現在週刊ビッグコミックスピリッツで連載中の浅野いにおによる『おやすみプンプン』。フツーの少年プンプンの成長を描いた物語だ。今回はプンプンファンであり、ニュー・シングルをリリースしたばかりのサンボマスターの3人に話を聞いた。
―今回のシングル「できっこないを やらなくちゃ」は、背中を押してくれるような応援歌ですね。
山口:歌詞を作ることにおいては、まず自分に向けましたね。どうしようもなく落ち込むことって人間あるもので、どうやって自分を勇気づけようかってなったんです。ジョン・レノンの歌に「しっかりジョン(邦題)」という曲があって。あれを聴いて自分に向けて歌わなければだめだと思って。
―怒りではなく優しさや希望を感じさせる曲だと思いました。
山口:以前はテレビとか取材の時にですね、なんかこうモメたほうがおもしろいんじゃないかなという、間違えた考えがありまして(笑)。今はその前に音楽をちゃんとやろうと。音楽をみんなに聴いてもらいたいという気持ちが強いです。人の楽しい所も楽しくない所も引き受けるというと偉そうですが、俺にその心の闇を食わせろ! じゃないけど、それでこういう歌を作ったんです。
―今回は「焼き直しになるので、シンプルにちゃんとやる」ということを心がけたそうですね。
山口:音楽をやっているとですね。自分たちが最高だ! と思ってやってるんですけど、1バンドだけ僕らよりも新しいことをやっているやつらがいて。それは5年前の自分たちなんです。5年前は、ものすごく新しいことを和気あいあいとやっていて。やっぱりあいつらを超えたいと思いました。もっともっとストレートに、人の懐に忍び込むようなことをやりたいって思ったのが、"ちゃんとやる"っていうことなんですけどね。
―ファンであるという『おやすみプンプン』についてですが、どのような所に惹かれるのでしょうか。
山口:情けないことやダメな部分、そういうものが人間にはあると思うんですよね。格好が良いだけの話というのはどうも僕はだめなんですよ。『おやすみプンプン』は本当に情けなくて、格好悪い所も引き受けている。それを隠さないということは、少なくとも、表現においては絶対に必要なことだと思いますね。そしてすごく素敵なことなんじゃないかと。
―プンプンたちが抱えている、モヤモヤしたモノって一体なんなんでしょうね。
山口:それが悪いものばっかりだったら逃げれんですけどね。それが美しかったりするものも一緒だからモヤモヤなわけでしょ。
近藤:幻なんですよね。動物のように生きていれば別にそんなことは無いわけでしょ。人と関わったりしているから生まれる、幻ですよね。でもそれがあったほうがいいんじゃないですかやっぱり。そこからは逃れられないわけですから。
―『おやすみプンプン』の5巻では帯にコメントを寄せていますね。
山口:近ちゃんがうまいこと言いましたよね。早く同じ歳になってくれっていい言葉ですよね。大人がむかつくって言ってて、自分が大人になっちゃったみたいな悲しいところってあるわけですよ。プンプンも早くそうなって欲しいですよ。
木内:最初読んだ時、この作者は何を考えているんだろうと思って。こんなこと描く人がいるんだと思って。物凄く残酷なんだけど、すごく好きなんです。"プンプンは人間でしょ"こう描いているから読める部分がいっぱいあって。皆さんにも是非読んで欲しいですね。
撮影/相澤心也
2010年第一弾リリース「できっこないを やらなくちゃ」は、1月からオンエアとなっている「日産セレナ」CMソングとなった14枚目のシングル。サンボマスターらしい、がんばっているみんなへの応援歌だ。カップリングには、ヒップホップ風なメロウナンバー「ポップライフ」と軽快なロックン・ロール「僕の名前はブルースといいます」を収録!
『できっこないを やらなくちゃ』
好評発売中!
価格:¥1,223(税込) 品番:SRCL7226
発売元:ソニー・ミュージックレコーズ/MASTERSIX FOUNDATION
PROFILE:2000年2月、大学のサークルで知り合った、山口隆(中央/vo,g)、近藤洋一(右/b)、木内泰史(左/ds)の3人によって結成された、スリーピース・ロック・バンド。メッセージ性の強いストレートな歌詞とソウルやファンク、ブルースなどのルーツ・ミュージックからの影響を感じさせるサウンド、個性的なキャラクターやステージパフォーマンスで観客を大いに湧かせる。2005年発表のシングル「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」がドラマ主題歌に起用され、大ヒットを記録。ベースの近藤は、4月3日に公開される映画『ソラニン』でロック・バンドのベーシスト役に初挑戦し、映画の世界観にリアリティを付加した。
出演/宮崎あおい 高良健吾
桐谷健太 近藤洋一(サンボマスター) 伊藤歩 他
原作/浅野いにお「ソラニン」(小学館ヤングサンデーコミックス刊)
監督/三木孝浩 脚本/高橋泉 音楽/ent
メイン・テーマ「ソラニン」、エンディング・テーマ「ムスタング(mix for 芽衣子)」/ASIAN KUNG-FU GENERATION(キューンレコード)
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