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◎味飯を水に醸みなし我が待ちしかひはかつてなし直にしあらねば(うまいひを みづにかみなし わがまちし かひはかつてなし ただにしあらねば)⇒「よく煮えた美味い飯を、水に噛み入れて、お酒を造って、 あなたをずっとお待ちしていたのですよ・・・ だけど甲斐のないことでしたわ! だってあなた御自身は逢いに来てくれないのだもの!」万葉集巻16・3810。昔一人の少女がおりました。その夫は逢いに来ず、少女はいつでも「逢いたい逢いたい」と待ち望み暮らしておりました。だけど夫はまた別に奥さんを作ってし...
こもよぶろぐ | 2009.10.20 Tue 21:08
◎恋ひ恋ひて逢へる時だにうるはしき言尽してよ長くと思はば(こひこひて あへるときだに うるはしき ことつくしてよ ながくとおもはば)⇒「恋しくて恋しくて…せめてこうやって逢えた時ぐらいは もっともっと、甘くて優しい言葉を聞かせてよ。 私といつまでも…と、あなたが思うなら。」万葉集巻4・661。坂上郎女の歌。「デートの時はもっと私に『カワイイ』とか『大スキだ』とか言ってよ!」と、いうのです。男の方にしてみれば「もう十分言ってるつもりなんだけど…」という気持ちでも、女の子は満足致しませんわよ。もっとも...
こもよぶろぐ | 2009.10.18 Sun 20:37
◎磯城島の大和の国は言霊の助くる国ぞま幸くありこそ(しきしまの やまとのくには ことだまの たすくるくにぞ まさきくありこそ)⇒「日本は言霊の国ですよ。言霊が人を助けるんだ。 ・・・元気でいて。」 どうぞご無事で。どうぞご無事で。元気でいて…柿本人麻呂の歌。巻13・3254。言霊とは『ことばの霊力』。万葉人はこれをとても大事にしていて、とても頼りにしていたし、畏怖さえしていたと思う。そのくらい、大きな力だと感じていた。例えばこうやって「ま幸くありこそ(どうぞご無事で。元気で。)」という言葉を発すれば...
こもよぶろぐ | 2009.10.17 Sat 13:24
◎我が背子は物な思ひそ事しあらば火にも水にも我れなけなくに(わがせこは ものなおもひそ ことしあらば ひにもみづにも われなけなくに)⇒「そんな弱気に、心配ばっかりして……大丈夫だよ! 何かあっても、たとえ火の中・水の中、ずっと私が一緒にいてあげる。 あなたには私がついてるじゃないの!」という、安倍女郎の歌。万葉集巻4・506。昨今の草食男子とやらには、ちいとばかし熱過ぎな娘でしょうか?でもこれっくらいの方が、奥方にはピッタリだよ!ところで「たとえ火の中水の中」って表現、こんな時代からあっ...
こもよぶろぐ | 2009.10.15 Thu 20:17
◎朝寝髪我れは梳らじ うるはしき君が手枕触れてしものを(あさねがみ われはけづらじ うるはしき きみがたまくら ふれてしものを)⇒「この、朝の寝乱れ髪に、私は櫛を通さない。 昨晩枕代わりにしていた 大好きなあなたの手が 触れたものだから…」万葉集巻11・2578。男が帰ったあとの、女の歌。「寝乱れ髪」って言葉、中西進氏の訳(講談社文庫・万葉集)で使われていたんだけど、うーん!!とっても色っぽい言葉だよね!!大好きなあの人の名残を消してしまいたくないんだなっ。『古代の恋愛生活(古橋信孝・NHKブックス...
こもよぶろぐ | 2009.08.16 Sun 16:52
◎愛し妹をいづち行かめと山菅のそがひに寝しく今し悔しも(かなしいもを いづちゆかめと やますげの そがひにねしく いましくやしも) ⇒「愛しい妻がいなくなるなんて、思いもしなくて… あの時、山菅のように君に背を向けて寝たことが悔やまれるよ。 君が死んでしまった今となっては…」 という歌。万葉集巻14・3577。愛していた奥さんに先立たれた夫が詠んだ歌です。ものすごく…切ない。このように死者に思いをはせる歌のことを『挽歌』といいます。 『山菅のように背を向けて』というのが、パッと意味だけ取とうとす...
こもよぶろぐ | 2009.08.15 Sat 20:32
◎言に言へば耳にたやすし少なくも心のうちに我が思はなくに(ことにいへば みみにたやすし すくなくも こころのうちに わがもはなくに) ⇒「言葉にしてしまえば、大したことではないように聞こえてしまうだろう。 心の中は、そんな小さな思いではないのに。」 という歌。万葉集巻11・2581。作者不明。ボクの愛情は計り知れましぇん・・・ことばでは足りましぇん!と、言うのだな。 ちなみにこの歌は「言云者 三々二田八酢四 小九毛 心中二 我念羽奈九二」というように書き表されている。「耳」が「三々」、「たやすし(容易し...
こもよぶろぐ | 2009.08.14 Fri 17:56
◎寐も寝ずに我が思ふ君はいづくへに今夜誰れとか待てど来まさぬ(いもねずに あがおもふきみは いづくへに こよひたれとか まてどきまさぬ) ⇒「寝ずにあなたを待っている。 だけどあなたは来ない。 今夜はどこで 誰と寝ているの? どれだけ待ったって、あなたは来ない。」 という歌。万葉集巻13/3277。作者不明だけど、女の人ってことは確か。この時代、女の人は常に「待たされる」存在。万葉集には「待つ女」の歌が、ワンサカあります。激しい口調ではないけれど…女の嫉妬をじっとり感じるね!(と...
こもよぶろぐ | 2009.08.11 Tue 16:29
◎寐も寝ずに我が思ふ君はいづくへに今夜誰れとか待てど来まさぬ(いもねずに あがおもふきみは いづくへに こよひたれとか まてどきまさぬ) ⇒「寝ずにあなたを待っている。 だけどあなたは来ない。 今夜はどこで 誰と寝ているの? どれだけ待ったって、あなたは来ない。」 という歌。万葉集巻13/3277。作者不明だけど、女の人ってことは確か。この時代、女の人は常に「待たされる」存在。万葉集には「待つ女」の歌が、ワンサカあります。激しい口調ではないけれど…女の嫉妬をじっとり感じるね!(と...
こもよぶろぐ | 2009.08.11 Tue 16:28
◎み熊野の浦の浜木綿百重なす心は思へど直に逢はぬかも(みくまのの うらのはまゆふ ももへなす こころはもへど ただにあはぬかも)⇒「(熊野の浜辺に咲く浜木綿の花のように)幾重にも幾重にも、 心であなたを思っている。だけどまだ 直接には逢えないでいるね…」万葉集巻4の496、柿本人麻呂の歌。浜木綿は海の近くに咲く白い花。その花弁の様子とか群生の様子を指して「百重」と言っておりまして、更にそれを幾重に重なる心情に例えておるのであります。さて最近更新が滞っていたのは、この歌でも歌われている熊野へ旅...
こもよぶろぐ | 2009.07.31 Fri 02:42
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