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妖怪

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鬼一口［おにひとくち］

［『今昔百鬼拾遺』｜鳥山石燕｜1780年］ ――在原業平（ありはらのなりひら）二条（でう）の后（きさき）をぬすみいでて、あばら屋にやどれるに、鬼一口にくひけるよし、いせ物がたりに見えたり。しら玉が何ぞと人のとひし時露とこたへてきえなましものを。――鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』

妖怪図鑑 | 2013.04.04 Thu 21:43

濡女［ぬれおんな］

［『画図百鬼夜行』｜鳥山石燕｜1776年］ ――何処（どこ）やらに魚族奴等（いろくづめら）が涙する　燻製（くんせい）にほふ夜半（よは）は乾（かわ）きて―― 中島敦「夢さめて再び眠られぬ時よめる歌」

妖怪図鑑 | 2013.04.04 Thu 21:43

塗仏・塗佛［ぬりぼとけ］

［『画図百鬼夜行』｜鳥山石燕｜1776年］ ――神のわざ鬼の手つくり仏宇陀人の世ならぬ処なりけり――大町桂月

妖怪図鑑 | 2013.04.04 Thu 21:41

長冠［おさこうぶり］

［『百器徒然袋』｜鳥山石燕｜1784年］ ――東都の城門にかけて世をのがれし歌人の冠にはあらで、このてがしはのふたおもてありし倭（ねぢけ）人のおもかげならんかしと、夢ごゝろにおもひぬ。――鳥山石燕『百器徒然袋』

妖怪図鑑 | 2013.04.04 Thu 21:41

しょうけら［しょうけら］

［『画図百鬼夜行』｜鳥山石燕｜1776年］ ――故人なる詩友、苦（はなは）だ相思ふ。霜月、窓に臨みて、独り詠ずる時。己酉（きいう）の年終はりて、冬の日少なし。庚申（こうしん）の夜半ばにして、暁の光遅し。燈前（とうぜん）に反覆す、家の消息。酒後に平高す、世の嶮夷（けんい）。客と為りて以来、安寝せず。眼を開く、豈（あに）、只、三尸（さんし）を守るのみならんや。――『菅家文草』（四ノ三百十八）

妖怪図鑑 | 2013.04.02 Tue 00:55

古籠火［ころうか］

［『百器徒然袋』｜鳥山石燕｜1784年］ ――それ火に陰火（いんくわ）、陽火（やうくは）、鬼（き）火さまざまありとぞ。わけて古戦場（こせんじゃう）には汗血（かんけつ）のこりて鬼火となり、あやしきかたちをあらはすよしを聞はべれども、いまだ燈籠（とうろう）の火（ひ）の怪（くはい）をなすことをきかずと、夢の中におもひぬ。――鳥山石燕『百器徒然袋』

妖怪図鑑 | 2013.04.02 Tue 00:53