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JUGEMテーマ:戯言 例えば紙飛行機を飛ばす。強い風に運ばれて、それは海の向こうまで飛翔するかも知れない。あるいは次元の裂け目に落ち込んで、異境の雨にうたれて沈むかも知れない。どれだけの人がその紙飛行機を見上げるだろう。どれくらいの鳥がその紙飛行機を見下ろすだろう。どれくらいの竜巻がその紙飛行機を喰らおうとするだろ。どのくらいの世界がその紙飛行機を弾き出そうとするだろう。そういうことのいっさいを無視するとしても、紙飛行機が私の手元に戻ってくることはない。こういうのは、エントロピ...
pale asymmetry | 2026.08.25 Tue 15:31
JUGEMテーマ:戯言 花嵐の足音は聞こえない。私が鈍感なだけなのだろうか。風景の隅々にまで目を凝らす。微かな兆しを見逃さないように注意しながら。それでも何かを拾い上げることは出来ない。なら、まだ足音を感じられるところまで迫ってはいないのだろう。だから私は微睡む。過剰な負荷に軋む躰を休めなければ。もう少しだけ先に進まなければいけないけれど、だからといって倒れてしまっては元も子もない。道はまだその先にまで伸びているし、目的地はさらにその先の、ここからは全く見えない場所なのだ。私はあ...
pale asymmetry | 2026.08.24 Mon 19:54
JUGEMテーマ:戯言 それは暗号ではなかったけれど、少年には読み解くことが出来なかった。読み解けないことが恥ずかしいことだと少年は思ったから、読み解いているふりをした。そして難解な部分を自身のイメージで補い、その結果として嘘を吐くことになる。そういう取り繕いはすぐに露呈してしまうから、当然彼は責められることになる。嘘を吐いた理由を問われることになる。それでも少年は正直に打ち明けることが出来ずに、ただその場を誤魔化そうとして、それが周囲には不遜な態度だと受け取られてしまうのだった...
pale asymmetry | 2026.08.23 Sun 18:18
JUGEMテーマ:戯言 咲き狂う花について少女と話したことを思い返す。それは世界の理についての話だったような気がする。もちろん世界はそんなに完璧じゃない。だから理路整然と世界を調えることなど出来はしない。それでも某かの手がかりがそこにあると、少女は真っ直ぐな眼差しを私に向けたのだった。そのとき私は直前にすれ違った少年のことを考えていた。瞳を潤ませながら、自分が世界から取り残されていることを嘆いていた少年のことを。私はその瞳を可愛いと思った。だから私はたぶん濁っているのだろう。その...
pale asymmetry | 2026.08.21 Fri 18:28
JUGEMテーマ:戯言 湾の奥から吹く風が、細かな雨滴を吹き上げるように踊らせている。纏わり付くそのダンスに、少し戸惑う。水面の揺らぎは紋様として拡がっていて、そこに雨滴の装飾が落ちる。微かな波紋はその紋様を啄んでいるようにも見えるけれど、それほど雨滴が飢えているようには思えなから、きっと喰われているのは雨滴の方だろう。あるいはそう思っている私が一番飢えているのかもしれない。その本性が、世界の核を喰らおうと虎視眈々と狙っているのかもしれない。けれど私は自身の本性を把握していないか...
pale asymmetry | 2026.08.19 Wed 16:57
JUGEMテーマ:戯言 陽光は、確かに銀色に染まっていた。空もまたその色に染まっている。けれどその向こう側に果てのない青があることも確かなことのように思えた。風景の輪郭には、黒雲で縁取られている箇所もある。だから雨も潜んでいることも確かなようだ。つまり真夏だ。永遠の真夏が、刹那に閉じ込められている。 「そういうわけで、僕があなたに語れば語るほど、全てが複雑になっていくように思えるのです」 山高帽の紳士に僕は語る。大きな黒い傘を広げた紳士は、僅かに首を傾げて僕を見つめる。その...
pale asymmetry | 2026.08.18 Tue 18:25
JUGEMテーマ:戯言 低空を滑空するように朝を過ごす。それでも眼差しは銀河の向こう岸に向けたりして。遠い場所について考えてしまうのは、未知の事象への好奇心からばかりではない。日常の足元を確かな感触で捉えたいと考えたりしているからだ。例えば今日は雨は降らない。また真夏の熱を庭が放っている。数日は涼しげな気配が浮遊していたけれど、それは何処かに払われてしまったようだ。どちらが心地良いのかと問われたなら、どちらも心地良いと私は答えるだろう。大きな者が差配している事象というものは、全て...
pale asymmetry | 2026.08.16 Sun 16:29
JUGEMテーマ:戯言 早朝が干潮になる日を待っていた。そこに骨が横たわっていることは知っていた。でも波に身を晒せば溶けてしまうことが解っていたので、その骨に近づけなかったのだ。骨は嵐によってもたらされた。黒く穢れた骨だった。でも綺麗に穢れた骨だった。それはたぶん架空の偶蹄類の骨だ。長い角を二本有していて、前脚は異様に長く、後ろ脚は存在が疑われるほど短い。昨日までは、まだ波がその骨を洗っていた。ゆるやかで優しい波だったけれど油断できない。波とは、此処ではない異境へと掠っていく腕だ...
pale asymmetry | 2026.08.15 Sat 19:41
JUGEMテーマ:戯言 取り敢えず空間は無駄に余っていた。だから空白が空虚に漂っていた。例えば時間を再構築するためにそれが必要であったのなら、まあそういうものだろうと受け流すことが出来ただろうけれど、その空白は全く必要のない事象であるとしか思えなかった。少年と少女は向かい合い、沈黙を投げたり受けたりしているようだった。そしてそれに飽きてしまうと、互いの微睡みを空白に浮かべて、それが鬩ぎ合うことを望んでいるようだった。少女の方がやや用心深かったようで、微睡みからさらに沈みそうになる...
pale asymmetry | 2026.08.14 Fri 18:34
JUGEMテーマ:戯言 その人は揺らめいていたけれど、微笑んでいることは解った。懐かしい人というわけではない。見知らぬ人だ。けれど私のことはよく知っているような気がした。私がその人に詳細に教えたような気がした。初めて会った人だということは、確かな感覚なのに。その人は両手を私に差し出し、抱き寄せようとする。私は本能的に後退り、その手を逃れた。その人は首を傾げて、懐からナイフを取り出す。そして、自分の頬を切った。微笑んだままで。頬から滴ったのは?い血だった。けれどその黒は綺麗だった。...
pale asymmetry | 2026.08.13 Thu 18:15
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