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このまえ、ビデオで、『四日間の奇跡』という映画を、見ました。新進ピアニストとして、期待されていた如月(きさらぎ)は、海外でのコンサートを終えた直後、テロ的事件に、巻(ま)き込まれる。そのテロ的事件によって、ある夫婦が殺され、その子供である、一人の少女を、如月は、助ける。しかし、少女を助ようとした時に、ピアニストの生命線である指を、ピストルで撃(う)たれ、指の神経を断裂(だんれつ)してしまう。如月(きさらぎ)は、失意の底に沈(しず)むが、それでも、父母を失い、身寄(みよ)りをなくしてしまった少女・千織(ちおり...
こころに、打ち出の小槌(こづち)を・・ | 2010.12.09 Thu 21:54
母娘三代にわたってそれぞれが味わう女性としての苦悩と秘密が、それぞれの時代性ゆえに葛藤せざるをえなかった問題と絡めて描き出されている。ときに孤独に陥り、出口を見失ってしまいそうな暗闇の中でもがく女性たちへ、一条の光を差し込んでくれる、穏やかなメッセージが込められた作品である。 カナダで仕事をしているオドレイが、休暇を取って母国フランスの海の見える田舎町に帰省してくる。しかし、内科の開業医をしている母マルティーヌはあまり歓迎してくれない。ぎくしゃくした雰囲気の中にも、何か手探りしながら...
林田由起子の映画日記『映画と日々』 | 2010.11.23 Tue 10:12
なんと心優しい作品だろう! 100年の歳月を生きた監督からの贈り物といえる佳品だ。若さ、未熟さ、愚かさ、弱さに足元をすくわれながら、迷い迷い、あるいは熱に浮かされて思わぬ道にはまり込んでしまう人々に、警句とともに慈しみをもった眼差しを向けてくれる。それも、さりげなく。品格を湛えて。 若く初々しいばかりの青年会計士は、叔父が経営する服地の店で仕事を始めるのだが、仕事場の窓から見える向かいの部屋には夕刻になると美しいブロンドの少女が現われるのだった。一目見たとたんに心を奪われてしまい、恋...
林田由起子の映画日記『映画と日々』 | 2010.11.23 Tue 10:07
重なりあう山稜が遥か遠くまで広がる風景は、東山魁夷の『残照』を想わせる美しさだ。そしてそれ以上の美しさと無限の広やかさを湛えている。吸い込まれるような澄明さに見愡れていると、風変わりな声が聞こえてくる。羊飼いの少年が、羊を追う声だ。純朴な田舎の少年が、その広やかな風景から目を落とした山肌を、羊や犬たちと走り回っている。”トラス・オス・モンテス”とは、ポルトガルの都市から遠く離れた地域のことだ。この地で暮らす人々の姿が様々に映し出されていくのだが、これが20世紀に近代化された世界の一部なのかと...
林田由起子の映画日記『映画と日々』 | 2010.11.23 Tue 10:04
原題は「箱」。物語の核となる小道具、もしくは装置。常に登場する人々の視線の先にあるもの。欲望と不安を喚起する。 リスボンの下町。一本の石段が貫いていて、その両脇には様々な事情を抱えた貧しい人々が住む。この階段は駅に通じていて、朝の出勤時となると多くの人が吐き出されて、階段通りは行き交う人々で埋まってしまう。その一時が過ぎるといたって静かだ。この通りで日々を営む人々が、その日常の姿を現わし始める。飲んだくれの寡婦。靴磨きでその母を支える少年。乳飲み子をあやす若い主婦。カフェで過ごす男たち。豆...
林田由起子の映画日記『映画と日々』 | 2010.11.23 Tue 10:02
美しい山の襞と、葡萄の樹が植えられた段々畑に挟まれた渓谷は、旧約聖書のユダヤの族長の名にちなんで ”アブラハム渓谷”と呼ばれている。神が禁じた傲慢、強欲、嫉妬・・・等々の罪に汚れた村であったという。アブラハムは、民衆の不満を抑え、統率するために、自分の妻であるサラの美貌を利用したとか・・・。 そうした寓意が込められて、この山あいの密やかな村にあって、物語の核となる美貌の女性エマと、彼女に魅惑され、翻弄される人々の姿が描かれていく。同じくフロベールの『ボヴァリー夫人』を映画化した、ジャン・ルノワ...
林田由起子の映画日記『映画と日々』 | 2010.11.23 Tue 09:57
JUGEMテーマ:映画 トワイライト。 今日の金曜ロードショー。 トワイライト〜初恋〜 スタンダード・エディション(DVD) 地上波初なんだって。 トワイライト 関連商品
みえきち情報 | 2010.11.12 Fri 23:04
ゴバディ監督(スタッフも同様だろう)の全存在を賭して撮影され、製作された作品には、政治的統制の厳しいイランにおける自由の萌芽をとらえ、希望の突破口が必ずや訪れることを予感させた。 撮影許可無しで監視の目をくぐり抜けて製作された作品は緊張感に満ちて、スピードと躍動感に溢れている。同様に隠し撮りされた「ザ・コ−ブ」とほぼ同時期に日本公開されたわけだが、「ザ・コ−ブ」の陰鬱な、いかにも撮影禁止する側を敵視する姿勢を露にした表現や編集方法とは全く性質を異にして、こちらの作品にはフィクションとして製作...
映画と日々 | 2010.11.07 Sun 22:40
アガサ・クリステイ「ホロ−家の殺人」を原作とした作品ゆえに、クリステイ愛読者にとっての作品評はいろいろあるらしい。結末が違うとか、探偵ポアロが登場しないとか、筋立てにも異議を唱える向きもあるようだけど、ミステリーファンでも、クリステイ愛読者でもない単なる映画愛好者のひとりにとっては、なかなか洒落た映画の一本であった。脚本はとても細やかに練り上げてあるし、登場人物もそれぞれがひとくせあって怪し気な雰囲気を持っている。時間の流れはきれいだし、ジャック・リベット監督作品で脚本を書いてきた、さすがのパ...
映画と日々 | 2010.11.07 Sun 22:36
仲の良い姉妹。姉は妹を想い、妹は姉を慕い、お互いを信じ、頼りにして暮らしている。姉はパブで働いていて、高校に通う妹はそのことを折々に非難するのだが、これは二人にとって一時の生活手段であって、姉は学業を中断して働いているのである。二人は、母を亡くした後に若い女性と再婚した父の暴虐から逃れ、所在を隠してかつて親類が住んでいた空家に暮らしていた。敬虔なムスリムでありながら、より深く神への信仰を求める姉妹は、その知識と教養があり過ぎて、周囲と軋轢を生じさせてもいた。とりわけ妹は日々教師とトラブルを...
映画と日々 | 2010.11.07 Sun 22:32
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