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涙がほほを伝うまだ涙が出るんだ大丈夫。まだ私は私でいる・・・とめどなくあふれる涙をぬぐいもせずにただ月を見ながら泣いた。シェリーの本名は、シェリー・リシエラ。元は王家の一人娘だった。五年前の七歳のとき、この国【ラピスエラ】は敵国の【アズバン】にのっとられた。王である父と母は捕らえられ、処刑された。兄は奇跡的に逃げ、しかしそれからの消息はつかめていない。本当はシェリーも処刑されるところだったが、異形の形質を持つため悪魔として捕らえられているのだった。意味のない人生なら同じように死にたい。そんな...
Biyanka Room | 2009.04.25 Sat 21:44
石造りの小さな部屋に一人の少女がいました。名は、シェリー。12歳の少女シェリーはいつもこの暗い部屋に閉じ込められています。その瞳には光がなく、ただぼんやりと空の向こうを見ていました。ガチャン――乾いた音が部屋に響く。「食事の時間だ」重たいよろいを身にまとった兵士。冷たい眼差しに温かみはまるでない。「ありがとうございます」小さなお皿にはひとかけらのパンとほんの少しの肉の塊それと、色のないスープ。贅沢は言わないけれどこんなにもひどい食事は流石にシェリーも疲れてしまった「スープは・・・温めたスープはい...
Biyanka Room | 2009.04.25 Sat 17:57
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