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「こびとの出入り口を開いたそうですね」 リョクコ司書補がリンリさんに 羨んだ調子で言いました。 それでやっと 昨夜にした事がそれとわかったリンリさんです。 見るとリョクコ司書補が 何だか泣きそうな顔をしていたので、 とても申し訳ない気持ちになりました。 また、可哀想にも思いました。 このように、自分にはよくわからないままに 試練といろいろな物事が進行しているようですが、 実は最近は、仕事の出来るリョクコ司書補こそが 司書になるべきだと思い始めているのでした。 ですが状況としてはリン...
イタンデルセン童話 | 2015.01.02 Fri 22:55
ミヨイがわざとらしく退散してしまうと、 リンリさんは、自分の投げた鳥のような木片の入った 二つの紙包みを、まあ一つは本当は鳥のモモなんですが とにかくそれらを拾い、机の上の本『Difficult Book』の 北北東か南南西の位置あたりに、西北西かそんな向きで、 改めて置きました。磁石も時間もないからです。 時計は10時10分になってしまっていました。____ [それでも] ゆれた二つの紙包みはふっと消え‥‥ ___________[はんぶんの] 細かく満たされていない条件のため_______________ [つぼが出来] 審査に...
イタンデルセン童話 | 2015.01.02 Fri 03:52
ミヨイがわざとらしく退散してしまうと、 リンリさんは、自分の投げた鳥のような木片の入った 二つの紙包みを、まあ一つは本当は鳥のモモなんですが とにかくそれらを拾い、机の上の本『Difficult Book』の 北北東か南南西の位置あたりに、西北西かそんな向きで、 改めて置きました。磁石も時間もないからです。 時計は10時10分になってしまっていました。_ [それでも] ゆれた二つの紙包みはふっと消え‥‥______ [はんぶんの] 細かく満たされていない条件のため______ [つぼが出来] 審査に時...
イタンデルセン童話 | 2015.01.02 Fri 03:40
「鳥のような木片を二つオレに」 ミヨイは助言をします。 「投げつけるんだ。それでオレは一時退散し、 お前は作業を続けられる。 10時までに全てを成し遂げなければならないはずだ」 リンリさんは素直に従うことにしました。 改めて鳥のような木片を二つ‥‥ 「あっ!」 一つは鳥のモモの包みでした。 そういえばこれも、公園の男から、 悪くならないうちにどうですかと、 一緒にもらったのでした。 肝心の鳥のような木片のもう一つは自宅に置いて来て しまったようでした。 おそらく磁石と同じところに仲良...
イタンデルセン童話 | 2015.01.02 Fri 03:37
リンリさんは今まで、 こびとの反対側の勢力「ミヨイ」とは、 なんとなく、やはり小さいもの、 たとえば小動物のように思っていました。 しかし目の前にいるそのミヨイは 普通の身長、体格の黒服の男のようでした。 よう、と言ったのには理由があります。 外見はほとんど人間の格好でしたが、 顔だけはまるで違っていましたから。 大きな一本の赤い角、いや耳でしょうか、 それが耳でしたら角はありません。 それが角でしたら耳はありません。 あとは黒い顔でした。 顔といっても他にはもう目立つ部品はなく、 ぐ...
イタンデルセン童話 | 2015.01.01 Thu 19:30
月明かりの夜でした。 何か特殊な、むづかしい形の月が出ています。 この月には呼び方があるのだそうです。 月明かりとはいえ光としてあまり明るくないので、 木漏れびはほとんど失われますから、 とてもたよりない不安な暗いほんのみちを、 今宵はしのびあしでリンリさんは図書館に向かって行きます。 まるでどろぼうです! それもうしろ向きに後ずさりです。 詳しくはうしろ向きにつま先から地につけて 今度はゆっくりかかとに体重移動するくり返しです。 ああ、リンリさんにもプライドがあります。 どうかこの奇...
イタンデルセン童話 | 2015.01.01 Thu 19:29
今日はリンリさんはコンタクトをつけていました。 ごろごろと台車がベンチに近付いて来ます。 麻酔で犬を眠らせ、それを乗せた台車でした。 「その後どうですか?」 台車を止め、背広の男は尋ねました。 それより犬の白目が気になるリンリさんでしたが、 「多分うまくやっているんだと思います」 とにかく現状そう答えるしかありませんでした。 それともミヨイの事でもきくべきでしょうか。 きいてしまう事で試練が台無しになる可能性もあります。 他にも何かが見えるライバルの事、自分はこびと側だという事、 ...
イタンデルセン童話 | 2015.01.01 Thu 19:26
こびとの森図書館の司書はただ一人、 もうじき退職という老人でした。 言葉は失礼ながら、人生ごと退職してしまいそうな、 ご高齢のおじいさんでした。 何日かに一度、図書館にやって来るのです。 リョクコ司書補とリンリさん、 他数人の職員、アルバイト一同、整列して迎えます。 「おはよう」 老人はリンリさんを見ると言いました。 「君は?」 「リンリと申します。 先日より司書補として着任いたしました」 「ふむ‥‥」 そこにリョクコ司書補が、 司書に近寄り、何かを耳打ちしました。 もしかす...
イタンデルセン童話 | 2015.01.01 Thu 19:24
二人で蔵書に貼る付表を作成しています。 今日のはとても古い本ばかりでした。 リョクコ司書補はまだ新人のリンリさんを 気にかけてちらちらと見ているのでした。 気にかけているのは他のこともあったのかも知れません。 それでもリンリさんは落ち着いて、 一冊一冊、丁寧に、 付表に図書名を記入していました。 「では、ミヨイの事もご存知ないと?」 リョクコ司書補がたまりかねたという感じで 続けました。 「全くわかりません。 なぜあなたが私のライバルなのか」 リンリさんだってわかりませんでした...
イタンデルセン童話 | 2015.01.01 Thu 19:22
窓から指した今日の木漏れ日は特別に二人を優しく照らしますが、 どうも意に背いてテキパキと忙しく、 二人はこびとの森図書館の書庫を整理しています。 時々どちらかの動きが止まり、 次には必ず小さい方が大きい方に何かの注意か指導をしています。 そしてまたテキパキとした時間があります。 「司書補のリョクコと言います。私も司書を目指しているんです」 なかなかはっきりとものをいう小さい方は、 背の高いリンリさんを下から、 つぶらな瞳でのぞきあげました。 リンリさんのようにフチのしっかりした 少し大...
イタンデルセン童話 | 2015.01.01 Thu 01:20
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