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辻邦生はたくさん紀行文を書いているけれど、88年のこのイタリアへの旅で「初めて素直にのなかに自分を解き放つことができた」という。それはたとえばこんなふうだ。 ローマの露天市の、果物が山盛りに並ぶ光景に「豊穣」を、「生きていることの歓喜の爆発」を感じたり、シエナのカンポ広場で「最初の妻と別れて、三冊目の小説を書いている」38歳の自分が広場を横切るのを見たりする。
DELLE FANTASIE note | 2008.04.07 Mon 15:56
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