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JUGEMテーマ:SF小説 第10回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作ということで購入して読むことにした。 そもそも、ハヤカワSFコンテストって昔からある賞なのにどうして今回が第10回なのか、これまでどの様な作品が選ばれてきたのか、審査員が誰なのかも気になった。 Wikiで調べて、全ての疑問が氷解した。 私の知っているコンテストはやはり凄い賞だったのだが、私の大嫌いな神林長平が出て来たころから先細りしてきて、1992年に廃止に追い込まれた。飛びぬけた新人が輩出されないと同時に私もSFから...
vivahorn の図書館 | 2023.03.08 Wed 17:34
それは先ほどまでの穏やかな表情ではなく、研ぎ澄まされた刃のような鋭い眼光を放つ戦士のものになっていた。 ――もちろんある。だが、その前にまず一つだけ聞かせてくれ。 なぜ、私の元を離れた? ――それは……。 ――お前は私を裏切らなかったはずだ。なのに、どうして私の側から離れていったのだ? 健一は黙り込む。 しばらく沈黙が流れた後、彼はゆっくりと口を開く。 ――すまない。理由は言えないんだ。でも、決してあんたのことを嫌ったわけじゃない。それだけは信じて欲しい。 健一の言葉を耳にして、男は目を細...
J\'s徒然日記 from 1982〜20XX | 2023.02.25 Sat 01:26
ダニエルと健一はそれから昼夜、化物退治に向けて猛烈なまでの鍛錬を繰り返した。 二人の力は日を追うごとに増していき、ついに健一の実力はダニエルを完全に上回った。 そんなある日―― ダニエルが健一に語りかける。 ――健一くん。少し話があるんだが聞いてもらえるかな? ――ん?何の話だ? ――実は今日、君の師匠である剣聖から連絡があったんだ。 何でも、君に会いたいらしい。 だから、今から一緒に彼のところまで行ってみないか? 健一はしばらく考えた後、答える。 ――よし、行こう! 二人は支度を整えた後、車に乗り込ん...
J\'s徒然日記 from 1982〜20XX | 2023.02.22 Wed 19:44
それから、数日後―― 「健一くん、今日から私が君の師匠になるから、しっかりついてくるように」 「はい、分かりました」 健一はダニエルの指導の下、修行を開始した。 「まず最初に、君に覚えてもらうことは二つある。 一つは戦闘における心構えだ。 もう一つは己の肉体をコントロールする方法だ。 前者はともかくとして、後者は一朝一夕に身に付くものではない。 だからこそ、時間をかけてじっくり取り組む必要がある」 「はい、頑張ります」 「うむ、良い返事だ。それじゃあ、始めようか」 「お願いします」 「先程も...
J\'s徒然日記 from 1982〜20XX | 2023.02.21 Tue 20:45
「まあいいや。それより、あんたには聞きたいことが山ほどあるんだ」 「分かっている。とりあえず、落ち着けるところへ移動するとしよう」 「そうか。じゃあ、俺は美樹と一緒に留守番をしてるから、話は二人で済ませてくれ」 健一はそれだけ言うと、奥の部屋へと消えていった。 「さて、邪魔者もいなくなったことだし、早速本題に入ろうか」 ダニエルはソファに腰掛けると話を切り出した。 「あなたは一体何者なんだ?何故、あんな化け物に追われていた?」 「質問したいのはこちらも同じだ。 君は何のために健一くんの力を借...
J\'s徒然日記 from 1982〜20XX | 2023.02.20 Mon 23:51
「そうか……。まあ、別にいいけどな」 「いいのか?」 「だって、俺には何も出来ないからな。どうしようもないさ」 「ふむ、それもそうだな」 ダニエルもあっさりと引き下がる。 「しかし、これからどうしたものか……」 「そうだな……」 二人は考え込むような素振りを見せた。 「あの……、よろしかったら私の家へ来ませんか?」 二人の間に割って入るようにして、健一が口を開く。 「君の家だと?」 「ええ、実はこの近くに私の住んでいるアパートがあるんですよ。 ...
J\'s徒然日記 from 1982〜20XX | 2023.02.19 Sun 10:42
それがある時を境に、超能力に目覚めたのだという。 きっかけはある実験への参加であった。 男はある薬品の実験台となったのだが、その薬のせいで超能力を得ることになったようだ。 ちなみに、その時の薬品というのがどういうものかというと、服用すると一時的に肉体が強化されるという代物なのだとか。 つまり、ドーピング剤である。 「なるほど、そういうことだったのか」 健一は納得したように呟いた。 「これで、分かって頂けましたか?」 「ああ、十分に理解できたよ。 それで、俺にはいつまで付き合えばいいんだ?」 ...
J\'s徒然日記 from 1982〜20XX | 2023.02.18 Sat 14:42
「そうか……」 ダニエルはそれ以上追及しなかった。 やがて、一行はある場所に辿り着いた。 「ここは一体?」 健一は辺りを見回した。 そこはどこかの広場のような場所である。 「見ての通り、開けた場所ですが何か?」 「そんなことを聞いているんじゃない。どうしてこんな所に連れ出したのか聞いているんだ」 「なるほど、分かりました。ちゃんと説明してあげましょう」 男は微笑みを浮かべると、おもむろに説明を始めた。 「実は、私はここで超能力の訓練をしているのです」 「超能力の訓練だって!?」 ...
J\'s徒然日記 from 1982〜20XX | 2023.02.17 Fri 19:46
健一は何とも言えない表情を浮かべる。 「それに?」 「俺が知る限り、この世で一番優れた超能力の持ち主だったのは、間違いなく彼の方だったからさ。 だが、どうしてそんな人があんな真似をしたんだ?」 「それが分からないからこそ、君はこうしてここにいるのではないか?」 「そうだったな。 とにかく、そのダニエルさんという人に会わせてもらえるか?」 「いいだろう。君もきっと気に入るはずだ」 ダニエルは健一を連れて洞窟を出た。 そのまま森の中へと入っていく。 「どこへ行くつもりなんだ?」 「ここからもう少...
J\'s徒然日記 from 1982〜20XX | 2023.02.16 Thu 22:45
健一は嬉しそうに言った。 「では、また会おう」 そう言うと、ダニエルの姿は消えてしまった。 「あれ、あいつどこに行ったんだ?」 健一は不思議そうな顔になった。 しかし、すぐに思い直す。 「まあいいか……。それより腹が減ってきたぞ」 空腹を感じた健一は、おとなしく料理が来るのを待つことにした。 やがて用意された食事を平らげた後、健一はベッドの上で横になっていた。 そこへ再びダニエルが現れた。 「やあ、待たせたね」 「別にそれほど待っちゃいないさ。 それよりも、そろそろ聞かせて...
J\'s徒然日記 from 1982〜20XX | 2023.02.15 Wed 22:29
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