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ドラマ&映画の中の、「シャンプー・シーン」の3回目は、アメリカ合衆国編です。
?「シャンプー」 (1975年 アメリカ映画)
ロサンゼルスの美容院が舞台。
売れっ子・男性美容師が主人公の映画作品。
「享楽主義者」で、得意のヘアカット以外は、世間知らず。
そんな主人公の刹那的な生きざまと、
彼の勤務する美容院、それを取り巻くビバリーヒルズの社交界とが、まさに「Vanity Fair」(虚栄に満ちた世界)として、
終始、冷めた視点で描かれています。
1975年・当時 (ハリウッドヒルズの道路が、まだ舗装されていない時代)の、アメリカの「都会の美容院」の、活気にあふれる営業シーンが、映し出されています。
この映画の内容から、なぜ「シャンプー」という題名がつけられたのか、その点はよくわかりません。
〈サイドシャンプー・着席型〉でのシャンプーシーンが登場しています。
?「マグノリアの花たち」 (1989年 アメリカ映画)
ルイジアナ州の美容院が舞台。
「アメリカの田舎の美容院」に集う女性たちの悲喜こもごもの、人生ドラマ。
前項での紹介作「シャンプー」とは対照的、田舎の美容院で展開される人情味あふれる物語です。
美容室グレープス・ブログ ⇒ こちら でも、映画「マグノリアの花たち」を紹介させていただいています。
〈サイドシャンプー・着席型〉でのシャンプーシーンが登場しています。
■「サイドシャンプー・着席型」
これが、アメリカ合衆国の、伝統的(西暦2000年頃まで?)な シャンプースタイルです。
※ 常に、頭部を後屈させ、顔を仰向けの状態で、施術される、このシャンプースタイルは、
1992年、ニューヨークの脳神経外科の Weintraub医師の論文によって、
「「美容院脳卒中症候群」の原因となる」として、注意が発せられることとなります。
ちなみに、その時代までの、アメリカの美容院で行われていたシャンプーの際の、頭部の後屈角度は、
平均「45度」程度、という記述も残っています。※※
(上の、映画の場面のスクリーンショットからも、45度程度の頭部の後屈の様子が確認できます)
※※ のちの1998年、日本の美容組合の「美容院脳卒中症候群の予防のためのガイドライン」では、
シャンプー時の頭部の後屈は、「5度」程度までに抑えるように、との指示が出されている。
その後、
アメリカ合衆国の美容院でのシャンプー方式は、バックシャンプー・リクライニング型へと、変化してゆきます。
(ただし、「美容院脳卒中症候群」への注意勧告が、その直接のきっかけけになったか否かについては、私たちはこれ以外に、判断する材料を持ち合わせていません)
続いて、
■西暦2000年以降の、アメリカ合衆国の美容院でのシャンプー方式を観察してみます。
前回の、「ヨーロッパ編」と同様に、当店で所蔵している「月刊ボブ」(髪書房)誌から、
現代(21世紀)の アメリカの美容室のシャンプー設備の一部を、引用させていただきます。
■ニューヨークの美容院のシャンプー台 (2012年)
※これは、2012年の時点でも、
旧来の「サイドシャンプー・着席型」を使用しているお店もあるという証です。
〈 月間BOB / 髪書房 vol109 2012年より 〉
■ニューヨークの美容院のシャンプー台 (2013年)
「バックシャンプー・リクライニング型」
〈月間BOB /髪書房 vol.123 2013年より〉
■ニューヨークの美容院のシャンプー台 (2017年)
「バックシャンプー・リクライニング型」
〈月間BOB /髪書房 vol.166 2017年より 〉
以上、
ご覧いただいたように、
アメリカ合衆国の美容院でのシャンプー方式は、21世紀に入って、
「サイドシャンプー・着席型」から「バックシャンプー・リクライニング型」に、変化を遂げています。
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ドラマ&映画の中の、「シャンプー・シーン」の2回目は、ヨーロッパ編です。
が、・・・
残念ながら、わたくしたちの手元にあるヨーロッパ映画の中に、
美容院でのシャンプーシーンが確認できるものは、ありませんでした。
その代わりに、ここでは、
美容の業界誌から、その情報を引用させていただきます。
美容技術を扱う雑誌の中でも、特に、カットの技術研究に定評があり、
世界各地の美容室の取材にも熱心だった、「月刊ボブ」(髪書房)誌で、
現代(21世紀)ヨーロッパの美容室のシャンプー設備を、観察してみます。
■パリの美容室のシャンプー台 (2006年)
■ミラノの美容室のシャンプー台 (2006年)
■ロンドンの美容室のシャンプー台 (2006年)
〈月間BOB / 髪書房 vol40. 2006年 より 〉
■ロンドンの美容室のシャンプー台 (2012年)
〈月間BOB / 髪書房 vol109. 2012年より 〉
■2013年 ロンドンの美容室のシャンプー台
〈月間BOB / 髪書房 vol123. 2013年より〉
以上。
ご覧いただいたとおり、
1つ1つの機種に、それぞれ個性はありますが、
どれも、「バックシャンプー・リクライニング型」であることに間違いありません。
歴史上も、現代も、これがヨーロッパの標準です。
■ヨーロッパの美容室のスタンダード=「バックシャンプー・リクライニング型」
※ さいごに、関連情報をひとつ、
★★★ドラマ&映画の中の、「シャンプー・シーン」★★★
■■■ 番外「ヨーロッパの理髪店」編 ■■■
美容室でのシャンプー・シーンではありませんが、
著名なヨーロッパ映画の中に、
理髪店(バーバー)でのシャンプー・シーンがありました。
■「髪結いの亭主」 (1990年フランス映画)
フランスの田舎町の「理髪店」を舞台にした、
( 悦楽主義者の妄想?とも解釈できる) 女性理髪師をめぐる官能的なラブロマンス映画です。
理髪店内で、ほぼすべてのストーリーが展開されるため、
なかなか目にする機会のない、フランスの理髪店の施設全体が、観察できます。
日本の理容店との設備やシステムの違いなど、
文化比較のソースとしても、見どころが多い作品ではないでしょうか。
■「サイドシャンプー・着席型」で、シャンプーが行われています。
※ 機器(シャンプーボウル)は、バックシャンプーのそれと同型に見えます。が、
サイドポジションからシャンプーが行われています。
お客様の体とシャンプーボウルとの接点が、(安全なシャンプーのためのセオリーである) 頭の付け根部分ではなく、
首の中間点になっているため、頭部の後屈が起きています。
その原因は、椅子のサイズ(座高)が、あっていないためか、ボウルの形状(くびれ部分が浅すぎる)の問題か、
あるいは、サイドポジションに立ちながら、頭を反らせてまで、後ろ方向にすすぎを行う、施術方法にあるように映ります。
しかし、いずれにしても、この頃は、まだ、世界中、「美容院脳卒中症候群の予防」に意識を払う時代ではなかった。
ということに間違いありません。
「サイドシャンプー・着席型」
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むずかしい話が続きました。
このあたりで、ちょっと一服。
ここでは、
当店で所蔵している、過去に、美容室が舞台となったテレビ・ドラマ、3作品を紹介しながら、
その時代、時代、のシャンプー方式を確認してみます。
ここまでのこの連載のテーマのひとつ、「美容室でのシャンプーの歴史」が、
よりリアルに理解していただけるのでは、・・・と思います。
? 連続テレビ小説「あぐり」(1997年放送/NHK)
昭和の初期。
それは、日本の女性の髪形、ファッションが、日本髪や束髪から、洋髪に変化を遂げようとしていた時代、
その推進役として、また、90歳代の半ばまで、現役美容師として、活躍。
美容師という職業のシンボル的存在として、名を残した「吉行あぐり」さんの半生を描いているのがこのドラマ。
■1930年(昭和10年)代の美容室でのシャンプーが再現されています。
〈サイドシャンプー・着席型 〉
※首は後屈して、顔は仰向けの姿勢です。⇒ 現代の安全基準では、これはNGです。 ※1
? 連続ドラマ「ザ・美容室」(2000年放送/フジ系・東海テレビ)
昼の帯ドラマとして放送されました。この作品を、ソープデッシュ(昼メロ)として見ると、その価値を見誤ります。
大手企業のキャリア職から、美容師に転身し、母親の美容室を継ぐヒロインの生き方を描いています。
東京・吉祥寺の美容室の日常の描写や、当時の美容室の経営をめぐる諸問題、世情をドラマに織り込ませていて、リアリティのある作品として楽しめます。のちに、CS放送で再放映が繰り返された理由も、そんなところにあるのでは…
■2000年当時のリアルタイムのシャンプー設備が確認できます。
〈サイドシャンプー・フラット型〉
※ ̪サイドシャンプーのシャンプー椅子が水平型のリクライニングタイプに代わり、首の後屈もなくなっている。
? 連続ドラマ「美容少年★セレブリティ」(2007年放送/テレビ東京)
男性美容師によって編成された、美容の特命チームの活躍を描いたコンセプトドラマ。
1話ごとにテーマを設定して、美容の仕事を深堀して描いているユニークな作品。ではあるけれど、
ファンタジックな演出のためか、専門性の高い技術描写や、プロ仕様の情報が多くない点が少し残念。
■2007年当時の最先端、「バックシャンプー・フラット型」が登場しています。
〈バックシャンプー・フラット型〉
では、
ここでもう一度、日本の美容室でのシャンプーの歴史を、確認してみます。
下の絵図〈日本のシャンプー方式の変化の歴史〉をご覧ください。
明治時代から始る、日本の近代美容の長〜い歴史の中で、
1990年代から2000年代の初めが、
シャンプーの技法とその設備の大きな転換点となっていることが、
お客様方にもご理解いただけるのではないでしょうか。
〈日本のシャンプー方式の変化の歴史〉を振り返る
■上記の年表(図表)の?番、
西暦2000年頃から日本に普及した〈バックシャンプー・リクライニング型〉については、
残念ながら、今回、その登場シーンをドラマ作品の中で見つけることは出来ませんでした。(手持ちの作品の中では)
代わりに、
当時の美容機器メーカーの製品カタログから、その紹介ページを抜粋してみます。
〈バックシャンプー・リクライニング型〉は、
長い歴史を持つ、ヨーロッパの標準的シャンプーシステムです。
西暦2000年前後から、日本への導入が始まりました。
ドイツが起源の世界的な美容資材メーカー、WELLA社の世界標準タイプがその先駆でした。
ここで掲載のバックシャンプーシステムの製造メーカーは、大広製作所。
この日本製のバックシャンプーシステムには、独自の安全機能が付加され製品化されています。
・・・後に、この連載の中で紹介していきます。
※1
1997年の美容組合の「美容院脳卒中症候群・予防のための通達(ガイドライン)」では、
シャンプー時の、お客様の首の後屈は、5度程度までにとどめるように指示されている。
■関連ページ ⇒ こちら
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土曜日にでも美容室にカット行こうかと思っていたけど、フト、今日予約が取れたら行こうと突発的に思って電話したらすぐにでもOKとのことで、2か月ぶりに美容室にカットに行ってみた。
普段通りにカットが終わり、会計の段階で、担当の美容師さんが申し訳なさそうに話を切り出してきた。
「まさか、このお店を辞める・・・」とか言わないでくれよ、と思ったけどそれは違いましたが、来月から料金が上がるとの話だった。
いくら上がるのかと聞くと、550円アップという・・・・
マジか・・・何、この強気な上げ幅!!って思ったんだけど、雇われの従業員の美容師さんに言っても仕方がないので「そうですか・・・」で終わらせておきました。
まぁ、2か月に一回くらいしか行かないので、しゃーねーかなぁー・・・・
⇒ オートバックス タイヤ交換
⇒ 札幌 月極
⇒ アプワイザーリッシェ
⇒ 昭和大学 医学部
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? 日本での「美容院脳卒中症候群」のはじまり 1997年
「美容院脳卒中症候群」 が、日本で紹介されたのは、今から20年以上前のことです。
その時のことを覚えていらっしゃるお客様方も、多くいらっしゃると思います。
当時、大人気だったテレビの健康番組でも、大きく取り上げられたことなどから、
一時は、国民的なニュースとして話題にもなり、
美容室のお客様の多くが不安を持たれたことでしょう。
しかし、その後、この問題は、比較的短期間で終息することとなります。
その理由は、
「監督官庁」と「美容組合」が主導して、
お客様に対して、正確な情報の提供を行ったこと。
美容室も、
安全確保のために、正しい対応をとった。
さらに、
日本の美容機器メーカーも、
(設計上では)「美容院脳卒中症候群」の発症の危険性のない、
つまり、
「頭を反らす必要のない」新しいシャンプー方式と、
その際に必要となる「昇降機能が付いた」シャンプー椅子を普及させたこと。
それが、
「フラット型のサイドシャンプー」(シャンプーボウルの高さと、水平に、体を倒す)
方式です。
加えて、
当時の活字メディアの、事実に則った報道も、一つの要因といえるのではないでしょうか。
その記録は、現在も新聞の縮刷版で確認ができます。
ここからは、
当時の記録にもとづいて、問題解決に至るまでの推移を振り返ります。
その当時の経過をたどってみることによって、
この問題の真相が容易に見えてきます。
ではまず、
■「〜1990年代までの、日本の美容室でのシャンプー方式」を、確認していきます。
日常的に、頭を後ろにそらす(頭部の後屈)姿勢で、シャンプーがされていました。
■ サイドシャンプー・着席型 ?
日本でも、
当時の、アメリカの美容室と同じ方式で、シャンプーが行われていました。
その場合、
シャンプーボウルに合わせる椅子のタイプによって、
シャンプーをうけるお客様の「首を後ろに倒す角度」が違ってくることにも注目してください。。
(上の画では、リクライニングチェアをあわせています。)
※「首が後ろに曲がる角度」に、注目してください。
背中のライン(体幹)から、約45度、後屈した状態です。
■ サイドシャンプー・着席型 ?
(リクライニング式でない椅子をあわせた場合)
※ このように、
リクライニングしない、背もたれの角度がきつい(垂直に近い)椅子を合わせた場合、
「首の後屈の角度」もきつくなります。
この場合の後屈は、およそ60度にまで、後ろに反っています。
■日本で、「美容室脳卒中症候群」問題が終息するまで
・・・1997年〜2000年代はじめの出来事を追ってゆきます・・・
1997年
⑴ 日本人医師によって、「日本で発症した美容院脳卒中症候群」の学術論文が発表される。
1997.12.2 <読売新聞 社会面に掲載された記事> ※1
■1996年に、水戸市の脳外科病院を、頭痛や手足の痺れの症状で受診した患者500人の行動調査の結果、
12人の患者について、美容室での、頭部を強く後屈した姿勢でのシャンプーが原因の「脳血管障害」。
つまり、「美容院脳卒中症候群」と診断された。
その調査、検査結果の論文発表と併せて、著者の志村医師が、美容室に向けて注意喚起をされた。という内容の記事。
あわせて、
老舗の美容室である「資生堂美容室」では、
すでに1年半前から、「首を反らさない」シャンプー姿勢を美容師に指示している。とも報じている。
⑵ メディアによる関連報道始まる
1997.12.27 <読売新聞 読者投稿欄より> ※1
■自身の美容室でのめまいの経験に、「美容室脳卒中症候群」の心当たりがあるという読者から、
首を反らさない体制が取れる「シャンプー椅子」をリクエストする声が、掲載されている。
⑶ 美容室の監督官庁である、当時の「厚生省」から、「注意勧告」が出される
⑷ 美容室の公式組合・「全美連」が、
「美容院脳卒中症候群」予防のためのガイドラインの通知を出す
1997.12.28 <読売新聞 社会面に掲載の記事> ※1
■1997年の12月の初めに、日本で初の「美容院脳卒中症候群」の研究発表があってから、
1か月もたたないうちに、
美容室の組合(法律の定めによる)の全国組織である「全美連」から、
加盟美容室に、予防のためのガイドラインが通知された。
その中では、
頭部の後屈の許容範囲は、「10度まで」とされている。
(全美連への取材では、厚生省からの「美容院脳卒中症候群」への対応を促す「通達」が、
迅速な対応がなされた背景にあったという。)
1998年
⑸ 美容組合の機関誌「ZENBI」※2に、予防のためのガイドラインの解説が掲載される。
1998年2月号「ZENBI」(全国美容業生活衛生同業者組合連合・発行) ※2
■前年に論文発表された志村医師への取材と医師からの指導にもとづく、
「美容院脳卒中症候群」の解説と、対処法が掲載されている。
頭部の後屈の許容範囲は、「5度まで」とされている。
〜2000年代 初め
⑸ 新しいシャンプー方式 ⇒「フラット型のサイドシャンプー方式」が全国的に普及する
■上記の経緯を経て、
日本の美容室でのシャンプー方式は、
頭部の後屈の姿勢(頸椎の過伸展)を必要としないかたちに
変化を遂げてゆきます。
■サイドシャンプー・フラット型
シャンプー椅子に、「昇降機能」と「フラットなリクライニング機能」が付き、シャンプーボウルとお客様の体が、
水平な状態でシャンプーできるようになった。
これが、現在も、日本の美容室で、一般的に行われているシャンプー方式です。
※ この場合、「頭部の後屈」は発生しません、後屈の角度は、0となります。
■ここまでのまとめ
? 1997年に、日本でも、「美容院脳卒中症候群」の事例が、研究発表される。
メディアでの報道もあり、当初は、大きな問題となる。 ※3
? 早期に、対策が示され、各美容室で実行されたことにより、問題は、終息に向かう。
?「美容院脳卒中症候群」の原因は、「頭を後ろに反らす姿勢」(頸椎の過伸展)であり、
その対策は、その姿勢をとらないこと。 ※4
問題解決に対する正しい理解が広がったことが、早期解決への大きな要因となった。
? 〜2000年代はじめ
「頭を後ろに反らす姿勢」を必要としないシャンプーシステムの普及がすすむ。 ※5
以上が、今回のまとめです。
さて、
この問題、これで終わっていれば、ハッピーエンドとなりますが、
それでは、
現在の混迷した「美容室脳卒中症候群」の問題は存在しません。
物事は、このあと、複雑な展開になってゆきます。
つづく。
※1 読売新聞縮刷版1997年より
※2 ZENBI ( 美容組合の機関誌 ) 1998年2月号の目次
全国美容業生活衛生同業者組合/発行
※3 「あおむけシャンプー」が危険・・・という見出しが躍る・・・当時の報道
当時の美容院脳卒中症候群を伝える報道の際に、頻繁に使われたキャッチフレーズです。
シャンプーの方式を伝えるための「あおむけシャンプー」(そもそも美容室用語ではありません)という言葉自体に、他意はなく、
その時は気楽に使われたのでしょう。
しかし、
ここまでお付き合いいただいた皆様は、すでにご理解の通り、
「あおむけの姿勢」に危険があるのではなく、
「頭を後ろにそらす姿勢」(頭部の後屈)に危険があるという、事の真相を。
・・・その後、この言葉(「あおむけシャンプー」という)だけが切り取られ、一人歩きが始まります。
2000年を過ぎたころには、日本の美容室でのシャンプーシーンから、「頭部の後屈」姿勢を必要とするシャンプー方式は、ほぼ、姿を消してゆきます。美容室の関係者、お客様方であれば、ご存じのはずです。
それでも、20年以上の時間が経過した現在、美容室の設備環境も、大きく変化した現在でも、
日本の美容室では、「あおむけの体勢でシャンプー」をしている=危険である。
という記述が、インターネット上のみならず、散見されます。
では、その理由は何なのでしょうか。
それらの多くは、日本での「美容院脳卒中症候群」の起点となった、先の論文が、重要な意味(歴史的にも、学問的にも)を持つがゆえに、そこで使用された用語が、時代が変わった今も、そのまま引用され、使用されているからではないでしょうか。
美容室の実情をご存じでない方々によって、
わたしは、今回、この問題について、美容室と美容業界の歴史をさかのぼる作業をしたなかで、
その理由が、少しわかったような気がします。
※4 「資生堂美容室」では、すでに、「頭を反らさないシャンプー姿勢」を全店に指示
当時の新聞報道によれば、資生堂美容室では、1995年には、すでに「美容院脳卒中症候群」への対策が施されてたことになります。
日本での問題発覚の1年半前に、(アメリカでのこの問題の動向を察知してか、)適切な対応を行っていることに、高度な情報収集力の存在を感じ、その先進的な経営姿勢には、敬意を抱きます。
※5 「頭を反らさない」シャンプーシステムの普及
1997年の新聞の読者投稿に、「頭を反らさない体勢が可能なシャンプー椅子」の開発を望む声が掲載されています。
実は、その当時、長野県の田舎の私たちの美容室(スズキ美容室)では、すでに昇降機能がついたシャンプー椅子が導入されていました。が、全国的な普及率は、まだまだだったのかもしれません。
1997年の時点での普及率の数字は、分かりませんが、日本の美容機器メーカーでは、1990年代には、「頭を反らさない体勢が可能なシャンプー椅子」が発売されていたことに、間違いありません。
これも、日本の美容機器メーカーの先進性を裏付ける事実ではないでしょうか。この後も日本の美容機器メーカーは、この問題に対応すべく機器の改善・開発にその力を発揮してゆきます。
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? そもそも、
「美容院脳卒中症候群」(Beauty parlor stroke syndrome)とは?
「美容院脳卒中症候群」の語源は、
英語の【Beauty parlor stroke syndrome /ビューティーパーラー ストローク シンドローム】です。
【Beauty parlor stroke syndrome】を直訳すると、
「美容室で起こる、脳卒中の症状」・・・となります。
もう少し具体的に、説明を加えると、
※1 ※2
美容室で、シャンプーをうける際に、
「頭部の後屈」(頭を後ろにそらす)姿勢 ※1 または、
「頭部の回転」(頭を左右に回す)姿勢 ※2 をとった場合に起こりうる、
脳卒中 ※3 の病態に分類される、
正式病名が「椎骨脳底動脈循環不全」(ついこつ のうていどうみゃく じゅんかんふぜん) ※4 )
のいくつかの症状を指します。
その具体的な症状とは、
「回転性のめまい」、「眼振(目の痙攣)」、「頭痛」、「吐き気」、「上肢(うで)のしびれ」など。
・・・となります。
すでに、
むずかしい言葉が、いくつか出てきていますので、
まず、そこから、解決してゆきます。
※3 「脳卒中」とは、
発作的に起こる、脳血管障害の総称。で、
大きく分けると、
?出血する型 と、
?血管が詰まるまたは、血液の流れが急に悪くなる型、とに分けられる。
(「家庭の医学」時事通信社編より)
※4 「椎骨脳底動脈循環不全」とは、
体のバランスを保っ役割を担う、頭部の「脳幹」や「小脳」に、血液を送っている「椎骨動脈」と「脳底動脈」。
それらの動脈の血流が一時的に悪くなること。
(「スーパー図解 めまい・耳鳴り」法研編より)
■首から脳へ向かう動脈の図
「スーパービジュアル・脳神経疾患」成美堂出版 より
■今回取り上げている【Beauty parlor stroke syndrome】(「椎骨脳底動脈循環不全」の一形態)は、
脳卒中の分類の中の、
?「血管が詰まる。または、血液の流れが急に悪くなる」類の一つということになります。
【Beauty parlor stroke syndrome】の起源 1992年
【Beauty parlor stroke syndrome】=「美容院脳卒中症候群」(以下、B.p.s.s) は、
1992年に、アメリカ合衆国の医師、Weintraub によって、定義された言葉です。
美容院脳卒中症候群 (B.p.s.s)とは、通称で、
その定義に至るまでの、個別の用語の説明は、上記で、すでに述べましたが、
再度繰り返します。
■■■ 美容院でのシャンプー時、
頭を後ろに倒す「頭部の後屈」姿勢 または、
頭を左右に倒す「頭部の回転姿勢」をとった際に、発症する可能性がある、
頸椎動脈 (頸椎の中を通っている動脈) の
狭窄 (血管が頸椎に挟まれ,血液の流れが滞る) を原因とする、
「回転性のめまい」、「眼振(目の痙攣)」、「頭痛」、「吐き気」、「上肢(うで)のしびれ」などの
の「椎骨脳底動脈循環不全」の複数の症状を指す言葉■■■ です。
■ B.p.s.sの原因となる、「頭部の後屈」姿勢は、
人間の日常生活、社会活動の中の、多くの場面で起こり得るものです。
また、一部の職業や、作業の現場では、その職務の遂行上、必要とされている姿勢でもあります。
その姿勢に潜む危険性は、今でこそ、私たちも、少なからず認識していますが、
医学の世界では、以前から、周知の事実として、認知されていたそうです。
いくつかのスポーツをプレーした時や、
ヨガのポーズをとった際、
カイロプラクティックによるマッサージを受けた際,
むち打ちによる障害を受けた際、
歯科治療、医療行為の気管挿管時、
などに、発症した事例が報告され、そこに潜む危険性が、すでに、とりあげられていました。
■古い時代(〜2000頃まで)の アメリカの美容室でのシャンプー方法
=「サイドシャンプー・着席型」
⇒ 標準的に、お客様の頭を後ろに倒す姿勢(顔は、あおむけ)で、シャンプーしていた。
そんななかで、
Weintraub医師は、それまで、注目されていなかった、
美容院でのシャンプー時の、
頭部の後屈と回転姿勢(当時、アメリカ合衆国の美容室で一般的に行われていた)についても、
「椎骨脳底動脈循環不全」の発生の危険性があることを指摘して、
B.p.s.s (美容院脳卒中症候群) という名前まで付けて、
再三にわたって、論文発表し、
注意を喚起しています。(1992年 1993年 1997年)
Weintraub医師は、その中で、
B.s.p.pの発症は、稀であるとも記しています。
特定の素因(椎骨の形状の異常など)のある人に発症し、
高齢者が発症の対象となると記しています。
つづく
<参考文献 (全編共通)>
?「家庭の医学」時事通信社編
?「スーパービジュアル・脳神経疾患」成美堂出版
?「スーパー図解 めまい・耳鳴り」法研編
?JAMA
(1993.4) ■Beauty parlor stroke syndrome report of five cases
Michael I Weintraub
? THE LANCET
(1997.12)vol350 ■Stroke after visit the hairdresser.
H Shimura, K Yuzawa, M Nozue
?ZENBI 全美連
(1998.2) 「あおむけシャンプー/無理ない姿勢であれば大丈夫」
?日本脊椎外科学会雑誌11
(2000.1)「美容院洗髪動作後に発生した頸性めまいの検討」
遠藤健司 伊藤公一 市丸勝二 今給黎篤弘 志村弘道
?American Jounal of Physical Medicine & Rehabilitation
(2002.6) -81-6 ■Pain, dizziness, and central nervous system blood flow in cervical extension: vascular correlations to beauty parlor stroke syndrome and salon sink radiculopathy
Patrick M Foye Michael P Najar Anthony Camme A Todd P Stitik Melissa L DePrince Scott F Nadler Boqing Chen
?脳卒中26-3 (2004.9) 「自宅で発症した美容院卒中症候群の1例」
植田明彦 寺崎修司 永沼雅基 松浦豊 橋本洋一郎 平野照之 内野誠
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? 現在、インターネット上で拡散されている
「美容院脳卒中症候群」【Beauty parlor stroke syndrome】の風評について。
■ 3年ほど前、わたしたちの美容室にご来店いただいているお客様から、
「美容院脳卒中症候群」へのご心配のお問い合わせをいただきました。
また、別の方からも、
■「美容室でのシャンプーで、「美容院脳卒中症候群」に繋がる事故が多発している」
なんていう情報を耳にしたのですが、本当ですか。
美容室でのシャンプーには、危険があるのですか。大丈夫ですか?
などの、声をいただきました。
そんなことが契機となって、
私たちの美容室では、「美容院脳卒中症候群」に繋がる事故防止のための講習会を行い、
改めて、日常のサロンワークの中で、事故防止(危険の排除)への取り組みを実施してきました。
それと同時に、
地域の同業者、美容業の全国組織である美容組合、
私たちのシャンプー設備、機器を製造販売されている美容機材メーカーの担当者に、
それぞれ、おうかがいをしました。
「美容室脳卒中症候群」に繋がる事故の有無についてを。
そして、その結果として、たどり着いたのは、
近年の日本の美容室で、そのような事故の報告は確認されていない。
という事実でした。
では、なぜ、このような「風評」が、いま、広がっているのでしょうか?・・・
■ お客様方からご指摘があった、インターネット上での書き込み情報などに、
ひととり目を通させていただきました。
そうしていってみると、
それらの書き込みの多くが、
そもそも、美容室を利用されたことがないのでは?と思われる方々によるもの。や、
美容室の実状、特に日本の美容室の実体をご存じでない方々によるもの、
ではないかと・・・いう印象を強く持ちました。
さらに、それらの中には、
実際の美容室ではありえない状況を前提として、
(通常、考えられる範囲を超える)美容室のシャンプーの危険性を、事さらに煽っている、
と断定できる程のものまで存在していて、それらは特に目に留まりました。
それでは、
なぜこのような傾向の書き込みが数多く発生しているのか。
また、
それらを書いている方々の意図は何なのか?…
それについては、まだ、想像がついていません。
いずれにしても、
インターネット上での風評の動向が、
美容室のお客様方の、不安を掻き立てることになっていることは事実です。し、
そんな状況は、
当事者である美容室にとっても大変不本意なことです。
そこで、今回の連載では、
「美容室のお客様」と「美容師」
という、この問題の当事者間で、
「安心安全のための」共通の理解がすすむことを目指して、
出来る限りわかりやすく、事象の整理を進めてゆきたいとおもいます。
※この連載企画の内容は、当店のスタッフ研修のために収集された資料、制作したテキストをもとに、
当店のお客様向けにアレンジし、再編集させていただいたものです。
当店で行なっている、お客様方の「髪の問題解決」のプロセスと同様に、
科学的根拠に基づいた情報収集、状況判断に努めています。
編集・文 /美容室グレープス 店長・鈴木
■当店へのご来店を検討していただいている方、
ネットサーファーとして、このページに流れ着いていただいた美容室ファンの皆様にも、
最後までご覧いただければ幸いです。
■あわせて、ご意見・ご質問・情報提供など、お待ちしています。
■同業の経営者諸兄、美容師の先生方、医学界の先生方からの
ご意見、ご指導など、頂戴いただければ幸いです。
◆次回へ続く
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JUGEMテーマ:ヘアサロン
一昨年 2019年 この「9月30日。」
店舗の引っ越しをしました。
(↑昨年 9月30日のブログ、2年前の苦労が綴られています💦)
いや〜〜〜〜
有難うございます!!!
本当に感謝しかない2年間です。
24ヶ月営業しているうち 20ヶ月が「コロナ禍」です😅
開店後すぐにこんな「茨の道」を歩くとは予想だにしてませんでしたが、、、。
ただいつでも「まさか」はありますし、この苦難を乗り越えながら育っている「店」ですので
きっと今後もイレギュラーに「強いお店」になるでしょう!
「理髪店💈」は物理的にも心理的にも「人」の距離が近い場所です。
感染症ととても相性が悪い商売です。
しかし、本当に有難いことに当店に来てくださる「お客様」がいます。
有難うございます!!!
明日から3年目になります。
初心を忘れずに
「THE LAST BARBER」を、「ボク」を、「妻」を、信じてくださるお客様に「喜んで」いただけるよう努力していきます!
ささやかながら感謝の気持ちでこんなものを作りました
オリジナル🛍エコトートです❤️
数量が限られてはおりますが、明日よりご来店の方にプレゼントさせていただきます。
ぜひお使いいただけると嬉しいです!
(品切れの際はゴメンなさい😭)
今日も、そして明日からも「感謝」しながら
『カッコいい・キレイな「大人」を笹塚から』
送り出していきます!!!
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■「ヘアサロン丘の上ゆず花」現在のシャンプー設備
メインシャンプー台を2台用意。
■右 日本製のバックシャンプーボウル(リクライニング式)に、多機能椅子(車いす)。
■左 日本製の壁掛け式のサイドシャンプーボウルに、高さの調整が可能なシャンプー椅子。
「ヘアサロン丘の上のゆず花」の近況
スズキ美容室の系列店「ヘアサロン丘の上ゆず花」は、
地元の総合病院が経営する、
高齢者住宅を核とした、福祉と医療の複合施設「ウェルネスタウン丘の上」内にお店があります。
この地域では、まだまだ数が少ない、自立型の高齢者住宅で、
信頼が厚い医療機関の経営という、人気のパッケージです。
私たちも、気を引き締めてお店の営業に当たらせていただいています。
さて、
「ヘアサロン丘の上ゆず花」のお客様は、
この高齢者住宅にお住いの皆さん。
デイケアのお帰りに、ご来店される方々。
そのほか、
外来の一般のお客様に、ご来店いただいています。
残念ながら、
現在は、感染症対策として、
外来のお客様のご来店に制限をさせていただいています。が、 ※1
障害をお持ちのお客様で、
このお店の設備環境でないと施術が難しいお客様には、
事前に申込書をご提出いただいた上で、ご利用をいただいているのが現状です。
■サイドシャンプーが人気
もともと、このお店の開店時の設計では、
高齢者住宅にお住いのお客様のニーズを念頭に、
車いすのままシャンプーをうけていただける、
バックシャンプー(リクライニング型)を中心にした営業計画を立てていました。
しかし、蓋を開けてみると、
意外なほどに、サブ・シャンプーシステムとして用意していた
サイドシャンプーの人気が高いことがわかりました。
■日本製の壁掛け式のサイドシャンプー・ボウル
お客様の中には、
長年、シャンプーを楽しみにして、
美容院に通われていた方も多くいらっしゃり。
そんな世代の方々は、やはり、(当時は、100パーセント、この方法だったに違いない)
サイドシャンプーを好まれるようです。
シャンプー椅子への移乗に、多少の困難があっても、
サイドシャンプーを選択される方も
いらっしゃいます。
また、
並べて使用していると、
サイドシャンプーがバックシャンプーに比べ、
短時間で、十分な洗浄を行える点が、クローズアップされるようになり、
施術の時間短縮という業務上のメリットも明らかになりました。
そんな経緯もあり、
お店が営業開始した後に、このサイドシャンプー台用に、
シャンプー椅子を追加導入することになりました。
前回、少し触れさせていただきましたが、
シャンプー椅子にも、様々なタイプがありますから、
そのお店にご来店のお客様の傾向に、
最もマッチした製品選びが必要になります。
そこで、今回は、
思い切って、私たちが探せる範囲内で、
最も小さいサイズのシャンプー椅子を導入しました。 ※2
おかげで、現在、
このお店のお客様の中心層である、身長が低めの女性の方に、
ぴったりとフィットしたシャンプーポジションの提供が行えるようになっています。
■日本製のバックシャンプー用ボウル
一方、
こちらは、店舗開店当初から、メインシャンプー台として、
活躍している バックシャンプー(リクライニング型)です。
もう一方のシャンプー台に、
「小柄な女性向き」という、特化したニーズの椅子を導入できたのは、
こちらのシャンプーシステムが、
様々なサイズのお客様に対応できる、
万能性を持ち合わせていたからです。 ⇒ 関連項目
つづく
※1 外来のお客様
美容室グレープス または、本店・スズキ美容室にて、予約の振替、施術を承っています。
※2 小さなサイズのシャンプー椅子
■サイドシャンプー用の椅子は、エステの最王手メーカー製
「大は小を兼ねる」という言葉があります。
シャンプー椅子のメーカーが、
一台の椅子で、少しでも広い範囲のお客様を対象とした製品を設計することは、
経済的な合理性から、当然のことでしょう。
加えて、
日本のヘアカット・マーケットでの男性の美容室利用率が、
50%(対・理容業比率)に近づいていると言われ。(女性の利用比率は、95%超)
GDP(国内総生産)内の、業種別の売り上げ額では、
美容業が、理容業の約4倍の産業規模となっている、
その現状からみても、
現在、美容室が営業対象としている客層が、( 年齢、性別から、その体格にいたるまで、)
以前のそれより、相当に広い範囲に拡大していることが、読み取れます。し、
当然、その裏返しとして、
幅広い消費者からの美容業への期待という、
ニーズがあることも、現場で私たちも理解しています。
しかし、
そういったことを差し引いても、
現在、日本の美容メーカーが製作するシャンプー椅子は、
私たちの立場から見れば、
サイズ的に、大きなものばかりなのです。
もちろん、大きな椅子で用を足さないことはありませんが、
座り心地とか、使い勝手が、すべての人にフィットするわけではありません。
今回、私たちが探したシャンプー椅子は、
現在でも、美容室のコアな客層である、
身長140?から150?台の女性向けにベストな製品なのですが、
残念ながら、該当する製品を見つけることが出来ませんでした。
当初は・・・。
そんな中で、
「捨てる神あれば拾う神あり」です。
日本のエステ機器メーカーの最王手が、美容用のシャンプー椅子を製造されていました。
それが、私たちが望む条件にぴったりのものでした。
機能も寝心地も、上々です。
というわけで、
今回のシャンプー椅子の導入には、こんな舞台裏がありました。
というお話をさせていただきました。
ご来店の際は、こんなエピソードを思い浮かべていただいて、シャンプー椅子におかけになってみてください。
※余談になりますが、
実は、このような、業務用の椅子の大型化は、福祉の業界でも進んでいるそうなのです。
「健康・美容・福祉」機器の展示会でご一緒した、同業(訪問美容)の先輩業者さんの話では、
車いすの規格が大型化していて、小さいサイズを求めている利用者様が苦労されている話を伺いしました。
そんな流れの影響もあるのでしょうか、
私たちが訪問美容で、主力として使用中の小型の車いすも、現在は、廃版になっている様子です。
■これらの事象を、「ユニバーサル」というキーワードから解き明かすなら、どんな考察になるのでしょうか…、
メーカー関係者様、あるいは、この分野の専門家の方がいらっしゃれば、
是非、解説・製品の見立てのご指南をいただきたい、と思うテーマです。
◆ 連載企画 ◆
〜 お客様にも知っていただきたい「美容室でのシャンプーの基礎知識」 〜
?サイドシャンプー ⇒ ? 壁掛け型
? 自立型
?バックシャンプー
(リクライニング式) ?
? (ユニバーサル機器として)
◆関連情報◆
■「ヘアサロン丘の上ゆず花」のシャンプー台 ←今いるこのページ
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JUGEMテーマ:ヘアサロン
■現在のスズキ美容室(1階)のシャンプー設備
2台の新旧のサイドシャンプーボウルを配置しています。
■右 およそ30年にわたって使用している、クラシックタイプの日本製 サイドシャンプー用のボウル
■左 新しいタイプの日本製 サイドシャンプー用のボウル
同じサイドシャンプー方式なのに、
■わざわざ、古いシャンプーボウルを1台残して、
現在も使い続けている理由は、
新旧のシャンプーボウルには、
シャンプーをうけていただく際に、
お客様の頭部を設置する装置の構造に違いがあり、
お客様方の、
「首から頭へのサイズ」のちがいや、
「首の形状」のちがい、
あるいは、
「お客様の好み」(寝心地)によって、
構造が異なる2台から、
よりふさわしいシャンプーボウルの選択ができる、メリットがあるからです。
詳細を見ていただきます。
■上の画像で、ご覧いただけるように
2つのシャンプーボウルの前方に、それぞれネックパッドが設置されています。
お客様の首から頭部を固定する、ネックパッドは、
低反発のジェル製で、
ウエットスーツタイプの伸縮自在の生地で包まれ、
体圧分散に特に優れた最新の製品、
という点では共通しています。
が、それぞれの製品には、形状の違いがあり、
この2タイプを使い分けることにより、
より多くのお客様のニーズを満たすことが出来ると
私たちは判断しています。
また、
◇この新しいタイプのシャンプーボウルについて、特筆したい点があります。
それは、シャンプーボウルの機器の構造として、
お客様の体格の違いに適応する機能が加えられていることです。
■新型のシャンプーボウルのネックパット(首と頭を支えるパーツ)は、取り換え式になっています。
■ 大小の2サイズのネックパットが用意されていて、お客様の頭部のサイズ、首の長さによって、使い分けが可能になっています。
この仕組みは、実際に、大変有効に機能しています。(主に160?以上の身長の方に・・・)
※この機能について、身長177?の筆者の私見です※
上の画像の大きな方のネックパットを、シャンプーボウルに取り付けて、横になった時の感想です。
⇒ それは、・・・ひいき目抜きに・・・
「後頭部から肩まで、一面で包み込まれるような、今までのシャンプー台では得られない感覚。
最新の寝具のそれにも引けを取らない快適な寝心地」でした。
■シャンプーボウル同様、椅子もそれぞれ別のタイプを設置
■シャンプー椅子も2種類を設置
様々な体格、体形のお客様へのベストフィットにつとめています。
スズキ美容室は、
女性のお客様が圧倒的に多い美容室ですが、
男性のお客様にもご来店いただいています。
それも、長くご来店いただいています。
そのようなお客様方の体格の分布をみてみると、
身長180?の方から、140?くらいの方まで。で、
分布の中心点は、150?台中頃 かと思われます。
たいへん大きな幅があることを認識しています。
それだけの体格差を1つの機種でカバーできるシャンプー方式は、
フラット型(横になる方法)しかありません。
(→ お客様は横になった状態でシャンプーをうけられるので、
リクライニングタイプのシャンプー椅子に座った時のような、
座高の高低による、サイズ制限をうけなくてすむからです。)
それでも、フラット型のシャンプー椅子も、椅子ですので、
最初から真っ平らなベッドとは違います。
心地よいシャンプータイムを過ごしていただくためには、
椅子のサイズ、形状とお客様の体形とを
できるだけ適応させることが重要です。
そのために、上の画像のように、シャンプー椅子も、
同じフラット型ではあるけれど、タイプのまったく異なる2種を設置しています。
■上の画像の向かって左側が、大きめのサイズの方向けのセッティング、
■ 右側が、小さめのサイズの方向きのセッティング。
ですが、必ずしも私たちのその設計どおり、当てはまるわけではありません。
体形の違いもあります。
体形にあわせて、再度アジャストして、
最終的なシャンプーポジションを決めています。
初めてご来店のお客様は、
シャンプー時のポジション等について、
ご遠慮なくお申し付けください。
■頭部のポジション、首の角度につては、
シャンプー機器の設計通りの使用上においては、
危険が発生することはありません。
また、その点について、
美容師はその都度、安全確認をさせていただいています。
ご安心ください。
シャンプー椅子で、ご案内させていただいたポジションに違和感がある場合、
体のどこかに痛みを感じられた場合は、
ご遠慮なく、速やかに、美容師にお声がけください。
つづく
■スズキ美容室1階に新設の「シャンプーブース」では、
バックシャンプー(リクライニング型)をご提供 ⇒こちら
つづく
◆ 連載企画 ◆
〜 お客様にも知っていただきたい「美容室でのシャンプーの基礎知識」 〜
?サイドシャンプー ⇒ ? 壁掛け型
? 自立型
?バックシャンプー
(リクライニング式) ?
? (ユニバーサル機器として)
◆関連情報◆
■「スズキ美容室」のシャンプー台 ←今いるこのページ
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