[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""]
「親父、こんなにスピードをだして大丈夫か?」 「まかせろ! 学生時代に鍛えた腕を見せてやるぞ!」 「見せなくていいから!」 杉本親子の会話をBGMに、車でゆられること3時間。窓の外には、絵に描いたような田舎景色が広がっていた。 「はぁ……」 青々と茂った田んぼを横目で追い越しながら、湊は深くため息をついた。 夏休みに入り、塾と自宅の往復しかしていなかった身には、じゃり道の細かいゆれが意外と堪える。 「お姉ちゃん、だいじょうぶ?」 横からのぞきこんできた美羽に、視線を移す。 「大丈夫。た...
TOWELL-CROSS | 2008.09.07 Sun 21:36
「オレ、美羽とつきあうことになった」 3学期最後の下校途中。 照れ笑いで告げられた事実に、湊の頭は真っ白になった―― 「昨日の部活帰りに、美羽と2人きりになってさ。チャンスと思って告白したら、OKしてもらえたんだ」 頬と耳をかすかに赤くした、こんな陽生は今まで見たことがなかった。 少し遅れてやってきた衝撃に、言葉がうまく出てこない。 「どうして……」 「美羽がさ、『お姉ちゃんには恥ずかしくて話せない』って言うんだよ。だから、オレから報告したってわけ」 そうじゃない! 叫びた...
TOWELL-CROSS | 2008.09.07 Sun 21:26
全32件中 31 - 32 件表示 (4/4 ページ)