
ティルピッツ(アズレン)「お帰り、アサギリ。」
梨璃(アサルトリリィ)「お帰りなさい!アサギリさん!」
アサギリ「梨璃さん?どうされました?」
ティルピッツ「あなた、アサルトリリィの異界で脱初心者を果たしたでしょう?そのお祝いがしたいって。」
アサギリ「お祝いって…そんな大した事してないですよ?」
グラーフ・ツェッペリン(アズレン)「よいではないか?見るがいい。梨璃の嬉しそうな顔を!」
アサギリ「あなたが一番うれしそうじゃないですか…。」
梨璃「それに、アサギリさんが味方に付いてから百合ヶ丘全体の士気も上がってきてるんです!アサギリさんが加わってから、戦死者がぐーんと減りましたし!」
アサギリ「俺はそんな…でも、そう言ってくださると俺も協力した甲斐があったって思えます。是非今後ともよろしくお願いします。」
梨璃「こちらこそ、ぜひぜひよろしくお願いします!」
ティルピッツ「梨璃のおかげで、アサギリに笑顔が戻りつつあるわね。」
グラーフ・ツェッペリン「アサギリめ。最近元気がなかったから心配したのだぞ?」
ティルピッツ「ふふ…。次は私も足を運んでみようかしら?」
グラーフ・ツェッペリン「ああ。その時は我も行こう。」
ティルピッツ「ちょっと待って。アサギリも行くのだとしたら誰がアスクを見るの?」
グラーフ・ツェッペリン「そんなもの、誰でも良かろう。召喚さえしなければ大抵の事は他のもので補えよう。」
ティルピッツ「…まぁ、アサギリの護衛とでも言っておけば話はつきそうね。」
グラーフ・ツェッペリン「ああ。楽しみだな。」
ティルピッツ「あなたの場合、中のいい女の子二人組が見たいだけでしょ?」
グラーフ・ツェッペリン「な…何を言うか///!」
ティルピッツ「図星ね…。」
グラーフ・ツェッペリン「貴様…覚えておくがいい!!」
]]>JUGEMテーマ:アトリエシリーズ
アトリエ
ソフィー「フィリスちゃん、考え事?」
フィリス「はい…。このアトリエのことなんですけど…。外から見るよりずいぶんと広いじゃないですか。」
グレイ「そういやそうだな。これも錬金術の類なんだよな?」
フィリス「いったい、どんな錬金術を使えばこんな事できるんですか?」
プラフタ「説明が難しいですね。どう教えたものか…。」
ソフィー「そうだなぁ…。疑似的に四次元空間を…。って言っても、わかんないよね。」
プラフタ「それはそうでしょう。もっと、かみ砕いて説明しなければ。」
ソフィー「うーん、一言で言うと…錬金術で空間をゆがめて…えいっ、て。」
アサギリ「俺の召喚の儀を説明するのにも使えそうな一言ですね…。」
フィリス「は、はぁ。よくわからないけど、すごいってことはわかりました。」
ソフィー「あはは、大丈夫だって。フィリスちゃんも、もうちょっとしたらできるようになるからさ。」
フィリス「ほ、本当かなぁ…。とてもそうは思えないんですけど…。」
アサギリ「あ、そろそろ中和剤の完成する時間では?」
フィリス「え?あ、ホントだ!」
フィリス「えへへ…。でっきあっがりー!」
ロビン「うわぁ…。すっげえ青い…。これ飲んじゃいけない奴じゃねえか?」
蒼龍「これは、何に使うの?」
ソフィー「実はそれも、錬金術の差材料としてよく使われるんだ。」
飛龍「カテゴリも毒の材料ってあるね。毒を作るの?」
ベルント「フィリス…!頼む、ワシを助けてくれっ!」
フィリス「ちょ、長老!?」
クリフ「どうしたんですか?そんなに血相を変えて…。」
ソフィー「これは大事件の予感…。」
アサギリ「とりあえず、落ち着いてください。何があったか、俺達に教えてくれませんか?」
ベルント「落ち着いてなどいられるか!このままでは、ワシのへそくりがぁっ!」
一同「へそくり?」
ベルント「うむ…。ワシは結婚して以来、少ない小遣いをやりくりしてコツコツへそくりをためてきたんじゃ。で、誰にもばれんように、坑道に埋めておったんじゃが…。そこに野良プ二が住み着きおっての。掘り返すことが出来なくなってしまったのじゃ!」
フィリス「は、はぁ…。長老、そんなことしてたんですね…。」
ベルント「見ての通り、ワシは老体。いくら相手がプ二とはいえ、無傷で勝てる自信はない。じゃが、このままではいつまで経ってもへそくりが掘り出せん!頼む、フィリスに異界の皆さん!あのにっくき野良プ二を倒してきてくれんか?」
蒼龍「おっかしいなー。私たちがさっき行った時は魔物なんていなかったけど…。」
フィリス「えー。いいですけど…わたしもプ二に勝てる自信、あんまりないですよ?」
ベルント「そこは…あれじゃ。錬金術の力を使ってどうにかするのじゃ!」
フィリス「すっごい適当!」
ベルント「とにかくよろしく頼んだぞ。それじゃあの!」
アサギリ「あー。見事に押し付けられましたね。いくら相手がプ二でもって言い草からそこまで強力なモンスターではないんでしょうけど…。」
ロビン「でもさ、これも言っちゃえば困りごとって事だろ?外に出るための最終テストだと思って頑張るしかないだろ?俺らも手伝うからさ。」
飛龍「よし、私たちも一緒に戦うよ!これでも私たちは幾多の敵基地を制圧してきたんだから!」
アサギリ「…とはいえ、常勝のコツは準備をしっかり行う事です。皆さん、武器を装備してください。」
グレイ&ロビン「おう!」
クリフ「うん。」
フィリス「えっと…。私は…。」
蒼龍「よし!江草隊準備OK!」
飛龍「友永隊もバッチリよ!行こう!アサギリ提督。」
アサギリ「はい!」
行動の奥
フィリス「長老からきいた場所は、ここですね。」
グレイ「さて、魔物はどこだー?」
蒼龍「あ!いた!あそこだ!」
飛龍「やだー!かわいいーー!!」
クリフ「あのさ…一応魔物だよ。」
フィリス「そうですよ!ちょっと怖いけど…負けられないんだから!」
グレイ「もっと大勢いるかと思ったがな…。」
アサギリ「さっそく爆弾の威力を試してみましょう!爆弾構え!」
アサギリ「てっーーー!!」
フィリス「道具で攻撃…えい!」
石プ二「!」−4
フィリス「え、ウソ?一撃…!?やったー、勝ったー!わたしって結構強かったりして!」
アサギリ「よくやったぜ!フィリスさん!」
蒼龍「ね?ウチの提督の戦闘指揮、すごいでしょ?」
フィリス「はい!わたしでも勝利させられるなんて…。」
アサギリ「なに、それもあなたの実力あってこそだ!」
フィリス「アサギリさん!?なんか、口調が別人みたい…。」
グレイ「ああ、言い忘れてた。こいつサングラスつけると性格変わるんだぜ?変な奴だろ?」
アサギリ「では、長老の所に戻りましょうか。」
フィリス「あ、外した。」
ベルント「うむ、見事なものじゃったぞ。」
フィリス「長老!?見てたんですか!?」
ベルント「ああ。一部始終な。…異界の人もいるとはいえ、少し心配だったからの。」
フィリス「え…。まさか、わたしのことを気にして…?」
ベルント「さて…おおー!無事じゃったか!我が愛しのへそくりよ!あーすりすり、あーすりすり。」
ロビン「長老が心配してたの、フィリスじゃなくてへそくりじゃね?」
クリフ「君にしては正しい見解だね。」
ベルント「そりゃそうじゃよ?今のフィリスなら、プ二ごときに負けるはずないと思っておったからのう。」
フィリス「もー!ちょっとでも感動して損したー!長老のバカ―!」
ベルント「な、何を怒っておるのじゃ!ちょ…ええい、落ち着け!老人虐待、反対じゃー!」
アサギリ「ベルントさん。あなたはもう少しデリカシーという物を覚えたほうがいいかもしれませんね。…でないとまた同じ目に合いますよ?」
ベルント「アサギリ殿!冷静に分析しとらんでフィリスを止めて下されー!」
アサギリ「フィリスさん。流石にやり過ぎですよ。そのくらいにしときましょう。」
フィリス「…むぅー。」
ベルント「…とにかく助かったぞ。これは駄賃じゃ、取っておけ。(何か…口から赤いものが出てる気が…。)しかし…お前の錬金術も随分と上達したようじゃ。…これならまぁ、よかろう。」
グレイ「おっ!遂にか!?」
ベルント「フィリス。お前に話したいことがある。悪いが、先にアトリエに戻っていてもらえるかの?」
フィリス「話したいこと…?はい、わかりました。」
ベルント「うむ。では、また次の章での。」
アサギリ「…ついでにメタ発言も控えてくださるようお願いします…。」
一同「お前が言うな!」
アサギリ「え?」
]]>
JUGEMテーマ:アトリエシリーズ
アトリエ
フィリス「うぅ…。せっかくリア姉から滑石液の作り方を聞いてきたのに…。」
グレイ「まさかの水不足だな…。」
ロビン「どっかで水汲んでこようか?」
アサギリ「フィリスさん。硬い岩の壊し方で手掛かりになりそうな情報を手に入れてきました。」
フィリス「ホントですか?」
アサギリ「どうやら採掘場にカーエン石という物があるそうなのですが、どうやら爆弾の原料になってるようなんです。もしかしたら爆弾づくりの手掛かりになるんではと思って。」
フィリス「カーエン石かぁ。なるほど。でも、硬い石から撮れるので、杖で叩いても簡単には取れないと思います…。」
クリフ「この世界では、杖は打撃武器にもなるんだね…。」
飛龍「よし!そういうことなら、飛龍さんにお任せ!」
アサギリ「それ、衣笠さんのセリフだから…。でも、友永隊なら一撃間違いなしですね。」
蒼龍「イタイこと言っちゃうようだけど、硬い岩を壊すのって艦攻があれば解決しちゃうのよね…。」
グレイ「それじゃあフィリスの錬金術の腕があがらねえだろ!でもまあ、とりあえずカーエン石はあんたらに任せたぜ!」
蒼龍「それじゃあ行ってくるねー。」
リアーネ「フィリスちゃん、お掃除しに来たわよ。」
フィリス「え…お掃除?いいよ。一応わたし、毎日やってるし…。」
ソフィー「ごめんなさい…。あたしがお掃除苦手なばっかりにいつもやってもらっちゃって…。」
フィリス「いえ、いいんです、それくらい!お掃除なんて、いつでもやりますから!」
ソフィー「うう…。本当にごめん…。そして、ありがとう…。」
クリフ「あれ?リアーネさん?」
グレイ「どっか行っちまったぞ?」
リアーネ「…ふぅ。こんなものかしら。」
フィリス「もう終わってる!?さすがリア姉…。お仕事が早い…。」
ロビン「こりゃすげえ!あの短時間で埃一つなくピカピカに…!」
リアーネ「ふふ、お掃除は趣味なので。それでは、失礼しますね。」
クリフ「本当に掃除をしにきただけなんだね、あの人…。」
プラフタ「お菓子といい、掃除といい…。リアーネは本当にしっかり者ですね。」
フィリス「そうなんです。…おかげでよく甘えちゃうんですけど。」
グレイ「ま、それで需要と供給のつり合いが取れてるからいいんじゃね?」
プラフタ「…それに比べて…ソフィーはいろいろとだらしがなさすぎます。脱いだら脱ぎっぱなし、読んだら読みっぱなし。それでは、部屋は汚れる一方です。そもそもあなたは…。」
ソフィー「あ…、始まっちゃった…。ごめんね、フィリスちゃん。これは長くなるよ…。」
プラフタ「聞いているのですか、ソフィー!あなたももう、いい年なのですから…。」
飛龍「ただいまー!」
蒼龍「いやあ、いい爆撃っぷりだったねー!飛龍。」
アサギリ「カーエン石以外にも、結構な鉱石の採取に成功しましたよ…ってこの状況は一体…?」
ソフィー「アサギリさーん!助かったよー!」
プラフタ「ソフィー!…実はソフィーったら、自分が掃除が苦手なのをいい事にフィリスに掃除を毎日させてたんですよ!」
アサギリ「…確かに、俺も掃除は苦手な方ですが…。」
飛龍「アサギリ提督は仕方ないよ。いつも膨大な資料抱えてるもの。」
蒼龍「まあでも、最近助手が二人付いたからだいぶマシになったよね?」
アサギリ「まあね…。ティルピッツさんや、グラーフさんがいてくれるおかげで、行動範囲も広がったし。アスク城での雑務は、召喚以外はこなせるようになったし、他の英雄さんも、艦娘も色々と手伝ってくれるから、本当に助かってるよ。」
ソフィー「いいなあー。アサギリさんが羨ましい…。」
プラフタ「他所は他所、内は内です!」
フィリス「それじゃあ、まず先にカーエン石を見て思いついたレシピを試してみようっと!」
フィリス「やったあ!フラムのでっきあっがりー!」
ソフィー「すごい!もうここまできたんだね!」
フィリス「あとはこれをゲルトさんに渡せば…。」
アサギリ「俺も同行しましょう。水も調達しなければなりませんし。」
飛龍「あ、私たちは一旦アスクに戻っていい?艦載機を補充しないと。」
アサギリ「鉱石を採掘するだけなのに?」
蒼龍「それがね、鉱山地帯だから、何機かの艦攻が擦っちゃって…。」
アサギリ「あーそうか。こういう場所で発艦なんて普段しないからね。わかった。行ってきて。」
飛龍「ありがとう。」
ゲルト「おう、フィリスちゃん!何か用かい?」
フィリス「あの、よければ、これ使ってください。」
ゲルト「お?なんだい、こりゃ?」
フィリス「爆弾です!」
ゲルト「ば、爆弾!?どうしてそんな…。」
フィリス「え?前にツルハシじゃ壊せない岩があるって悩んでたじゃないですか。」
ゲルト「ああ…!それでか…。でも、こんなもの一体どこから…?」
アサギリ「それはフィリスさんが錬金術を使って作られたものですよ。」
ゲルト「作った!?フィリスちゃんがか?へぇ…そいつは大したもんだ。ありがとな、助かったよ!いやぁ、しかし、フィリスちゃんがなぁ…。」
アサギリ「やりましたね!フィリスさん。」
フィリス「えへー。えへへー…。」
リアーネ「なんだか嬉しそうな子がいるわね。かわいすぎて、こっちまで頬が緩んじゃいそう。」
フィリス「あ、リア姉!聞いて聞いて!わたし…できたの!錬金術で困りごと、解決できたんだよ!」
リアーネ「へぇ…!すごいじゃない!おめでとう、フィリスちゃん!」
フィリス「うん!錬金術って…本当に夢みたい!今までわたしができたのって鉱石拾いだけだったから。リア姉みたいに狩りとかできないし。」
リアーネ「…。」
アサギリ「…。」
フィリス「でも、こんなわたしでも困ってる人のこと、助けてあげられたんだ。これも、ソフィー先生に錬金術を教わったおかげなの!」
リアーネ「フィリスちゃん、とっても楽しそう。錬金術の事がよっぽど気に入ったのね。」
フィリス「もちろん!お外に出るのがわたしの一番の夢だけど…。最近ね、すごい錬金術士にもなりたいって思うようになってきたんだ!」
リアーネ「そう。それからもっともっと、錬金術のお勉強をしないとね?」
アサギリ「そのためにも、外に出て勉強しないといけませんからね。一気に二つの夢、かなえましょう!」
フィリス「はい!リア姉も困ったことがあったら言ってね。わたしが錬金術で助けてあげるから!」
リアーネ「ええ。その時は、ぜひお願いするわ。それじゃあ、頑張ってね。」
アサギリ「なるほど。アトリエ近くに井戸があったんですね…。」
ロビン「これなら水には不自由しねえな。んじゃ、後はよろしく!」
フィリス「はーい!さてと…。」
ソフィー「プラフタ―。ちょっと聞きたいことがあるんだけど…。」
プラフタ「はい、何でしょうか。」
アサギリ「…?」
ソフィー「ん?どうかした?」
アサギリ「…前からおもってたんですけど、お二人とも仲がいいようですが、一体どういったご関係で?」
ソフィー「どんな関係って言われると難しいなぁ。家族で、友達で…師匠…かな?」
プラフタ「まぁ。血がつながっているわけではありませんが…おおもねその通りでしょうか。」
アサギリ「なるほど、ソフィーさんもまた、プラフタさんに錬金術を教わってたと…。」
ソフィー「うん。そうだよ。」
ロビン「へぇ…。俺はプラフタさんのほうが若く言えたからてっきり逆かと…。」
ソフィー「プラフタの方が若く見える…。」
グレイ「お前なあ…もうちょっと言葉選べよ!悪い!こいつバカ正直だからさ…。」
ソフィー「…うーん。もうあたしの方が上に見えちゃうかぁ。確かにそうだよねぇ…。」
プラフタ「はい。こればかりは避けられないかと…。」
グレイ「…そもそも二人はどういうふうに出会ったんだ?」
ソフィー「うーんと…きっかけは、あたしがプラフタにレシピを書き込んだことだよね。」
クリフ「ん?プラフタさんに書き込んだ?どういうこと?」
プラフタ「はい。あの頃の私は無造作に放置され、埃をかぶっているだけでしたから。」
ロビン「無造作に放置!?」
アサギリ「俺達さっきから地雷ふんでません?」
クリフ「ま、まあ二人が本当に仲良しだってことは分かったし…ねえ?」
グレイ「あ、ああ…。(これ以上の模索は控えようぜ…?)」
アサギリ&ロビン&クリフ(うん…。)
フィリス「よし!エルトナ軟膏と滑石液のでっきあっがりー!」
アサギリ「これで後は当事者に渡すのみ!蒼龍さんたちが戻ってきたら全員で行きましょう!」
リアーネ「はぁい。頑張ってるフィリスちゃんに、お菓子を作ってきたわよ。はい、どうぞ。」
フィリス「うわぁ…!ありがとう!丁度休憩しようと思ってたんだー!」
リアーネ「ならよかったわ。いっぱい食べて、錬金術の練習頑張ってね。」
フィリス「うん!」
リアーネ「…あ。アサギリさん達も、差し入れ。」
アサギリ「ありがとうございます。えっと、これは?」
リアーネ「ウサギのローストよ?フィリスちゃんの好きな。」
アサギリ「ウサギですか。昔は俺の世界でも、食料にしてたっていうし、確かに美味いかも…。」
フィリス「でも、休憩には重いっていうか…。」
リアーネ「…私もそういったんだけどね…。」
アサギリ「はい?」
リアーネ「何でもないわ。それは、ご飯の時にでも食べてちょうだい。じゃあね。」
アサギリ「…もしかして、フィリスさんのお母さんの手料理だったり?」
フィリス「うーん。それはないと思う…。ん?あ!閃いた!」
フィリス「中和剤・青!後で試してみよう!」
アサギリ「はい。」
蒼龍「ごめん!遅くなっちゃった!」
飛龍「滑石液とエルトナ軟膏、できた?」
グレイ「もうとっくに出来上がってるぜ?」
クリフ「それじゃ、それぞれ当事者に渡せばミッションコンプリートだね。」
ロビン「おう!行くぜ!」
アサギリ「時間があまりありません!急ぎましょう!」
テア「あら?貴方達はこの前の…それにフィリスちゃん?あら、これ…滑石液じゃない。どこから持ってきたの?」
グレイ「それはフィリスが錬金術で作ったんだ。俺達はフィリスのために色々と町内の事を聞いて回ってただけだ。」
テア「そうだったのね…。それにしても、錬金術って、こんなものまで作れるの…!私もやってみようかしら…。ま、とにかくありがとね、フィリスちゃん!今度、お茶でも一緒にしましょ。それじゃあね。」
フィリス「どういたしまして!…この調子でいけば、長老からの課題もきっと大丈夫なはず…。」
飛龍「あれ?長老さんとソフィーさんじゃない?何の話してるんだろう?」
ベルント「おお、フィリス。最近頑張っておるようじゃのう。なかなか評判になっておるぞ。」
フィリス「本当ですか?えへへ、嬉しいなぁ…。」
クリフ「それで、お二人は何を話してる…んですか?」
ソフィー「ああ、あのね。この町に錬金術師の人がいないか聞いてたの。」
蒼龍「錬金術師を?どうして?」
ソフィー「フィリスちゃんとアサギリさんには前にも話したんだけど、あたし、公認試験を受けに行こうとしているの。実は、試験を受けるためには推薦状っていう物が必要なんだ。」
ベルント「うむ。公認試験に合格している錬金術士のみ、書くことが許されているものらしくての。それを3枚集めねば、試験を受ける事すら叶わんという事らしいのじゃ。」
アサギリ「ハードな道のりですね…。」
グレイ「公認試験っつーくらいだからやっぱ難しいんじゃねえのか?」
ベルント「まぁとにかく。我が町には、錬金術師はおりませんなぁ。」
ソフィー「はい、わかりました。教えてくださって、ありがとうございました!」
アサギリ「デニスさん。お待たせして申し訳ありません。フィリスさん。」
フィリス「はい!デニスさん!痛み止めのお薬です!アサギリさんから腰を痛めてるとお聞きしましたから…。」
デニス「おお、わざわざ用意してくれたのか!そいつはすまないな…。」
フィリス「はい。わたしが作ったものだから、聞くって保証はないですけど…。」
デニス「え?これ…フィリスが作ったのか?そりゃ大変だったろ!頑張ってくれたなら、きっと腰の痛みも引くさ。本当に、ありがとな!」
フィリス「困りごとも、だいぶ解決できたかな。」
アサギリ「錬金術もどんどん上達されてますもんね。先ほどまたレシピを思いつきましたし。」
クリフ「これなら長老の課題も問題ないんじゃない?」
フィリス「でも、これで満足するわけにはいきません!いつお外に出てもいいように、もっと錬金術を練習しておかないと…!」
飛龍「それじゃあ、一旦アトリエに戻ろう。今後も方針も決めていかないと。」
]]>JUGEMテーマ:アトリエシリーズ
アサギリ「うーん。すみません、ちょっとすぐには思いつかないですね。」
フィリス「そうですよね…。でも、困ってる人ってどこにいるんだろう…。」
グレイ「ま、ここで悩んでも仕方ねえだろ?よっしゃ!手分けして色んな人に話を聞いて回ろうぜ。」
蒼龍「そうね。」
ロビン「よっしゃあ!任せろ!…えっと、困ってる人を探すんだったよな…?」
アサギリ「はい。これはあくまで俺の経験談なんですけど、町の中とかを探索していると、ひょんなことからクエストが発生してしまうケースもあります。クエストをこなせば、報酬はもちろんですが、フィリスさんを取り巻く環境にも変化が訪れます。」
フィリス「私を取り巻く環境?」
アサギリ「今まで行けなかったところにいけるようになったりとか、町の秘密を知ることが出来たりとか、色々あると思いますけど…。それと、これも経験談なんですが、クエストというのは重複することも多いです。」
フィリス「重複?」
アサギリ「艦これなんかもそうなんですが、まず出撃して敵艦隊を撃破。成功したら次は主力艦隊を撃破せよ!というクエストが続けて現れたりします。今回はチェインクエストとお呼びしましょう。こういったクエストは、元となったクエストの解決方法により、状況や目的が変わったりするものです。」
フィリス「え、えっと…?」
アサギリ「敵軍が責めてきたら、まず、自軍を守るために防衛戦から始まりますよね?その次に二度と侵略出来ないよう、敵軍に反撃を開始する…という流れになります。この反撃に成功して初めて戦いに勝ったと言えます。…まあ、ちょっと変な例え型しちゃいましたけど、クエストクリアの報酬にさらなるクエストがくっついてくる、とでも思ってもらえれば大丈夫です。とにかく、クエストになりそうな出来事は基本的にメモしておきましょう。忘れてしまっては元も子もありません。」
フィリス「…はい。(よくわかんなかったけど、とにかくクエストを達成していけばいいのかな?確かにメモはしたほうがいいかも。)」
???「はぁ…。」
フィリス「ゲルトさん。どうしたんですか?」
ゲルト「お、フィリスちゃんか…。いやな、ちょっと困ってることがあって…。フィリスちゃん、岩の中から鉱石が取れるのは知ってるよな?実は、いい鉱石が埋まってそうな、立派な岩を見つけたんだよ。けど、岩が硬すぎてツルハシじゃ掘れねぇんだ。かといって、あれをほおっておくのは惜しくてな…。」
フィリス「なるほど…。」
ゲルト「うーむ。いっそのこと爆弾で発破しちまうか…?」
フィリス「(硬い岩を壊すもの…。)」
???「うーん、どうしたものかしら…。」
グレイ「お?嬢ちゃん?なんか困りごとかい?よければ俺が聞いてやるぜ?」
クリフ「グレイ、そのナンパ口調やめなって…。」
ロビン「俺達、実は困ってる人を探しててな…。」
グレイ「お前、バカ正直すぎるっつーの!」
???「なんなの?この人たち…。」
クリフ「あの…なんかあったの?力になれそうな人を知ってるんだ。よければ話してくれるかい?」
テア「ふうん。一応あなたが一番話が通じそうね。私はテア。よろしくね。実はこの前、リアーネって人がたくさん獲物を取ってきてくれたおかげで、毛皮がたくさんあったので、滑石(なめし)皮を作ろうと思ったんですけど、あんまりにも多すぎて、滑石液が足りなくなってしまったんです。外と取引しようにも時間がかかるし…どうしたものかしらと思いまして…ん?なんでメモなんかとってるの?」
クリフ「ん?ああ、気にしないで。こっちの事情だから。」
グレイ「なるほど、滑石液か。それも錬金術でパパっと作っちまえばいいんだろ?」
クリフ「口で言うのは簡単だよ…。錬金術って、魔道の知識じゃどうにもならないような代物だよ。」
ロビン「まあでも、とりあえずメモして、フィリスんとこ持っていけばいいんじゃね?」
グレイ「そうだな。」
???「いつつ…。」
飛龍「お兄さん、大丈夫?どこか怪我してしまいましたか?」
???「怪我とはちょっと違うんだが…、鉱石を掘ってる時に腰をやっちまってな…。」
アサギリ「ギックリ腰って奴ですか?」
???「これでもだいぶよくなってはきたんだが…まだ痛みが引かなくて。いつつ…。」
蒼龍「アサギリ提督、腰に聞く薬かなんか持ってない?」
アサギリ「生憎だけど、持ってない…。ちなみに、お名前は?」
デニス「俺?俺はデニス。鉱石採掘の仕事をしてんだ。どうして俺の名前を?」
アサギリ「ブログで名前を載せるためです。」
蒼龍&飛龍「メタ発言!」
デニス「?…よくわかんないけど、変な事にだけは使わないでくれよ…。」
フィリス「皆さん。どうでしたか?私は一つ聞いてきました。鉱石を壊すための爆弾が欲しいという物です。」
クリフ「僕たちは滑石液が欲しいって。アサギリ達は?」
アサギリ「俺らは腰に効く薬です。」
フィリス「うーん。どれも解決の仕方が分からない…。とりあえず、ソフィー先生に相談してみようかな。」
フィリス「先生。困りごと、聞いてきました。」
ソフィー「お疲れ様ー。どんなのがあった?」
アサギリ「こちらにまとめましたので、ご覧ください。」
ソフィー「…ふむふむ、なるほど…。」
プラフタ「どうしました、フィリス。何やら浮かない顔をしているようですが。」
フィリス「うー…。困りごとが分かっても、錬金術で解決する方法が分からなかったら意味ないなぁって…。」
ソフィー「うーん、そうだね…。とりあえず、いろいろ試してみたら?」
フィリス「いろいろ…?」
ソフィー「うん。錬金術に関係なく、とにかくいろんなことをやってみるの。錬金術って閃きが大事でね?ふとしたきっかけで、レシピを思いついたりするんだ。」
アサギリ「へぇ…。策を作るのと似てますね…。奇策も、ふとしたきっかけで生まれることが多いです。いろいろやってるうちに…。」
フィリス「困りごとを解決する方法を閃くかも…ってことですか?」
プラフタ「そういうことです。」
ソフィー「…どうかな。もうちょっと具体的なヒント、出したほうがいい?」
フィリス「いえ、大丈夫です!とにかくいろんなこと、やってみますね!」
アサギリ「それでは、作戦会議です。ずばり、我々はこれからどう動くべきか。」
蒼龍「現時点で、大きな課題は3つ。硬い岩を破壊するため道具作り、腰を直す薬の調合、滑石液作りです。」
グレイ「フィリス。どれでもいいから、なにか知ってそうな人を知らないか?」
フィリス「そうですね…。滑石液の作り方ならリア姉が知ってそうですけど、おうちには帰れませんので…今すぐに動くのは難しいですね。まぁ、リア姉のことだからそのうち向こうからふらっと会いに来ると思いますけど。」
アサギリ「では、滑石液は一旦保留にしましょう。残りはどうです?」
フィリス「うーん…。あ、そうだ!腰が痛いと言えば、うちのお隣にアガルマさんという方がいるんですが、いつも腰が痛くて辛そうでしたから、腰の痛みに効くものも何か知ってるかもしれません!」
ロビン「じゃあ、話を聞いてみるか?」
飛龍「爆弾はどうするの?」
アサギリ「爆弾と言えば…ねえフィリスさん?」
フィリス「そうですね。ソフィー先生が街にやって来た時のあの爆発…。」
蒼龍「ええ?あの扉、壊しちゃったの?」
クリフ「僕が見たときはもう直ってたよ。これも錬金術なんじゃない?」
フィリス「あ、そういえば扉の前にいつもいたあの人ならなにか参考になる話が聞けるかもしれません。」
グレイ「そんじゃ、今すぐできそうなことは、アガルマって人と、その門番みてーな人の話を聞くことだな。」
ロビン「えっとさ…ちょっといいか?」
フィリス「どうしたんですか?」
ロビン「この辺って魔物の出るんだろ?そいつからなんか調合に使えそうな物が手に入ったりしないか?」
グレイ「…まあ、一理あるな。フィリス。戦闘経験は…っつってもねーか。外出たことねえんだもんな。」
アサギリ「エルトナ内でも魔物が出る事ってあるんですか?」
フィリス「…分かりませんが、少なくとも私は見たことありません…。」
飛龍「できる事からやっていけばいいじゃない。ね?フィリスちゃん!」
フィリス「はい!」
アサギリ「それでは、アガルマさんの所に行きましょうか。」
アガルマ「フィリスちゃん、いいところに。妖精の日傘を料理に使おうと思うんだけど、腰が痛くってねぇ…。」
蒼龍「妖精の日傘?」
アサギリ「多分きのこの事だよ。特徴からして。異界だから確証はないけど。」
アガルマ「もしよかったら、代わりにとって来てくれないかい…?異界の皆さんも、もし迷惑じゃなければ手伝っておやり…。」
フィリス「はい!」
グレイ「じゃ、手分けして探そうぜ!えっと、どんな奴だ?」
ロビン「ふぅ…やっと集まったぜ…。」
アガルマ「おお、ありがとうねぇ!」
フィリス「あの、腰に効くお薬について、何か知ってませんか?」
アガルマ「それなら、やっぱりエルトナ軟膏だねぇ。古くから伝わるお薬で、塗れば腰の痛みもずいぶん楽になるんだよ。」
アサギリ「なるほど、塗り薬ですね。」
クリフ「この世界では、ナンコウっていうのを塗れば、痛みが和らぐんだね。」
アサギリ「軟膏は、俺の世界にも存在しますよ。腰に限らず、いろいろ用途がありまして、患部に塗れば、痛みを和らげる効果があります。」
グレイ「そっか。お前のいた世界に杖ってないんだったよな。どうやって傷とか、痛みを直してんだろうと思ったら、そういう薬の類だったのか…。」
フィリス「エルトナ軟膏…。あ、閃いた!」
アトリエ
フィリス「よーし、できたー!どうですか、先生。」
ソフィー「うんうん、いい出来だよ。フィリスちゃん、どんどん上手になっていくね。」
プラフタ「…ええ。あなたもうかうかしていられませんね。」
ソフィー「うっ…。それは…あるかも。」
飛龍「エルトナ軟膏、できたかな?」
蒼龍「それが、錬金術の練度が足りなくてまだ出来ないみたいなの。また医者いらずを作って練度を上げてるんだ。」
ソフィー「…あれ、だれだろ?はーい。」
リアーネ「すみません、お邪魔します。フィリスちゃん、います?」
ソフィー「あ、確か…、リアーネさん…。」
アサギリ「こんにちは、リアーネさん。」
グレイ「お、また美人の登場か。ぶふぉあ!」
ロビン「黙れって…!」
リアーネ「え?お供が増えてる?…いやいや、そんな事より…。」
フィリス「リア姉!?…なんか、怒ってる?」
リアーネ「ええ、とーっても。母さんと顔を合わせにくいのはわかるし、家に帰ってこないのは許しましょう。…でも、私にすら会いに来てくれないのはどうして!?心配して、夜も眠れなかったんだから!」
フィリス「え?あー…ごめん、忘れてた…。」
リアーネ「わ、忘れてた!?…ひどいわ!!私はずっと、フィリスちゃんのことを考えてたのに!」
飛龍「え?ずっと…?」
フィリス「ちょ、ちょっと!アサギリさん達はともかく、先生とプラフタさんがいるから!落ち着いて!」
アサギリ「なんで俺達はともかく扱い…?」
リアーネ「無理よ!落ち着いてなんかいられないわ!フィリスちゃんと会えないなんて、人生の楽しみの九割を奪われたようなものだもの―!!」
蒼龍「愛が重い…。」
フィリス「わ、わかった!わかったから!これからはこまめに会いに行くようにするから!」
リアーネ「本当に?」
フィリス「うん、本当。約束するよ。」
リアーネ「そう。ならいいわ。…約束破ったらお姉ちゃん、泣いちゃうからね?ソフィーさんとプラフタさん、でしたよね。フィリスちゃんの事、よろしく頼みます。アサギリさん。フィリスちゃんが約束を忘れそうになってたらよーく言って聞かせて上げて!」
アサギリ「は、はぁ…。」
リアーネ「では…。」
ソフィー「あ、あれぇ…?リアーネさん、前に会った時と印象が違うような…。」
ロビン「あれってさ…シスコンって言うんじゃ…ぶふぉあ!」
グレイ「それ以上しゃべるな!!」
ロビン「わーた。わーったって!!」
アサギリ「あなたの事になると、よくああなるんですか?」
フィリス「でも、普段はかっこいんですよ?真面目で、しっかりしてて。」
プラフタ「ふふ。フィリスも、リアーネの事が好きなのですね。」
フィリス「もちろん!リア姉は、自慢のお姉ちゃんですから!」
グレイ「くー!フィリスが羨ましいぜ!」
クリフ「僕は、ああいうのちょっと苦手だけどね。」
蒼龍「あ、滑石液の事、聞きそびれちゃったね…。」
飛龍「あ…。しまった!」
アサギリ「いや、あの流れで聞き出すことの方が難しいと思いますよ。まあ、定期的に会う約束されましたから、日を改めて再度聞きに行きましょう。」
ソフィー「う、うん。その方がいいと思うよ…。」
]]>JUGEMテーマ:アトリエシリーズ
リアーネ「帰ってきたわね。」
ベルント「まったく、心配させおってからに。」
フィリス「リア姉!長老…!?どうして…。」
ベルント「どうしても何も…。お前の声はまち中に響いておったわい。」
フィリス「えっ!あっ、うぅ…。」
ベルント「お前の気持ちは分かった。これまで我慢をさせていたようじゃな…。ニコラとルーカスには話をつけておいた。お前の旅立ちを許すように、とな。」
アサギリ「え?」
フィリス「本当ですか?」
ベルント「ああ。ただ、ニコラも意地になっているようでのう。無条件で、というわけにはいかんかった。」
クリフ「だろうね…。それで、条件とは…?」
ベルント「外に出ても問題ないくらいの錬金術を身につけること、だそうじゃ。」
リアーネ「外が危ないっていうのは嘘じゃないわ。母さんも、フィリスちゃんの事が心配なのよ。」
ベルント「そこで、ワシは思いついた。わかりやすく課題形式にしてはどうじゃろう、とな。ずばり!錬金術で町の困りごとをいくつか解決することじゃ!一定の期間内にそれができれば、旅立ちを許す。できなければ、外に出るのは諦めてもらう。」
蒼龍「単純…。でもわかりやすくていいですね。」
フィリス「わかりました。それでお願いします。」
ベルント「うむ、心得た。」
フィリス「あの…。いろいろありがとうございます、長老。」
ベルント「ま、ワシは特に何もしとらんがのう。のう、リアーネ。」
リアーネ「…。」
ベルント「…まぁ、とにかくそういうことじゃ。頑張るんじゃぞ、フィリス。アサギリさん達も、フィリスをよろしく頼む。外に出られた際は、どうか、フィリスを守ってくだされ。」
アサギリ「お任せを。」
フィリス「リア姉、お母さんに話をつけてくれたんだ。…ありがとう。」
ソフィー「…さて。とりあえずはご両親にもわかってもらえたってことなのかな。」
蒼龍「そうですね。でも、問題は課題よね。錬金術で困りごとを解決…。」
フィリス「わたしに、できるのかなぁ。」
ソフィー「大丈夫、自信をもって。あたしが手取り足取り、教えるからさ。よし!そうとなったら、アトリエに戻ろう!」
プラフタ「お帰りなさい。随分と遅かったようですが。」
ソフィー「あはは、実はいろいろあって…。えっとね…?」
アサギリ「フィリスさんの長年の夢を叶えるために錬金術を学ぶんですよ。ですが、始めは両親に反対されて…ベルントさんやリアーネさんの協力もあって条件付きで許しをもらったんです。その条件が、錬金術で困りごとを解決するという内容になっておりまして。これはフィリスさんの課題ですから、俺らがでしゃばるわけにはいきません。」
プラフタ「…なるほど。事情は分かりました。」
フィリス「はい。それで…えっと…。わたし、おうちに帰りづらくて…。」
クリフ「そうか。そうだよね。うーん。どうする?」
プラフタ「ここで寝泊まりすれば良いのでは?幸い、ここは広いですし。」
ソフィー「あ、確かに。フィリスちゃんはどう?」
フィリス「えっと。ソフィーさんたちがよければ、ぜひ…。」
ソフィー「じゃあ決まり!…今日は疲れただろうから、また明日から頑張ろうね。」
プラフタ「ええ。今日はゆっくりお休みなさい。ベッドは、こちらを…。」
アサギリ「では、我々は一旦アスクに戻ります。また明日。」
翌日
ソフィー「よーし!今日から錬金術の練習始めるよ!」
プラフタ「当面の目標は、町の人の困りごとを解決できるようになること…でしょうか。」
アサギリ「そうですね。その目標を達成させましょう。」
フィリス「はい!よろしくお願いします、ソフィーさん…ううん。ソフィー先生っ!」
蒼龍「お邪魔しまーす!おお!さっそく錬金術の練習ですね!」
飛龍「初めまして!蒼龍の相方、飛龍です!」
プラフタ「あらあら、アサギリさんのお供が増えましたね。」
アサギリ「飛龍さん、すごく興味を持ったみたいでして…。」
クリフ「はあ…。こんな野次馬がついてくるならこの話しなきゃよかった…。」
ロビン「お、おい!そんな言い草はないだろ?あ、俺、ロビンです!」
グレイ「俺はグレイ。外の世界に興味があるんだって?錬金術ってのはよくわかんねえけど、可愛い女の子がいるって聞いたもんでな!応援しに来たぜ!」
アサギリ「グレイさん!」
グレイ「悪い…。ま、とにかくよろしくな!」
プラフタ「ふふふふっ…。賑やかになりますね。」
アサギリ「すみません。こんなについて来るとは思いませんでした。」
ソフィー「いえいえ。賑やかな方が楽しいから!じゃあ、早速調合…やってみよう!」
フィリス「はい!」
ソフィー「今から教えるのは、前にやった時よりも本格的な調合のやり方なの。でも、基本は同じだから心配しないでね。フィリスちゃんならきっと大丈夫!」
フィリス「こうかな?」
ソフィー「右の錬金成分チャージ量を示すバーがあるでしょ?今このシロヒメグサを置いたことで15まで伸びてるのがわかる?」
フィリス「わっ!本当だ!」
ソフィー「伸びる量と色は、使う材料によってまちまちだから色々試してみてね。それじゃ、同じようにほかの材料も並べてみて!」
フィリス「はい!じゃあ、もう一本のシロヒメグサはさっきの隣に置いて…水は…水も横に置こう!」
アサギリ「ん?バーがいっぱいになりましたよ?」
ソフィー「そう!今これは、アイテムのチャージレベルがあがったんだよ!」
ロビン「チャージレベル?」
ソフィー「この時、どの色の材料を入れてレベルアップしたかで、その色に対応した効果レベルが上がります。」
アサギリ「回復アイテムだったら回復量が増えるとか?」
ソフィー「まあ、そんな感じ。今回は青でレベルアップしたから、青色の効果レベルが上がってるんだよ!」
蒼龍「へぇー!あ、でも、他の色もちょっと上がってるね。」
ソフィー「効果レベルが一定のレベルまで達し、★マークのところまでいったら、特別な効果が付くようになるんだよ!」
フィリス「それじゃあ、さっそく残りの材料も置いてみますね!水をまた右隣に置いて…。」
アサギリ「HP再生付与・微…?自然回復ってことですか?」
ソフィー「そうそう!フィリスちゃん。エリアに二つの白いラインがあるでしょ?」
フィリス「はい。これは?」
ソフィー「これは、ボーナスラインと言って、このラインのあるマスに材料パネルを置いてすべてのマスを埋めると、様々なボーナスが得られるんだよ!詳しい事は△ボタンで確認することができるから、その都度確認してみるといいよ!」
グレイ「さんかくボタン?」
アサギリ「まあ、そういう操作をしてねってことですよ。…ということは、今回は医者いらずができあがったときに、品質がアップするボーナスが得られるということですね。」
フィリス「それでは、実際にパネルを置いて埋めてみますね。残ってるのは教会のお札だから…。こうかな?」
ソフィー「そうそう!これで品質数値が110になったよ。ちなみにこのボーナスラインは、調合時に材料とは別に投入する、触媒というものを入れることで変わるんだけど、それはまた追々ね。それじゃあ、このまま調合を進めて、完成させよう!」
フィリス「うまく…いった…?」
ソフィー「完璧だよ!もう基本はバッチリみたいだね。」
プラフタ「ええ。フィリスは本当に飲み込みが早いですね。」
フィリス「えへへ…。なんだかちょっと自信付いてきたかも…。」
ソフィー「あとは、実践を積めば、どんどん上手になっていくと思うよ。」
アサギリ「実践?」
ソフィー「ちょっと考えたんだけど…長老さんからの課題もあることだし、町の人やアサギリさん達の困りごとを聞いてきたらどうかな?」
飛龍「それを錬金術で解決していくんですね!」
フィリス「あ、なるほど。課題をこなしながら実践を積める…ってわけですね!」
ソフィー「そういうこと。ちょっとお得な気がするでしょ?」
フィリス「はい!じゃあ、アサギリさん。何か困りごとありませんか?」
アサギリ「え、俺?…えーっと…。」
]]>JUGEMテーマ:アトリエシリーズ
フィリス「そういえば、お二人って、お外から来たんですよね?」
ソフィー「うん、そうだよ。キルヘン・ベルっていうところから来たの。教会があって、緑がたくさんあって、町の人たちも優しくて…。」
プラフタ「あまり大きくはありませんが、落ち着いた、とても住みやすい町ですね。」
フィリス「へぇ…!あの!他にもお外のお話、聞かせてもらえませんか?」
アサギリ「フィリスさん、エルトナを出た事が無いので、外の世界に興味があるんですよ。」
ソフィー「お外の事に…?へぇ、そうなんだ…。なら、どんな話がいいかなぁ…。えっと…。」
プラフタ「ソフィー。先にテントを張ってしまいませんか?おそらくそちらの方が、落ち着いて話せると思いますが。」
ソフィー「あー、そうだね。そうしようか。フィリスちゃんもそれでいいかな?」
フィリス「はい。じゃあ、空き地まで急いで案内しますね!」
アサギリ「この辺りですか?」
ソフィー「うむむむ…!うん!これくらいあれば大丈夫そう。」
フィリス「本当ですか?ふふ、良かったです。」
ソフィー「ありがとね、フィリスちゃん。じゃあ、ぱぱっと張っちゃうから!」
アサギリ「もしかして、これもまた…?」
ソフィー「よいしょっ、と。ここをこうして…こうすれば…。でっきあっがり―!さぁ、入って入って。…きっと驚くと思うから。」
フィリス「驚く…?お邪魔しまーす。」
アサギリ「失礼します…え?これは…?」
フィリス「わたしたち、テントに入ったんですよね?なのにこんなに広いなんて…どういうこと!?」
アサギリ「まさか、これも錬金術の類ですか!?」
ソフィー「ふふふ…。その通り。改めまして…ようこそ、あたしたちのアトリエへ!」
フィリス「アト…リエ…?」
プラフタ「はい。錬金術師の仕事場の事です。」
ソフィー「それで、錬金術っていうのは…今からやってみるから、ちょっと見ててね。」
ソフィー「えーと、材料は…これと、これ。」
アサギリ「ふむふむ…。」
ソフィー「釜の温度に気を付けながら、ゆっくり丁寧にかき混ぜれば…。はい、道具のでっきあっがり―!」
フィリス「えっ…。い、今、何が…!?」
アサギリ「これが…錬金術…。」
プラフタ「ある物を元に、まったく別のものを作り出す。私たちの錬金術は、そのような力なのです。」
ソフィー「錬金術のおかげで、色んなものが作れるんだ。このテントも、さっき扉を直したのもそう。」
アサギリ(資材を使って艦娘を建造したり、装備を開発するのも、錬金術の類だったりするのか?)
ソフィー「ふふっ、どうかな。わかってもらえた?」
フィリス「(扉を壊したり、直したり、かと思ったら、釜の中から物を取り出してみたり…。本当に、夢でも見てるみたい…。錬金術って…。錬金術って…!)錬金術って…本当にすごい…!」
ソフィー「でしょー?」
フィリス「ソフィーさん、もう一回!もう一回みせてください!」
プラフタ「随分とお気に召したようですね。」
ソフィー「そうだね…。うーん。そんなに気に入ったなら、提案なんだけど…フィリスちゃん。錬金術…やってみない?」
フィリス「え!?わたしが…ですか?」
アサギリ「いいですね!やってみましょうよ!」
ソフィー「うん!たぶん、フィリスちゃんには錬金術の才能があると思うんだ。それにきっと…見てるより、自分でやったほうが楽しいしね!」
プラフタ「ええ、その通りです。遠慮などは、いりませんよ?」
フィリス「…はい!それなら、やってみたいです!」
アサギリ「決まりですね。」
ソフィー「フィリスちゃん。やり方を教えるから、こっちまで来てくれるかな?」
フィリス「分かりました!」
プラフタ「アサギリさんはどうします?」
アサギリ「俺は…見学しておきます…。メタいですけど、このブロブのタイトルは、フィリスのアトリエですから。俺がでしゃばりすぎると、それはそれでマズいので…。」
アサギリ「フィリスさん。材料はお持ちですか?」
フィリス「はい。…といっても、黒砂がほとんどですが…。」
アサギリ「とりあえずやってみます?」
ソフィー「じゃあ、はじめよう。えっと、まずはね…?」
アサギリ「この医者いらずってなんですか?」
ソフィー「それは、錬金術のレシピ。艦娘を建造したり、装備を開発したりするのに必要な資材のレシピがあるでしょ?それと同じ。」
アサギリ「はあ…。なるほど(俺の心を読まれた?)。」
ソフィー「レシピは今はそれしかないから、とりあえずそれを選択して…次に材料を選択するの。」
プラフタ「材料には具体的にアイテムが指定されているものと、カテゴリを指定されているものがあります。カテゴリが指定されている場合でしたら、該当するカテゴリを持っているアイテムならどの材料を使用しても構いません。ただし、材料によってれんきん成分が異なりますので、ご注意ください。」
アサギリ「錬金成分…?」
ソフィー「簡単に言うと、品質とか、サイズの事かな。それはだいたい数値の大きさと色で表されるよ。」
アサギリ「それでは、□ボタンでアイテム情報を切り替えるなどして、そのアイテムが持つ錬金成分の数値や色を確認することが大事というわけですね。」
フィリス「そうすると…同じ妖精の日傘でも、品質のいいものから、細いものまで様々ですね。」
アサギリ「やっぱ単純に品質のいいものほどいい道具が出来るものなんですかね?」
プラフタ「そうですね。」
フィリス「それでしたら、比較的品質のいいものを2つ選択します。」
アサギリ「植物はこれでOKですね。次は紙か…。」
フィリス「紙でしたら、この破れた紙しか…。」
ソフィー「OK!最後は水ね!どんなのを持ってる?」
フィリス「地底水と、飲める水が2つずつあります。」
ソフィー「じゃあ、飲める水2つ行ってみようか!」
フィリス「はい!」
ソフィー「よし!これですべての材料を選んだね!いよいよ調合開始だよ!」
フィリス「できた…!できました、ソフィーさん!」
アサギリ「なるほど、医者いらずって回復アイテムなんですね。」
ソフィー「おめでとう!いきなり成功するなんてすごいよ!」
プラフタ「ええ。…ソフィーなど、最初は何も作れなかったというのに。」
ソフィー「うぐっ…。い、一応少しは作れたし…!…も…もうっ!昔の話なんだから、いいでしょー!」
アサギリ「ははは…。何にしろ、フィリスさんに錬金術の才能があるのは間違いないですね!」
フィリス「えへへ、そうですか…?でも、錬金術ってとっても楽しいんですね!材料をばっ、って入れて、ぐるぐるーって混ぜたらどーん!って、出来ちゃうんですから!」
プラフタ「…ソフィー。どうしましょう。何を言ってるのか、理解できません。」
ソフィー「あはは…。それだけ楽しかったってことだよ、きっと。」
アサギリ「そうですね。」
ソフィー「でも、フィリスちゃんは本当にすごいよ。この調子で頑張れば、公認試験にだって合格できちゃうかもね。」
フィリス「公認試験…?」
プラフタ「はい。一年に一度開かれる、錬金術師の実力を計るための試験です。」
ソフィー「合格すると、優秀な錬金術師だって認めてもらえるんだ。実は、あたしも来年の試験を受けようと思ってて。」
アサギリ「あれ?ソフィーさんは合格されてなかったんですか?なのにここまですごいことが…。」
フィリス「なるほど…。それで、旅をしてるんですね…。」
ソフィー「うん、そういうこと…まぁ、それはいっか。フィリスちゃん、どうかな。錬金術のこと、わかってもらえた?」
フィリス「はい!よーく分かりましたっ!」
ソフィー「そっか!それならよかった。」
アサギリ「あれ?なんかどっかで音がしましたよ?」
フィリス「時間を知らせる鐘なんです。この町、お空がほとんど見えないから…。」
アサギリ「そういえばそうでしたね…。時間帯的に、もう夜ですね。」
フィリス「そろそろおうちに帰らないと…。」
ソフィー「ねぇ、フィリスちゃん。あたしたち、しばらくこの町にいるつもりだからさ、もしよかったら、また遊びに来てよ。いつでも錬金術、やらせておげるから。ね?」
フィリス「え…。いいんですか?」
ソフィー「もちろん!ね、プラフタ。」
プラフタ「ええ。アサギリさんも、遠慮なさらず。」
アサギリ「ありがとうございます。」
フィリス「やった!わたし、絶対また来ますね!」
ソフィー「うん。じゃあ、気を付けて帰ってね。」
プラフタ「それでは、また。お待ちしていますよ。」
蒼龍「いたいた!おーい!アサギリ提督ー!」
アサギリ「クリフさんに蒼龍さん。あれ?そういえば、リアーネさんは?」
クリフ「ああ、あの人は先に帰ったよ。フィリスのこと、待ってるんじゃない?」
蒼龍「急いで帰らないと。リアーネさん、心配してたよ。」
フィリス「は、はい!では、アサギリさん、クリフさん、蒼龍さん。また今度!」
フィリス「ただいまー!」
リアーネ「おかえりなさい。…急に走って行っちゃうから、心配してたのよ?」
フィリス「えへへ、ごめんね!」
ルーカス「嬉しそうだね。何かいいことでもあったのかい?」
フィリス「なーいしょっ!」
ニコラ「…変な子ねぇ。ま、いいわ。ごはんできてるから、食べちゃいなさい。」
翌日
フィリス「ふわぁ…。おはよう…。」
ニコラ「おはよう。…ぐっすり寝られたみたいね。」
フィリス「うぅん…。あれ、お母さんだけ…?」
ニコラ「お父さんもリアーネも、もうとっくに出かけちゃったわよ。」
フィリス「そっかぁ…。わたしもどこか行ってこようかなぁ。」
ニコラ「いいけど、晩御飯までには帰ってくるのよ。」
フィリス「はーい。」
フィリス「あれ?人が集まってる…?」
アサギリ「フィリスさん。こんにちは。今ちょっとすごいことになってますよ!さ、お早く!」
ソフィー「さぁ、次に紹介するのはこの爆弾!持ち運びが便利で、威力もお手頃!ちょっとした魔物退治にも、邪魔な岩の発破にも役立つこと間違いなしっ!」
???「へぇ…。あれさえあれば、野良プ二が出たときも楽そうだな…。」
ソフィー「そして最後は取っておき!こちら、『全自動つるはし』!勝手に地面を掘ってくれるから、硬い岩盤も楽々掘り進めちゃうんです!」
ルーカス「おお、それはすごい!」
ベルント「そうじゃのう!くー、ぜひ欲しいのう!」
フィリス「ソフィーさん、何やってるんだろ…。長老とお父さんまで混じってるし…。」
アサギリ「実演販売みたいですね…。」
ソフィー「…というわけで。薬に爆弾、日用品まで。困ったことがあれば、何でもあたしに言ってください。錬金術で、ぱぱっと作っちゃいますから!」
蒼龍「すごいのね、錬金術って。何でも作れちゃうなんて…艦載機とかも作れるのかな?」
クリフ「それはボーキサイトがあれば作れるんでしょ?でも、確かにすごいよね、錬金術って。僕も何か作ってもらおうかな…。」
アサギリ「薬はともかく、爆弾も作れるんですね。」
フィリス「本当に、なんでも作れそうな…。ん?お薬と爆弾が…作れる…?」
アサギリ「?」
フィリス「お薬が作れれば怪我を直せるし…。爆弾が作れれば、魔物も倒せる…?ひょっとして…!錬金術さえあれば、お外でもやっていける!?」
クリフ「あー。確かにそうかもね。」
フィリス「よしっ!ちょっとソフィーさんに相談してみよう!」
蒼龍「相談って…?」
アサギリ「大丈夫。俺とフィリスさんは昨日ソフィーさんに会ってるんだ。あの後、あの扉からあの人たちが現れてさ。」
フィリス「そうなんです!クリフさんと蒼龍さんも一緒に来てください!」
フィリス「お邪魔しますっ!」
アサギリ「失礼します。アサギリです。」
クリフ「お邪魔します。クリフです。」
蒼龍「失礼しまーす。蒼龍です!」
ソフィー「あ、いらっしゃい。あら。クリフさんと蒼龍さん。アサギリさん達のお知り合いなんだ。あれ?フィリスちゃんどうしたの?なんか急いでいるみたいだけど。」
フィリス「あの、ソフィーさん!わたしを…弟子にしてください!!」
アサギリ&クリフ&蒼龍「えっ!?」
プラフタ「ソフィーの弟子に…?話が見えませんが…。」
フィリス「え、えっと…細かいことはともかく!ソフィーさんに錬金術を教えてもらいたいんです!」
アサギリ「すごいド直球ですね…。」
プラフタ「…事情は分かりませんが、熱意はあるようですね。」
ソフィー「うん、そうだね…。弟子かぁ…。あたしは構わないんだけど…。フィリスちゃんは、あたしなんかが先生でいいの?」
フィリス「はい!もう、ぜんぜん!むしろ望むところです!」
プラフタ「よいのではないですか?本人もこういっていますし…。」
ソフィー「…うーん、じゃあ二つだけ。まず一つ目は教える前に、ご両親の許可を取ってくること。二つ目は、アサギリさん達もついていること。錬金術って、失敗すると危ないからさ。」
プラフタ「…ふむ、そうですね。爆発して怪我をする恐れもありますし、それがよいかと。」
フィリス「アサギリさん達は、付いててくれますよね?」
アサギリ「もちろん。でも問題は…。」
フィリス「うん…。お父さんとお母さんの許可…。」
ソフィー「言いにくいんだったら、あたしも行くよ。せっかくだから、挨拶しておきたいし。」
アサギリ「そういえば俺もフィリスさんの両親にまだ会ってないな。俺も同行しますよ。誤召喚したことも謝らなきゃいけないし。」
フィリス「本当ですか?わー、ソフィーさんとアサギリさんが一緒なら心強いです!お願いします!」
ソフィー「うん!それじゃあ、行こう!」
フィリス宅
フィリス「お父さん!お母さん!」
ニコラ「お帰り、早かったのね。…ん?そちらの方々は?」
アサギリ「お邪魔します。俺はアサギリです。」
クリフ「クリフです。どうも…。」
蒼龍「お邪魔します。蒼龍です。」
ソフィー「お邪魔します。あたし、ソフィーって言います。」
ルーカス「あ、あなたは先ほどの錬金術士の方!そして、異界の召喚師様!ようこそいらっしゃいました!アサギリさんのことも、長老から聞いております!」
ニコラ「あなたが噂の召喚師さん?」
アサギリ「はい。この度は、娘さんを誤召喚してしまい、大変申し訳ございませんでした。お詫びと言っては何ですが…こちらをどうぞ。」
ニコラ「あら、わざわざフィリスを送ってくださったのよね。そのことはもういいわ。それより、錬金術士…?」
フィリス「うん。でも、ただの錬金術士じゃないんだよ。今日から、わたしの先生になってくれるの!」
ニコラ「話が見えないわ…。どういうことなの?」
フィリス「わたし、錬金術士になる!錬金術ってすごいんだよ。お薬も爆弾も…なんだって作れちゃうんだ。錬金術があれば、わたしもお外で暮らしていけるはず。だから、錬金術士になって、お外に行きたいの!」
ニコラ「…。」
クリフ「あの、異世界の人間が口を挟むのも差し出がましいかもしれないけど、僕はアリだと思う…思いますよ。確かに、危険なところも多いし、魔物も潜んでるって聞いたから、心配になるのもわかるけども…。」
蒼龍「そうね。フィリスちゃん、ずっと憧れていたものね。これから体験することは、きっとフィリスちゃんにとってプラスになると思うんです。」
アサギリ「ええ。俺のミスを棚に上げるような言い方をしてしまうようですが、俺がフィリスちゃんを召喚したのも何かの縁です。フィリスさんの事は、我々がお守りいたします。ですからどうか…。」
フィリス「ねぇ、許してくれるよね?わたし、錬金術を始めてもいいよね?お外に出ても、いいよね…?」
ニコラ「…駄目よ。」
フィリス「え…?」
ニコラ「何度も言ってるでしょう?外はあんたが思ってるより、よっぽど危ない所だって。何を夢見ているか知らないけど、大人だって命を落とすことがある場所なのよ?そんなところに行ってご覧なさい。…あっという間に魔物のエサよ。」
フィリス「…それは分かってる。だから錬金術を練習するの!錬金術があれば、怪我しても自分で治せるし、魔物だって倒せる!お外でもやっていける!」
ニコラ「…ちょっとかじったぐらいの錬金術が本当に役に立つのかしら?」
フィリス「これから精一杯練習するから!わたし、錬金術の才能あるって褒められたんだよ!教えてもらって、道具だって作れたんだから!だからお願い、お母さん…。わたし、どうしてもお外に行ってみたいの…!あの扉の先を、見てみたいのっ…!」
アサギリ「…。」
ニコラ「アサギリさんに、ソフィーさん、と言ったかしら。ごめんなさい、娘が迷惑かけたわね。娘にはあたしから言い聞かせておくので、申し訳ないんですけど、お引き取りを…。」
フィリス「…どうしてわかってくれないの?」
ルーカス「フィリス…?」
フィリス「お外に出たいって思うのは、そんなにダメな事なの?扉の先でお空を見てみたいって思うのは、本当に許されない事なの!?…わたしだって、好きでこんな町に生まれた訳じゃない!こんな薄暗い町なんて大っ嫌い!!お父さんもお母さんも…大っ嫌い!!!!!」
アサギリ「フィリスさん!…この度は失礼しました。」
ソフィー「フィリスちゃん…。あ、えっと…失礼します!」
クリフ「…。失礼しました。行くよ、蒼龍。」
蒼龍「あ、うん。ごめんなさい。失礼しますね…。」
ニコラ「…大っ嫌い、ですって。」
ルーカス「…そうだなぁ。」
アサギリ「フィリスさん…。俺はなんて声をかければいいんだ!慰めの言葉一つ欠けてやれない俺の不甲斐なさが憎い…!」
ソフィー「アサギリさんも、ムキにならないで…。フィリスちゃんは…。」
蒼龍「あの子、一度も扉の外を出た事が無いんです。」
クリフ「生まれてからずっと…。確かに窮屈だよね…。」
アサギリ「どんなに外へ行きたくても、この扉は、彼女のために開くことはなかった…。そんなある日、俺たちの目の前で、いとも簡単に扉を壊したソフィーさんがやってきた。」
クリフ「錬金術のすごさを教わったもんね。その力があれば、外に出られると思って、君に弟子入りを志願したんだ。」
蒼龍「外に出たい。たったこれだけの事を危険だという理由で出してもらえなかった。その原因が魔物だと考えると…。私は魔物が許せない…!」
フィリス「私は…お外に出たい…!この扉の先にある、お空の下を…!自分の足で、旅をしてみたいんです!だから…お願いです、ソフィーさん。わたしに錬金術を教えてください!それが、わたしの夢をかなえるのに必要な事だから…!」
ソフィー「…ごめんね。あたし、フィリスちゃんのこと、全然わかってなかった。お外の事も、ご両親の事も。…これまでいっぱい考えて、いっぱい悩んできたんだよね。」
フィリス「…。」
ソフィー「ねぇ、フィリスちゃん。あたしと一緒にさ。…夢、叶えよう?あたしができることならなんだってする。錬金術も、教えられることは何でも教える。」
アサギリ「…そうですね。俺らも力を貸します。俺も、扉の先を見てみたいですし。ともに扉の先を見に行きましょうよ!」
フィリス「…はい。…はい!」
ソフィー「それじゃあ。改めてよろしくね、フィリスちゃん。アサギリさん達も、改めてよろしく。」
アサギリ「ええ。」
クリフ「うん。」
蒼龍「うん!」
フィリス「はいっ!!」
ソフィー「うん。じゃあ、みんな一回アトリエに戻ろうか。これからのこと、考えないとね!」
フィリス「そう…ですね。わかりました。」
蒼龍「これからの計画といったら、アサギリ提督の大得意分野だからね!期待しててね!」
アサギリ「なんでそこだけ人任せなんだよ!」
フィリス「あははは!期待してますよ!アサギリさん!」
アサギリ「フィリスさんまで!…しょうがないですね。」
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