「四又の百合(よまたのゆり)」 (前半) 「四又の百合(よまたのゆり)」 (後半) 作 宮沢賢治 絵 ヒームカ 次(つぎ)の夜(よ)明(あけ)になりました。 王(おうさまは帳(とばり)の中(なか)で総理大臣(そうりだいじん)のしずかに入(はい)って来(く)る足音(あしおと)を聴(き)いてもう起(お)きあがっていられました。 「申(もう)し上(あ)げます。ただ今(いま)丁度(ちょうど)五時(ごじ)でございます。」 「うん、わしはゆうべ一晩(ひとばん)ねむらなかった。けれども今朝(け...
でくのぼう宮沢賢治の会/ポラーノの広場 | 2021.08.07 Sat 21:08
「四又の百合(よまたのゆり)」 (前半) 作 宮沢賢治 絵 ヒームカ 「正(しょう)徧(へん)知(ち)はあしたの朝(あさ)の七(しち)時(じ)ごろヒームキャの河(かわ)をおわたりになってこの町(まち)に入(い)らっしゃるそうだ。」 斯(こ)う云(い)う語(ことば)がすきとおった風(かぜ)といっしょにハームキャの城(しろ)の家々(いえいえ)にしみわたりました。 みんなはまるで子(こ)供(ども)のようにいそいそしてしまいました...
でくのぼう宮沢賢治の会/ポラーノの広場 | 2021.08.07 Sat 21:07
6月の輪読会で読んだところは「九月八日」。 三郎(又三郎)や子どもたちはさいかち淵へいき、そこで佐太郎が持ってきた毒もみにつかう山椒の粉で魚とりをしようとしたり、鬼っこで遊んだりする。 輪読会の参加者の方たちが語って頂いた、心に残る場面や感想などから。 佐太郎たちが山椒の粉で魚をとろうとする時、水を見ない又三郎と一郎(又三郎は雲の峰の上を通る黒い鳥を見、一郎は河原に座って石を叩いている)。そして鬼っこの時、怒る又三郎に呼応するように恐ろしい景色へと変わっていく自然界(...
でくのぼう宮沢賢治の会/ポラーノの広場 | 2021.07.21 Wed 21:46
「九月七日」のところを5月の輪読会では読んだ。 三郎(又三郎)や一郎、嘉助などの子どもたちは授業が終わったあとのひるすぎに川下の方へそろって出掛け、そこで泳いだり石取りをしたり、また魚を捕るなどして遊ぶ。そんな情景がここでは描かれている。 みんなは、とった魚を、石で囲んで、小さな生洲をこしらへて、生き返っても、もう遁げて行かないやうにして、また上流のさいかちの樹へのぼりはじめました。ほんたうに暑くなって、ねむの木もまるで夏のやうにぐったり見えましたし、空もまるで、底なしの淵...
でくのぼう宮沢賢治の会/ポラーノの広場 | 2021.06.11 Fri 16:40
鎌倉の山波言太郎総合文化財団で開催している「賢治 長へん輪読会」。第7巻所収の「風の又三郎」を月2回受講者たちと同じところを読んでいます。 先月は「9月7日」のところを読みました。同時に全集第5巻所収の「風野又三郎」についての感想発表が二名ありました。 その一人、O・Tさんの所感を掲載します。 ********************* 今回長へんを受講して、ほぼ初めてこの作品に触れました。以前気まぐれに開いたページを読んだときは、又三郎さ...
でくのぼう宮沢賢治の会/ポラーノの広場 | 2021.06.04 Fri 18:02
宮沢賢治文語詩稿 五十篇 文語詩稿 一百篇 文語詩未定稿(宮沢賢治全集4 ちくま文庫)より、それぞれ自由に文語詩を選び発表しました。3月は橘香六花さん、4月はtenさん、夏原ゆとさんでした。 ※発表の内容は記載ありません 3月 われのみみちにたゞしきと 橘香六花 〔われのみみちにたゞしきと〕 われのみみちにたゞしきと、 ちちのいかりをあざわらひ、 ははのなげきをさげすみて、 さこそは得つるやまひゆゑ、 こ...
でくのぼう宮沢賢治の会/ポラーノの広場 | 2021.05.29 Sat 21:07
今年もカルガモのつがいが裏池に飛来。エサを求めて鯉の頭をつついたり、生きていくのに一生懸命。 仲がいいので、次世代のひなの姿をみたいものです。 JUGEMテーマ:デクノボー宮沢賢治について
でくのぼう宮沢賢治の会/ポラーノの広場 | 2021.05.15 Sat 16:42
講座「賢治 長へん輪読会 作品『銀河鉄道の夜』」より 輪読会感想 (3) 〈宮沢賢治祭(2020年9月21日)にて〉 「銀河鉄道の夜」の輪読会に久しぶりに出席させていただき、ちょうど新型コロナウイルスが流行り始めていた時でしたので、みなさんでコロナについて話し合いをしました。 みなさんのお話を聞く中で、突然涙が溢れてきて「私の努力が足りないから新型コロナウイルスが生み出されてしまった、そのせいでたくさんの人が亡くなった。私が殺してしまったんだ。」...
でくのぼう宮沢賢治の会/ポラーノの広場 | 2021.05.07 Fri 18:58
今月は「九月五日」のところを皆で読んだ。 輪読会の参加者からの感想でもあったように、三郎(又三郎)はだんだんと学校の子どもたちや生活に馴染んできている感じがする。(読んでいる私もなぜか温かい気持ちになってくる。) 「九月五日」では、三郎(又三郎)は学校が終わった後に耕助や一郎、嘉助たちと一緒に葡萄とりへ行く。また他の方からの感想でもあったように、前日の「九月四日」では嘉助は死ぬかもしれない経験をしたにもかかわらず、その翌日には皆と一緒に山へ葡萄とりに行くのは確かにすごい。この子...
でくのぼう宮沢賢治の会/ポラーノの広場 | 2021.04.25 Sun 19:57
講座「賢治 長へん輪読会 作品『銀河鉄道の夜』」より 輪読会感想 (2) 〈宮沢賢治祭(2020年9月21日)にて〉 銀河鉄道は、死んでこの世を去る人ばかりが乗る列車です。それなのにどうしてジョバンニひとり生きたままでこの列車に乗れたのでしょうか。 ジョバンニは、お母さんが病気、お父さんは出稼ぎに行って不在、疲れて学校の教室でも眠くなったり勉強にも自信を失い、あちこちでバカにされたり白い目で見られたり、子どもとして大変つらい境遇を生きています。ジョバン...
でくのぼう宮沢賢治の会/ポラーノの広場 | 2021.04.02 Fri 20:43
全122件中 31 - 40 件表示 (4/13 ページ)