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葉隠れの身の上話 後編 そして影の向こうからひげを生やした細身の人間が現れたんだべ。日本人ではないその顔はまさにロンギヌスの槍の元持ち主であるアノ歴史上の人物そのものだった。歳を取ってはいたが、その鋭い瞳に野望の光が灯っている。俺は勇気を振り絞って身振り手振りで例のものが欲しいと嘆願した。そしたら言葉の通じない俺にその人物はあっさりと奥へ通してくれたんだべ。 そしてそこは、まさに秘密の実験所というべき基地だった!長い灰色の廊下に飾り気のないドアがあって俺は一番奥へ通された。その部屋にはキッ...
ADDと東京国のウォー | 2016.05.30 Mon 23:44
葉隠の身の上話 前編 「俺は希望が峰学園を脱出した後、苗木っちたちと別れて絶望と戦う武器を手に入れるため、とある場所へ向かったんだべ。その武器とは持ち主を勝利へ導くロンギヌスの槍。これを持っていると戦に必ず勝てるといわれている。そして今人類に必要なのはコレだと俺の占いが告げていたのだ! あるとき極寒の地南極に本物のロンギヌスの槍が隠されているという丸秘情報を仕入れた俺は、日本からイカダで脱出し、嵐や吹雪の吹きすさぶインド洋を乗り越えてようやく南極に辿り着いたんだべ。 凍えそうな寒さの中、魚...
ADDと東京国のウォー | 2016.05.09 Mon 18:37
「――ところで。リアルな話、皆はどうやってここに集まったんだべ。ここは断崖絶壁の孤島だから、そう簡単には見つけられないべ。しかも絶望がはびこるこの世の中…」 葉隠が食事していた手を止め、疑い深く皆を一瞥した。 「いいわね、その話。興味あるわ」 角野がにやりと笑って言う。 「面白そうだな! 俺も参加したい!」 ジャンが手を上げた。 「はいはーい、私もー!」 ジェノサイダー翔も手を上げた。そしてゲラゲラ笑っている。 「誰からにすっべ?」 「いいだしっぺからじゃないの?」 タケルが冷たく言い放...
ADDと東京国のウォー | 2016.05.07 Sat 16:27
ディナー・タイム 8人全員が席についたところでディナーははじまった。 執事であるリ・ハオランはジャンの隣に座っている。執事の向かいは美少女角野である。そしてメイドの向かいは空席。 ゲストの前に新鮮なサラダや湯気の立つコンソメスープ、ローストビーフやチキンなどの肉料理、とろりとしたソースが掛かっている白身魚、魚介の炒めものなど、おいしそうな料理がテーブルを埋め尽くしている。 「うまそー!」 一番年下のタケルが声を上げた。 「どれでもお好きなものをお好きなだけ食べてください」 執事が優しく声を...
ADDと東京国のウォー | 2016.04.01 Fri 01:23
侵入者の企み ――こちらコードネーム、thief(シーフ)。十神百夜の屋敷に侵入成功。やつらの動向を報告します―― ――今夜は絶好のチャンスですよ、イヒヒ。俺のことを誰も疑ってないし―― ――そうです、そうです。今夜は時間がたっぷりありますからね―― ――なんですって? まさかあいつが元超高校級の薬剤師? へえ、これは面白くなってきましたねえ―― ――やつらが絶望する姿を想像しただけで…イヒ、イヒヒヒ―― ――失礼、おかしくってつい。以後気をつけますよ。それでは続報をお楽しみに。イヒ、イヒヒ――
ADDと東京国のウォー | 2016.03.30 Wed 17:03
「ではミオさん。先に席にお座りなさい。わたくしは料理を運んできますから」 「え、いいんですか! ありがとうございます!」 メイドは軽い足取りで空いている角野の横の席に腰掛けた。 みんなの注目を浴びていることに気がついたメイドは顔を赤らめて、少し下を向いた。 「えっと、ミオと言います。ちょっと前からこのお屋敷でメイドをさせていただいています」 「あなた、ラスト・ネームは?」 角野が言った。 「実は私、ここにくる以前の記憶がないんです。だから名前がわからなくて」 「わたくしが付けたんです。ミオ...
ADDと東京国のウォー | 2016.03.29 Tue 21:12
ジャンが両手を高く上げる。 テーブルの上の燭台の火がちらりと揺れて元に戻る。赤いテーブルクロスがゲストの席を越えて端まで長く延びているのが見える。 豪奢なこのダイニングルームでは5人のゲストが少なく感じられるほど広い。 「ねえ。せっかくなんだから、執事さんとメイドさんも参加したらどうかしら。元々、全部で8人になる予定だったんだから」 どうかしら、と白夜の両隣に起立している2人に問いかける。 メイドは、どうしようと困った顔をして執事を見た。 そこで執事が「あ、いえ…」と言いかけたところで...
ADDと東京国のウォー | 2016.03.29 Tue 03:44
「自己紹介が時計回りだとすれば、俺の番だな!」 大柄のジャンが立ち上がり、それぞれの人の顔を見回してみせる。 「俺の名前はジャン・フレッチャー」 親指を自分の胸に当てて堂々と発言した。 「週2回、この屋敷に食糧を届けている海の男だ。今日はせっかくのディナーだ。皆楽しもうぜ!」
ADDと東京国のウォー | 2016.03.23 Wed 20:06
「次は私の番ね」 美少女の角野曲(かどの まがり)が表情を変えずに言った。 「私は角野曲。もう何年も前からここにいるけど、初めましての人がほとんどね」 角野は横目で少年を見、ジャンに視線を送った。 「どこにいたの?」 少年が聞く。 「さあ、どこでしょうね。秘密の部屋、とだけ教えてあげる」 無表情なまま、角野が言葉を投げる。 「ここにこんな美少女がいたとはね! 百夜さんも隅に置けないな」 ジャンが陽気に声をあげる。 「俺は角野の情報収集能力を買っているだけだ」 「あら、それは光栄」 美少女はわ...
ADDと東京国のウォー | 2016.03.19 Sat 22:17
「苗木っちも霧切っちも朝比奈っちも忙しいんだべ…おっと、俺もヒマじゃないって!」 葉隠は慌てて訂正する。 「……なあ、せっかくのディナーなんだから、みんなで自己紹介しようぜ?」 好青年のジャンが威勢よく提案する。 車椅子に乗った美少女角野は面倒くさそうにため息を漏らし、メイドは「素敵な提案ですね」と手をぱちんとたたく。 「ふん、その必要はないがまあいいだろう」 百夜の許可が下りたところで、彼の右側に座っているジェノサイダー翔が両手を不気味に動かしながらニヤリと口を開いた。 ...
ADDと東京国のウォー | 2016.03.19 Sat 01:56
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