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1985年にリメイクされているが、多くの世代はこのモノクロ−ム作品を文部省の推賞やら何かで鑑賞した経験を持つのではないだろうか。あらためて観て、ヴェネツイア国際映画祭で受賞したのもむべなるかな、素晴らしい作品だ。市川監督が並々ならぬ才能の持ち主であることを明白に示している。この4月に、日本経済新聞の「私の履歴書」で有馬稲子さんが執筆され、市川監督との抜き差しならぬ恋について告白されたのだが、有馬さんに対する言葉と裏腹に、ついに監督は妻子を捨てることができずに破局し、有馬さんは深い傷を受けられた...
映画と日々 | 2010.11.07 Sun 20:58
『コンサート!』(原題『Le Concert』)ではいけないのか?という文化的差異の問題はさておき。フランスで大ヒットという宣伝文句が効いたのか、こちらも連日大入りの様相を呈しているのだが、思ったよりも甚だしくドタバタ劇なのである。旧ソ連の共産党による圧政、抑圧、独裁を揶揄し、皮肉を込めてその犠牲にされた人々の雪辱と再生を描く物語であるが、いささかやりすぎるくらい、ありそうもない荒唐無稽のエピソードの展開に、若干辟易してしまいそうだった。ブレジネフ書記長は実名で語られ、彼の鶴の一声でボリショイ交...
映画と日々 | 2010.11.07 Sun 20:55
今週から始まったフィルムセンター『映画の中の日本文学Part3』。今日は小林正樹監督『人間の條件 第一部・第二部』('59)を観る。重苦しい、戦時における人間性を問う作品で、第六部まである大作だ。内容に関する話は今はさておき、ちょっと気付いたことがあったのでその話を。第二部、中国内陸部で中国人捕虜を酷使して鉱石の採掘を行なう日本の国策企業の所長が目標達成を記念する式典で功労者を表彰する場面。読み上げる文面に、「未曾有の・・・」とある。ここでなんと、「みぞうゆうの・・・」と言っているではないか。と...
映画と日々 | 2010.11.07 Sun 20:54
『ノー・ディレクション・ホーム』は若き日のボブ・ディランの映像や写真、ボブが影響を受けたカントリー、ブルース、フォーク、ゴスペルのアーティストたち、ビートニクの詩人・作家たちの証言と本人へのインタビューを構成した、マーティン・スコセッシ監督作品。細くて、若く美しい(やっぱり眼!)青年を眺めているだけでも陶然とするが、彼の率直さ、マスコミやファンにさえ一切迎合しないクールさには恐れ入るばかり。自分の活動の場を獲得するためにはひるまず手段を選ばない。「彼は嘘つきだった」という証言もでてくるし、ひと...
映画と日々 | 2010.11.07 Sun 20:52
原題と邦題のニュアンスが転位する感じは、文化の違いゆえ当然生じるものかもしれない。『50歳の恋愛白書』と『新しい人生のはじめかた』は、それぞれ中年に達した男女が主役の作品なのだけど、作品のテーマを言い当てていて巧いなという場合と、違和感を覚える場合とある。『50歳の恋愛白書』の原題は『The True Story of Peppy Lee』。ペピー・リーという美人のセレブ妻が主人公で、彼女の秘められたお話ということ。有名作家の妻となる経緯やふとした出会いによって年下の引き籠もり青年と恋に落ちて自分を取り戻す、というス...
映画と日々 | 2010.11.07 Sun 20:47
原題は『Cassandra's Dream』。邦題のひねり出し方というものは、なかなかに大変なんだなと思う。これはウッディ・アレン脚本の創作サスペンスだけど、本人が登場しないと“らしさ”を感じにくいのも本音。で、ウッディ・アレンらしさ、というか、この作品の作り込み方を観てみる。原題の示す、カサンドラドリーム号というクラシックな小型ヨットをイアンとテリーの仲のいい兄弟が借金をして購入することから物語は始まる。二人の性格は対照的だ。イアンは頭の切れる野心家で、投資家として成功を夢みているが、今は父親のレストラ...
映画と日々 | 2010.11.07 Sun 20:42
『夜と霧』でアウシュヴィッツを、『ヒロシマモナムール』で原爆投下された広島を描いたアラン・レネ監督の、フランスの戦後を描いた作品だ。フランスは第二次世界大戦でナチスドイツに破壊され侵略されたが、一方でインドシナやアルジェリアで戦争をしている。侵略されることと侵略することの両方のトラウマをかかえて戦後を生きる人々をフィクションの中に置いて、登場人物それぞれの精神的混乱を通して彼らの秘められた悲哀を描いていく。戦争を境にして過去を封印しようにも叶わず苦しみお互いの心も通じあわず、噛み合わない会話...
映画と日々 | 2010.11.07 Sun 20:39
まさに“アメリカ映画”だと思う。ビグロー監督はアカデミー賞授賞式で「すべての戦地にいる兵士とその家族に捧げる」と言ったけれど、アメリカによる、アメリカのための映画といえる。舞台はイラク、登場人物の職業は兵士。イラク駐留米軍・ブラボー中隊の任務残すところ38日を追う。とはいえ、一瞬一瞬が生の保障のない緊迫した状況下にある。戦場での、兵士の内面を細やかに妥協のない視点で描いた点は斬新で、報道では伝えられたことのない、戦場で命をさらけだしている一個人の心情をとらえたのは、まさに映画でなければ不可...
映画と日々 | 2010.11.07 Sun 20:33
今日は15:30〜20:35まで、ゴダールの『映画史』を観てました(アテネフランセ)。十年ぶりに観て、挿入されている作品中、自分が観た作品が増えていたのが少しうれしかった。この前、アラン・フレシェール監督の『ジャン=リュック・ゴダールとの会話の断片』を観た時、80才近いゴダールが、“現代美術?”という顔で、ポンピドゥーセンターでの回顧展は失敗するし、展示室でも葉巻吸ってるし、頑固な爺さんでしかなくなったみたいで淋しい感じがしたのだけど、彼が製作した作品をまた改めて観ると、やっぱりいいよな、と思いました...
映画と日々 | 2010.11.07 Sun 20:28
アラン・レネ、ジャン=リュック・ゴダール、ウィリアム・クライン、ヨリス・イヴェンス、アニエス・ヴァルダ、クロード・ルルーシュらがそれぞれの視点で撮影し、クリス・マルケルが編集、1967年に製作された作品。フランスの植民地だったインドシナ独立戦争終結後、支援にかこつけて侵略しベトナム戦争を仕掛けたアメリカを告発したもので、物心ついた頃には反戦運動かまびすしく、“ラブ&ピース”や“フラワーチルドレン”といった若者たちの熱狂を目にした私たちの世代にとって、よりベトナム側の事情を知る契機を与えられて...
映画と日々 | 2010.11.07 Sun 20:25
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