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JUGEMテーマ:ものがたり 第一の様式は分離様式だと考えられる。これは身体的な変容を、この世界の実際の身体から分離してしまうことだ。それによりこの世界の枠組みによって禁じられた範囲にまで変容を進めることが出来る。儀式によって分離するわけだが、分離したあとの変容は自ら加速するわけで、儀式によって世界を欺き世界から秘する必要もない。ただしこの世界に元からあった身体はそのままの形で遺されるわけで、ではその身体の主が分離を、正確には分離された変容を自覚できるのかと言えば、それは定かでは...
pale asymmetry | 2026.04.13 Mon 17:57
JUGEMテーマ:ものがたり たとえば困難に直面し、救いを求めた者がいて、その者に儀式がある種の作用をもたらし、救いを与えるということはあるだろう。だがそのとき、儀式が直接的にその者に救済を与えているのだろうか。そもそも救済とは某かの装置によって生み出せるものなのだろうか。生み出せたとして、それを指向性を持って移動させることが出来るものなのだろうか。私はそうは考えない。儀式がもたらすことの出来る事象は、変容だろう。つまり救いを求める者がその儀式を経験することによって、色々な様式の...
pale asymmetry | 2026.04.11 Sat 18:13
JUGEMテーマ:ものがたり 苔むした庭の真ん中には、銅鐸のような形をした岩があったはずだ。それは腰ぐらいの高さの岩で、やや青みがかった面をした、ざらついた感触の岩だった。銅鐸のような形をしているのならば、弾けば某かの音を響かせるかもしれない。そう思って指先で弾いてみたこともあったけれど、私の指から放たれた振動は全て岩に吸収され、どのような音も響きも、もちろん調べも広がることはなかった。つまり私の指先から放たれた紋様は、全て岩の内部で織り重ねられたのだろう。そうであるのなら、その...
pale asymmetry | 2026.04.10 Fri 18:01
JUGEMテーマ:ものがたり 真夜中、日付が変わろうとするタイミングで黒いイヌと散歩に出かける。空の真ん中に満月。金色に銀色を塗り重ねたような面。夕刻には雨が落ちていたのに、その余韻を全く感じさせない夜の真ん中に、その満月は漂っていた。私はそれを見つめながら、近くの砂浜へと黒いイヌと戯れながら進む。アスファルトに煌めきを撒き散らす月光が、黒いイヌと私をはしゃいだ気分させる。黒いイヌは跳ね歩きながら時々私を見つめる。「今夜は特別な夜に違いないですよね?」と私に確認するかのように。ア...
pale asymmetry | 2026.04.06 Mon 20:26
JUGEMテーマ:ものがたり 橙の炎に投げ込まれた勾玉は、煌めく翠の炎を纏って浮かび上がった。 「欲しければ、掴み取れば良い」 兄は私を真っ直ぐに見つめて冷静に言う。とても真剣な表情。そこには企みも悪意も感じられない。 「でも、そんなことをすれば火傷をするよ」 私が言うと、兄は頷く。 「もちろんそうだ。おまえの指先が橙の炎に焼かれて爛れてしまうだろうね」 なぜか兄はうっとりとした表情になる。それを望んでいるのだろうか。あるいは自分こそが炎に手を入れたいと思ってい...
pale asymmetry | 2026.04.05 Sun 19:51
JUGEMテーマ:ものがたり 「アステリスクは小さな星。あるいはそれは星になり得る小さな欠片」 その人は歌うように言う。少し愁いを帯びた眼差しを夜空に向けて。 「その欠片は長い旅を巡り、結局星になることなく小さな生命の内部で燃えるだろう」 夜空には十六夜の月が仄かな橙に陰った面を私たちに向けている。その月光が夜の知性を減衰させているから、庭に満ちている知性もとても希薄なように思える。 「あるいは、小さな生命が燃え上がるためのきっかけとして機能する」 庭に面した縁側で...
pale asymmetry | 2026.03.25 Wed 20:34
JUGEMテーマ:ものがたり 心の底から変容を求める人は、そのための儀式に夢中になっている。けれどその人は真の儀式にどっぷりと沈んだことがない。そのような生い立ちを辿ってこなかったからだ。この世界にはそういう人と、そうでない人がいて、真の儀式に沈んでこなかった人が変容を求めると、とても困難な状況になることがある。それはその人の血流に、真の儀式の片鱗が染み込んでいないからだ。だから大抵は、そういう人が変容を求めることはない。それでも儀式の染み込んでいない人が変容を求めてしまうこ...
pale asymmetry | 2026.03.21 Sat 17:15
JUGEMテーマ:ものがたり 春彼岸に入った日の庭は、何処かソワソワしているように見えた。東から流れ込んでくる風は、少しよそよそしく感じた。そう感じてしまったのは、この何日か風の来し方が不安定だったせいかもしれない。それぞれの風が抱えている感触が、目まぐるしく変化したせいで、私の方が上手くその感触を噛み砕けなくなっているのだと思う。鵜呑みを繰り返していると、何も味わうことが出来ないから、今日の風に馴染むことが出来なくなってしまったのだろう。 「蛙はいる?」 師匠が尋ねるので...
pale asymmetry | 2026.03.19 Thu 20:29
JUGEMテーマ:ものがたり まずこう記述しなければいけない。『なぜ麒麟なのか、麒麟たちは何を求めていたのか、そしてなぜ燃え上がったのか』と。もちろんそこには意味などない。けれど意味のないその事象に、これから意味を飾り付けなければいけないのだ。そう、これは装飾で、この装飾によって麒麟たちと、麒麟たちが求めたものと、燃え上がったことの全てを覆い尽くすほどに装飾しなければいけない。それは虚飾であってはいけない。でも限りなく虚飾に近いほどの装飾でなければいけない。つまり一見しっちゃかめ...
pale asymmetry | 2026.03.18 Wed 20:25
JUGEMテーマ:ものがたり 「一角獣なら燃え尽きなかったのかしら?」 確か深夜の儀式の直後に、魔女はそう呟いていたはずだ。 「でも一角獣は不燃性だから、そもそも燃え上がることがなかったはず」 そしてこんな風にも呟いていたはず。だからそのとき魔女は一角獣の不燃性については知っていたけれど、その燃性のことは知らなかったことになる。けれど魔女はこの儀式よりもずっと前に一角獣の少年と出会っていて、彼との会話のなかで燃性と不燃性について語っていた。少年はそのときまだ一角獣を認識し...
pale asymmetry | 2026.03.05 Thu 20:19
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