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僕とあのこが うさぎだった昔 月を欠いて 半分ずつ食べてしまった 罰が当たって にんげんにされて そのあと アッという間におとなになった にんげんになったら ぼくら あんなにすきあっていたのに とても遠くなって 元気でね と 手をふってわかれた ふたりとも まってよ といえなかった 鼻をひくひくさせても あのこのにおいはさがせない たよりになる長い耳も いまはもう ない また 退屈でぱんぱんにふくらんだ 月がわなをしかけ また かえれないうさぎが増える JUG...
Surusumi | 2008.01.29 Tue 19:08
指をさしました 小さい頃 世界が あまりに楽しくて 知らないことが 多すぎて 指をさしました 歩いて行けるところ どこへでも とことこ 覚えられる分だけ丸呑みに いくらでも ことこと でもそれは つないでくれる手が いつもそこにあったから 教えてくれる影が いつも隣に伸びていたから おとなたるもの 指などさしてはなりませんぞ と 誰かがもっともらしく言ったので もてあまされた指先は ブスイな奥歯に噛まれ噛まれて 感覚薄っぺらく どこにも行けないなんてこと 思っちゃいな...
Surusumi | 2008.01.27 Sun 18:00
廻り続ける寛大なキャンディー とるにたりないものは 間隔を維持出来るよう肋骨の間へ ぐるーん キャンディーを食べたことがない うっすらと粉を吹いた顔の 子どもが歌い ぐるーん キャンディーに飽きられてしまった 綺麗に切り揃えた後ろ髪の ママが泣いている 時に滲み出しては 鼻の奥をチクッと刺して逃げる 無垢な緑のセンチメンタル 等間隔に 等間隔に 美しく並べられた あなたの わたしの 誰かのための キャンディー JUGEMテーマ:後ろ向きな詩
Surusumi | 2008.01.20 Sun 04:30
寂しそうな君を見ているのはつらい いつか 遠い北の街にルビーの雪が降って 人々の吐いた息玉を蹴破って ちっちゃなトカゲたちが生まれては 空を泳いだ 楽しげな君を見ているのはつらい 数えちゃいけないよ という文字の数を 既にいくつか飲み込んでむせた 猫にも今夜は寒すぎて 集会所は妖怪に舐めとられてた 生きている僕を感じるのはつらい 妖怪 マチボウケ 洗ってくれませんかと足を出したら それは出来ない相談だといわれ かわりにまばたきの隙間から 眼球を長い舌でやられた 何もかも見...
Surusumi | 2008.01.20 Sun 04:01
車という狭い空間に 二つの点として身を置いている 接近しながらも決して重ならない息で ウインドウは ひたひたと曇る 同じ話を三度して 一つ一つに相槌をうたれ それでも 背中越しの会話は どこにもしまわれることはなかった 遠くはない四度目が サイドミラーに映っている 口の中には 溢れそうに唾液がこみあげて来る 車を停めるやいなや走り出した背中は やはり 振り向くことはなかった 無防備な感情は容易く横転し 玄関ドアから二階へと 横倒しになった耳を踏みつけて 足音は駆け抜けて行った ...
Surusumi | 2008.01.13 Sun 22:01
要るものを放り出して 自分が放り出されてみたらいいと はじけた果実の目くらまし 何を拾いに 世界(ここ)へ来たっけ 心地よい眠りの天蓋を 苦いだけの産声に換え 夢には浸れなくていい 現実に耳をそば立てる 弱弱しい小動物でありたい 規格のない雨が 傘を踏み抜こうとして 振り上げた一瞬の足裏のかたちを 脅威ゆえに見抜けてしまえるほどの どこまでページをめくって 塗った絵の具は乾いたのだっけ 仕舞いで何を捨てるために 白紙を渡って歩くんだっけ 抱えきれずに見殺した 子どもた...
Surusumi | 2008.01.13 Sun 21:09
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