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JUGEMテーマ:二次創作全般 はあ、と瑞垣俊二はため息をついた。 季節は秋も半ばで、少し肌寒い毎日が続いている。 海音寺と出会ってから数ヶ月が過ぎた。 未だ、なんの進展もなし。そりゃそうだ。おれは男、彼も男。こんな哀れな片思いが叶う可能性なんてないに等しかった。 ただ救いなのは、彼に一度も浮いた話がないことだろうか。 モテないわけではないだろうが、そもそも彼自身に恋愛に興味があるようには見えなかった。誰かと付き合うなど、まだ遠い未来のように思える。 (だからって、可能性があるわけじゃ...
星が静かにふる夜にみた夢は 甘い匂いのする夢だった | 2015.08.18 Tue 20:18
JUGEMテーマ:二次創作全般 ええなあ、海音寺は。大事なときはわからん振りができて、どうでもいいところは嫌味なほど気配りをして隠したいモノにはやめてくれと叫びたくなるほど感づいてくる。いいなあ。「わからない」、「なに?」って気づかないことができて。そしてそれは、すべて計算ではないのだから。素でやってくるのだから。それはものすごくタチが悪いし、ものすごく。惹かれるものが、ある。……だからどうというわけではないのだが。その反応を、言葉を、考えを、もっと見ていたいと、知りたいと思う。...
ちょこびた | 2015.08.14 Fri 22:23
JUGEMテーマ:二次創作全般 「原罪だと思うか?」 「え?」 珍しく、もしかしたら初めて、自分に対してそんなにも真剣な顔の彼を見た。 悪意も揶揄する気持ちもない、純粋な問いかけだった。それならば、こちらも真摯に答えなければならない。 海音寺は深い思考の渦へと落ちていく。 そんなこと考えたこともなかったから、そもそもきちんと理解できているかわからない。 自分もおそらく彼もキリスト教徒ではないし、慣習としての宗教は置いておいて何かを信心しているわけでもない。 性悪説はどうだろうか?ふと...
ちょこびた | 2015.08.14 Fri 22:22
JUGEMテーマ:二次創作全般 「みずがき…」 ぼーっとした目をしている彼に口付ける。おれのものなんだと思えるから、この行為は好きだ。何より意味がある。 この瞬間だけは閉鎖的な世界に生きよう。先のことなんてどうなろうと知らない、ただ目の前の彼だけが、すべてなのだから。 (まぁ、消えることはないんやろうな) この黒くてドロドロとして重苦しい感情は、いつか形を変えるかもしれない。 しかし、自分のキャパシティの中の彼に対する大きさ自体が消えることはないだろう。 それは他の誰かへシフトす...
ちょこびた | 2015.08.14 Fri 22:19
JUGEMテーマ:二次創作全般 「どうせ今だけや」 「なにが?」 「こうしたいのが。どうせ一時の気まぐれ、若気の至りや。そもそも耐えられるのか?世間様にどんな目で見られるか、わかっとらんやろ。いい子ちゃんやからなあ。ずっとバレんようにコソコソできるんか?」 「それは……」 ちがうと、即答できなかった。そうかもしれないと思ったからだ。自分には無理だと、耐えられないかもしれないと、気の迷いかもしれないと。 でも、やっぱり好きだとおもうから。こんなにも、こんなにも、好きで。誰よりも大...
ちょこびた | 2015.08.14 Fri 22:19
JUGEMテーマ:二次創作全般 ❀1日目 「だから嫌いやって言っとるやろ!」 こんなに本気で怒鳴る彼は初めてで、とんでもないことをしてしまったのだと気づく。 「瑞垣…ごめん、おれ、もうせんから…」 「海音寺…」 ぎゅっと強く抱きしめられ、それに安心すると涙がじわっと溢れた。 「もう…食卓にケチャップなんて出すなよ…」 ❀2日目 「なんで何回も同じこと言わせるんや!」 あの日以来聞くことのなかった怒りを含む声が飛んでくる。 「そんなに怒らんでもええじ...
ちょこびた | 2015.08.14 Fri 22:18
JUGEMテーマ:二次創作全般 月がとっても青いから 遠まわりして帰ろう あの鈴懸の並木路は 想い出の小径よ 腕をやさしく組み合って 二人っきりで サ帰ろう 月もあんなにうるむから 遠まわりして帰ろう もう今日かぎり逢えぬとも 想い出は捨てずに 君と誓った並木みち 二人っきりで サ帰ろう 「瑞垣にはおれじゃない方がいい」 貴重な時間を過ごすのは。って茶化す 「へえ、告白しとらんのに振られたわけや」 「振ってねえよ。おまえだってほんまはわかっとるじゃろ」 「知ったように言うな」 「そんな...
ちょこびた | 2015.08.14 Fri 22:17
JUGEMテーマ:二次創作全般 海音寺と門脇が仲良さげに並んで話しているのを、瑞垣は後ろをついていきながら眺めていた。 なぜかこの野球バカどもはせっかくの休日をこの謎の三人で過ごそうと前々から決めていたらしく、瑞垣は突撃され有無を言わさず連れてこられた。仕方がないのでとりあえずごはんを食べに行こうと出かけているのだが… こうして見てみると、身長差が残酷なほどにわかる。 もちろん門脇はウドの大木のようにデカく、海音寺が男子高生の中でも小柄だというのはわかっている。 だが、しかし、これは...
ちょこびた | 2015.08.14 Fri 22:17
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