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JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 王都に到着したシャインは喜びと驚きの声を上げた。 「王都ってすごい・・・」 そこにはずらっと並んだ露店と浮かれはしゃぐ人々でいっぱいだった。 「今日は何の日か忘れたの?」 小馬鹿にしたような視線をシャインに向けてフェリアナはため息をついた。 「え? 何かの日?」 露店にすでに引き寄せられそうなシャインは上の空で答えた。 「今日は創造神エンヤの誕生祝祭日よ」 その言葉にシャインは不思議そうにフェリアナを見た。 「創造神なのに誕生日...
日々是好日-かのんの図書館 | 2020.12.28 Mon 23:36
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「もう耐えられないっ」 フェリアナは宿屋の食堂でがたん、と椅子から立ち上がった。 「これ以上、こんな安宿にはいられないわっ」 フェリアナの癇癪玉飛び出し、周りのものはひそひそと囁きあったり、逆に野次を飛ばすものもいた。だが、シャインは慣れたもので、ただひたすら食欲を満たしている。 何度も同じ台詞を聞いていれば抗体も出来よう。 「俺は別にフェリアナの言う宿でもいいって言っているだろ」 上の空でシャインが言う。それにさらに激高...
日々是好日-かのんの図書館 | 2020.12.26 Sat 18:58
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの そんなこんなで始まった旅道中だが、そもそもうまくいくはずがなかった。なにしろ、フェリアナは異端扱いされども、里を出て稼ぐようになると貴族級の生活をしてきおり、金銭感覚が狂っている。他人にかかわる時だけせこくなる。一方シャインは伝え続けられた伝説の剣を守る家に生まれたはいいが、生活は中の下である。重箱の隅をつつくような生活をしてきたのだ。唯一の楽しみは食事。シャインのアイデンティティはそこだけによっていることが多い。これだけ生活スタイルが違う...
日々是好日 | 2020.12.21 Mon 10:48
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 光と闇交わりし時、世界の裁きは起こる。 彼女の名前はフェリアナ。 闇の一族の末裔。世の影で世界を動かすために戦う少女。 彼女は今日も戦っていた。 世を騒がす妖魔と。 戦いながらじれったそうにフェリアナは額から前髪を払った。 汗が額に浮かぶ。 だが、踊りのようなテンポいい戦いの中でも彼女の顔は憂いに満ちていた。 戦いは戦いしか産まない。人の負の感情は永遠に続き。そのたびに妖魔が増えていく。 だけど、とフェリアナは思う。 彼ら...
日々是好日 | 2020.12.19 Sat 22:15
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 月も眠る新月の夜。 うごめき出すあやかし達。 古の歯車が動き出す。 「せんぱーい。また遊びに来てください」 ゆいるが松島の胸で泣く。 卒業式だった。三年生だった松島、田中、関口は今日もってこの御伽高校を卒業し、明るい大学生活が待っていた。この町から離れる。そうゆいるは思って泣いていた。相変わらず、下級生は入ってこない。次の三年生となるゆいる達三人の部活になり、長年の目標だったケルベロスを封印したことでゆいる達の世代の後...
日々是好日 | 2020.12.14 Mon 21:42
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 薄靄の中をゆいるは彷徨っていた。見覚えのない風景だがどこかで知っている不思議な空間だった。妙に懐かしい気持ちを覚えながら歩く。しばらくして空間が開けた。そこには一頭の白い獅子がいた。 「ライオン?」 『ゆいるちゃん。惑わされないで。あれは地獄の番犬ケルベロスだよ』 「ケルベロス?」 ゆいるは不思議そうにつぶやく。すると三つの顔を持った大型犬に変わった。まがまがしい気配が辺りを支配する。 『よく見破ったな。聖なる者よ。私が...
日々是好日 | 2020.12.12 Sat 20:05
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 文芸部に集まった部員たちを見て子松は満足げにうなずく。 「ほかでもない。君たちを読んだのは伊勢ツアーの話についてだ」 「伊勢?」 ゆいるはぽかんとしている。 「伊勢神宮に行くことになった」 「なったって・・・。私たちの許可なしに?」 しのぶ子が突っ込む 「神宮って神道ですよね? 民俗学にはあわないのでは」 控えめに丈が言う。 「何を言う。今年は出雲、伊勢ともに式年遷宮だぞ。これを見ないでどうする」 「はぁい。先生...
日々是好日 | 2020.12.05 Sat 22:08
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「ゆいる!」 「ゆいるちゃん!!」 しのぶ子と丈がゆいるのあとを追いかけていく。 「放っておいて!!」 ゆいるは怒鳴って振り切ろうとした。その前に丈が回り込んだ。 ぱちん。 乾いた音が響いた。 「柳・・・」 しのぶ子が絶句する。つねにのび〜とした彼がそのような行動に出るとはしのぶ子は一回も思い描いたことはなかったからだ。 「ゆいる!」 丈のしっかりした声がゆいるをはっとさせた。 「僕たちを信じてここに戻ってきたん...
日々是好日 | 2020.11.28 Sat 20:08
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「えー!? 転校?!」 しのぶ子の声が教室に響いた。 うん・・・とゆいるはさびしげにうなずく。もうすぐ冬休みと言う頃になってゆいるの父の転勤がまた決まったのだ。 「せっかく依童もうまくなってきてるのに・・・」 「でも一人じゃ生活できないし・・・」 悲しそうにゆいるは言う。 「柳に話したの?」 しのぶ子が一番大事なことを切り出すとそのしのぶ子の手にぽとり、としずくが落ちた。ゆいるの涙であった。 「ゆ・・・ゆいる」 泣...
日々是好日 | 2020.11.27 Fri 22:36
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「先生〜」 ひょろひょろと関口が手を上げた。今は表の部活動、文芸部である。 「今年の文化祭はどうするんですか〜?」 「そうだな。三島由紀夫でもしたまえ」 そこへしっかりとした松島の声の突込みが入った。 「三島は今、センシティブすぎます。今取り上げるのはいかがかと・・・」 そうか、と安易に子松は納得する。 「では無難なところで夏目漱石あたりでもしたまえ。では散会」 げーっとしのぶ子はゆいるにぼやく。 「知ってた? 吾輩...
日々是好日 | 2020.11.02 Mon 21:35
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