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JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(56) 雫は今更ながらにこの七年もの歳月を悔やんだ。 まだ十一歳だった自分にはそれも出来なくて当然の事だろうが、今の自分は違う。 今までの自分なら殻に閉じ籠り自分の事だけ考えればそれで十分だった。 だがもうそんな子供ではない事を自覚しなければならない事に気付かされた。 姉の露には感謝せずにはいられなくなった。 こうした対外的な場は全て雫の代わりに姉が対応してくれてい...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.05.16 Wed 06:29
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(55) 雫と三枝の軽井沢での奇妙な軟禁生活も、当初の思惑は何だったのかを忘れるかのように、まったりと静かに時は流れていた。 だがそれこそ三枝の思惑通り、雫は軽井沢の社交場ではすっかり三枝のパートナーとして認識されるようになっていた。 周りから見ればそれは少し歳こそ離れていたが、家柄も申し分なく仲の良い友人の二人にも映っていただろう。 そして時折冗談めかして『二人は付き合っているのか?』とからかわれ...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.05.15 Tue 03:36
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(54) カーテンの隙間から白々と光が差し込んでいた。 重たい瞼を開けるとそこに三枝の顔があって雫は訳もなく安堵していた。 昨晩の事が遠い過去のような気がしていた。 昨日だけではない、ここに来てからの一日一日は雫にとって一年にも二年にも相当するような密度の濃い一日だった気がする。 今まで自分の止まっていた時間が急速に動き始めた様なそんな気がするのだった。 止まっていた七年分の歳月が一気に流れ始...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.05.14 Mon 00:10
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(53) 三枝は雫の要求通り、全ての事を忘れるほどの快感を与えてくれていたのだった。 ゾゾゾッと震えが走り、身体の中がキュウッと引き締まるような強い快感が何度となく波となり押し寄せてくる。 足の指が硬直して攣りそうになるが動かせなかった。 身体はガタガタと震え出し、あられもない声は抑えようとしても抑えられすに、雫の唇から零れ出ていた。 「雫、何を感じてる…ほら言ってごらん...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.05.13 Sun 08:29
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(51) 「三枝さん、めちゃくちゃにしてください…」 涙が溢れる顔を手で覆い隠しながら雫はそう言った。 三枝はそれに少し悲しい顔をした。 だが、泣き顔を見られたくなくて俯く雫に見えていないのを良い事にわざと意地悪く言い放つ。 「わかったよ、自分で言ったんだからね、後悔しないように」 三枝はうな垂れ涙でぐしゃぐしゃになった雫の両脇に手を入れて再び立たせると代わり...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.05.05 Sat 19:14
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(50) 三枝の強引な策略に感化されたのも確かにある。 だがここに連れて来られてから考える時間はいっぱいあった。 そして今までの人生を振り返ってみて、まだたった十七年という短い間にも、様々な転機があった事を思い知らされたのだった。 雫にとっての人生は、思えば省吾たちに出会ったところから始まっていた。 それ以前の記憶は、自分の中で要らないものとしてずっと心の奥底に閉じ込めてしまっ...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.05.04 Fri 04:07
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(49) 「覚えてないかな?」 そう言われて見てハッとなる。 彼は雫が事故に巻き込まれた時、同じ学園の同級生でクラスの学級委員をしていた人だった事を思い出した。 『白鳥くん』と声をかけて来た彼は、雫が学校に行けなくなり家に引き籠っている間も、暫くはノートだプリントだのをわざわざ家まで届けに来てくれた事がある、学園で雫のクラスの委員長をしていた彼だった。 「あ、あの…」 ...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.05.03 Thu 13:27
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(48) 一瞬後ずさる雫の腰を支えるように三枝は雫を促す。 ここまで来て引き返すのは無しだと言わんばかりの力強い腕にホールドされた雫は、観念して三枝のエスコートに従った。 三枝は顔が広いらしく知り合いから声をかけられると笑顔で対応し、傍らでちょこんとしている雫を前に押し出すように彼等に紹介していった。 三枝の久しぶりの帰国を皆知っているようで、彼の周りはすぐに人の輪が出来た。 そして雫の...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.05.02 Wed 02:43
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(47) 夜会用の服装は、昼間着てきたスーツとは違いまた新しいものだった。 今度のも色は黒のスーツで、襟のところに白い切り返しが入り、ワイシャツも黒、ネクタイは白地をベースに黒いドット柄のもので、昼間のと違うデザインではあるが、とどこか雰囲気が似ていた。 デザイナーが一緒なのだろうか?ずいぶん水玉が好きなデザイナーなんだなと思ってタグを見たら、雫でも知っている有名なところのものだった。 そ...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.05.01 Tue 06:35
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(46) 頭から冷たい水が降って来て僕たちはそれに弾かれるように離れた。 「冷たっ!」 「悪い、雫…あんまり時間ないから」 「へっ!? うっ!何それ?…」 「まず頭から洗わないと気持ちが悪いんだよね。 だからまずシャンプーから、雫も僕の頭洗って!」 そう言って三枝さんにシャンプーされてしまった。 頭って色んなツボがあるらしくて人に洗われると気持ちいいんだよな...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.04.30 Mon 19:51
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