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春名風花さんの朝日新聞のコラムを取り上げて、いろいろと考えてきました。ここまでお読みくださった皆さんは、ぼくが文章を書く時に気をつける5つの要素が、彼女のコラムに上手に取り込まれていることにお気づきいただけたと思います。さて、だったら「これがわかると書けるようになるのか」と言えば、残念ながら「NO」です。そこまで単純ではありません。頭で理解していることと、実際にそのように行動できる(書ける)ことの間には深い川が流れています。ただ、しかし、分析的に考えることは決して無意味ではありません。いや、すご...
コトバのチカラ | 2012.08.31 Fri 17:57
これまで、コラムやエッセイを書く場合、ぼくは5つの要素で分析する、というお話を、春名風花さんの朝日新聞に掲載されたコラムを題材に説明してきました。あらためてまとめておきましょう。テーマ = 「主題」が明確であるか。読者に何を伝えたいのか。プロット = どういう「筋立て」で語るのか。語らないことは何か。ロジック = 「論理」は通っているか。読者を納得させられるか。スタイル = どのような「文体」で書くのか、意識して決定しているか。ギミック = 文章を読み進めてもらうための「仕掛け」はあるか。い...
コトバのチカラ | 2012.08.29 Wed 18:59
この言葉はできることなら使いたくないのですが……忙しい。先週から毎日、やるべきことがぐわっと詰まっていて、それに対応していたら1日が終わってしまいます。いや、目標をクリアできていない。ああ、情けない。だめですねぇ。ぼくは 「忙しい」イコール「私は仕事の遂行能力が高くありません」と宣言しているようなものだと考えているので、今回はその自覚のもとに使用しています。吹けば飛ぶよな会社だとは言え、ぼくは経営者ですから、忙しくしていてはいけない。そう思いながら、つい自分にしかできない仕事を引き受けてしま...
コトバのチカラ | 2012.08.27 Mon 17:48
もうけっこう長いこと、はるかぜちゃんのコラムを分析しています。飽きられてないかな、と不安を感じながらも、今日はスタイル(文体)のお話をしましょう。文体、ぼくは未だにこの意味がよく分かりません。辞書を引いてみましょう。「デジタル大辞泉」によると、1 文章の様式。口語体・文語体・和文体・漢文体・書簡体・論文体など。2 その作者にみられる特有な文章表現上の特色。作者の思想・個性が文章の語句・語法・修辞などに現れて、一つの特徴・傾向となっているもの。スタイル。となっています。なんだか「1」は、「誰もが...
コトバのチカラ | 2012.08.24 Fri 19:06
昨日に引き続き、プロットについてです。春名風花さんのコラム、テーマは「いじめを止めるには、いじめる子に想像力を持ってもらうこと」というメッセージを読者に理解してもらうことだと、ぼくが勝手に推測しました。春名さんの書き始める前の状態を、出来上がりを見て逆算してイメージしているのですから、まあ、当たらずとも遠からず、といったところでしょう。このテーマを伝えるために、ではどんな順番で語りかけるのが最も効果的でしょうか。いろんなパターンが考えられます。たとえば結論を頭に持ってきて、「いじめは、いじめ...
コトバのチカラ | 2012.08.21 Tue 15:26
土曜日から春名風花さん(はるかぜちゃん)が朝日新聞に寄稿したコラムについて、文章構成法という観点から分析しています。お読みになっていない方は、まずはこちらのコラムに飛び、その後、18日、19日の記事を読んでから読み始めていただきたいな、と思います。本論に入る前に、このコラム、「春名さん本人が書いていないのじゃないか」といった疑惑や指摘、いやほとんど嫌がらせのような意見がネット上を飛び交っているようです。その件について、そんなことをしたり顔で書いた人たちに、ぼくから一言、ちょっと厳しい言葉で言って...
コトバのチカラ | 2012.08.20 Mon 16:32
昨日は「タイトルに騙されて思わず読んじゃった」というご批判をずいぶんいただきました。すみません。騙すつもりは毛頭ございました。ええ、あったんです、初めから。だって、そうでもしないと読んでくださらないじゃないですか。書店に行ったときのことを思い出してください。あれだけたくさんの本が並んでいる中で、あなたはまずタイトルを見た瞬間に99%の本を興味の対象から除外しています。いいですか。“まだタイトルしか見ていないのにも関わらず”、ですよ。これは厳しい。何ページかめくってもらえれば、ほらあなたの欲しい情...
コトバのチカラ | 2012.07.18 Wed 13:58
12月24日、終業式。 式とホームルームは午前中に終わってしまい、午後二時を回る頃に教室に残っているのは咲樹だけだった。「咲樹、まだ残ってんの?」 二者面談、今日だから、と言って、教室を覗きこんだ綾香を見送った。 来年度、三年生になると専門分野別にクラス分けがされる。そのための面談が、今日まで一週間ほどに分けて行われていた。咲樹が希望したのは、24日の午後二時半。こんな日に希望する人はそういるはずもなく、この日に面談を希望したのは咲樹だけだった。 ―今頃みんな ブレザーのポケットにそっと手を入れ...
空色廃車 | 2012.05.06 Sun 16:24
昼休み、立花は三階の端にある地学教室に呼び出された。地学という教科がすでに必修ではなくなった今、地学教室はただの多目的教室と化していた。基本的に開放されていることの多い教室なのだが、生徒がいることはほぼなく、騒がしい教室から離れるにはちょうどいい場所だった。 生徒が寄り付かない理由はただ一つ。「館野が管理する教室はこうも人気がないのかね」 誰もが、教室管理者である教師、館野に原因があるとしか思えなかった。三十代半ばで、既婚。「奥さんは苦労してそうだよね」 坊主頭と白衣がトレードマークである...
空色廃車 | 2012.05.01 Tue 08:43
塾の冬期講習が終わったのが夜の九時を回った頃。そこから帰り道にある公園に立ち寄って三十分が経とうとしている。しゃべるわけでもなく飲み食いをするわけでもなく、茂みからブランコの方を覗いている影が三つ。「立花の思い人はもう目に焼き付けたから」 うんざりした口調で綾香が言う。そして立花の横顔と単語帳を交互に見ながら、何度目かのため息をついた。 立花の思い人―ブランコに座って空を見上げている女子学生は、黒くて長い髪が印象的だった。街灯に照らされているせいなのか、より肌の白さが目立つ。カーディガンの裾...
空色廃車 | 2012.04.28 Sat 10:50
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