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続き 期末試験が終わり、1学期の終わりに近付いていた。照りつける太陽の日差しが日増しに厳しくなっている。 例によって木原は欠席だが、それ以外の部室に集合した面々はそれぞれ椅子に座って意識を朦朧とさせていた。 エアコンどころか扇風機も無く閉め切られた演劇部の部室内の温度計の目盛りは40度を越えている。 「地区大会まで後3ヵ月を切った!」古賀が立ち上がり皆に向かって話す。「いよいよ、我が演劇部も公演に向けての稽古に突入する。そこで、みんなの意見を聞きたい。言いたい事がある奴は挙手な!」 上...
ロクの日記 | 2013.05.02 Thu 15:54
続き 「関西ギャンスタ学園高校。大阪府大会優勝常連の強豪校」村田がパンフレットを音読する。 古賀三嶋村田上村は大田に連れられ、関西ギャンスタ学園に来ていた。木原は塾で模試があるとかで欠席だ。 演劇部専用の稽古場はバスケットコート並の広さがあり、ステージで演技をしているのは6人程だが、その周りでは数十人の部員が正しい体育座りで整列し、真剣な表情でステージを見つめている。 「なあ、何でこんな立派な演劇部の見学させてもらえるん?」古賀が自分達が座っている長椅子の後ろに立っている大田を見上げ...
ロクの日記 | 2013.05.02 Thu 15:52
続き 「見学ぅ?」 「はい!」 古賀は化学準備室の大田のもとへ来ていた。 「俺達、稽古方法もよく分からへんから、他所の学校の稽古を見て参考にした方がええ、って木原が」 「他校の見学ねえ…」大田はめんどくさそうに頬杖をつき考える振りをする。 続く JUGEMテーマ:関西ジュニア
ロクの日記 | 2013.05.02 Thu 15:49
続き 翌日、古賀は『木原航太』と書かれた名札を部室の壁に掛けた。 「副部長ぉ!?」 「イェーイ!」「よいしょー!」「おめでとー!」 木原が、自分の名札の位置を見て思わずひっくり返った声で言うと、それを掻き消すように、三嶋村田上村がタンバリンやマラカスやメガホンを手に囃し立てる。昨日の放課後の一件で、上村もすっかり演劇部に馴染んだようだ。 「よし!」古賀がうなだれる木原の背中をポンと叩き皆の前に立つ。「これで胸を張って活動が出来る。稽古が出来る。頑張るでー!」 「おおー!」古賀の言葉...
ロクの日記 | 2013.04.28 Sun 15:56
続き 木原は、自宅の2階にある自室で机に向かい黙々と勉強していた。気付けば今日の復習と明日の科目の予習は全てやり終えてしまい、明日は授業が無いが明後日の1限目にある数学の予習で計算問題を解いていた時、辞書の上に置いていた携帯電話が振動したのに気付いた。 左手で携帯を開き、顔を上げ画面を見るとメールが来ていた。 『ちょっと出れない!?今、家の前!!!』 無駄に『!』の多いメールの送り主は古賀だ。 時刻は18時を回ろうとしていた。こんな時間に一体何の用だろう。 カーテンを開け窓から外を伺...
ロクの日記 | 2013.04.28 Sun 11:38
続き 「あと1人!あと1人なんです!演劇部を助けてやってください!」 翌日の放課後、定員確保期限が明日までと迫り、古賀は他の部員と共に登校中の生徒達に声をかけていた。 古賀、村田、三嶋で並んで看板を掲げ、「あと1日しかないんです!」「演劇!」「大好き!」などと必死に声を出している。 「ふあぁあ……」 大きなあくびの音に古賀が振り返った先は3人の後方、ベンチで上村が寝転がっている。 「あの、一緒にやってもらえませんか?」 3人で上村を囲み、古賀が声をかける。 「ええ?」 「部員なんやからお...
ロクの日記 | 2013.04.27 Sat 20:21
4月3日に文一にあと1kgと迫り、 毎日の測定を日記の最後に書こうかなーとか言っときながら、日記書けない日々が続きずるずるずるーっと来てたわけですが。 3日 文一まであと1kg 4日 文一まであと1kg 5日 文一まであと0.8kg 6日 文一まであと0.5kg 7日 文一まであと0.5kg 8日 測定できず 9日 文一まであと0.5kg 10日文一まであと0.5kg 11日文一まであと0.2kg こんな感じでじわじわ文一との距離を縮めて行って 12日文一から −0.1kg 13日測定できず 14日文一まであと0.1Kg 15日文一から −0.2Kg 16日文一...
ロクの日記 | 2013.04.21 Sun 00:28
続き 「演劇部でーす。よろしくお願いしまーす」 古賀は、さっそく翌日から勧誘活動を開始した。まずは基本のビラ配りだ。登校中の生徒に声をかけながら手製のチラシを渡していく。10人に1人は受け取ってくれているだろうか。 ふと、他の部員が気になり、左側を見てみる。 「演劇お願いします……」 色白でひょろりとした体つきの1年生、村田一真が俯きながらか細い声を発しているが、道行く生徒達は村田に気付かず通り過ぎて行く。昨日狭い部室内で一緒に居た古賀ですらしばらく気付かなかったのだから無理もない。 村田...
ロクの日記 | 2013.04.20 Sat 08:54
続き 「ジュリエーーット!」 「うわっ?」「え?」「何?」 突然奇声を発しながら部室に駆け込んで来た古賀に、当然ながら演劇部員は面食らった。 「ジュリエットは!?」古賀は、そんな事おかまいなしにジュリエットを探している。「ジュリエットは?ジュリエット!」 その辺にいる部員に手当たり次第につかみ掛かる。 「お、おい、おい!」一番奥、古賀から一番遠い所に座っていた部員、先程ロミオ役を演じていた有本祐がやっと我に帰り声をかける。「そこ、…そこだ」 古賀は、萎縮しきっている部員を掴んでい...
ロクの日記 | 2013.04.17 Wed 16:21
「えー!?木原、部活入らへんの?」古賀良祐は、幼なじみで親友の木原航太に向かって大声を出した。 「『幸福とは我々の能力の発達に他ならない。勉強せよ!』」“勉強せよ!”の部分を特に強調し、木原が言う。 「何、その呪文?」 「うちの父親の口癖。教育熱心やからな、部活なんて絶対許してくれへん」 この4月から私立ジュニボ男子高校に入学した2人は、新入生勧誘ロードと言われる道を歩いていた。正門から下駄箱まで各部活動の生徒が小道具やビラを手に新入生に声をかけている。 「それで、古賀っちは何部に入るか決めたん...
ロクの日記 | 2013.04.17 Wed 16:13
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