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これまでに読んだ退行催眠による過去生の探求や、いわゆる「前世療法」を扱った本に比べると、実証的な姿勢がある点がよい。クライエントが語った過去生の記憶を実証的に確認した結果をある程度語っているのだ。ただ全訳ではないので、もっと実証的な部分は翻訳では省略されているかも知れない。少なくとも、いくつか挙げられた事例から判断して、実証的に確認できる事例を、著者がかなり持ってい るようだということは分かる。 一例を挙げよう。アメリカ人である女性が、アレックス・ヘンドリーという男性として19世紀後半のスコッ...
日本の心を求めて | 2015.05.11 Mon 19:37
前著さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる』は、平易さと説得力をかねそなえた新しいさとりの書だった。新著も、期待にたがざず素晴らしい。使われる言葉は、「幻の自己」「エゴ」「いまに在る」「大いなる存在」「ペインボディ」など、前著と大きく変らない。その平易さと、一つ一つの文章が訴えかける力も相変わらずだ。しかし、より丁寧に、これでもか、これでもかという風に「エゴ」の実態を暴いてくれる。 さらに人類史という視点からさとりを語っているところが新鮮で、しかもこの混乱の時代だからこそ、深く共感を覚え...
日本の心を求めて | 2015.03.07 Sat 12:57
著者は、気鋭の文化人類学者。この著者の本を読むのは初めてだ。他に『性・ 死・快楽の起源―進化心理学からみた「私」』(福村出版)があるが未読。 実に刺激の多い本だった。シャーマニズム、葬送儀礼、臨死体験、セックス、瞑想、サイケデリックス‥‥と多岐にわたる話題を扱いながら、地球上の多様な文化における意識の在りようを、示唆に富む新鮮な視点から描く。文化人類学者としての豊富なフィールドワークや知見を縦横に駆使して、変性意識状態と政治権力との 関係が文化によっていかに変化に富むかを見事に描き出す。 狩猟...
日本の心を求めて | 2015.03.07 Sat 12:29
佐々井秀嶺は、アンベードカルの志を継いでインドの仏教徒の中心的な存在となっている日本人だ。この人物の伝記は、最近新書で復刊された『破天 (光文社新書)』に詳しい。佐々井秀嶺の活躍については、2004年にフジテレビ,NONFIXで放映された。本書はその時に取材されたデータをもとに文章化されたものだ。2004年時点での佐々井秀嶺が、実際にインド仏教のためにどのように働き、インド仏教徒にどのように信頼され、どのような健康状態で、どのようなことを考えているかが、つぶさに語れている。日本では語られることの少ない佐々井秀...
日本の心を求めて | 2015.03.07 Sat 12:15
◆『インド死者の書』宮元啓一(すずき出版、1997年) インド人の古代からの死についての考え方やイメージをさまざまな伝承などに触れて陳列していくような前半部分には、あまり興味をもてなかった。しかし、第三章「魂あるいは輪廻するもの」はたいへん興味深く読むことができた。 インド哲学は、一般に輪廻するものの正体をアートマンとするが、インド六派哲学の各派によって、アートマンがどういう状態になったとき輪廻から解脱するのかについて、考え方がかなり違ってくる。それぞれの派の考え方の違いをかんたんに整理して学ぶ...
日本の心を求めて | 2015.03.07 Sat 12:09
若き日に読んでかなり影響を受け、その後仏教への共感を深めていくきっかけになった一冊だ。鈴木大拙の著作の中で、世界でそして日本で最もよく読まれた本であろう。欧米に禅ブームを引き起こすのに一役も二役も買った。 禅は日本の文化にどんな影響を与えてきたか、そして禅とは何か。もともと欧米人のために英文で書かれた。そのためか随所に心理学的な用語が用いられている。かえってそれが、現代の日本人にも新鮮な禅との出会いを可能にする。私が「心理療法の考え方に通じる」と 「発見」したのも、そんな表現法によるところが...
日本の心を求めて | 2015.03.07 Sat 11:42
『老子』の原文からかなり自由に翻訳された現代的な『老子』だ。ほとんど新たな創作といってもよい。それでいて老子の精神が直截に伝わってくる。まるで現代のグルがやさしく語りかけるような分かりやすい日本語だ。それをいっきに読み進むと、なるほど老子が伝えようとした精神とはこういうものだったのかとエッセンスが伝わってくる。老子の素晴らしさ、タオの素晴らしさに新たに出合えたような感じだ。 そして、今度じっくり原文を読んでみようという気持ちになる。実際に原文にあたると、原意をくみ取りながらもかなり大胆で自...
日本の心を求めて | 2015.03.02 Mon 21:09
著者の仏道にかける並々ならぬ思いが伝わる。何かが直接に響いてくる。形なき「いのち」が、著者の全人格体に充溢し、大漠流となって吹き抜けるという。その「いのち」のほんのひとかけが、私にも働きかけて来ているような感覚にとらわれる。 著者に顕現した「いのち」、それへと向かい行く著者の姿勢のすべてが、それに触れる私のたましいをなにがしか浄化してくれるような気がする。 「ダンマというのはダンマとしか言いようのない、実は言葉では著すことの出来ない、形のない「いのち」そのものです。今日の言葉で言うと、宇宙を...
日本の心を求めて | 2015.03.02 Mon 21:01
ヴィパッサナー瞑想と心理療法の融合。ヴィパッサナー瞑想の側から心理療法的な方法との接点を「瞑想レッスン」として実践する本は初めて読んだ。瞑想は、一人で行う瞑想ばかりでなく、二人で、三人で、あるいはグループで、その関係性を気づきの対象として、関係性を鏡のように気づきの反射として、サポートし合ったり、共鳴しあったりして瞑想をすることが可能だという視点は新鮮だ。 ここに紹介されている瞑想(あるいはワーク)の多くは、著者が西洋人に瞑想を指導するなかでサイコセラピーに出会い、それに刺激されながら考案...
日本の心を求めて | 2015.03.02 Mon 20:36
仏教および瞑想、禅などを心理学や心理療法の観点から捉えなおすという試みは、欧米諸国では盛んになされ、私自身も深い関心をもってそうした視点から人間性心理学やトランスパーソナル心理学を学んできた。 この本は、理論面で新たな貢献がある分けではないが、日本の研究者による数少ないその取り組みとして貴重であり、後半部で瞑想と心理療法を実践的な視点から比較し、両者の実践上の問題を議論する部分から学ぶところが多かった。 もちろん著者は、瞑想が通常の心理的な治療を超えた深さをもつゆえに適用を間違えば深刻な...
日本の心を求めて | 2015.02.26 Thu 15:25
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