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(皆さんが眠らないように筆舌を尽くしていますが、 これを読んで眠ってしまわれても仕方がないです) こびと達は、リンリさんのまどろみの中、 視界の隅に一人現れて近寄るかと思えば離れ、 消えたと思えばまた別のこびとが現れ、 近寄ります。 リンリさんは読めない文字の本を、 それでも14ページまで眺め進みますと、 目次の第6文字と第9文字めの意味と読みが ようやく頭に浮かんで来ましたが、 そんなことよりも更に眠気は深まり、 ぼんやり、こびとを視界に認め続けます。 本当にこれほどの眠さはありませ...
イタンデルセン童話 | 2015.01.07 Wed 22:24
「これでまず出入り口‥‥」 考えてみれば本からこぼれるこの光でも奇跡です。 しかし二度めですから少し慣れていますし、 今のリンリさんはもっと大きな奇跡を求めていました。 それには前回以上の事、『Difficult Book』を 読む事をしなければならないと思うリンリさんでした。 気合を入れて‥‥ ページ‥‥を‥‥ なのに事ここに至ってなぜか、この状況にあり得ない、 そして抑え難い感覚が襲って来ました。 ひどく眠いのです。 それは本を読もうとページを開き始めてからすぐに特に強くなり、 目次のような部分を...
イタンデルセン童話 | 2015.01.07 Wed 22:23
以前の儀式、いえ、試練のように、 リンリさんがまた『Difficult Book』を見据えて 机に立ったのは、 10時どころか11時半を過ぎた頃でした。 しかも本の北北東と南南西あたりにセットすべき 鳥のような木片、正体『栞の木』は、 二つとも山猫どもに投げつけてしまったので、 ありません。(自宅には一つあります) 「そうだ!鳥のモモ!」 代わりに使えるという保証はないのですが、 もらった鳥のモモはそういえば今日も持ったままでした。 それさえ一昼夜以上経ち、かなり悪くなっています。 前回は『栞の木』...
イタンデルセン童話 | 2015.01.07 Wed 10:17
「お前たちはーー!山に帰れーーー!」 リンリさんはお父さん(木片)も、 お父さん的な口調で同じように投げました。 山猫のようなものどもは学習しないので、 「ぎゃああああああ!『栞の木』だあああああ!」 同じことを言って逃げるのでした。 遠く遠く、 それぞれの国に逃げていってしまいました。 仲間は随分蒸発しましたし、気持ちもくじけました。 もう当分集まる事は出来ないでしょう。 そのような時代はもうやって来ないかも知れません。 とても静かになりました。 夜ですからあたりまえです...
イタンデルセン童話 | 2015.01.07 Wed 10:15
「待ちなさい! 本を読まない者たちよ!」 リンリさんは怒っていますし、 とにかくもう肝がすわっています。 ええ、こんな時はすわらせるしかありません。 鳥のような木片を出します。 「この木片は‥‥」 リンリさんはきっぱりと言います。 「あなたたちのお母さんです!」 「な、なんだとー?」 ざわざわざわざわ。 山猫たちの間に動揺が広がります。 「そんな木片がお母さんだとー?」エジギリ。 「騙されんぞー!」マニモ。 「証拠を出せー!」ボログソク。 「そうだ証拠だー!」三匹。 「ほら、...
イタンデルセン童話 | 2015.01.06 Tue 21:31
図書館が見えて来る、 ほんのみちがもう少しで終わりの所です。 たくさんのたくさんの小さな銀のナイフの光。 なかでも大きな三つの光が、 そうです、読書に相反する山猫のリーダー格、 エジギリ、マニモ、ボログソクの三匹が、 ずい、とリンリさんの前に出て来ました。 さすがのリーダー格、 刀と呼べる程に特別に大きな銀のナイフを それぞれが持っています。 リンリさんにはその銀の光で そこに何かがいることがわかります。 「おうおうおう!」エジギリ。 「も一つおう!」マニモ。 「も一つおう!...
イタンデルセン童話 | 2015.01.06 Tue 21:29
「よっぽど試練だわ!」 リンリさんは涙を流しながらまた怒っています。 あまり怒らないリンリさんが この物語に限って怒ってばかりです。 そして決意します。 これから現れるその敵というものが何であろうと、 やっつけるしかありません。 何としてでも図書館に行き、 『Difficult Book』を読むしかありません。 そしてこびとに、 台無しの逆の台無しをしてもらうのです。 こびとはそれが出来るはず、 いえ、むづかしい本の力がたとえ何であろうと、 その奇跡を起こしてもらうしかありません。 ...
イタンデルセン童話 | 2015.01.06 Tue 09:54
リンリさんがほんのみちに来た時には、 そのようなきらきらの光はもうありませんでした。 それでも何かただならぬ気配は感じられました。 リンリさんは目を凝らします。 するとわずかに銀の指輪のまとまりが 光って見えました。 「ミヨイ?」 銀の指輪のまとまりは動きません。 「どうだ?深手を負ったぞ‥‥」 リンリさんは急いでまとまりに駆け寄ります。 「ミヨイ!」 「なんだ‥‥声は聴こえるのか‥‥ なら喋らないんだったな‥‥‥‥」 かすれた笑い声が今はさらにかすれています。 「顔だけは修復で...
イタンデルセン童話 | 2015.01.06 Tue 09:52
ひとのものを見ても聴いてもいけないということ。 おそらく総合芸術にはそういうことがあるのです。 似通ってはいけないのです。 それならば、見ざる聴かざる、言うだけでござる。 テーマ:イタチョコシステム
ラシュキ | 2015.01.05 Mon 18:22
「ミヨイだ!」 読書に相反する山猫のようなものたちの 誰かが叫びますと、 「『Easy Note』だ」「簡単な留め書きだ」 「今宵は敵か」「今宵は味方か」 さざなみの輪唱が起こります。 知性を欠く分、勘はものすごくいいので、 ミヨイが言った「今宵は敵だ」、 を同時に言う事ができたくらいです。 「一網打尽だー!」 これを言ったのはなぜか、 山猫のようなものたちの方でした。 「いちもうだじんだー!」「いちもうだじんだー!」 言いながらいっせいにミヨイに飛びかかります。 ミヨイは手当たり次第、まさ...
イタンデルセン童話 | 2015.01.05 Mon 10:29
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