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今日は福沢諭吉の【学問のすすめ】を紹介します。福沢諭吉は、たとえば小学生のための偉人紹介などの本で、まず一番に紹介される人です。福沢諭吉の書物を実際に読んでみると判りますが、儒教的と言いますか、獣のように乱雑な人々に対してかなり厳しいことを書いています。「愚民」というような今では使わない言葉も頻繁に書き記されていて、現代には通用しないような内容も含まれています。ただとにかくこれは読んでみると「ああ、こういうことが書いてあったのか!」と驚く部分が多いです。興味深い本ですよ。この本は、当時の日本...
明かりの本 | 2011.08.12 Fri 20:20
今日は夏目漱石の【夢十夜】を紹介します。夏目漱石は、学生の頃に親友になった正岡子規(や高浜虚子など)の導きによって文学者になっていったようです。それは一番はじめに書いた「吾輩は猫である」という小説の序文に記されています。漱石の親友だった子規は、いわゆる知的なガキ大将で親分肌でした。子規は主戦主義だったし戦争がはじまると志願して従軍記者になって、戦地に赴きそこで体を完全に壊してしまった。漱石はそれとずいぶん違っていて兵役から逃れるために北海道とかに籍を置き、とにかく「お上」というやつがやること...
明かりの本 | 2011.08.07 Sun 02:27
今日は魯迅の阿Q正伝を紹介します。これは中国の作家である魯迅が1921年に書いた代表作です。まずはあらすじを紹介してみます。あらすじを読む前に作品を読みたいかたは、作品へのリンクURLから本文をお読みください。魯迅 阿Q正伝http://akarinohon.com/basic/akyuseiden.htmlそれでは、阿Q正伝のあらすじをwikipediaなどから引用してみます。阿Q正伝は,日雇農夫阿Qの性格とその生涯をユーモラスに描く中に,中国民衆の精神のゆがみ,彼らを悲劇に追いやるもの,辛亥(しんがい)革命の実体等への批判を盛りこんだもの。中国現...
明かりの本 | 2011.07.30 Sat 20:07
今日は岡本かの子の「愛よ愛」を紹介します。ほんの3ページほどの掌編ですから、ぜひお読みください。岡本かの子の文章は、全体の中のたった一文でもイメージが広がります。すごいですよね。7行目あたりにこんな文章があります。おいおいたがいに無口になって、ときには無口の一日が過(すご)される。けれども心のつながりの無い一日では無い。この人が眼で見よと知らする庭の初雪。この人が耳かたむける軒の雀(すずめ)にこのわたしも――。というのの雀(すずめ)のイメージがなんか良いです。小野竹喬の絵画みたいです。自分でも...
明かりの本 | 2011.07.22 Fri 12:40
今日は太宰治の走れメロスを紹介します。50ページほどの小説ですのでぜひお読みください。僕はずいぶん昔、ある文学少女と仲良くなって、趣味の話をすると「純文学を知らないなんて幼稚」というニュアンスで笑われてしまい、じゃあ読んでみると言ってなにがお薦めか聞いてみたら「太宰治」が良いよと言うので太宰治を読むことにしたんです。たしか「太宰治の《斜陽》を読んでみたら」と言われたような気がします。それで女性に大人気の作家、太宰治を読んでみるのですが、いかんせん教養のない僕にはなんだか純文学者から「これから...
明かりの本 | 2011.07.19 Tue 07:38
宮沢賢治の『やまなし』を、ブラウザ上で全文お読みいただけます。 http://akarinohon.com/basic/yamanasi.html (総ページ数 約8枚)
明かりの本 | 2011.07.15 Fri 04:32
今日は小泉八雲の怪談【ろくろ首】を紹介します。小泉八雲は、『夜窓鬼談』や『仏教百科全書』『古今著聞集』『玉すだれ』『百物語』などを繙きながら、口伝によって残された怪異譚を物語へと編み直していった作家です。単なる文字の記録ではなく、人々がどういう物語を語り継いできたかを丁寧に発掘していった人物です。ただの文字情報というのは、かなりの確率でノイズや偽情報が混じり込み、ヘタをするとノイズのほうが主体となってしまうことがよくよくあると思うんですが、口伝というのは百年とか千年単位で長く伝わってきた事柄...
明かりの本 | 2011.07.14 Thu 07:04
今日は芥川龍之介の《藪の中》を紹介します。総ベージ数約20枚ほどの掌編小説です。僕は芥川龍之介の小説の中で、この小説にもっとも興味を抱きます。芥川龍之介といえば短編の名作が多く「蜘蛛の糸」「杜子春」「トロッコ」「仙人」などが有名で、普段まったく小説を読まない人でも一作は読んだことがあるんじゃないかと思います。芥川龍之介と言えば、ぼくはもうこの「藪の中」がもっとも気になるんです。「藪の中」というと事件の真相が全く判らないという意味ですが、この小説が元になって「藪の中」という言葉が出来たわけです...
明かりの本 | 2011.07.11 Mon 16:49
今日は魯迅の《自序》を公開します。これはほんの十ページほどの自伝ですから、ぜひ最後まで読んでみてください。魯迅、というととにかく苛烈な挫折を丁寧に描き出す作家ですが、これはその魯迅が小説を書く動機、を記したものです。僕は中国というととにかく老子を思い浮かべるのですが、魯迅の「厳しい状況へのまなざし」はまさに、老子の言う「上善は水の如し」を想起させるものだと思います。もっとも理想的なものは水のようであり、低いところに住まいをかまえ、僕みたいに「老子だあ」とか「ガンジーだあ」とか言って崇高なもの...
明かりの本 | 2011.07.08 Fri 01:08
今日は小泉八雲の怪談『貉』を紹介しますね。狢。「むじな」と読みます。ほんの3ページほどの怪談です。これは、小泉八雲の怪談にしては焦って書いているような気がしますし、子ども向きの話に思えますが、僕にはなんだか、本当にこわい話に感じるんですよ。小泉八雲の怪談と、冴えない無名ホラー創作との違いというのは、やっぱり実際の体験が原形としてあるかどうか、という部分が大きく異なります。小泉八雲は、口伝で怪談の話を直接聞いてみてそれに興味を抱き、そこから文献を調べていって、怪異譚や口伝を研究し、それをみなが...
明かりの本 | 2011.07.05 Tue 19:56
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