家庭機能が崩壊した環境で育った私。自分の子どもは幸せに育てたい、育てられるはず、と思っていたのに、知らず知らずのうちにマルトリートメントは世代間連鎖をしていた。その結果、一人息子は高校2年生でドロップアウト。昼夜逆転から不登校・ひきこもりになった。しかも商売がうまくいかなくなった夫とも諍いが増えて家族関係が崩壊寸前になってしまった。「こどもの全てを受け入れる」「ありもままの子どもを受け止める」ことの意味を理解できなかった私が「息子のありのまますべてを受け止め、受け入れる」ことを繰り返し失敗し折れそうになることも多々あれど、現在も試行錯誤を続ける。幸せな家族関係、幸せな家庭を実現するために今日も失敗を反省材料に親とは何かを考える。
第一回目 「どうして言ったとおりにできないの?」が生み出す状況について どうして?なぜ、そんな小言? 昔々から言い習わされてきたと思える小言、「どうしてできないの?」「何度言ったらわかるの?」について、もう一度考え直してみましょう。思わぬ人間の姿が見えてくるかも。 「何度言ったらわかるの?」「どうして言った通りにできないの?」 おやおや、街中で耳を澄ませば、どこからでも聞こえてきそうなお母さんの小言ですね。 かく言う私も、幼い頃に母からさんざんそう言われて育ちました。 たしか妻も口癖のように子供達に言っていたような。 ためしに「まぁまぁ、そうガミガミ言わずに」ととりなしてみましょうか、 「だって、できないこの子が悪いのよ」と反撃されそうですね。 片付けの苦手な私には、妻がそう言いそうです。ああ、耳が痛い。 別に、できない私をあげつらっての話ではないのですが、世の中全般に“親はそのように 言うもの”、“子供はそのように言われるもの”と言う固定概念が発生してしまっているような 気がしますね。 人間は、子供の頃に聞かされた言葉遣いや体験などから、大人になってからの言葉遣い や行動パターンを決定しがちです。 例えば、会社の中でパワーハラスメントしてしまう人の多くは、スパルタな環境で育った人 が多いようですし、DV事件を起こしがちな人のほとんどは、親からDVを受けたり、親のD Vの現場を見て育った人なのだそうです。DVを受けてしまう人も同様の環境で育った人が 多いという報告があります。 人間だけでなくほとんどの動物は、生き延びるために色々な事を記憶し、その記憶に基づ いてその場の行動を選択します。例えば、仲間が危険な目にあった場所には絶対に近づ こうとしないですし、良く似た場所にすら危険を感じて近づきません。 「君子危うきに近寄らず」と言いますが、それは生きとし生ける物全てにあてはまる教訓な のでしょう。人間が、言葉を基本とした知恵を獲得していく中でもその習性は残り続け、経 験した事、見聞きした事を中心に言動パターンを構築していきます。 「何度言ったらわかるの?」「どうしてできないの?」は、古今東西あらゆる 場所で発せられた言葉なのでしょう、実に沢山の方々の記憶の中に組み込まれているが ために、現代社会でも様々な場所で繰り返されているのですね。 しかし残念ですが、その言葉が効力を発揮し、 子供達がお母さんの言う事を良く聞く、大人しい 子供に変貌したと言う話は聞きませんね。 では何故、その言葉では効力が発揮され ないのでしょうか・ 次回は、その事について考えてみましょう。
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