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(一番最後に重大なネタバレがあるのでご注意ください) 読書歴を追っかけて記録を確認したところ、今まで読んだ芥川賞受賞作は15人15作。読んだ順番は違うが受賞年の古い順に以下の作品。(読書歴を付ける以前は好みのジャンルしか読まなかったので芥川賞受賞作なんて守備範囲の外だった) 安部公房「壁 S・カルマ氏の犯罪」、池田満寿夫「エーゲ海に捧ぐ」、高樹のぶ子「光抱く友よ」、南木佳士「ダイヤモンドダスト」、川上弘美「蛇を踏む」、柳美里「家族シネマ」、平野啓一郎「日蝕」、玄月「蔭の棲みか」、松浦寿輝...
@東京都オタ区 | 2015.08.30 Sun 15:04
もしこの本を何処かで眼にしたら、まずは本人のあとがきを読んでもらいたい(編集者のあとがきの前にある)。物足りなければ冒頭のプロローグも短いのでさらっと目を通して、そこでもし興味が湧いたのであれば買って読んでも絶対に損はしないはずだ。昭和の時代と70〜80年代に郷愁を覚える世代なら間違いなく共感できるだろう。 かつて1970年代アニメとともに盛況だったTVアイドルの時代。中でもトップアイドルとして歌謡曲の素晴らしい歌い手として日本中で知らない者のなかった山口百恵と、同時期に二枚目俳優としてアイ...
@東京都オタ区 | 2015.05.21 Thu 19:27
どこかでレビューを読んで、すぐさま欲しいと思った本だったが、自分の読書歴によれば、最初そう考えた時すぐ入手可能だった小野不由美の「黒祠の島」を読んだのが2013年9月である。そこからよくまあ我慢して先延ばしつづけたものだと思う。 確かちょうどその頃は関東の夏の終わりの時期で、本気で涼しくなる小説として切望したにも関わらず、結局入手して読了したのは1年半後、ようやく雪解けとなった北海道の2015年4月1日である。そしてこれだけ長い間想い続けたにも関わらず、その期待値に適う内容であったことは僥倖だっ...
@東京都オタ区 | 2015.04.01 Wed 14:39
久しぶりに異彩を放つ名匠に出会えた気分。この本を読むまで全く知らなかった著者は寡作ながら古参の実力派。過去2作品が映画化・ドラマ化・舞台化されている。 剣豪物や一般的な時代劇、あるいは庶民の情景を扱った市井物などいろいろ読んで来たが、とくに武家社会の非情な掟の中に生きる武士たちの「士道の峻烈さ、酷薄さ、無残さ」ばかりを描き続けた作家という人は珍しい。そのテーマから理不尽な死による悲劇的な物語が多く後味はあまり良くないので、何度も直木賞候補に上がるほどの秀逸さの反面、読み手を選ぶ小説と言...
@東京都オタ区 | 2013.10.22 Tue 21:06
少し涼しくなって来たというのにどうしても入手できなかった小野不由美の怪談代わりの恐い小説が読みたくて貴志祐介の『黒い家』を読み始めた。前に読んだ大作『新世界より』はつまらなくはなかったが、ライトノベルを思わせるシチュエーションが一般的な評価や人気ほど凄いとは思えなかったので本書にもそれほど期待はしていなかった。しかし、この作家はやはりホラーが本職だったようだ。 思わず「バカじゃないのコイツ…」とツッコミたくなるような登場人物の間抜けな行動はホラー作品の定石ではあるが、本書もその定石...
@東京都オタ区 | 2013.10.03 Thu 22:33
「オレたちひょうきん族」以前に漫才で売れ始めたころからTVで観ていた人間にとっては、北野武はビートたけしのイメージが強すぎる。そのためいくら世界的に評価され有名になっても今まで一度も監督・北野武の映画を観たことがなかった。とくに北野武が主演するものにはどうしても違和感を感じて観る気が起きなかった。 今でも思うことは、北野武が監督・脚本のみをしている作品ならちょっと観てみたい。しかし昨今はそもそも邦画が好きになれない。最大の理由はいつどんな映画を観ても、あまりにも見飽きた俳優やタレントばかり...
@東京都オタ区 | 2013.10.01 Tue 11:26
真面目だがあまり勉強のできない大学生・綿貫基一は、受けたゼミの女性教授から頼みごとを引き受ける。単位不足で卒業に不安を持っていた綿貫は何らかの点数稼ぎになることを期待し、飛び級でこの大学に入っている有名な天才少女を説得してゼミに参加させて欲しいという要望に従い、彼女・穂瑞沙羅華の自宅を尋ねるが…… 主人公とヒロイン二人の出会いの直感的な印象が何かに似ているとしばらく考えていたら『涼宮ハルヒの憂鬱』だった。もちろん主人公(出来の悪い平凡な大学生)=キョンであり、ヒロイン(全国的に有名な天...
@東京都オタ区 | 2013.09.30 Mon 04:34
地図にも載っていない奇妙な風習がある閉鎖的な島で知人が行方不明になったという状況設定から、最初はなんとなくホラーアドベンチャーゲームの『サイレン』を連想してしまったが、主人公の調査が進むに連れて協力者が増えて行き、どちらかと言うと横溝正史を思わせる探偵小説であることにようやく気づいた。 小野不由美は数年前に読んだ『東亰異聞』から2冊目。本当は夏場に映画のモキュメンタリーを思わせる怪談集『鬼談百景』と姉妹編『残穢』を読みたくなったがまだ入手できそうになかったので仕方なくこの本を選択した。...
@東京都オタ区 | 2013.09.29 Sun 03:45
これは差別や偏見ではなくあくまでも仮定としての考えだが、増え過ぎた人間という生き物を間引きするとしたら、どんな対象を選択するのが手っ取り早い(合理的)かと言えば、結論としては社会的にも経済的にもサイクルの枠外にいる人間やあまり影響を及ぼさない人間になる。つまり大都市であればホームレスであったり低所得の不正規雇用者、老人や要介護のような社会的に弱い立場の人間が該当するとして、それを地球全体・世界的な視野で考えたらどうなるだろうか。 物事に偶然や奇蹟というものは存在しないと考える。あらゆる事...
@東京都オタ区 | 2013.09.21 Sat 05:49
再読。著者本人もそう思っていたようだし編集者も書かない方が良いと結論を出していた『シーラという子』(1980)の後日譚で、7年後思春期の13歳になっていたシーラとの再会を描いたのが本書『タイガーと呼ばれた子』(1995)だ。時期的には『シーラという子』の出版から15年後ノンフィクションシリーズ8作中の6作目にあたる。 この作品の中で出版準備中の『シーラという子』をシーラ本人に読ませていることから1980年より少し前の出来事であったことが推察される。さらにこの時シーラが14歳の誕生日を迎えていることから、今現在40...
@東京都オタ区 | 2013.08.14 Wed 01:32
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