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白沙樹ゆいな 悪戯される妹が 話題になっていますね。 アイドルクラブです。 ,白沙樹ゆいな/脱・アイドル宣言!悪戯(いたずら)される妹 2 >> 白沙樹ゆいなの関連サイト
かおりの日記 | 2009.01.30 Fri 23:38
「花火?」「そう、誘われたの。今日の夜、海岸でやらないかって」 翌日、朝食の席で陽生たちに報告した。 2人はすっかり仲直りしたらしく、以前と変わらず笑い合っている。その様子に少し痛む胸を押さえ、湊は苦笑いで誤魔化した。「いいじゃん、いいじゃん! なんか夏って感じで」「花火は用意してくれるって」「迷惑じゃないかな?」 大興奮の陽生に対して、美羽は心配そうに顔を曇らせる。 どう答えるべきか迷っていると、隣で黙々と食事をしていた漣が口を開いた。「心配はいらない。先に声をかけてきたのは向こうだから」「...
TOWELL-CROSS | 2009.01.25 Sun 10:11
研究所にウミホタルを届けるとすぐに、2人は来た坂道を歩いて戻った。 すっかり暗さに慣れた目で空を見上げ、のんびりと並んで歩く。昼間の暑さがウソのように涼しく、海で体が冷えたせいか少し肌寒いくらいだった。―――ブルルゥゥゥン「あれ?」 背後から迫るエンジン音に、湊は足を止めて耳を傾けた。「バイク?」「まったくアイツは……」 自転車を押して少し脇に避けながら、漣は呆れたように息をついた。「知り合いですか?」「あぁ、たぶんな」 漣が肯定するのと同時に、ライトが2人を照らした。そのまぶしさに目を細めてい...
TOWELL-CROSS | 2009.01.07 Wed 23:50
港の入り口で自転車から降り、仕掛けをしたという場所まで歩く。 思っていたよりもずっと小さな港には小型の漁船が何隻か並び、波音にあわせて揺れている。その向こうには漆黒の海が広がり、遠くに町の灯りが見えた。「足元に気をつけて」 周囲は真っ暗で、油断すると海へ落ちそうで少し怖い。漣が持っている懐中電灯に導かれ、一歩ずつ奥へと進む。 しばらくすると、漁船が止まっていないスペースにたどり着いた。どうやらここに、仕掛けをしてあるらしい。「ひょっとして、コレですか?」 船をつなぎ止めるための杭に、8本の...
TOWELL-CROSS | 2008.12.31 Wed 23:04
「どうして漣さんは、あの別荘に一人暮らしをしてるんですか?」 昨日から抱いていた疑問。 あの家は『別荘』のはずなのに、漣は常に住んでいるという。 「自宅より研究所に近いから」 「研究所?」 「所属しているゼミの教授が所長で、一年の大半はそこに通うことになっている」 「大学には行かないんですか?」 「必修科目は受けに行くことになるが、あまり単位数はないから」 「ふーん」 少しずつ増えてきた街灯が、漣の顔を照らす。後ろから垣間見たその表情に、湊はわずかに目を細めた。 「漣さんは、どうして...
TOWELL-CROSS | 2008.12.26 Fri 14:57
街灯がほとんど無いため、あたりは真っ暗だった。「すごい星空……きれい」 無数の星が、暗闇に慣れてきた目に飛び込んでくる。輝きも色も千差万別で、見ていてまったく飽きない。 小・中学校の時に学んで以来ほとんど関心のなかった星座が、いま無性に知りたくなった。「東京だと、こんな星空はなかなか見られないからな」 ほとんどペダルを漕がずに坂道を下っている漣が答える。「写真でしか見たことなかった……」「良い経験したな」 細かく揺れる背中と声色から、漣が笑っているのがわかる。 口の端を持ち上げ、少しだけ目を細...
TOWELL-CROSS | 2008.12.09 Tue 19:12
それ以上は何も話さず、2人は夕食作りに集中した。そのため、予定より早くチャーハンは出来上がった。 部屋から出てくる気配のない陽生たちを待つか、湊は少し悩んだ。しかし、漣に促され先に食事を済ませてしまった。「終わりっと」 手伝うと言ってくれた漣を断り、一人で食器洗いを終えた。部屋に戻れない以上、とくにすることもなくリビングで過ごすことにする。 ふと、階段の軋む音が聞こえてきた。「何をやってるんだ?」「特に何も。部屋に戻れないので、することもなくて」「勉強すればいいだろう? 道具は俺の部屋に置...
TOWELL-CROSS | 2008.12.04 Thu 13:13
「最初からわかってたんです。陽生が、私のことをただの幼なじみにしか見ていないこと。これから先も、恋愛対象にはなれないってこと」 漣は何も言わない。ただ黙々と作業している。 だからこそ、湊は本音を独り言のようにこぼすことができた。「わかってたから、2人の邪魔をしないように少し避けてました。ケンカしていたら、仕方なくフォローして……。笑い合っている2人を見るのはつらいけど、いつか一緒に笑えるようになるだろうって思っていたんです」 大切な幼なじみと妹だから、温かく見守っていこう。そんな風に気持ちを切...
TOWELL-CROSS | 2008.12.04 Thu 12:54
美羽を部屋に残して、湊はキッチンへ向かった。 コップを洗い終えたちょうどその時、買出しに行っていた陽生が帰ってきた。「ただいま!」「あ、おかえり」 両手に持ったスーパーの袋が、がさがさと大きな音を立てる。たぶん、女子部屋の美羽にも聞こえただろう。「今晩はチャーハンな。昨日のご飯がまだたくさん残ってるし」「そんなことより、美羽のところへ行って話し合ってきなさいよ。一応、誤解は解いておいたから」「あ……」 一気に表情が硬くなる。それをあえて指摘せず、湊は言葉を続ける。「今なら落ち着いて向き合える...
TOWELL-CROSS | 2008.11.26 Wed 08:20
「美羽、入るよ?」 麦茶の入ったコップを2つ持ち、湊は女子部屋の扉を開けた。朝から引きっぱなしの布団が一つ、こんもりと山を作っているのが見える。「のど乾いたでしょう? 麦茶を持ってきたから、一緒に飲まない?」「いらない」 くぐもって掠れた小さな声が、布団の中から返ってきた。 その直後、激しい咳き込みが何度も起こる。「あーもう。意地張らないの」 布団をめくり、丸まった美羽の背をさする。 咳が治まった美羽はコップにおずおずと手を伸ばし、ゆっくりと飲み干した。「落ち着いた?」「……うん」「ひどい顔ね...
TOWELL-CROSS | 2008.11.14 Fri 14:15
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