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ゆらり、らり。

 とても簡単な言葉で励まされた。簡単であり且つ軽い言葉である。 綺麗な熟れた桃色をしたまるで女の子のようなぷるんとした唇から零れたのだから、僕は君の唇を糸で縫いつけてしまいたかった。 花を落として湖面に広がる波紋には、歪んだ言葉が揺蕩っている。綺麗な花を選ばず、敢て人差し指と親指で厭々抓み上げるような、しんなりと雨を吸い上げて腐敗に進んでいる花を選んだ。その理由を代弁していた君は、僕のことは何でも手に取るようにわかるのだと豪語していた。 すぐ頭上では数少なくなった蝉が啼いている。見上げても姿...

ほろほろあめ。 | 2011.09.20 Tue 16:59

JUN。

   四肢を投げ出して、そのままゆらりと現実から引き離され異世界へと引き込まれていく。これが、理想の睡眠。ただ、ゆったりと眠りたいだけなのに、そうはいかない現実に苛立ちとともに小さな溜息をついた。 雨上がりに、ゆっくりを雲を動かしながら太陽の光を焦らしている風は、独特の匂いを広がせながら君のもとへと移動をする。ありがとう、その一言がこんなにも切なく、こんなにも悲しい響きだったなんて、今までどうして気が付かなかったのだろう。温かさの染み入った言葉だと散々耳にしていたはずが、本当は、もっと...

ほろほろあめ。 | 2011.09.06 Tue 22:44

秋の入り口。

  川縁にしゃがみ込んで流れる水に手をつけている。田舎の水は綺麗で冷たい、と言うので、ここは上流だから、とだけ答えた。橙色に染まった世界に伸びる影が想像以上に長くて、なんだか切なくなったあの日を思い出した。君がおもむろに立ち上がったので、僕はその動作を確認した後によたよたと立ち上がった。君の背中はいつの間にやら丸くなった感じがする。残りわずかな蜩がかなかなと啼いていて、君の左手から重たそうな荷物を引き受けたら、僕は泣きそうになった。 わたし、もう無理かもしれない。君が最後に呟いたのはそん...

ほろほろあめ。 | 2011.08.25 Thu 14:56

ちぐはぐな顔。

  今日はいつもとは違うお月様ね。そう君が言ったのは青白い月が浮かんでいる晩のことだった。そうして、あなたの顔はいつみてもちぐはぐなのね、と続けた。 コオロギとスズムシが一斉に鳴いている夜に、十五夜はやってきた。その晩僕は木の上で、ちぐはぐな顔についてを考えていた。なんだか、いつも僕は涙を流している。悲しいことがあったわけでもないし。寂しい思いをしたわけでもない。それなのに、ただただ涙が流れてしまう。それはもしかすると、もう涙ではないのかもしれない。ちぐはぐな顔とは一体どんな顔なのかを考...

ほろほろあめ。 | 2011.08.15 Mon 14:37

返信。

 拝啓 残暑厳しい折ですがお変わりなくお過ごしでしょうか。立秋が過ぎたと申しましても、節気というだけで蝉もうるさく酷暑には何ら変わりはありません。 さてこの度は、ご丁寧にお手紙を頂戴いたしまして有難うございました。早速読ませていただきました。いつも丁寧さと柔らかさとが含まれており、戴く度に温まるようなほっとした気持ちになります。 私はと言いますと、毎日が同じようでいて実はそうではなく、過ぎてしまう時をどうすることもできず、ただこの一瞬が受け止める前に過去へと押し流されていく寂しさだけが胸に残...

ほろほろあめ。 | 2011.08.10 Wed 15:11

風。

  やわらかな風が吹いている。いつも以上にそう感じるのは、単に心の持ちようと言ってしまえば、本当にそれだけのことだろう。街路樹にも野花にも君の影が潜んでいるようで、つい目で追ってしまうのは、きっと寂しさよりも懐かしさが溢れたから。 僕の薄っぺらい感情をいつも捲っては剥がそうとしていた君だけれど、現実に君にもそれは無理だった。だけれど今こうして何もかもを剥がされている僕は、誰にも見えないけれど、確かに内には深く深く広がっている何かがある。今の君なら、きっと感じ取ることが出来るのだろう。それ...

ほろほろあめ。 | 2011.08.02 Tue 13:12

慟哭。

 流れ星にお願い事をしたら、きっと叶うよね? そういった君の横顔を思い出すと、少し苦しくなってしまう。 君は隣りの僕に顔を向けることはなかった。夜の道は、横を流れる小川の音と、早くも啼き始めた秋の虫の音で満ちていた。 君の願い事がなんなのか、僕は聞かない。きっと聞いても君は言わないだろう。半歩前を歩く君の後ろ姿は、手を伸ばせば掴める肩の距離なのに、きっと心は届かない。そう思うと伸ばしかけた手を、ゆらりと落としてしまった。 僕はなんのために、手を伸ばしかけたのだろう。 夏はとても短かった。コン...

ほろほろあめ。 | 2011.07.26 Tue 17:25

願。

  僕には、何かを止める力がない。愛は何かを問うたら、それらの全ての答えは欲の内でしかなかった。愛≠欲、愛≒欲、愛=欲。確かに僕には、愛を受け入れる器が無い。至極当然のことだろうと思う。僕には、知らなくてもいいことではある。もうやめよう。そんな無意味な争いは。傷をつけてしまうだけなのを君も知っているはずなのに。背負うものはきっと大きすぎる。だけれど、それを重荷だとは思わないし、思いたくない。残されたのは決して埋まることの無い穴だけなのに、その中には、計り知れないものが詰まっている。もし僕に...

ほろほろあめ。 | 2011.07.22 Fri 20:29

発車ベルor呼出音。

  指に着いたトマトの茎の青臭さがとれない。(まるで何も想像がつかない、思い浮かばない頭というものを知っているだろうか) 世界中には綺麗な言葉が蔓延していて、汚い言葉も同じだけ蔓延っている。(指に着いた朱肉に苛立ちを隠せずに、親指を引き出しに仕舞いこんだ) 柔らかな風が吹いていることを僕は知っているのだけれど、その風に乗らない理由も知っている。本当に一人で大丈夫ですか?と何度も聞き返した待合室で、きっと僕でも、大丈夫だから、と答えるだろうと想像するのは容易いことだった。何度も聞き返した理由...

ほろほろあめ。 | 2011.07.19 Tue 15:18

梅雨の終わり。

 ある朝僕は考えた。空を飛べるといいなと思っていたけれど、もし大空へ飛び立てたとして、僕はひとり優雅に飛び回ることができるのだろうか。もしかすると、雀のように人恋しさに町へ住みついたりしないだろうかと。 考えれば考えるほど、僕の理想はひとり優雅に大空を飛び回ることになってしまう。解き放たれるのは、僕自身の身体ではなく、内にあるなにか、のはずだから。誤魔化し続けることを覚えるのなら、独り歩きを覚えようと、海辺を歩いてみたりもした。 突然の夕立に、ただ茫然と立ち尽くしてそのまま過ぎ去るのを待って...

ほろほろあめ。 | 2011.07.13 Wed 13:36

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