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JUGEMテーマ:気になる本 ☆2−9 「ねぇ、アスワド・・・さん。あなたも母さんのこと知ってるんでしょう?」 するとひどく疲れて不機嫌そうな声が耳元に返される。 「アスワドでいい。これからも鑑定を続けるつもりなら、俺に無駄に喋らせるな。肝心なときに起きられねぇぞ」 「ご、ごめんなさい」 ミリセントは慌てて口を閉ざした。 ――鑑定。そうよね、ここに来た事を公爵様にも連絡しなくちゃ。それに、見せに来てたお客さん、マクミラン様はどうしたんだろう・・・? この屋敷へ来てから驚く事ばかりだったが、...
たいむかぷせる。 | 2010.04.05 Mon 13:03
JUGEMテーマ:気になる本 ☆5−2 でも、リオが助かって、本当に良かった。 「兄さん。このチョコレートのすべてに毒が仕掛けられているんですか・・・?」 スワンがチョコレートの入った大箱を取り上げながらそう尋ねた。 「・・・ああ、そのようだな。それからも同じ匂いがする。それもかなり致死量が高いやつだな。これ1個で、一発であの世逝き間違いなしだ」 「ひぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・」 あたしとリオは、二人揃って顔を青くした。 「カノンが俺の鼻先にチョコを突きつけたから気が付いたもの...
たいむかぷせる。 | 2010.04.04 Sun 11:26
JUGEMテーマ:気になる本 ☆2−8 「こちらをお渡ししたします。トリシア様からお預かりしております飾り鎖です。これは『薔薇封じ』という名で、屋敷の主の証です。飾り鎖を持つ物は、屋敷の全てを司ることになります。詳しい事はまた後ほどご説明いたしますが、本来ならば薔薇封じの継承者に、屋敷の住人は逆らえません」 薔薇の飾り留めがついた鎖を受け取ったミリセントは、屋敷の名前にも不穏な響きがあることに気づいた。 ――このローズグレイブホールって『薔薇の墓標』って意味よね? この飾り鎖も『薔薇封じ』なん...
たいむかぷせる。 | 2010.04.04 Sun 11:25
JUGEMテーマ:気になる本 ☆3−2 ペルテローテは骨太の女性で、大皿のような顔は、お世辞にも美しいとは言えない。白髪混じりの髪を櫛で撫でつけて左右に分けて、たぷたぷ揺れる肉付きの良い耳たぶの上に、お団子に結っている。 「で、雄鶏のチャンティクリアのほうは?」 笑っている相手に付き合って、こっちも冗談めかして言ってみる。 「いい娘を見つけて結婚しました」 「今はあなたが店を切り盛りしている、それなのにまだ雄鶏の看板を掛けていらっしゃるのは何故ですか?」 「ああ、あれはとても古いものなん...
たいむかぷせる。 | 2010.04.04 Sun 11:25
JUGEMテーマ:気になる本 ☆5−1 ――そして、次の事件の始まりは、チョコレートだった。 「うっわ――――っ!チ・・・チョコレートだぁー、美味しそう――――!」 リオは歓声を上げる。 三兄弟との恒例のお茶の時間。 テーブルの上には、大きな大きなチョコレートの箱が置いてある。 この王宮に来て以来、色々な人たちから沢山の贈り物を頂くようになった。 前に紹介してもらった何とか大臣さんからとか、まだ会った事のない貴族のだれそれ夫人からとか・・・。 嬉しいけれど、一方的に貰いっぱなしは悪いわよねなんて思って...
たいむかぷせる。 | 2010.04.03 Sat 09:06
JUGEMテーマ:気になる本 ☆2−7 「えっ・・・あの、これって・・・誰?困るわ、このペンダント・・・大事なものなのに」 屋敷での不可思議続きのせいで、とうとうペンダントにまで異変が及んだのかとミリセントは不安になる。ペンダントをつまんで傾けてもみたが、困惑するミリセントの唇は、まったくよきせぬ言葉を発した。 「うるっせぇな。ミリーは俺に世話になってるはずだぜ。さんざんキスまでしといて、そりゃねぇだろ・・・な、ななななないいまのっ!私じゃない、私何にも言ってないわよ。それにキスって、なんの...
たいむかぷせる。 | 2010.04.03 Sat 09:05
JUGEMテーマ:気になる本 ☆2−6 「影とか・・・このお屋敷って幽霊ばかりだし・・・いったい母さんはなにをしてる人なの?」 「貴方の母上であるトリシア様には、特別な力がございます。私も詳しくは存じませんが、この場所と、お部屋を守る事が代々ファネル家に課せられた務めだそうです。ですが、トリシア様を狙う者たちもおり、お二人は屋敷を出られました」 「それは・・・いつ?」 「今から四年ほど前です。ミリセント様がビーハイブにいた理由もそのことが関係しております。トリシア様と貴方を屋敷から逃がされるとき...
たいむかぷせる。 | 2010.04.02 Fri 13:00
JUGEMテーマ:気になる本 ☆3−1 その店は、わたしが冒険の最中に見つけた。どうやって見つけたか、これにはちょっとしたエピソードがあった。 ほら、数週間前に兄のシャーロック・ホームズにもう少しで捕まるところだったじゃない。で、兄が警察を動かして、通りをしらみつぶしに探している間に、こっちはあり得ない場所に隠れていた。ベイカー通り二二一番地b、つまりはシャーロック・ホームズの下宿。スズカケノキをのぼって屋根の上に上がり、寝室の窓から中に入った。 あれからずっと考えていた。夜明けになって自...
たいむかぷせる。 | 2010.04.02 Fri 12:59
JUGEMテーマ:気になる本 ☆4−8 そんなあたしの視線に気づいた様子のルキアは、柔らかい笑みを浮かべてみせた。 「・・・ああ、変な話をしてしまってごめん。お詫びと美味しいお菓子のお礼に、いいところへ案内しょう。・・・きっと気に入ってくれると思うよ」 「・・・いいところ?」 きょとんとするあたしの手をとって、ルキアが言った。 「そ。さ、おいで」 「わぁ・・・っ・・・!きれい・・・!」 ルキアがあたしを連れて行ってくれたところは、王宮の外れにひっぞりと建つ、優美なガラス張りの温室だった。...
たいむかぷせる。 | 2010.04.02 Fri 12:58
JUGEMテーマ:気になる本 ☆2−5 「だって、触れるしあったかいわよ?さっきの人たちみたいに、甲冑着てたり、骨だったりしてないし・・・」 目の前にいるのは大変見目麗しい、物腰の柔らかな青年だ。 見知らぬ屋敷で幽霊に追い回されている間も、ミリセントはなぜか彼の言葉だけは信じられる気がしていた。こうして手を繋いでいられるほどに。 そして今、本人から告白された後も、どうしてもその手を振り解く気にはなれない。 「私が死人だと知って、お嫌になってしまわれましたか?」 哀しげに顔を傾けたアンセルの...
たいむかぷせる。 | 2010.04.01 Thu 09:47
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