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JUGEMテーマ:詩 ぐるぐる回るコーヒーのミルク 用水路の穏やかな流れ 溜池を飛び立つ鳥の波紋 静かな湖 怒り狂う鉄砲水 霞む霧雨 一メートル先も見えない土砂降り 回転し 流動し 波を立て 時に優しく 時に恐ろしく 時に情緒的で 時に家からも出られないほど激しい 水はまるで人の心のようで そこにあるのに形を持たない 先を読もうとするほど疲れ 放っておくと足下まで押し...
SANNI YAKAOO | 2023.06.13 Tue 22:32
JUGEMテーマ:詩 ツイツイとアメンボが滑る シトシト雨のアジサイはとても綺麗で カタツムリの親子がフワフワと葉をなぞる 白いバラは枯れて 鉄のアーチにはサビと雫 真っ赤なレインシューズの足下には水溜りがあって パーカーのフードが髪の毛に湿気を伝える 切ない雨 遊歩道に風情を降らせる 懐かしい雨 街を思い出で濡らす
SANNI YAKAOO | 2023.06.12 Mon 22:37
JUGEMテーマ:詩 ドス黒い海に逆さの花火 音が背中を叩く けど振り向かない 誰も見ていない黒い海の 船が波に踊らされる向こうの 逆さの花火にだけ視線のピントを合わせる 星が写らない海はどんな夜空より黒く どんな沼より塊の質感がある 逆さの花火はまるで印象画のように 塊の上に塗られ 滑るように消えて 誰も知らないどこかへ眠っていく 音が背中を叩く度 一枚 また一...
SANNI YAKAOO | 2023.06.10 Sat 16:23
JUGEMテーマ:詩 濁流が走る 石 魚 木 ボール プラスチックの破片 淀んだ水が縛り付けて逃がさず あちこち手当たり次第に流れに引き込む 堤防の傍 足下までせり上がった川面 雷鳴にも似た轟音の連続 少しずつ押し寄せる水辺に耐える 季節外れのタンポポが一輪 春の尻尾 夏の鼻先 間に挟まれた梅雨のくしゃみで川が増す 走る濁流の縁側で なんとか夏を見るまではと ...
SANNI YAKAOO | 2023.06.09 Fri 22:10
JUGEMテーマ:詩 夜な夜な人形が動き 犬が怒って退魔の唸りを上げる 猫は空中を見つめ この世ならざる者を獲物と定め 四肢を屈めて臨戦態勢を取る 人が 人だけが見えざる者に無頓着で ただひたすら胸中の幻に怖気づく 夜な夜な人形が喋り 人が 人だけが脳内の影に怯えている 人が獣の上に立っていると思い上がり その実 犬や猫にも内面が劣ると 夜な夜な人形が試しに来る ...
SANNI YAKAOO | 2023.06.08 Thu 22:23
JUGEMテーマ:詩 渦巻く空 雲が群がり 雨を叩きつけ 風を走らせ 紫の閃光に雷鳴を響かせる 堤防から鳥影が飛び立ち 怒る海面に岸壁が堪える 夜でもないのに太陽は去った 鳥はもう戻って来ないだろう 渦巻く空 さらに雲が群がる 水平線が溶けるほどの乳白色 カメラには何も写らず この眼だけにあやふやな堤防の輪郭が残っている 落ち込めば落ち込むほど 高揚す...
SANNI YAKAOO | 2023.06.06 Tue 22:35
JUGEMテーマ:詩 空が白い 橋も海も コンビナートもガスタンクも 自分の黒い車だけが辛うじて 白に飲み込まれる手前で踏みとどまっている 昨日嫌なことがあったのに 今日は今日でたった一人で 悲しみを分かち合う人もいないのに どうして不思議と寂しくなく 何かに抱かれている気がするんだろう 橋を越えていく自分をもう一人の自分が見ている さようなら もう戻らない日々 ...
SANNI YAKAOO | 2023.06.05 Mon 21:34
JUGEMテーマ:詩 潰れるトマト 弾ける種 誰にも食べられることなく 干からびるまで艶やかに在り続けて 変色し始めた葉っぱを見上げている 隣の畝はまだまだこれから 小ぶりな青いトマトが夏を待ちわびている 小鳥が種を啄みに来るだろう 虫が弾けた実を舐めに来るだろう そして夏が来る前に土に還り また青い茎になり 青い葉になり 花を咲かせて 実になる時を待つ 潰れた赤...
SANNI YAKAOO | 2023.06.04 Sun 16:56
JUGEMテーマ:詩 耳を揺さぶる羽音 窓にぶつかる小さな衝撃 光を跳ね返し 宝石のように煌く 緑色の中に七色が混ざる コガネムシが窓の外 興味深そうに部屋を睨んでいる ここに餌はないけど それを知らない飛ぶ宝石は サッシに着陸して触覚を振る 指でつまみ 外へ逃すとすぐに羽ばたき 羽音を残して空に吸い込まれていく 久しぶりの小さな客人 見送った後も窓を...
SANNI YAKAOO | 2023.06.03 Sat 10:20
JUGEMテーマ:詩 星にもうひとつ星が埋まり 空にもうひとつ空が重なる のそのそ歩くゾウムシは 鏡写しのコピーの森で 上下左右反転した自分と入れ替わり 何事もなかったかのように木の根を越えていく 意識は曖昧 精神は硬直 肉体は火照り 視界が収束する 埋まる星に空が重なり ゾウムシが木の根を戻っていく 立ちっぱなしのルーティンワークが四時間 なけなしの想像力が逃げ...
SANNI YAKAOO | 2023.06.01 Thu 22:58
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