まずは、自らの日常行動を思い出し、点検!
いつでも選手と同じ目の高さで、 「横から目線」で接するように心がけている
(佐々木則夫『なでしこ力』、講談社・2011年)。
間違っても、選手は「馬」ではない。 コーチ、つまり指導者の仕事とは、選手を馬のようにムチで叩いて走らせることではなく、 乗客である選手たちを目標の地まで送り届けることだ
(佐々木則夫『なでしこ力』、講談社・2011年)。
プロジェクト内における「音楽ディレクター」は、一般的に上下関係を連想させる
上司や管理職とは異なる役割とポジションです。
上記の名言にもあるように、最も基本となるディレクターの役割とポジションは、ディレクターがメンバーと同じ視点で常に思考し、プロジェクトを目的地まで導いていくことです。
これは、これからのあらゆるプロジェクトにおけるディレクターの鉄則、
プロジェクトビルディングを実践するディレクターの原則です。
リーダーが陥るチームの成長を阻害する行動
プロジェクトが成長するかしないかは、ディレクターの行動いかんにかかっています。
にもかかわらず、リーダー自身が知らず知らずのうちに日常的に取っている行動が、
実はチームの成長そのものと、本来メンバーが持っている自律性や多様性を阻害していることが
あります。 これらを改めない限り、チームもメンバーも成長することはできません。
以下に、ディレクターが陥りがちな行動と要因をピックアップしてみました。
この手のディレクターはホントに多いですね。
【ディレクターの影響力が強すぎる】
アーティストに自由度がない
”何から何まで”実施手順まで、ディレクターがすべての青写真を作ってしまい、
アーティストはその通りに遂行することだけを求められる。期待通りの結果が出ない場合、
アーティストは能力不足を叱責される。
よくある現場ですねぇ。。。
ディレクターが常に高い目標を与え、常に未達成という結果で終わる(苦笑)
部下は頑張っているという実感はあるものの、未達成という現実のみが突き付けられるので、
どんどん自信を喪失しモチベーションは低下する。
これもよくある現場ですねぇ。。。
ディレクターが、指示・命令を与えるものという意識が強すぎて、部下の意見を聴こうとしない!
また、部下に意見を求めたとしても上司自身がすでに答えを持っており、部下の意見がどうであれ上司の考えを押し付ける!
ディレクターの影響力が強すぎ、アーティストは常にディレクターの顔色をうかがい、
自分の意見ではなく、ディレクターが認めてくれる、あるいは喜んでくれる意見を探すようになる。そして提示された意見や提案を上司が承認することでディレクターへの依存度はますます強くなり、同時に多様性が失われ組織は成長しない。
【ディレクターがネガティブで勘違い】
アーティストの達成感を消してしまう
管理志向の強いディレクターは常に課題を探し、できていることよりもできていないことに目を向けます。しかも、天才的にできてないことを見つけ出すのです。
話題は常に問題点の指摘が中心となり、アーティストはディレクターとの会話を苦痛に感じるようになる。また、たとえアーティストが成果を上げてもそれを当然のこととして受け流し、部下の達成感をそいでしまう。そもそもディレクターが、部下の成長や達成を心から喜んだことがない。
ディレクターが、成果を出すことよりも自分の指導方法や過去の成功体験を正当化することが目的になってしまい、成果が出なくても自分のやり方にこだわって変えようとしない。成果が出ないのはアーティストの能力に問題があると考えている。
ディレクターの中には、カリスマ性や強いリーダーシップをイメージする人が少なくない。
しかし、これらが機能するのはディレクターに対する強烈な尊敬の念や強い信頼関係があることが前提ですよね?それがない状況で、リーダーシップを勘違いして高圧的な指示・命令や、時に脅すなどすれば、アーティストは萎縮するか、“やらされ感”が増大していくものです。
【ディレクター自身が変化を嫌う】
保守的、事なかれ主義である
ディレクターが前例のない、これまでと異なる行動や意見を毛嫌いし、妨害や潰しにかかる。
これは本当に良く起こることですね。
私たちは、本能的に常に自分にとって安全な状況を求めている。このタイプのディレクターは、
変化することが安全を脅かす要因だと認識し、すべての変化を戦うべき敵だと本能的にみなしているので根が深い。
そうしたディレクターの多くは自分でそのことに気付いていません!
変化とは「前例と異なる考えや行動」「経験や実績のない課題やテーマ」「自分と異なる考えや姿勢」をあえて選択すること。
それを避けるという行為は、
停滞を選ぶことになる。
停滞とは退行と同じこと。
この状態を続けていると組織そのものの存在価値が低下し、
最後には淘汰されることになる。
新たな成果が出る効果的な仕事の進め方を創造するよりも、アーティストの表面的な一生懸命さを重視しているディレクター。また、それに気づいてないのがお互いという最悪な時もある。
常にアーティストの「頑張っている」姿を期待している。
しかし、望まれている成果や変化は出ていない!
ディレクター自身はこの状況を「変化のないぬるい環境」とは考えていないが、これは紛れもなく、変化を恐れる結果、生み出された状況である。
どのような組織でも組織の成長に取り組まない場合、早晩、このような「変化のないぬるい環境」に落ち着く可能性がある。 このような組織の状況になるとチームシナジーは全く期待できない。
結果として、個人の能力に応じた役割や業務分担が行われることになる。そして、最終的にできるアーティストに仕事が集中するか、ディレクターが踏ん張って帳尻を合わせることになる。
【雰囲気重視で自己満足】
ディレクターが良い人でいたい
「ディレクターの役割は良い雰囲気を創ることである」
とだけ考え、また「部下と仲良くしたい」という思いから、表面的な明るさや雰囲気を重視している。ディレクター自身が良い人であると評価されたい願望が強い場合、成果を伴わない雰囲気重視の組織が出来上がる。
俗にいう“仲良しクラブ”である!
プロジェクトの成長を前提としたマイルストーンの設定、達成、承認といった戦略があるわけではなく、偶然生まれた成果や外的要因で生じた利益を過大に評価し、満足してしまう。小手先の課題解決に終始しているだけで、ブレークスルーが生まれることはなく、本質的にプロジェクトが成長することはない。
モチベーションを「勢い」だと勘違いしている。自らの意志もビジョンもないままに能力の高い一部の部下に引きずられ、何となくできた気になっている。
この状態は全くチームとしては機能していないので、優秀な部下が抜けた途端、極端に成果が出せない組織となる。
チームの成長を阻害する要因はすべて、リーダーの言葉と、表情、行動、行為など、外に現れる、その姿から作られています。
それだけ、プロジェクトの上に立つディレクターという立場は影響力を持つという事ですね。
一挙手一投足を大事に。
いろんな人間に見られている事を片時も忘れてはいけないのです。
まずは、自らの日常行動を思い出し、点検!
いつでも選手と同じ目の高さで、 「横から目線」で接するように心がけている
(佐々木則夫『なでしこ力』、講談社・2011年)。
間違っても、選手は「馬」ではない。 コーチ、つまり指導者の仕事とは、選手を馬のようにムチで叩いて走らせることではなく、 乗客である選手たちを目標の地まで送り届けることだ
(佐々木則夫『なでしこ力』、講談社・2011年)。
プロジェクト内における「音楽ディレクター」は、一般的に上下関係を連想させる
上司や管理職とは異なる役割とポジションです。
上記の名言にもあるように、最も基本となるディレクターの役割とポジションは、ディレクターがメンバーと同じ視点で常に思考し、プロジェクトを目的地まで導いていくことです。
これは、これからのあらゆるプロジェクトにおけるディレクターの鉄則、
プロジェクトビルディングを実践するディレクターの原則です。
リーダーが陥るチームの成長を阻害する行動
プロジェクトが成長するかしないかは、ディレクターの行動いかんにかかっています。
にもかかわらず、リーダー自身が知らず知らずのうちに日常的に取っている行動が、
実はチームの成長そのものと、本来メンバーが持っている自律性や多様性を阻害していることが
あります。 これらを改めない限り、チームもメンバーも成長することはできません。
以下に、ディレクターが陥りがちな行動と要因をピックアップしてみました。
この手のディレクターはホントに多いですね。
【ディレクターの影響力が強すぎる】
アーティストに自由度がない
”何から何まで”実施手順まで、ディレクターがすべての青写真を作ってしまい、
アーティストはその通りに遂行することだけを求められる。期待通りの結果が出ない場合、
アーティストは能力不足を叱責される。
よくある現場ですねぇ。。。
ディレクターが常に高い目標を与え、常に未達成という結果で終わる(苦笑)
部下は頑張っているという実感はあるものの、未達成という現実のみが突き付けられるので、
どんどん自信を喪失しモチベーションは低下する。
これもよくある現場ですねぇ。。。
ディレクターが、指示・命令を与えるものという意識が強すぎて、部下の意見を聴こうとしない!
また、部下に意見を求めたとしても上司自身がすでに答えを持っており、部下の意見がどうであれ上司の考えを押し付ける!
ディレクターの影響力が強すぎ、アーティストは常にディレクターの顔色をうかがい、
自分の意見ではなく、ディレクターが認めてくれる、あるいは喜んでくれる意見を探すようになる。そして提示された意見や提案を上司が承認することでディレクターへの依存度はますます強くなり、同時に多様性が失われ組織は成長しない。
【ディレクターがネガティブで勘違い】
アーティストの達成感を消してしまう
管理志向の強いディレクターは常に課題を探し、できていることよりもできていないことに目を向けます。しかも、天才的にできてないことを見つけ出すのです。
話題は常に問題点の指摘が中心となり、アーティストはディレクターとの会話を苦痛に感じるようになる。また、たとえアーティストが成果を上げてもそれを当然のこととして受け流し、部下の達成感をそいでしまう。そもそもディレクターが、部下の成長や達成を心から喜んだことがない。
ディレクターが、成果を出すことよりも自分の指導方法や過去の成功体験を正当化することが目的になってしまい、成果が出なくても自分のやり方にこだわって変えようとしない。成果が出ないのはアーティストの能力に問題があると考えている。
ディレクターの中には、カリスマ性や強いリーダーシップをイメージする人が少なくない。
しかし、これらが機能するのはディレクターに対する強烈な尊敬の念や強い信頼関係があることが前提ですよね?それがない状況で、リーダーシップを勘違いして高圧的な指示・命令や、時に脅すなどすれば、アーティストは萎縮するか、“やらされ感”が増大していくものです。
【ディレクター自身が変化を嫌う】
保守的、事なかれ主義である
ディレクターが前例のない、これまでと異なる行動や意見を毛嫌いし、妨害や潰しにかかる。
これは本当に良く起こることですね。
私たちは、本能的に常に自分にとって安全な状況を求めている。このタイプのディレクターは、
変化することが安全を脅かす要因だと認識し、すべての変化を戦うべき敵だと本能的にみなしているので根が深い。
そうしたディレクターの多くは自分でそのことに気付いていません!
変化とは「前例と異なる考えや行動」「経験や実績のない課題やテーマ」「自分と異なる考えや姿勢」をあえて選択すること。
それを避けるという行為は、
停滞を選ぶことになる。
停滞とは退行と同じこと。
この状態を続けていると組織そのものの存在価値が低下し、
最後には淘汰されることになる。
新たな成果が出る効果的な仕事の進め方を創造するよりも、アーティストの表面的な一生懸命さを重視しているディレクター。また、それに気づいてないのがお互いという最悪な時もある。
常にアーティストの「頑張っている」姿を期待している。
しかし、望まれている成果や変化は出ていない!
ディレクター自身はこの状況を「変化のないぬるい環境」とは考えていないが、これは紛れもなく、変化を恐れる結果、生み出された状況である。
どのような組織でも組織の成長に取り組まない場合、早晩、このような「変化のないぬるい環境」に落ち着く可能性がある。 このような組織の状況になるとチームシナジーは全く期待できない。
結果として、個人の能力に応じた役割や業務分担が行われることになる。そして、最終的にできるアーティストに仕事が集中するか、ディレクターが踏ん張って帳尻を合わせることになる。
【雰囲気重視で自己満足】
ディレクターが良い人でいたい
「ディレクターの役割は良い雰囲気を創ることである」
とだけ考え、また「部下と仲良くしたい」という思いから、表面的な明るさや雰囲気を重視している。ディレクター自身が良い人であると評価されたい願望が強い場合、成果を伴わない雰囲気重視の組織が出来上がる。
俗にいう“仲良しクラブ”である!
プロジェクトの成長を前提としたマイルストーンの設定、達成、承認といった戦略があるわけではなく、偶然生まれた成果や外的要因で生じた利益を過大に評価し、満足してしまう。小手先の課題解決に終始しているだけで、ブレークスルーが生まれることはなく、本質的にプロジェクトが成長することはない。
モチベーションを「勢い」だと勘違いしている。自らの意志もビジョンもないままに能力の高い一部の部下に引きずられ、何となくできた気になっている。
この状態は全くチームとしては機能していないので、優秀な部下が抜けた途端、極端に成果が出せない組織となる。
チームの成長を阻害する要因はすべて、リーダーの言葉と、表情、行動、行為など、外に現れる、その姿から作られています。
それだけ、プロジェクトの上に立つディレクターという立場は影響力を持つという事ですね。
一挙手一投足を大事に。
いろんな人間に見られている事を片時も忘れてはいけないのです。
これは、意識しておかないとトンデモナイことになってしまいます。
ディレクターの指示がなければ、プロジェクトは動かなくなりますからね。
特に昨今のプロジェクトは低予算化・短期化が進んでいます。
ただでさえ計画どおりにプロジェクトを運営することは困難になってきています。
現場に携わっている人は、いつも頭を悩ます大きな問題です。
多くの現場で「経験のあるプロジェクトマネージャが不足している」という声は
本当によく聞くことです。
実際の現場でよく見られるシチュエーションを取り上げているサイトがありましたので、
それを元に音楽ディレクターのプロジェクトマネジメントとしてお伝えしたいと思います。
すでにディレクターとして活躍されている方にも、「知識」としてではなく現場で使える「スキル」を磨くうえで役立つものだと思います。
ディレクターとは、何をする人だろうか。
そう、それは、【プロジェクトをマネジメントする人】なのであります。
一般に「プロジェクト」とは、目的の大小や期間の長短は関係なく、何らかの目的の達成を目指して、
一定期間に行われる活動のことをいいます。
それを動かすのが、ディクレター。その仕事は、プロジェクトの進ちょくの管理、顧客やユーザーとの折衝、人件費や費用の管理、要員の確保と配置、関係者への報告……。
数え上げればきりがないほど、種々雑多な仕事が思い浮かんできますが、ディレクターの仕事の本質的はたった1つです。
それは、
プロジェクトを成功という1つのゴールに向かって導く
ということ!
プロジェクトには目的があり、期限があるという点で、決まった作業を繰り返す「ルーチンワーク」とは異なります。だから、ルーチンが好きな人には、全く向かない仕事な訳ですね。
(私は、ルーチンワークが全くできないし、もの凄く嫌いなので、この仕事が合ってると心から思ってます。)
プロジェクトの状況は刻々と変化していきますし、期限に向かって1日1日が費やされていきます。
こうした中で、ディレクターはプロジェクトを成功に導くために、「必要なことすべて」を行うわけです。
しかし、「必要なことすべて」思いつくまま、漫然とやっても、労力も無駄、抜けや漏れが生じますよね?。
「必要なこと」をやらなかったばかりに、後になって「本来やらなくてもよかったこと」までやる羽目になってしまうことは、よくある話しです。
そこでディレクターがプロジェクトを成功に導くためにやるべき「必要なこと」に焦点を当て、
ケーススタディ方式でご紹介。
今回は、プロジェクトを1つにまとめるコミュニケーションの重要ポイントを紹介。
例えば、あなたがある制作プロジェクトに参画することになったとすると。
その初日に、マネージャからプロジェクトの説明があるということで、あなたは打ち合わせに出席することに。
さて、ここでタイプの異なる2人のマネージャが登場するとします。
「今日は朝から忙しくて、レコーディングの予定でびっしり埋まってるんだよ」
「時間が取れないから、今日は今回の作品に関するこの資料を読んでおいて」
「何か分からないことがあったら、後で質問するように」
「細かいことは、実際の作業をこなしながら質問してくれよ」
「じゃあ、後はよろしく」
「今日は朝から忙しくて、レコーディングの予定でびっしり埋まってるんだよ」
「このミーティングには15分しか取れないから、要点を押さえて簡潔に進めよう」
「事前に渡しておいた資料は読んでもらったかな? 質問もまとめてきたね?」
「資料からだけでは読み取れない部分もあったと思うので、私から補足して説明しよう」
「まず、この作品の目的とその意義は……」
「次に、この作品のスケジュールと主なマイルストーン(節目)は……」
「次に、この作品のチャレンジ(克服すべき困難)は……」
「最後に、この作品の体制とあなたに期待する役割は…」
「では、残りの時間で、まとめてもらってきた質問のうち、いまの説明で不明な点があれば質問してほしい。じゃあ、始めようか」
さて、あなたは”よくいる!マネージャ”のプロジェクトと、”よくできる!マネージャ”のプロジェクト、
どちらに参加したいですか?
いきなりプロジェクトに投げ込まれ、右も左も分からないような状態に陥ることを望む人はいません。
やる気が起きるわけがない!ですよね?
プロジェクトにメンバーを新規で配属する際には、できるだけ明確にプロジェクトの重要事項、すなわち目的と期限、リスクと期待役割について説明しておくべき!重要なのは、この動機づけをプロジェクト全体で一貫した形で行い、使命感を共有すること!ですよね?こうすることによって、細かい指示を与えなくても各自が状況に応じて適切に判断を下せるようになる。
プロジェクトによっては、最初からスコープ(視野)が流動的だったり、スケジュールが確定していなかったりすることがある。筆者の経験上、そのような場合は包み隠さず情報を公開した方がよい結果を生むことが多い。「ここまでは決まっているが、ここから先は決まっていない。最悪の場合、こういう事態に発展するケースが考えられる」というように、メンバーとリスクを共有して初めて、プロジェクトに一体感が生まれると思います。
プロジェクトの説明すべき事項が記載されたチェックリストを作るのがベターかなと思います。
出席メンバー全員に開示するようにして、詳細に知りたいと思ったら、進んで説明を求めることができるようになっているのが、MOER better.
さて、初めてのミーティングも終わり、あなたはいよいよプロジェクトメンバーとして作業を開始したとしよう。しかし、これまでの経験とは異なり、プロジェクトの進め方やコミュニケーションなど、勝手が違うことに戸惑いを覚えてしまった。周りのメンバーも同じように感じているようだ。そこで、あなたはマネージャに相談することにした。
「はじめは、多少そういうこともあるだろう」
「慣れれば大丈夫だと思うから、もう少し様子を見て」
「問題があれば、また相談してくれよ」
「じゃあ、後はよろしく」
「プロジェクトの出だしで顧客とのミーティングが重なりバタバタしてしまった。申し訳ない」
「チームとして作業を進めていくに当たって、キックオフミーティングを開催しよう」
「そこで作業の進め方やコミュニケーションについての案を私から説明するので、みんなからも意見があればそこで出してもらって、このプロジェクトのやり方を決めよう」
「それから、新メンバーも加わったことだし、歓迎会をやろう。どんなところでやりたいか、皆考えておいてくれよ」
いくら優秀なメンバーが入り、適切に動機付けされたといっても、日々の具体的な作業がどのように進められていくかが決まっていなければ、足並みはそろわない。結果としてチームのパフォーマンスを引き出すことはできない。
ディレクターは、個人の持っているパフォーマンスを、チームとして最大限に引き出すことができるよう、
「円滑に連携」させる仕掛けをつくる必要がある。それが、「キックオフミーティング」に代表される、チームビルディングのためのイベントである。
キックオフミーティングでは、前項で取り上げたプロジェクトの重要事項の説明をさらに詳しく行うとともに、次のようなトピックについて説明しよう。
これによって日々の作業をどう進めていくか、ほかのメンバーとどのように協調すべきなのかが明確になる。
特に会議体については、顧客や協力会社など、外部メンバーとの重要な接点であると同時に、何らかの意思決定の場でもあり、大変重要です!
プロジェクト計画時にきちんと定義しておくべきであることはいうまでもないが、運営面で形骸化してしまわないよう、キックオフミーティングの場などでその位置付けを再確認し、メンバーの理解を高めておく必要がある。
さらに、”よくできる!マネージャ”が最後に「歓迎会」の開催を提案していたように、プロジェクトマネージャは次のような点にも配慮すべきだろう。
一見、仕事には直接関係ないことのようにも思えるが、プロジェクトの初期段階でメンバー同士がお互いに打ち解けた関係になっておくことは、非常に重要だ。欧米では、プロジェクトに限らずセミナーやワークショップなどでも「アイスブレーキング」といって簡単なゲームをやってリラックスした雰囲気を短時間で作ってしまうことが多い。
日本では酒席をもうけることが一般的だが、やり方に関係なく共通しているのは、「お互いを知り仲よくなる」ことではないだろうか。それによって相手を気遣い、円満にコミュニケーションをしていく素地が出来上がる。
最後にもう一点、メンバーとのコミュニケーションは双方向でなければならないです。
プロジェクトマネージャは、自分のやり方を一方的に押し付けるのではなく、メンバーから意見を吸い上げる姿勢を持つことが大事です。
これは、何もメンバーの意見すべてを尊重しろといっているのではなく、「現場に問題が生じたときに、速やかに情報を吸い上げる」環境をつくることが大事だということです。素直に相談できる環境をつくることによって、初めてプロジェクトのリスクをコントロールできるようになるといえる。
あなたがプロジェクトについてから1カ月が経過した。プロジェクトにも慣れ、忙しい日が続いている。しかし、作業を進めるにつれ、チーム内では仕様に関する課題が目立ってきて、遅れが出てきた。そんなある日のチームミーティングで……。
「スケジュールが遅れているとはどういうことなんだ!!」
「みんなスケジュールは分かっているだろ!」
「深夜残業しても、土日を使ってでも、来週までにはなんとかキャッチアップしておくように」
「じゃあ、後はよろしく」
「当初のスケジュールに対して遅れが出ているようだが、原因は何だろう?」
「いろんな原因があるようだな。仕様が不明確で、顧客に対してその確認に時間を要しているメンバーが体調を崩して3日間休んだ。ユーザーから新たな要望が出ている……、などだ」
「遅れとなっている課題をクリアして、どうすればばん回可能か、担当者と一緒に考えてみてくれ。」
実際にプロジェクトが進んでいくと、目的を達成するまでの道のりは決して平たんではありません。
さまざまな阻害要因が発生するものです。
ディレクターは、これらの阻害要因を取り除きゴールへ導くことが求められます。大変ですな。。。
これらの阻害要因は、以下の要素(エリア)に分類される。
上記のすべてから問題が噴出すると考えるとゾッとしますが、
これらのひとつひとつを丁寧にやっていくことからしか、プロジェクトは前に進まないものです。
常に、心に余裕をもち、次から次へと現れる事象に対応していきたいものですね。