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#229 / AT THE SOUND OF THE BELL / PAVLOV'S DOG / 1976 / US
ジャケットから推察される通りの美しく悲しい2nd、
と言いたいところですが序盤から明るめのフォーク調
だったりして意表を突かれてしまった。ただし歌っている
のが唯一無二の声質の持ち主なので、普通ではない雰囲気
は醸しています。
邦題は「条件反射」ですが…パブロフが犬に聴かせたベルと、
ノートル・ダム寺院の鐘楼のイメージを重ねたわけですか?
ジャケに描かれているのは鐘楼守カジモド。つまり
“ノートルダムのせむし男”ですよね。歌詞の意味が解らな
くとも、映画を観てから聴くと想像力が膨らんで、感動が
より大きくなるかもしれない。ちなみに、アメリカ映画だと
「The Huchback of Notre Dome」で、チャールズ・ロートン
がカジモド。フランス映画だと「Notre-Dome de Paris」で、
アンソニー・クインがカジモド。
若い人たちにはディズニーアニメの「ノートルダムの鐘
(The Bells of Notre Dome)」の方がわかりやすいかな。
肝心の中身は、デビュー作ほどのインパクトはなく、
プログレ度も後退してしまったけれど、じゅうぶんに
個性的なポップ作品といったところ。ドラムにビル・
ブルフォードを迎えた他、多彩なゲスト陣が、オルガン、
サックス、ヴァイオリン、メロトロン、マンドリン等で
華を添えています。
ポップ化にちょっとした不満を抱きつつも、オーラスの
プログレ全開曲”Did you see him cry?”で全てチャラ。
想像を掻き立てられる曲名にふさわしい名演です。
できれば10分くらいの大作にしてほしかったね。
こういうのがもうちょい聴きたかった。
今作はLPを持っていることを加味して★5つとしましたが、
それがなければ4.5かな。
好き度 ★★★★★ 5
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#226 / L'ARAIGNEE MAL / ATOLL / 1975 / France
フランスのYESと言われていたプログレバンドの2ndアルバム
です。四人囃子が「日本のPINK FLOYD」と呼ばれていた感覚
に近いんでしょうね。似てる部分もあるから大きく括ればって
ことだな。そもそもほとんどのバンドがそうだけど。
アルバムタイトルは発音すら分かりませんが、とりあえず邦題
は「組曲『夢魔』」です。フレンチ云々を超えた、ユーロプロ
グレの傑作ということで間違いなさそう。幻想的でもあり、
攻撃的でもあり、テクニカルでもあり、ジャズロックテイスト
まであるというてんこ盛り状態の作品になりました。
難解という説もあるけどね。
もちろんTAÏ PHONGやANGEやPULSARと並んでフレンチ
プログレの代表格ですが、オランダのFOCUSなんかと肩を
並べるヨーロッパ大陸代表と言ってもいいでしょう。
ウチに現存する1本のカセットテープ「プログレッシブロック
特集」(エアチェック音源)の中に、このアルバムの
“カゾットNO.1”が入ってるんだね。手書きのインデックス
には「カヅットNo.1 アドル」と書いてあります。当時FM
ステーションに掲載していた通りに書いたまで、決して私
のミスではない。こうした想い出込みで、個人的なアトール
の代表曲と言えばコレ。アルバムとしては3rdがイチオシ
ですが、思い出の1曲により今作をチョイスしてみました。
フレンチらしからぬ洒落たジャズロックですが、個性的で
素晴らしい。正直なところコレだけ聴ければいいかな。
アルバムの2曲目に配置されており、直前のオープニング曲
”Le Photographe Exorciste/悪魔祓いのフォトグラファー”
がクリムソ・テイストの混沌プログレなものだから、
ちょっと長めの前フリみたいに感じられ、結果的に
”カゾット”を際立たせる形に。
全体的にもフレンチプログという感じではなく、だからと
言ってYESでもないし、今作に関してはクリムゾン臭が
支配的。と思いきや、4曲目から7曲目までは曲間に切れ目
がなく、曲が進むにしたがって徐々にクリムゾン風味が
薄まっていく。ヴァイオリンが存在するため、イタリアン
プログレみたいなことになってます。
期待が膨らむジャケットも秀逸ですな。
ちなみに前出「プログレッシブ特集」のカセットテープには、
フランス代表として先に挙げたバンドも入っているのですが…
TAÏ PHONGはタイ・フーン笑、ANGEはアンジェ笑笑、
PULSARはパレサー笑笑笑となっており、
わざとやってるのかと思えるほど、ちょっとずつ違ってるし。
好き度 ★★★★★ 4.5
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#225 / ASHES ARE BURNING / RENAISSANCE / 1973 / UK
キース&ジェーン・レルフ後の、アニー”癒し系クリスタル・
ヴォイス”ハズラム・ルネッサンス第2弾(通算4枚目)です。
イチオシ7thアルバム「NOVELLA」は「お伽噺」でしたが
今作の邦題は「燃ゆる灰」。意外と普通に訳したね。
バンドの中心人物であるマイケル・ダンフォード(G)は、
諸事情(旧ルネッサンスとの契約?)によりゲスト扱いに
なっています。その他のメンバーは、黄金期を支えた
アニー・ハズラム、ジョン・タウト(Key)、
ジョン・キャンプ(B)、テレンス・サリヴァン(Ds)。
ジャケはヒプノシスが手掛けています。
RENAISSANCEのプログレは、フォークとクラシックと
ロックが融合したアコースティック感覚が特徴(これが
個性的で素晴らしい。もちろんアニーの歌声ありき)
なんだけども、長尺曲(大作)が含まれているのもお約束
になっています。プログレ=曲が長いという安易な考えも
役に立つもので、予備知識のない輸入盤を「ジャケ買い」
する時に、曲の長さで「コレはプログレっぽい」などと
判断して買っていましたよ。そりゃあハズレることもあった
けれど、強ち間違ってはいなかったと思うので、情報が乏し
い時代に於いて裏技的判断基準でしたね。
このアルバムだと、11分半に及ぶタイトルチューン(タウト
と旧知であるWISHBONE ASHのアンディ・パウエルが
素晴らしいソロを弾いてます。ルネッサンスとアッシュは
同じマネジメントに所属しており、すでにタウトが「百眼の
巨人アーガス」に参加していた縁)がまさにソレでしょうか。
ライブでの定番曲“Carpet of the Sun”も今作に収録されて
います。”At the Harbour/渚にて”も美しい佳曲。10分弱の
“Can You Understand?”(問いかけてるわけじゃないよ)は
アルバムのオープニングを飾る大好きな曲です。
記憶が確かなら、初めて聴いたルネッサンスの曲だね。
好き度 ★★★★★★ 5.5
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#199 / ノイの城 / 平山照継 / 1983 / JPN
NOVELAの頭脳にしてギタリストによる1stソロアルバムです。
リリースのタイミングは、山田ミネコの「最終戦争伝説」の
イメージアルバムを制作していた頃と重なるのかな。
ジャケを含め、テルが思い描く世界観が忠実に再現された傑作
コンセプトアルバムだと思いますが、おそらくこの路線変更が
原因で、第2期NOVELAは霧散(アンジーはソロデビュー、
永川はGERARDに専念)します。
今作は、テルのテルによるテルのためのオリジナルストーリー
で、2001年に公開される「千と千尋の神隠し」的なお話です。
猫のぬいぐるみ(ネルフェルティ)という設定はトトロ的で
もあり、いずれにせよジブリの世界観に共通項があるね。
異次元に飛ばされた少年(空也)が、元の世界に戻るために
ノイの城を目指す的な。「千と千尋…」は、幼少期に川で
おぼれかけた千尋を助けてくれたハクへの恩返し、今度は
ハクを救うために異世界に召喚された千尋…という裏テーマ
がありましたが、こちらはそのまんま。
ストーリーに合致する抒情的なメロに、プログレッシブな
楽曲が華を添える、ファンタジー系シンフォニック・
ブログレ・ハード一大絵巻に仕上がりました。
リズム隊はACTION組脱退後の第2期以降を支えた竜一
(西田)と竜二(笹井りゅうじ)だから演奏は折り紙つき。
しかしだ!女性Voの下町香織は微妙だな〜。主人公の少年を
意識しすぎたか?声優じゃないんだから。NOVELAもコレも、
後のTERU'S SYMPHONIAも…テル関連作品はどれもこれも、
ヴォーカルが弱いのは何故だろう。ストーリーアルバムが
好きなら複数のヴォーカリストを起用するって手もあるのにね。
さて、テルと聞いてGLAYが思い浮かぶのは我々よりも若い世代。
SG遣いと聞いてアンガス・ヤングを思い浮かべるのは我々世代。
フランク・マリノと答えるのも同世代。そしてTERUも然り!
最後にちょっとした思い出を一つ。ごく短い期間、地元に小さな
中古CDショップが存在したんだけど、なんとこのCDがあったのね。
レア盤として高値が付けられ、ガラスケースに鎮座していた。
一見何も知らなそうな店主でさえ、リサーチして値段を付けてる
んだなと感心した覚えがあるってエピソードは蛇足でしたね(御免)
好き度 ★★★★★★ 5.5
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#155 / MIRAGE / CAMEL / 1974 / UK
2ndアルバム「蜃気楼」です。1発目に「SNOW GOOSE」を
紹介しましたが、ともすれば異色作(ストーリーアルバムで
オールインスト)と言えなくもなく、ちょっと間違ったかな
という気がしてたのね。もちろん名盤ですけど…
実はキャメルというバンドの本領は、その前後の作品にこそ
あると思ってます。癒し系プログレのトップであると同時に、
ジャジーでテクニカルな側面も併せ持ち、カンタベリー人脈
との繋がりからも推察できる曲作りの妙があるんだね。曲中
に劇的な展開を入れるのも決して忘れない。
そしてロック耳には、ポップな方向にシフトする前のアルバム
が心地いいし、加えてプログレ度が高ければ言うことなし。
今作は他の作品と比べると少しハードな印象があり、そこが
またいいわけよ。”Lunar Sea”や”Echoes”等、バンドを代表
する名曲はたくさんあるけれど(そのうち紹介します)、
何しろこのアルバムには、バンドの代表曲にしてライブの定番、
”Lady Fantasy”(13分弱の組曲)が収録されているわけで、
やっぱりこっちがイチオシかなと思い直した次第です。
高校時代、まだ私が誘われる前のバンド(師匠、ドラマーT、
ベースRに加え、ベースRの兄貴である鍵盤Kという編成)で
コピーしたらしいけど、こんな長い曲覚えられたのかい?
聴くぶんにはいいが演るのはちょっと、というタイプの曲
だと思うけどね。
これ以外の曲もいいですね。
A面の”Freefall”、”Supertister”(インスト)、
”The White Rider”(組曲)、B面の”Earthrise”(インスト)…
そういえば全5曲、プログレだね〜。
2002年リマスター盤がお勧めです。74年のライブ音源と
”Lady Fantasy”のオリジナル・ミックス(73年)なるものが
ボートラ収録されていますゆえ。
好き度 ★★★★★★★ 6.5
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#152 / RED / KING CRIMSON / 1974 / UK
プログレバンドでありながら、ヤングジョッキーのハードロック
ベスト20の第10位にランクインして、オープニングナンバー
”Red”がオンエアされたという鮮明な記憶。
なるほどと頷ける内容の7thスタジオアルバムです。表題曲は
フリップ流のハードロックだね。クリムゾンはとにかく「宮殿」
とコレだけは絶対に聴いておきましょう。第2期(再結成?
どうやら分類が確定していないらしい)の集大成ですよ。
このアルバム発表後、フリップはクリムゾンを解散します。
デビュー作はプログレのビッグバンと認知されておりますが、
イタチの最後っ屁とも言えるこの超新星爆発も凄かった!
終末のトリオ(ロバート・フリップ&ジョン・ウェットン&
ビル・ブラッフォード)にイアン・マクドナルド、デビッド・
クロス、メル・コリンズという盟友にしてキーパーソンが
こぞって参戦してるんだから、そりゃあもうお祭り騒ぎの
大団円ですよ。
故意か偶然か、デビュー作同様5曲で構成されてるね。
ヘヴィなインストに続く”Fallen Angel”もいい。特にウェットン
のヴォーカルがいい。グレッグ・レイクほどの艶は無くとも、
やはり魅力的だ。
いかにもフリップが好きそうな即興曲”Providence”はアメリカ
でのライブ音源。スタジオ盤にライブ音源を混ぜちゃっても
気にならないんだね。
エンディングの大作”Starless”は、1stにおける”エピタフ”や
”クリムゾン・キングの宮殿”のような2つのパートに分かれた
感動の大作です。タイトルから推察される通り前作
「STARLESS AND BIBLE BLACK」のために書かれた曲でし
たが、フリップの意向で今作に回されたんだそうです。
参考までに、これから買うなら30th Anniversary Editionが
お勧めです。
そして初心者の方々へ…
まず「宮殿」と「レッド」を聴いてみて、
「宮殿」が気に入ったら2ndからリリース順に、
「レッド」が好みなら6th「暗黒の世界」から逆に遡って聴く
というのはどうでしょう?
クリムソはね、当たり外れの振れ幅が大きいから気を付けて
ほしいけど(笑)やっぱ再々結成後の「ディシプリン」(第3期?)
は後回しってことだけは確かだね。
好き度 ★★★★★★ 6
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#151 / ANIMALS / PINK FLOYD / 1977 / UK
リアルタイムのフロイド作品です。人間を動物に喩えて社会
批判をしたコンセプトアルバムで、特権階級が犬、資本家が豚、
労働者が羊という設定になっています。
ロジャー作の“Pigs on the Wing”というアコギの短い曲が
イントロとアウトロの役割を担い、その間に“Dogs”、“Pigs”、
“Sheep”というそのまんまのタイトルが挟まる構成です。
(中学生諸君、羊は複数形でもsheepなんだね)
ちなみに“Dogs”と“Sheep”は、前作「炎」に収録されなか
った曲が元になっています。これらの原曲は、2011年の
リマスター盤「炎」に収録されました。
全曲いいけれど、とりあえず“Dogs”でしょう。プログレと
いうより普通のロックなんだけどね、ギターがカッコいい
です。アコギが極めて自然に楽曲に溶け込んでるところも
凄いな。ギルモアにしては珍しいツインギターのハーモニー
が鮮烈なのね。元々のギターパートをロジャーが消してしま
ったため録り直したそうです。ロジャー…まさか故意に…
後々の事を考えると勘ぐってしまうけど。
”Pigs”もいい味が出てるね。アルバムの真ん中に位置してる
からメインキャラなのかな、ヒプノシスによるジャケでは
豚が空を飛んでいます。舞台はロンドンのバタシー発電所。
そこで12メートルの豚の風船を飛ばしたんだって。ところが
実際は、撮影1日目の工場(雲がいい雰囲気だから)と、
同3日目の豚(1日目は飛ばず、2日目は飛び去ってしまった)
の合成写真ですと!まあ合成は合成だけどさ、ホントに巨大豚
を揚げてたとはね〜、さすが一流はやることが違う。
”Sheep”もいいよ。ギルモアのソロはないけれど、それを
忘れてしまうほどカッティング、コードプレイが秀逸です。
曲に合わせた通常のギターがあって、それにからむ2本目の
ギター、リズムを敢えて外したギターがやたらとかっこいい。
ズラしてズラしてズラしまくって、最後の最後に通常のリズム
でコードを弾くから一気に溜飲が下がるという仕掛け。
鍵盤の数種の音色もナイス・チョイスです。ベースはギルモア
(Pigsも)が弾いてます。導入部のフレーズは”吹けよ風、
呼べよ嵐”の印象的なダブルベースが思い当たる。
このアルバム中ではプログレ度が一番高い曲でしょう。
ちなみに師匠のお気に入りは”Dogs”で、私は”Sheep”派でした。
さて、これ以降のフロイドのアルバムには、正直それほどの
思い入れはございません。まあせいぜい「ファイナル・カット」
まで。ロジャーが去った後は、やっぱり何かが足りない気がする
んだね。ロジャーとギルモアのケミストリーが重要だったのさ。
シド主導の初期作品は、別物と捉えているので問題ないが、
ギルモア主導のフロイドは優等生すぎる。かといってロジャー
主導の2枚もね、これぞフロイドとは言い難いものがあるんだな。
まあいいさ。全盛期のアルバムを何百回でも聴いてやるぜ。
好き度 ★★★★★★★ 6.5
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#150 / PRINTED JELLY / 四人囃子 / 1977 / JPN
森園勝敏先輩が電撃脱退、バンド存続の危機に、後釜Vo&G
として佐藤ミツル先輩が迎えられた3rdアルバムです。
四人囃子の音は、1st、2ndと4th、5thが全く別モノで、
もちろん好きなのは”一触即発”、”おまつり”、
”泳ぐなネッシー”に代表されるプログレッシブな森園時代
なのですが、過渡期に当たるこの3rdの内容も十分に魅力的。
森園先輩の声じゃないのはさすがに残念なんだけれど、
意外と声質が近かったりするし、佐久間正英氏が、まだ
自分のカラーを抑えて「森園囃子」風に仕上げた結果だと
思われます。その後の四人囃子の変貌は、もちろん森園先輩
の脱退が1番の要因でしょうが、個人的には佐久間氏の罪と
いうことで決着している。プラスチックスとかP-MODELとか、
ずっとそっち方面でやってりゃいいんだよ!と思ったファンが
当時はたくさんいたことでしょう。
名曲“ハレソラ”は、やっぱミツル先輩じゃないとね。
さすがに森園先輩の声は想像し難い。ミスチルあたりがカバー
してくれたら面白いんじゃないかな。声が似てるから違和感
なく聴けそうな気がする。
続く“昼下がりの熱い日”も、“シテール”もいいね。
雰囲気が似通っている気がしなくもないが、
“気まぐれの目かくし”も、ラストの“ヴァイオレット・ストーム”
も素晴らしい。
歌詞も歌メロも森園先輩を意識してるとしか思えず、リスペクト
が感じられます。森園先輩がアイデアを残して去ったわけじゃ
ないだろうから、方向性を模索中のプチ奇蹟といったところか。
唯一残念なのは佐久間作の“N☆Y☆C☆R☆R☆M”だけ。
コレは違うだろって感じ。
代わりに“一触即発”や“泳ぐなネッシー”級の大作が収録されて
いたなら、3枚連続で文句なしの名盤だったのにね。
かくしてジャパンプログレの雄、
大好きな四人囃子は、今作にて終了となりました。
好き度 ★★★★★★ 5.5
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#120 / FRAGILE / YES / 1971 / UK
リック・ウェイクマンの加入で黄金期を迎えた4thアルバム
「こわれもの」です。「危機/CLOSE TO THE EDGE」が
傑作すぎるので、どうしても2番手の位置付けになって
しまいますが、今作も間違いなく傑作ですね。
「危機」のジャケもこうあってほしかった、というくらいに
唆られるアートワークも秀逸です。バンドとしての大作と、
メンバーのソロ小品が混在する構成になってますが、全く
違和感はないね。それどころか、多彩な小曲群は繋ぎの役割
を果たして余りある出来映えだ。
特にスティ−ヴ・ハウの”Mood for a Day”はね、前作収録の
”Clap”と並ぶ彼の代名詞的なアコギ曲であり、とりあえず
コピーしたくなるよね。当時は耳コピしか選択肢がなくて
即断念したけど(師匠に頼めばよかったのか)今どきは
youtube等で弾き方を教えてくれるからね、その気になれ
ばチャレンジできる。”Clap”よりはハードルが低いし。
もちろんバンドの作品は「危機」に収録されていても遜色
のないクオリティです。
まずオープニングの“Roundabout”が衝撃的でした。クリス・
スクワイアのベースラインは歴史に残る名演でしょうね。
ビル・ブラッフォードとのコンビネーションは言わずもがな、
変拍子がビシビシ決まる。ベースのカッコよさを初めて感じ
た曲かもしれない。そりゃゲディ・リーもリスペクトします
わな。「ジョジョの奇妙な冒険」のエンディングにも使われ
ましたね。
リック・ウェイクマンによる”Cans and Brahms”は、
ブラームスの”交響曲第4番ホ短調第3楽章”のキーボード
アレンジ曲、ジョン・アンダーソンの多重録音曲”天国への
架け橋/We Have Heaven”を挟んでA面を締めくくるのは
“南の空/South Side of the Sky”だ。自由に弾きまくる
ハウのギターが印象的な大作です。
そしてB面、ブラッフォードの小曲に続く“遥かなる思い出
/Long Distance Rouaround”は不思議なメロのイントロから、
アンダーソンが主役と思いきや、結局一筋縄にはいかない
複雑な曲で、スクワイアの変拍子曲とメドレー形式になって
いる。ここで件のアコギインストを挟んで繰り出されるのが、
動と静のコントラストが素晴らしい
“燃える朝焼け/Heart of the Sunrise”だ。
アルバムのエンディングにふさわしいこの大作は、次作の
雛形と言えるかもね。曲の前半部にポリリズムを導入した
箇所があるらしいけど、聴いていて拍子が追えない部分、
要するにノリにくいところが当該箇所ですね。
さて、好きなアルバムはデジタル・リマスター盤が出ると
ついつい買ってしまうけれど、最近ではデジタル・リマスター
が施されてなくても、SACDやらSHM-CDやらBLUE-SPECやら
DVDオーディオやらキリがない。しかも、中にはそれほどの
変化が無い物もあるから困ってしまう。愛用しているBOSEの
WAVE MUSIC SYSTEM程度でもハッキリわかる変化がない
とね。まあ、たいていの場合ボートラが追加されてるけど…。
また同じアルバムを買うの?と多くの人は思うでしょうが、
CDにも寿命があるらしいから強ち間違いとは言えないかもよ。
CDより持ち主の寿命が先に尽きそうなのはまた別の問題(笑)
好き度 ★★★★★★★★ 8
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