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最後の朝がきた。 その日の九時に、介護タクシーが迎えに来ることになっていた。タクシーに乗るのはわたしひとりだ。転院先の病院まで、家族は車で追いかけるのだ。 朝、いつもより早い時間に主治医の先生が回診に来てくれた。少し話をして、最後の挨拶をした。看護士さんはみな忙しそうで、改めてお礼を言う暇はなかった。まだ車椅子生活だったから、転院の支度も全部家族にしてもらう。わたしはすることがない。ただ時間までベッドに横になっているだけだった。 少し早い時間に、介護タクシーが到着した。知らない男の人が、ス...
12th crowns | 2015.02.02 Mon 08:36
JUGEMテーマ:入院 <書類や証明書> ・診察券・健康保険証・限度額適用認定証、もしくは標準負担額認定証・介護保険証(持っている方のみ)・身体障害者手帳(持っている方のみ)・医療受給者証(持っている方のみ)・特定疾病受給者証(持っている方のみ)・入院に関する書類・退院証明書(3か月以内に他の病院で入院していた方)・現在飲んでいる服、お薬手帳・印鑑<生活用品など> ・寝間着(●)、下着 →体の不自由のある方は、前開きのものや浴衣が良い ・普段着、靴下→リハビリの入院の方。上着は前...
向井恭一のJUGEMブログ | 2015.01.29 Thu 10:11
網膜裂孔の日帰り手術に行ってきた。 普通に大学に行って、一度家に荷物を置いて、それから銀行でお金を降ろして、病院で手術を受けて、支払いを済ませて歩いて帰宅した。瞳孔を開くのは片目だけだったから、タクシーは使わなかった。 こういうとき、ひとりはいやだなあと思う。 以前はそれほど思わなかったけれど、交通事故で入院した頃から、自分はほんとにひとりだなあと思うようになった。 結婚の目的とか有利な点って、子育てとか遺産とか色々言われるけれど、個人的に最も重要なのは、大事な人の命が危ない状態になった...
12th crowns | 2015.01.21 Wed 17:22
去年の年末年始は病院で過ごしていた。秋に事故で大怪我をし、まだ退院できなかったからだ。 その頃わたしがいたのは、事故の直後に運び込まれた救急病院ではなく、リハビリのために転院した回復期用の病院だった。建物は明るく、スタッフのひとたちも優しく、どこかのんびりとしていた。わたしのベッドは窓際で、大きな硝子窓の向こうには、広々とした道や民家が見えた。横断歩道をひとつ渡ったところにあるコンビニに、今のわたしたちは行くことができないのだった。 そのときのわたしは、まだ新しい病院に慣れずにいた。担当看護...
12th crowns | 2015.01.01 Thu 02:23
治療のため月に数日、定期的に入院してるのですが、何度も入院してるうちに「これだけは持っていないと困る」というものが幾つか出てきました。 まず、「ふりかけ」。最近はだいぶ改善されてるみたいですが、病院食ってのはとにかく薄味なんですよね。ただでさえ食欲が無いのに、味の薄いものって食べる気がしなくなりがちなものです。そんなときにあると重宝します。数種類がミニパックになってるようなのがおすすめ。 「カナルイヤホン」。耳に深く差し込んで使うタイプのイヤホンですね。テレビを見たり音楽を聴いたりするときに...
物知りになりたい! | 2014.11.27 Thu 11:42
急性ストレス障碍、というものがある。 詳しくはこちら 大きな事件があったときによく話題になる。だからわたしも、リンク先にある程度の知識は持っていた。 事故の後痛みが落ち着いたとき、このことが頭に浮かんだ。わたしもあの発作を起こすのではないか。でも、なかなかそんな発作は起きなかった。不安がる一方で、フラッシュバックというものがわたしには理解できなかった。その場にいるかのように過去のことを経験するって、どんな感じなのだろう。映画を見ているようなもの? でもそれだと臨場感に欠ける気がする。 その...
12th crowns | 2014.11.26 Wed 18:28
JUGEMテーマ:女性の病気 JUGEMテーマ:自分のこと JUGEMテーマ:乳がん・乳癌・乳ガン JUGEMテーマ:病気 JUGEMテーマ:入院昨年の12月に肺転移が見つかり、今年の12月10日に摘出手術が決まりました。およそ1年経過での手術選択となりました(その間はアバスチン&パクリタキセル投薬)が、これで終わらないのが再発治療なのでしょう。コメントを頂いた方は肺転移の腫瘍を手術後は無治療を選択されたようですが、私の主治医は手術後もある程度の期間の抗がん剤を提案されている。途中で休薬もありとの事。私の乳が...
乳がん宣告、2年半後に肺転移!どうなるの? | 2014.11.23 Sun 15:49
あの瞬間から1年が経った。 横断歩道を渡っている途中に車に撥ねられ、重傷を負った、あのときだ。 お昼少し前だった。その日は3限から、講義をひとコマだけ入れていた。いつも少し早めに家を出ることにしていたから、お昼には大学に着いているはずだった。 だけど、わたしはいつも歩いていた横断歩道を渡りきれなかった。そして、大学ではなくて、病院に運び込まれることになった。 少し前に文化人類学で、臨死体験についての講義を受けた。実はわたしはこうしたことについては、昔はかなりのビリーバーで、(それは所謂黒歴...
12th crowns | 2014.11.15 Sat 16:50
連載記事です 目次はこちら 車椅子に乗れるようになって数日後に抜糸があった。手術をしたのは左の肩と膝と足首だけれど、抜糸は肩と足首だけだ。 数人の医師が病室にやってきた。消毒のときと同じだ。K先生がいた。もうひとり知ってる人がいる。シーネをつくってくれたY先生だ。 先生たちはまた、足元でなにか話しだした。でも、消毒のときほどは怖くなかった。 「じゃあ抜糸をするよ」 そう言ったのはなぜかY先生だった。 看護士さんが寝間着の左肩を開いた。(この少し前、わたしはやっと病院の寝間着を着られるようにな...
12th crowns | 2014.10.09 Thu 19:16
連載記事です 目次はこちら それからの数日を、わたしは怯えながら過ごした。光は少しずつ細く、少なくなってきていたけれど、黒い星屑は一向に消える気配がなかった。 気晴らしにと妹が文庫本を持ってきてくれた。無事だった右手で持って読もうとしても、光や点が心配でよく読めない。視力も落ちている気がした。特に右目、つまり飛蚊症も光視症も出ていないほうが酷かった。両目を使うより、左目だけのほうが見えやすいくらいだ。白内障が進んだのかもしれないし、単なる疲れ眼なのかもしれないし、もっと大きな異常のせいなの...
12th crowns | 2014.09.23 Tue 15:04
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