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1 〈一九二六年〉 わたしは醜い。 「おかあさんはどこにいるの?」 父にそう訊いた当時のわたしも充分醜かったと思う。わたしは四歳だった。 わたしの知る限り、ゴーント家の人間はみんな不具だ。 薄暗い、日の射さない部屋。あかあかと燃え盛る暖炉。ムウッと汚物の臭いがこもっている。ザラッ、と砂ぼこりがうすく床をおおっている。おかあさんが掃除をしていないのだ、もう丸三日、姿をみせていない。 足元で、地べたにかがみこんで、兄が壺に飼った蛇を殺して遊んでいる。蛇の血と内臓がそこ...
Note d' Ecrire | 2008.01.12 Sat 18:35
筆者アスナが意識して物を書き始めたのは、小学校6年生のことでしたから、もう7、8年前になるのですね。 ここには、処女作「緑の瞳」以前に書かれた作品を放り込んでおきます。主に筆者アスナの自己満足です。バックアップのデータがとんだときとか火事で原稿が全部灰になったとき(そんなことが起こりませんよう!)、オンライン上にデータがあったら大丈夫よね、という不純な動機で置いています。 読んでいただくと、今の方が十分ましということに気づきます。 書いたのが旧い順でご紹介しますね。クリックすると、別...
Note d' Ecrire | 2007.12.29 Sat 15:11
――地上はどうでしたか? ――・・・。 ――ガブリエル? ――いえ、大丈夫、ラファエル。 ――俺は今回は上手くいかん気がするのだが。 ――ミカエル、主を信じましょう。 ――ともあれ、信仰の種はまいたのですから、あとは主のご意向次第です。 『主のご意向一つで、何もかもが上手くいくほうがおかしいよ、姉さん』 << ◇>> JUGEMテーマ:パロティックファンタジー
Note d' Ecrire | 2007.11.27 Tue 20:16
ハエの王の妻の話 Written by Crew Asna 序 神はそれを見て、よしとされた。<創世記より> 1 15世紀後半、ヨーロッパ西部。 降り続いていた雪がやんでしんと静まり返った、風の強い真夜中、辺りが一瞬白く光り輝いたかと思うと、イングランド北部の一寒村に《天使》が降りてきた。年の暮れのことである。 家の糸車の前にいた一人の乙女がその光を見たが、他の者には何も見えなかった。皆寝静まっていたのである。乙女は突然目の前を覆った清浄な光に驚いて声を上げ、目をぱちくりさせて辺りを見...
Note d' Ecrire | 2007.11.27 Tue 20:15
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