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やこは夜中に熱心に洗面台を掃除していた。 できもしないのに朝までに家中をピカピカにしようと本気で考えていた。 掃除をしているには眠れない訳があった。 最近変な夢を見るのだ。 追われる夢、殺される夢… 今朝は高校時代の数学教師とsexする夢だった。 もちろんキモいオヤジだ。 原因は何となくわかっていた。 少しだけ寝苦しい春の陽気。 そして、いつもどんな時も まとわりついて消えない優鬱な気分のせい。 お昼間はお天気の良い素敵な一日だったのに… 憂鬱な気分はいつも 存在を忘れ...
事実は小説よりも青し | 2015.04.26 Sun 04:26
JUGEMテーマ:連続ブログ小説JUGEMテーマ:連載 「なんですって!?」 ビリヤードの世界においても噂というものは一人で歩き出すらしい。ゴスロリ少女、葵の情報源は主に兄からのものだったが、彼女がライバル視している佐倉南が試合でマスワリを出し、しかも準優勝したと聞いてはただ事ではない。 葵の住む酒井家の豪邸の中にはビリヤードルームが設置されていた。それは彼女の自室の隣にあって、専属のプロがコーチのために雇われ、空いた時間をいつでもレッスンに当てられるようになっていた。 高校一年生になった...
Race to Eleven 〜 レース・トゥ・イレヴン | 2013.01.23 Wed 01:30
JUGEMテーマ:連続ブログ小説JUGEMテーマ:連載 「オレやったらこんな感じのセーフティやな。この状況での『攻め』はあり得へんな」 ギャラリーの一人が連れの参加者と小声で話しかけている。セーフティとは、的球をポケットインすることを目的とせず、的球を隠したりシュートしにくいポジションに移動させることで相手を不利にするためのショットを指す。 ポケットビリヤードのゲームにおいては、すべてのボールを順番にポケットインしていければそれで良いが、必ずしもそうとは限らない場面に出くわすことがある。そうし...
Race to Eleven 〜 レース・トゥ・イレヴン | 2013.01.09 Wed 00:47
JUGEMテーマ:連続ブログ小説 秋の終わり、朝から大雨・大風と雷がやたら激しい。こんな日はなにかが起こる。会社では、社内システムのうち交通費精算システムの仮運用が行われていた。磯野:「あれぇ? 承認画面おかしいんだけど!」金子:「え? 今日は承認設定日だと思うんですけど?」磯野:「え〜、いつもと同じタイミングですよ?金子さん、忘れた?」金子:「それは・・・そうでしたね・・・」 全員が長井のほうをみつめた。 長井:「磯野さんからのヒアリングでちゃんと設定しましたよ。 第2週の...
神なるかな 神なるかな 無声に至る | 2012.12.26 Wed 15:49
JUGEMテーマ:連続ブログ小説JUGEMテーマ:連載 「宇治っていうからお茶のイメージだったけど、茶畑って意外にみあたらないんですね」 「そんなこと言ってたら宇治の人に怒られるわよ。平等院だってあるんだから」 「あたし抹茶アイスが食べたい!」 「いい加減に抹茶から離れなさいよ!食べたくなっちゃうじゃない…」 二人は車中でこんな会話を楽しんでケラケラと笑いながら今日の会場へと足を運んだ。 郊外型の大きな駐車場に車を停めるとバタンという大きな音でドアを閉め、トランクからそれぞれのキューケースを...
Race to Eleven 〜 レース・トゥ・イレヴン | 2012.12.25 Tue 04:25
JUGEMテーマ:連続ブログ小説JUGEMテーマ:連載 堀川ビリヤードは、以前は昔ながらの地味なビリヤード場だった。古きを残しながらも新しさを感じさせる、今はそんな風に生まれ変わっている。そのことをお客にアピールしているのは意外にもステンドガラスの存在だった。 新装開店して、店の軒下にはいくつもの花輪が立ち並ぶ。おおかたはこの町内の商店や常連客が勤めている会社からなどだった。花輪の花はたくさん持ち帰られる方が縁起が良いとして、近隣の主婦らが百合や蘭など、好き好きに物色していた。ステンドグラス...
Race to Eleven 〜 レース・トゥ・イレヴン | 2012.11.02 Fri 05:03
JUGEMテーマ:連続ブログ小説 社長が独立して間もなく、周は知り合ったのだが、親子ほど離れた年齢差は、もはやビジネスパートナーとはいえない。自ら、「ワタシハ、ヤトワレシャチョウデスカラ」と言うように、誰もがそう思っている。雇われ社長、などという日本語をどこで覚えたのだろうか。とにかく、周はこの会社では数少ない古株の一人である。社長のいう中国人SEとは、この程度の日本語力を想定しているのか。はたから見ていた奥田は、効率の悪さを感じた。それなら、中国語を話せる日本人を1〜2人雇って、中国へ出張さ...
神なるかな 神なるかな 無声に至る | 2012.10.09 Tue 12:16
JUGEMテーマ:連続ブログ小説JUGEMテーマ:連載 第五章 ブレイクランアウト 第77話 新生「堀川」とお嬢の決意 京都市の中心部よりやや西寄りに位置する堀川ビリヤードは、かつては中華料理店だった。この界隈の地主である相田氏が窮状に貧するマスターと出会い、彼にこの料理店の跡地をビリヤード場として再開するときに店主として迎え入れたのはもうずいぶんと昔のことだった。その当時は日本全国にビリヤードブームが巻き起こっていたので、経営に苦慮することもなく、お客の方から勝手に来てくれていた。 お客が成熟...
Race to Eleven 〜 レース・トゥ・イレヴン | 2012.10.02 Tue 14:49
JUGEMテーマ:連続ブログ小説 周:「コンニチハ。 キョウカラマタ、シバラクオセワニナリマス。」藤井:「あら、周さん。 そうだ、今日だったわね。 社長は、外出してるの。」周:「ソデスカ。 ジャ、カイハツセンタニイテマス。」上海社の中では、周がいちばん日本語がうまい。ただしそれは日常会話レベルであるので、ビジネス上では、危うさを否定できない。実際、彼とのメールのやりとりは、ある程度の推理と熟練を要する。信玄:「あ、周さん、こんにちは。 この前のメールは、試算表...
神なるかな 神なるかな 無声に至る | 2012.09.25 Tue 15:17
JUGEMテーマ:連続ブログ小説JUGEMテーマ:連載 前期試験が終わると長い夏休みがやってきた。老人ホームでのアルバイトに出かけようと、アパートの玄関で靴を履き替える佐倉を大家がいつものように見守っていて、この夏の暑さとともに一年前に大家と深く知り合った日のことを思い出す。 そのときは耳にイヤホンをしていたが、佐倉は知り合いの前ではそうしたことをしなくなったし、暑い日は帽子をかぶっての日射病対策も疎かにしない。たった一年のことで少し逞しく、そして強く成長したように大家は感じていた。 「い...
Race to Eleven 〜 レース・トゥ・イレヴン | 2012.09.11 Tue 04:52
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