「ケアレス・ウィスパー」 (Careless Whisper) は、ワム!のヒット曲。
作詞・作曲がジョージ・マイケルとアンドリュー・リッジリーの共作であることや、ワム!の2枚目のアルバム『メイク・イット・ビッグ』やベスト・アルバム『ザ・ファイナル』に収録されているため、ワム!の楽曲に思われがちであるが、厳密にはジョージ・マイケルのソロ曲
原曲はジョージが17歳の時に、アルバイト先の映画館へ向かうバスの中で書き留めたもので、発表時にアンドリューが手を加えた。
日本では、西城秀樹が「抱きしめてジルバ」という邦題で、郷ひろみが「ケアレス・ウィスパー」として、カバー
【英語歌詞】
I feel so unsure
As I take your hand
and lead you to the dance floor
As the music dies
something in your eyes
Calls to mind a silver screen
and all its sad goodbyes
I'm never gonna dance again
guilty feet have got no rhythm
Though it's easy to pretend
I know you're not a fool
I should have known
better than to cheat a friend
and waste a chance that I've been given
So I'm never gonna dance again
the way I danced with you
Time can never mend
The careless whisper of a good friend
To the heart and mind
Ignorance is kind
There's no comfort in the truth
Pain is all you'll find
I'm never gonna dance again
guilty feet have got no rhythm
Though it's easy to pretend
I know you're not a fool
I should have known
better than to cheat a friend
And waste a chance that I've been given
So I'm never gonna dance again
the way I danced with you
Tonight the music seems so loud
I wish that we could lose this crowd
Maybe it's better this way
We'd hurt each other with the things
we want to say
We could have been so good together
We could have lived this dance forever
But now who's gonna dance with me
Please stay
I'm never gonna dance again
Guilty feet have got no rhythm
Though it's easy to pretend
I know you're not a fool
I should have known
better than to cheat a friend
And waste a chance that I've been given
So I'm never gonna dance again
the way I danced with you
Now that you’re gone
Now that you’re gone
Now that you’re gone
Was what I did so wrong so wrong
That you had to leave me alone
【日本語訳】(訳:ニキ)
僕はとても不安を感じている
君の手を取り
ダンスフロアに導いていく
音楽が終わると
君の瞳の中の何かが
銀幕で観た悲しい別れを
思い出させる
僕はもう踊りはしない
罪を犯した足は リズムをとれない
誤魔化すのは簡単だけど
君はバカじゃないってわかってる
友だちを騙すより 知るべきだった
与えられたチャンスを無駄にした
だから 僕はもう踊りはしない
今まで 君と踊ったように
時間は取り戻せない
友だちの不用意なささやき
心と心
知らない方が良かった
真実には 慰めがない
痛みだけしかないんだ
僕はもう踊りはしない
罪を犯した足は リズムをとれない
誤魔化すのは簡単だけど
君はバカじゃないってわかってる
友だちを騙すより 知るべきだった
与えられたチャンスを無駄にした
今夜 音楽がとてもうるさく聞こえる
この人たちがいなくなってしまえばいい
たぶん この方がいいんだろう
僕たちはお互いを傷つけ合った
言いたいことを言って
僕たちは一緒にうまくやって行けたかも知れない
永遠に踊ることもできたかもしれない
でも もう誰も僕と踊ろうとはしない
お願いだ 待ってくれ
僕はもう踊りはしない
罪を犯した足は リズムをとれない
誤魔化すのは簡単だけど
君はバカじゃないってわかってる
友だちを騙すより 知るべきだった
与えられたチャンスを無駄にした
だから もう踊ることができない
今まで 君と踊ったようには
もう 君は行ってしまった
もう 君は行ってしまった
もう 君は行ってしまった
僕がしたことは間違っていたのか
君は僕を一人にして去らなくてはいけなかった
JUGEMテーマ:洋楽歌詞・和訳
]]>Nina Simone - Feeling Good (1965)
「上々」
Birds flying high
You know how I feel
Sun in the sky
You know how I feel
Breeze driftin' on by
You know how I feel
It's a new dawn
It's a new day
It's a new life
For me
And I'm feeling good
I'm feeling good
鳥は高く飛んでいく
僕の気持ちが分かるだろう
空に浮かぶ太陽
僕の気持ちが分かるだろう
そよいでくる風
僕の気持ちが分かるだろう
新しい夜明け
新しい日
新しい人生
僕にとっての
いい気分だ
いい気分だよ
Fish in the sea
You know how I feel
River running free
You know how I feel
Blossom on a tree
You know how I feel
It's a new dawn
It's a new day
It's a new life
For me
And I'm feeling good
海を泳ぐ魚
僕の気持ちが分かるだろう
滔々と流れる川
僕の気持ちが分かるだろう
木に開く花
僕の気持ちが分かるだろう
新しい夜明け
新しい日
新しい人生
僕にとっては
いい気分だ
Dragonfly out in the sun you know what I mean, don't you know
Butterflies all havin' fun you know what I mean
Sleep in peace when day is done
That's what I mean
And this old world is a new world
And a bold world
For me
For me
陽の光を受ける蜻蛉 僕の気持ちが分かるだろう ねえ
舞い踊る蝶たちよ 僕の気持ちが分かるだろう
一日が終わり 安らかに眠る
そう
この古い世界は新しい世界へ
堂々たる世界へ
僕の
僕のための
Stars when you shine
You know how I feel
Scent of the pine
You know how I feel
Oh freedom is mine
And I know how I feel
It's a new dawn
It's a new day
It's a new life
For me
輝ける星たちよ
僕の気持ちが分かるだろう
パインの香よ
僕の気持ちが分かるだろう
ああ 自由は僕のもの
僕の気持ちは 僕のもの
新しい夜明け
新しい一日
新しい夜明け
僕の
And I'm feeling good
ああ いい気分だ
I'm feeling good
I feel so good
I feel so good
いい気分だよ
とても
とても
映画『PERFECT DAYS』使用曲。流れた時に「あっこの曲知ってる」と即座に気づいたのだが、自分は北海道日本ハムファイターズ・万波中正の入場曲で知った。オールスターの時に現地で聞いて「スロウテンポで入場曲っぽくないけどカッコいいな」と感心したのだった。彼が用いているのはマイケル・ブーブレのバージョンである。
鑑賞する前に西川美和監督のこの記事を読み、洋楽のスタンダードナンバーを映画で流すには莫大な使用料を取られることを知ってしまっていた。そのためパティ・スミスを始めとした名曲群が流れるたびに「あ、300万」「また300万」などと思いながら観る羽目になった。穏当な書きぶりにしているが、西川監督もその気前の良さにイラつきながら観ていたことが察せられる。
そのイラつきは記事のさらに先で巧く書き表されていて、作品のスポンサーであるファーストリテイリングを讃えて曰く【人や素材を安く叩いたら、結果的にはスポンサーも作り手も消費者も、誰も得をしない。そういう理解がある人たちにしか、このようなお金の掛け方は発想できないはずです】と。牽制さらには皮肉も含まれていることに疑いの余地はあるまい。
記事の軸はかつて自身がメガホンを取り、役所その人が主演した『すばらしき世界』との対比である。元ヤクザの男が同じ墨田近辺の下町で社会復帰の壁にぶち当たるのだが、同じ街同じ主演でも、視点次第でこうも変わるのかと西川監督は驚いている。「天使」という評はスクリーンに充溢するささやかな幸福の象徴であると同時に、一種「非現実」の存在という含意も込められているように見受けられる。
この物語の「天使」は己の中の負の感情をほぼ完全に押し殺しきることによって生まれる、非常にもろく危ういものだと自分は感じた。還暦を越えているであろう彼が腰をイワしたらいっぺんに困窮するのは目に見えている。あの家には急な階段はあっても、風呂も台所もないのだ。彼が起床するたびに、飲み屋に行くたびに、微妙にカメラのアングルやカットの呼吸はズラされる。そこから言外に示される崩壊の予感に自分は若干身構えていたのだが、漂うのは終わりの予感のみであった。「天使」を描く上で、「アイタタタ」という悲鳴は、邪魔である。
そしてこの曲である。「いい気分」という言葉は、悪い気分を味わっていないと言えない言葉である。
この言葉で思い出すのは『ドラゴンボール』である。あえてバビディの洗脳術にかかり、かつて殺し合った悟空との決闘を望むベジータが、平和な世界に安息を覚えて己の中の残忍さを失いつつあることが耐え難かったのだと叫ぶ場面だ。
「…おかげで いまはいい気分だぜ…」
歪んだ笑みを浮かべるベジータの表情、そして悟空の返答がまたいいのだが、この曲が流れる場面での役所広司の表情もまた同様に良い。ただしその表情は聖性を帯びてひたすらに美しく、トイレ掃除という生業ながらとうとう映されなかった糞便や汚穢同様、彼の醜さや脆さが画面の外から流れ込むことはなかったのが、やはり惜しいと思わ された。
]]>JUGEMテーマ:洋楽歌詞・和訳
スイスのフォークメタルバンド、Eluveitieの一曲
Originsの発表が2014年なので、もう10年近くも前の曲になるのですね
時の流れは残酷だと思いながら、以下歌詞と和訳です
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]]>
JUGEMテーマ:洋楽歌詞・和訳
個人的にはアルバムの中で一番好きな曲です。
動画はスタジオVerのものがあったのでそちらにしました。
馬頭琴の音の重厚感が伝わってくるよいビデオです。
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「黒い金曜日の掟」
I want to believe in myself once again
So I dream of a man whose hopes never end
To kiss with a girl who's as lovely as you
I'd give you my heart, if you gave me the truth
もう一度 自分自身を信じてみたいんだ
だから俺は 尽きせぬ望みを追う男を思い描く
君のような愛しい女の子とキスをするという望みをね
真心をくれるならば 僕の心を君に捧げよう
And for every tear that is lost from an eye
I'd dig me a well where no man could destroy
I want to believe in a freedom that's bold
But all I remember is the freedom of old
涸れてしまった涙というものへと
掘り進める井戸は誰にも壊せやしない
大それた自由というものを俺は信じてみたいのさ
ひたすらに思い起こすのは古ぼけた自由
Well, I lost me a wife, so I found me a plane
Flew all the way to California, yeah
This mess in my head is a mess getting out
Ya drink too much coffee, I drink too much stout
嫁を失い 飛行機に飛び乗った
一路向かうはカリフォルニアだ
ぜんたい頭の中はぐちゃぐちゃで
お前はコーヒーを 俺はスタウトをしこたま飲む
But after a while, when my mouth's not so dry
I'll dance up a storm, sure life's looking fine
But as darkness falls, I return to my bed
Don't ask me more questions, don't fuck with my head
いくらか経って 喉の渇きが治まれば
俺は踊り狂うだろう 人生は上々だ
だが闇が落ちれば 俺はベッドにもぐり込む
もう何も聞くな 俺の頭をいじくるな
'Cause I've been down in this world, down and almost broken
Like thousands of people left standing in their shoe
Down in this world, down and almost broken
As thousands they grieve as the Black Friday rule
俺はこの世界で打ちのめされ 壊される寸前だったから
無数の人々と同じように放置され一人立ち尽くす
この世界で打ちのめされて 砕け散る寸前だ
無数の人々が黒い金曜日の掟に嘆き悲しむように
The buildings they shake, but my heart, it beats still
Oh, mother of Jesus, I feel pretty ill
I want to go home where my feet both feel safe
But there ain't no jobs in the old free state
建物はガタガタ揺れ動いているが 俺の心は変わらぬ鼓動を打つ
母なるマリア様よ 俺は正直最悪の気分だ
しっかり足を踏みしめられる家に帰りたい
だが古き良き我が故郷に もう職などないだろう
So I must remain in my new adopted land
I'm doing the best, hell I'm doin' all I can
So next time you see me, don't ask for my name
For I am the king and sure long may I reign
だから新たな土地から離れることはできない
全力を出して やれることは何だってやる
そして次に俺と会ったらば もう俺の名は聞かないでくれ
俺は必ずやこの地を長く統べる王となるのだから
'Cause I've been down in this world, down and almost broken
Like thousands of people left standing in their shoe
Down in this world, down and almost broken
As thousands they grieve as the Black Friday rule
俺はこの世界で打ちのめされ 壊される寸前だったから
無数の人々と同じように放置され一人立ち尽くす
この世界で打ちのめされて 砕け散る寸前だ
無数の人々が黒い金曜日の掟に嘆き悲しむように
I've been down in this world, down and almost broken
Like thousands of people left standing in their shoe
Down in this world, down and almost broken
As thousands they grieve as the Black Friday rule
As thousands they grieve as the Black Friday rule
俺はこの世界で打ちのめされ 壊される寸前だ
無数の人々と同じように放置され一人立ち尽くす
この世界で打ちのめされて 砕け散る寸前だ
無数の人々が黒い金曜日の掟に嘆き悲しむように
無数の人々が黒い金曜日の掟に嘆き悲しむように
ブラックフライデーなので。フロッギング・モリーはロサンゼルスで結成されたバンドで、バンド名も当地の「モリー・マローン」というパブでしごかれた(flogging=鞭打ち)ことに由来するのだとか。「モリー・マローン」はアイルランド・ダブリンの古い民謡のことで、フロントマンのデイヴ・キングもダブリンの出身。緩急のついたノリの良いギターに破片が飛ぶようなドラムの乱打、そしてこれにフィドルやアコーディオンが織り成すアイリッシュサウンドを接ぎ木した変調で構成される、かなりクセのあるパーティーチューンである。イントロが大変かっこいいが、ちょっと長いかな。ケルティック・パンクとウィキではカテゴライズされているが、そんなジャンルがあったとはね。
肝心の歌詞は、実はよくわからない。故郷から空路で向かった新天地カリフォルニアでの成功を誓う、という大掴みの理解はできるが、そもそも「ブラックフライデー・ルール」なるものがどういうニュアンスなのか。11月第4週であるブラックフライデーの歴史はかなり古く、「大安売り」の意味合いも昔からあるそうだが、根っこにあるのは前日の祝日、感謝祭(サンクスギビング)である。これらの週末は人々で大にぎわいで、そのため混雑や混乱も招く。対応する警官や店員といった労働者にしてみれば憂鬱で、「ブラック」にはそんな負の意味合いもあったという(「ブラックフライデー」の知られざる語源とは | ハフポスト LIFE (huffingtonpost.jp)など参考)。このへんの悲しみのニュアンスを汲み取ったのだろうか。“Ya”(2人なのか?)や“the old free state”(固有名詞なのか?)も残念だが分からない。
なおこの曲は、最近出版されたスポーツノンフィクション『怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ』(森合正範)で知った。ボクシング日本歴代最強の呼び声も高い若き天才・井上尚弥の軌跡を、彼本人ではなく彼と闘い敗れ去った人々の声を聞き出すことでたどった本である。2013年当時既に31歳とベテランの域に入った日本ライトフライ級1位・佐野友樹の入場曲で、若干二十歳のゴールデンルーキー井上との対決に際しても流れたと紹介されている。「咬ませ犬」の立場を自認し、網膜剥離の恐怖を抱きながらも井上に喰らいついて散った佐野の入場曲として、再起を期すワンオブゼムの男の歌詞は相応しいのかもしれない。
]]>1944年にミュージシャンで作曲家、歌手のメル・トーメが、ボブ・ウェルズと一緒に書いた曲。
特にナット・キング・コールによる歌唱で広く知られている。
暑い夏の盛りに、冬のことを考えて没頭していれば、少しは涼めるのではないかと思って書かれた曲。
【英語歌詞】
Chestnuts roasting on an open fire
Jack Frost nipping at your nose
Yule-tide carols being sung by a choir
And folks dressed up like Eskimos.
Everybody knows a turkey
and some mistletoe
Help to make the season bright
Tiny tots with their eyes all aglow
Will find it hard to sleep tonight.
They know that Santa's on his way
He's loaded lots of toys
and goodies on his sleigh
And every mother's child is gonna spy
To see if reindeer
really know how to fly.
And so I'm offering this simple phrase
To kids from one to ninety-two
Although it's been said
many times, many ways
Merry Christmas to you
【日本語訳】(訳:ニキ)
たき火で炒るクリの実
ジャック・フロスト(雪の妖精)が鼻をつまむ
聖歌隊がクリスマス・キャロルを歌う
人々はエスキモーみたいに着飾る
誰もが知ってる
七面鳥とヤドリギは
クリスマスシーズンを輝かせてくれるって
子供たちの目はキラキラ光り
夜もなかなか寝付けない
子供たちは知ってる サンタが向かっていると
そりの上には
たくさんのオモチャとプレゼント
すべての子供は こっそり見張っている
トナカイは本当に空を
飛べるのかどうかを
シンプルなセリフを贈ろう
1歳から92歳の子どもたちへ
何度となく
いろんな形で言われるセリフを
「素敵なクリスマスを」
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JUGEMテーマ:洋楽歌詞・和訳
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「青い稲妻」
Thinking of blue thunder
Singing to myself
Thinking how fast it moves
Feeling how it turns
青い稲妻を思う
歌を口ずさむ
何よりも速い
一瞬の閃きを思う
I was singing something
Out on Route 128
Thinking how blue it looks
Singing out aloud
僕はひとり歌っていた
128号線から
その青さを思う
声にして歌う
My, my blue thunder
Singing out aloud
僕の青い稲妻
声に出して歌う
I'll drive so far away
車でずっと遠くへ行こう
Blue thunder
青い稲妻・・・
古くから聴いていた曲だが、大気の詰まったうだるような遠い夏空が必ず浮かぶ。そして同時に、静かで重い死の影も。夏の青空に、果たせなかった思いが増えていく。
ギャラクシー500は1990年前後の米ボストン(128号線もある)で結成されたバンドだが当時母国では完全に無名で、注目されるようになったのは英国からだという。演奏技術や音質は決して高いわけではなく、活動期間もごくわずかだったが、陽炎のように揺らめくサウンドが今なお影響を後世に与えている。
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「退屈な存在」
I came across a cache of old photos
And invitations to teenage parties
"Dress in white" one said, with quotations
From someone's wife, a famous writer
In the nineteen-twenties
古い写真が奥から何枚か出てきた
10代の頃のパーティーの招待状と共に
「白い服にて」と書かれ 引用句が添えられている
ある人の妻であり 著名な作家であった人
1920年代の頃の
When you're young you find inspiration
In anyone who's ever gone
And opened up a closing door
She said "we were never feeling bored"
人というものは若い頃
既に世を去り 閉じゆく扉を開け放った者から啓示を受けるものだ
彼女は言った 「私たち全然退屈なんかしないのよ」
'Cause we were never being boring
We had too much time to find for ourselves
And we were never being boring
We dressed up and fought, then thought make amends
And we were never holding back or worried that
Time would come to an end
僕たちは全然退屈なんかしなかった
自分自身を知るための時間が あり余るほどあって
僕たちは全然退屈な存在なんかじゃなかった
着飾って 喧嘩して そのぶん仲直りして
何のためらいもなく 恐れもしなかった
やがてそんな時が 終わりを迎えることを
When I went I left from the station
With a haversack and some trepidation
Someone said: "if you're not careful
You'll have nothing left and nothing to care for
In the nineteen-seventies"
出発のために駅へと向かった
大きなリュックに小さな狼狽も入れて
誰かが言った 「気をつけないと
何も残らないし 大事なものは何も手に入らないからな」
1970年代のこと
But I sat back and looking forward
My shoes were high and I had scored
I'd bolted through a closing door
I would never find myself feeling bored
でも僕はどんと構えて前を向いていた
踵の高い靴を履いて 割とうまいこと遊んでいた
閉じゆく扉をすり抜けて
退屈を感じることなんてないと
'Cause we were never being boring
We had too much time to find for ourselves
And we were never being boring
We dressed up and fought, then thought make amends
And we were never holding back or worried that
Time would come to an end
We were always hoping that, looking back
You could always rely on a friend
僕たちは全然退屈なんかしなかった
自分自身を知るための時間が あり余るほどあった
僕たちは全然退屈な存在なんかじゃなかった
着飾って 喧嘩して そのぶん仲直りして
何のためらいもなく 恐れもしなかった
やがてそんな時が 終わりを迎えることを
ふり返ればいつだって
必ず頼りになる友達がいてくれると
Now I sit with different faces
In rented rooms and foreign places
All the people I was kissing
Some are here and some are missing
In the nineteen-nineties
そしていま僕は別の面々と並んで座っている
借り物の部屋の よく知らない場所で
かつて僕が口づけを交わした人々の
何人かは健在で 何人かは行方知れずだ
この1990年代に
I never dreamt that I would get to be
The creature that I always meant to be
But I thought in spite of dreams
You'd be sitting somewhere here with me
僕はこうなるはずだった人間というものに
本当はなってやろうと夢見ていたわけではなかった
でもそんな夢がどうなろうと僕は
君がこの場所のどこかで 僕と共に座っていてくれるはずだと思っていた
'Cause we were never being boring
We had too much time to find for ourselves
And we were never being boring
We dressed up and fought, then thought make amends
And we were never holding back or worried that
Time would come to an end
We were always hoping that, looking back
You could always rely on a friend
僕たちは全然退屈なんかしなかった
自分自身を知るための時間が あり余るほどあった
僕たちは全然退屈な存在なんかじゃなかった
着飾って 喧嘩して そのぶん仲直りして
何のためらいもなく 恐れもしなかった
やがてそんな時が 終わりを迎えることを
ふり返ればいつだって
必ず頼りになる友達がいてくれると
And we were never being boring
We were never being bored
'Cause we were never being boring
We were never being bored
僕らは退屈なんか感じなかった
退屈な存在なんかじゃなかった
ちっともつまらなくなんてなかったんだから
退屈な存在なんかじゃ…
ペット・ショップ・ボーイズの名曲のひとつ。日本では何と言っても“Go West”のメガヒットで知られるのだろうが(三ツ沢で踊ったやつは僕と握手)、囁くようで緩やかな起伏を湛えたこの曲も温かな哀しさと美しさを宿している。エクステンデッド・ミックスもあるのだが、パチャパチャ鳴るギターのカッティングがたっぷり与えられていて快い。
官能的かつ享楽的な若い男女の裸体が次々と映し出されるこのPVは狂騒の20年代〈ローリング・トゥエンティーズ〉を髣髴とさせるが、冒頭の「ある人の妻であり 著名な作家であった人」はこの時代に脚光を浴びたゼルダ・フィッツジェラルドのことである。夫はもちろん『偉大なるギャツビー』のスコット。奔放不羈な二人はやがて破局を迎え、彼女は精神を蝕まれた末に火災に巻き込まれて死を迎える。この、曲名にもなった引用は“She refused to be bored chiefly because she wasn't boring”(彼女は何よりもつまらない存在ではなかったが故に、退屈することを拒んだ)という『ワルツはわたしと』の一節という。
“My shoes were high and I had scored”は隠語の匂いがあって当初よくわからなかったが、shoes were highは当時の世相を映したハイヒールの靴で、scoredは辞書なんかを引くとセックスだったりドラッグだったりをキメることを指すようだ。まあひところ流行った言い回しなら「優勝する」なんかに近いのかもしれない。「割とうまいこと遊ぶ」ならば、その辺りのニュアンスも汲んでもらえるだろう。
そんな「単語の意味を知っていれば何となく訳せる」もの以上に、歌詞全体が文法に通暁していないと正確にニュアンスを感得できないもので往生した。最も大事な“Now I sit-”の段落にそれが顕著である。勉強しないと…。
ペット・ショップ・ボーイズの曲の中でシングルとしては左程ヒットしなかった方に入るそうだが彼らの思い入れはかなり強く、ボーカルで作詞のニール・テナントの旧友をHIVで89年に失った体験が色濃い自伝的な曲だという(ペット・ショップ・ボーイズが語る「6つの真実」)。彼は同性愛者であることをこの曲のリリース後である90年代半ばに公表しており、HIVが蔓延したこの時代を「最悪の時代」と評している。
それが故“foreign places”を葬儀場と解釈しているサイトもいくつかあった。上記の事情を知っていれば十分成り立ち得るが、そのまま直結するかはちょっとよく分からない。仮に無味乾燥な集団生活と捉えても、洋々たる前途を見据えていた青春時代の終わりや、永遠の友との別離を受け取れることに変わりはない。
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「恐怖と歓喜」
Oh but I know you'll cause me grief,
close friends of mine are in disbelief,
as they can see what's underneath
fluttering lashes, red lips and pearly white teeth.
嗚呼わかってる 貴女が悲嘆を招くことなど
親友たちは面食らうだろう
彼女の奥底にあるものをよく知っていたとしても
瞬く睫毛に紅い唇、そして真珠のように白い歯
I don't show it but I quiver whenever you come near,
and I cannot decipher between the thrill and the fear
I want to stop but I like too much to let it stop here:
it's wrong but I want you tonight.
貴女が来れば戦慄を隠すのに精一杯
これは武者震いか はたまた悪寒か
あふれる思いを止めきれない
僭越ながら 今宵貴女をものにする
It was not my own volition but I fell in deep
by running the distance I'd been advised to keep
I trot to the wolf as a doting sheep;
it's wrong but I want you tonight.
我が意に反して深みにはまる
距離を保てと言われてながら
狼に焦がれすり寄る羊
僭越ながら 今宵貴女をものにする
Fear and delight
all the way through the night,
With a little daring do,
I'll fall in love with you.
恐怖と歓喜
夜通しずっと
憚りながら
私は貴女に恋に落つ
(×2)
I'm the little boy who's gonna be getting fingers burnt,
but I can see this lesson's gotta gotta gotta be learnt,
they say that boys have been destroyed but they weren't;
it's wrong but I want you tonight.
いたずらっ子は手痛い目に遭うだろう
されど相応の教訓だっていただいてみせよう
報いを受けるか ほんとにそうか
僭越ながら 今宵貴女をものにする
In any case my friends it's too late,
like a moth to light like a beast to bate
and I know the black widow eat it's mate;
it's wrong but I want you tonight.
友よ どうしたってもはや手遅れなのだ
飛んで火に入る夏の虫 餌に釣られた飢えたる獣
黒後家蜘蛛は男を喰らう
僭越ながら 今宵貴女をものにする
Fear and delight
all the way through the night,
With a little daring do,
I'll fall in love with you.
恐怖と歓喜
夜通しずっと
憚りながら
私は貴女に恋に落つ
(×2)
I'm an innocent being seduced by your charms,
I'm a young boy tickled to death in your arms,
your kisses taste like bitter almonds;
it's wrong but i want you tonight.
僕は貴女の純真な虜
僕は貴女に抱かれ狂喜する少年
貴女の接吻はアーモンドの香
僭越ながら 今宵貴女をものにする
You're an addiction pulling me to a grave end,
you're an enemy who I'm keen to defend,
(so) down the black hole of my lust I descend;
it's wrong but I want you tonight.
貴女は墓穴へ引きずり込む麻薬
貴女は何としても防御すべき宿敵
そして愛欲で吸い込む暗黒の渦
僭越ながら 今宵貴女をものにする
Fear and delight
all the way through the night,
With a little daring do,
I'll fall in love with you.
恐怖と歓喜
夜通しずっと
憚りながら
私は貴女に恋に落つ
Why is that I'm keen to be devoured by you,
when there's the option of a love affair that's pure and true,
I always choose the dungeon over the sea view;
it's wrong but I want you tonight.
貴女に貪られることに悦びを感じるのは何故か
恋愛から選び取るべきもの それは一途かつ正直であること
僕が選び取るのはいつだって海原の先な魔窟なのだ
僭越ながら 今宵貴女をものにする
When I'm out the other side I say never again,
but when I'm out and about I want to find the next vixen
someone who'll be sure to drive me round the bend;
it's wrong but I want you tonight.
事態が暗転しても申し開きは決してすまい
早々に退散し 僕は次なる女狐を追うことにするだけだ
必ずや僕を夢中にさせてくれるであろう誰かをね
僭越ながら 今宵貴女をものにする
Fear and delight
all the way through the night,
With a little daring do,
I'll fall in love with you.
恐怖と歓喜
夜通しずっと
憚りながら
私は貴女に恋に落つ
(×2)
とにかくこの洒落乙極まるPVを見ていただきたい。素晴らしいでしょ。お気に召したらメイキングもあるので最後にクリックを。1:13あたりの一瞬だけ指でパッとキメるところなど殊に素敵だ。ザ・コレスポンデンツ(特派員)は2007年結成の英国のデュオ。雨垂れのようなピアノや蔓のように伸びるバイオリンに象徴される古風なジャズにEDM調の電子音を散らせて仕上げたエレクトロ・スウィングというジャンルに数えられる。このジャンルなら自分は他にもフランスのDimaaやCaravan Palaceといったグループが「いかにも」な感じで好み。映画『ベルヴィル・ランデブー』のヂャンヅカヂャンヅカヒョロロローンみたいな音風景を好む方なら彼らを聴いて損はない。
品のいいレス・クレイプールのようなMr.ブルース(イアン・ブルース)がフロントマンのコレスポンデンツ。英国視点の社会派コラムニストとしてすっかり著名となったブレイディみかこ氏が2014年にエレキングで評していたので参照されたし( http://www.ele-king.net/review/album/003768/)。音楽評も書いておられたとは知らなかった。この曲についてはポップ寄りになったとして多少採点が辛いが、「オスカー・ワイルドがラップしてる」とは彼女の弁である。他にも「INEXPLICABE」「What's Happened to Soho?」など洒落のめした作品は多いが、前者のPV( https://www.youtube.com/watch?v=OcmBowQsVrg )はこれ、子供が見たら絶対泣くだろ。いい子にしないとMr.ブルースにさらわれちゃうよ!
さて、歌詞もまたPV同様にハイブラウで英語が苦手な身にとっては参ってしまう。サビの”daring do”は誤字ではない。いわゆる「ダーリン(darling)」ではなく、「向こう見ずなことをする」という意味である。”quiver”(戦慄、震撼する)も”decipher”(識別、判読する)も”devour”(貪る、併呑する)もおそらく格式の高い単語なのだろう初めて見たが。”a beast to bate”の”bate”は辞書にない語で実のところよくわからない。「餌」を意味する”bait”を上下の”late”や“mate”と平仄を合わせるために綴りを変えているのではないだろうか、と考えて訳した。「アーモンド」とはいわゆる昔の小説なんぞで出てくる青酸カリなどの毒物の「アーモンド臭」(実は我々が食べる収穫後のものではなく、収穫前に木になっている果実が放つ酸っぱい香りだそうで)というやつで、いわば「死の接吻」であろう。
ほぼ全篇苦心惨憺、相当意訳を用いてなんとかかんとか訳してみせた。けっこう、テストなら減点対象になるのではないか。ことにサビの” With a little daring do”を「憚りながら」、リフレインの”it's wrong but-”を「僭越ながら」で抱き合わせるのは行き過ぎというものかもしれない。ただ訳してみると薄々分かってくるのはこの男は余裕綽々、言うなれば「ちょっとfearほぼdelight」である。であれば前者の「些かの勇気で以て」、後者の「イケナイことだけど」に多少の自信を放り込んで加工すればこんなんなるのではないかな、と。とりわけ自信がないのは最初の”as they can see what's underneath”で、theyが友人たちを指すのはもちろんわかるのだが、asとwhat’sがわからない。譲歩と「彼女の本性」でいいのだろうか。
意訳。あんまりすべきではないのだろうという思いはあるし、易きに流れたり誤読にはまり込んだりする恐れが強いのだが、まーでも、ここ個人ブログだからな。カネ取るわけじゃねえしな。多少のズレは、ご容赦願いたい。まずは手前が楽しむために書いておりやす。
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Les Claypool – One Better (2006)
「見栄坊合戦」
Ol' Silk Johnson cruisin up mighty fine
Got a brand new cadillac
Buddy comrad Smith, rollin down the line
Got a last year's cadillac
Johnson said hey smitty boy, what ya thinkin' of my spankin hot Cadillac
Smith just reeled his head back, looked him in the eye, “that's a mighty fine Cadillac”
シルク・ジョンソンさん ステキな新型キャデラックをお披露目
同志スミスさん そこに去年の型落ちキャデラックで登場
ジョンソンさん 「いようスミッちゃん、この激アツキャデラックどう思うよ?」
スミスは首をねじ向けて 彼の目を見てこう言った
「なるほどこいつぁ上等なキャデラックだ」
But I'm gonna get me one better (just you wait and see)
I'mma gonna get me one better (you can't get the best of me)
I'mma gonna get me one better (the baddest one around)
I'mma gunna get me one better ('cause I got the biggest balls in town)
でももっといいやつ手に入れてやるからな(今に見とけよ)
俺の方がいいやつ手に入れてやるからな(俺のにゃ敵わんぞ)
俺の方がいいやつ手に入れてやるからな(マジでヤバいやつをな)
俺の方がいいやつ手に入れてやるからな(地元じゃ最高級)
Remember ol' Khrushchev when he was ridin' high with that sputnik satellite
He told us yankee boys, he's gunna fill the skies with them shiny new satellites
He said “hey Mr. Eisenhower, watcha think of my sputnik satellite?”
Ike reeled his head back
Looked him in the eye, that's a mighty fine satellite
かのフルシチョフさん スプートニクのおかげで絶好調
ヤンキーどもに見せつけた ビカビカの新型衛星で空ぁ埋め尽くしたるぜ
彼は言った 「やあやあアイゼンハワー君、私のスプートニク見てどう思うかな?」
アイクは首をねじ向けて 彼の目を見てこう言った
「なるほど たいそう立派な衛星ですなあ」
But I'm gonna get me one better (just you wait and see)
I'mma gonna get me one better (you can't get the best of me)
I'mma gonna get me one better (the baddest one around)
I'mma gunna get me one better ('cause I got the biggest balls in town)
でももっといいやつ手に入れてやるからな(今に見とけよ)
俺の方がいいやつ手に入れてやるからな(俺のにゃ敵わんぞ)
俺の方がいいやつ手に入れてやるからな(マジでヤバいやつをな)
俺の方がいいやつ手に入れてやるからな(地元じゃ最新鋭)
「品のないMr.ブルース」ことレス・クレイプール。いや、そんなこともないな。丸眼鏡くらいしか共通点ないよな。5年前の俺は何考えてこんな表現にしたんだ。90年代にヒネくれつつも剽軽、ソリッドでありつつも多彩なサウンドで注目された米ロックバンド・プライマス。そのフロントマンで、ボーカルにしてベーシストである。名ベーシストと言われて即座に挙げられる名前は多くもないのだが、「名」と言ったら彼が真っ先に来る。
普段ベースに集中して音楽聴くことはあんまりなく、例外はYMOの『公的抑圧』バージョンの「東風」の細野晴臣の跳ねるようなベースや、ゴリラズの『Feel Good Inc.』のイントロから終始刻まれるダウナーなベースリフくらいなのだが、こと彼のベースは意識しない方が難しい。バキバキ通り越してカリカリのスラップベースが前面に押し出された曲が多くある一方で、各種バカテクが手を替え品を替え披露される緩急ついたお化けのような怪曲も枚挙に暇がなく「変態」の美称を恣にしている。それでいて一発で彼と分かる甲高く嗄れた飄逸なボーカルもまた味があって良いのだ。白ヒゲにハットと丸眼鏡を身に着けたウエスタン調の装いも洒落ていて、性格は全然知らないのだが、来世はこんなタイプの人間に生まれ変われたらなあ、と思う。
この“One Better”はそんな彼のソロ作“Of Whales and Woe”収録。お道化たボーカルの後ろで人を食ったような木琴が跳ねるがこのアルバム大体全部そんな感じで、この曲はまだキャッチーな方である。歌詞もまた冷戦期の米ソの軍拡競争をその辺のおっちゃんの見栄の張り合いに重ねておちょくっている。これ「スミッちゃん」だよなあやっぱ? そう訳すしか方法ないよなあこれ?
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