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JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 薄靄の中をゆいるは彷徨っていた。見覚えのない風景だがどこかで知っている不思議な空間だった。妙に懐かしい気持ちを覚えながら歩く。しばらくして空間が開けた。そこには一頭の白い獅子がいた。 「ライオン?」 『ゆいるちゃん。惑わされないで。あれは地獄の番犬ケルベロスだよ』 「ケルベロス?」 ゆいるは不思議そうにつぶやく。すると三つの顔を持った大型犬に変わった。まがまがしい気配が辺りを支配する。 『よく見破ったな。聖なる者よ。私が...
日々是好日 | 2020.12.12 Sat 20:05
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 文芸部に集まった部員たちを見て子松は満足げにうなずく。 「ほかでもない。君たちを読んだのは伊勢ツアーの話についてだ」 「伊勢?」 ゆいるはぽかんとしている。 「伊勢神宮に行くことになった」 「なったって・・・。私たちの許可なしに?」 しのぶ子が突っ込む 「神宮って神道ですよね? 民俗学にはあわないのでは」 控えめに丈が言う。 「何を言う。今年は出雲、伊勢ともに式年遷宮だぞ。これを見ないでどうする」 「はぁい。先生...
日々是好日 | 2020.12.05 Sat 22:08
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「ゆいる!」 「ゆいるちゃん!!」 しのぶ子と丈がゆいるのあとを追いかけていく。 「放っておいて!!」 ゆいるは怒鳴って振り切ろうとした。その前に丈が回り込んだ。 ぱちん。 乾いた音が響いた。 「柳・・・」 しのぶ子が絶句する。つねにのび〜とした彼がそのような行動に出るとはしのぶ子は一回も思い描いたことはなかったからだ。 「ゆいる!」 丈のしっかりした声がゆいるをはっとさせた。 「僕たちを信じてここに戻ってきたん...
日々是好日 | 2020.11.28 Sat 20:08
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「えー!? 転校?!」 しのぶ子の声が教室に響いた。 うん・・・とゆいるはさびしげにうなずく。もうすぐ冬休みと言う頃になってゆいるの父の転勤がまた決まったのだ。 「せっかく依童もうまくなってきてるのに・・・」 「でも一人じゃ生活できないし・・・」 悲しそうにゆいるは言う。 「柳に話したの?」 しのぶ子が一番大事なことを切り出すとそのしのぶ子の手にぽとり、としずくが落ちた。ゆいるの涙であった。 「ゆ・・・ゆいる」 泣...
日々是好日 | 2020.11.27 Fri 22:36
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「先生〜」 ひょろひょろと関口が手を上げた。今は表の部活動、文芸部である。 「今年の文化祭はどうするんですか〜?」 「そうだな。三島由紀夫でもしたまえ」 そこへしっかりとした松島の声の突込みが入った。 「三島は今、センシティブすぎます。今取り上げるのはいかがかと・・・」 そうか、と安易に子松は納得する。 「では無難なところで夏目漱石あたりでもしたまえ。では散会」 げーっとしのぶ子はゆいるにぼやく。 「知ってた? 吾輩...
日々是好日 | 2020.11.02 Mon 21:35
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「囚われの皇妃の回想」シリーズの第5弾です。 ・他のページはコチラ→「囚われの皇妃の回想1/2/3/4/6/7/8/9/10」 【Act4 囁かれる甘い誘惑】 「私なら貴女の恋のお悩みを解決できると思いますが」 数ヶ月後のとあるパーティー会場。久々に会ったハミントンに、自分一人の胸に秘めていたはずの悩みを言い当てられても、フィオレンジーヌは特に動じることもなかった。 この男がそういう男だということは、これまでに交...
言ノ葉スクラップ・ブッキング〜シーン&シチュ妄想してみた。〜 | 2020.10.26 Mon 21:02
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの ・「囚われの皇妃の回想」シリーズの第1弾です。 ・他のページはコチラ→「囚われの皇妃の回想2/3/4/5/6/7/8/9/10」 【Prologue 囚われの皇妃は塔の中で】 囚われの皇妃は閉ざされた塔の中、ひとり思案に暮れる。 彼女が居るのは大陸でも随一の財力と軍事力を誇る帝国・ガルトブルグの宮殿の中。複雑に入り組んだ広大な宮殿の北の端にある塔の最上階だ。 皇妃の居室としてはやや手狭だが、さすがに宮殿の一室らしく...
言ノ葉スクラップ・ブッキング〜シーン&シチュ妄想してみた。〜 | 2020.10.23 Fri 19:51
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの しのぶ子はゆいるに顔を真っ赤にして謝った。 「ごめん。ゆいる。子松がゆいるのことばかり言うのが気に入らなかったの。なんでもゆいるが一番であたしは一番下だったから・・・」 「そんなことない。子松先生はいつだってしのぶ子を大事に思っていたよ。あんなにくだけて話すんだもの。きっと子松先生はしのぶ子が好きだってずっと思っていた」 その言葉を受けてしのぶ子は目を見張る。 「わかってなかったのはあたしだけ・・・ってこと?」 さぁ、とゆいる...
日々是好日 | 2020.10.20 Tue 21:51
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「さぁ。ラジオ体操だ!」 子松は殺生石飛び乗りパフォーマンスをおえた次の日、各部屋を起こしにかかった。教師にかかれば男子も女子もない。容赦なく起こしにかかる。松島だけは身なりを整えすっと出てきた。丈は寝不足のようだ。悪夢にうなされたらしい。きっと田中の御先使いが行ったに違いないとゆいるは確信した。 「大丈夫? やなぎ君。顔色悪いよ」 「うん。なんだかあんまり眠ってないみたいだなぁ」 顔色を悪くしても丈はのほほんと答える。...
日々是好日 | 2020.10.06 Tue 21:56
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「すでに依童新聞はチェック済みだ」 そんなものがあるんだ、とゆいるは心の中で思う。 「彼らが我が校の依童をする生徒たちだ」 その言葉を受けて来客の三人は松島たちを見た。黒髪の少女が口を開く。 「あんたたちで役にたつん?」 出てきた言葉は関西なまりだった。意表をつくコントラストにゆいるとしのぶ子はあっけとられたが丈はともかく松島も冷静にその言葉を受け止めた。 「失礼ね。名前も名乗らないでその言い方はないのではないかし...
日々是好日 | 2020.10.04 Sun 21:28
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