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JUGEMテーマ:恋愛小説 夏休みの前半は部活が詰まっていました。私は剣道部だったので体育館で部活をしていました。テニス部の永井さんの顔を見ることは出来ません。ですが、体育館が使えない時間はランニングで学校の外を周ります。一時だけフェンス越しにテニスコートが見える場所がありました。その一瞬、永井さんの姿を見ることが出来ました。顔が見えなければテンションは下がりますが、顔が見えると暑さも疲れも一気に吹き飛びました。 部活が完全に休みになるお盆は顔がみれず寂しい気持ちになりましたが、もしも、永...
思い出のフルール | 2014.11.02 Sun 14:19
私はいつも電車に乗って通勤している。 各駅停車で3駅乗って、その後、急行列車に乗り換え。 だいたい1時間くらいの道のり。 私は家電メーカーの総務部で働く24歳。 社会に出て、2年目。 給与の計算から、蛍光灯の交換まで。 こんな何でも屋みたいな仕事ってあるんだって 就職してから知った。 趣味はテニス。 会社帰りに、同僚たちと近くのコートを借りてやっている。 昔からずっとやってて、やらないと体調壊すくらいのライフワーク。 動くときに邪魔になるから、髪もあんまり...
ナナシの唄 | 2014.06.16 Mon 22:24
蛍って、ルシフェリンとルシフェラーゼって言う二つの物質が反応して光るんだって。 生き物って、すごいよね。 でも蛍って5月から7月くらいまでしか生きられないんだよ。 そんなの寂しいよ。 ----------------------------------------------------------------------------------------- 僕は中堅の化学メーカーで、研究職として働く26歳。 私立の大学、大学院に通って6年間ボーっと過ごしてた。 大学生の時には有機化学やってて将来薬とか作りたいな、と思ってたけど、 結局思ってるだけで終...
ナナシの唄 | 2014.06.12 Thu 00:28
JUGEMテーマ:恋愛小説 「この辺でいいよ」 美香がそう言えば、車は静かに停止した。 ドアの取っ手に手をかけながら、美香は運転席を振り返る。 「今日はありがとね、祐大さん。会えて嬉しかった」 心は沈んでいるけれど、無理にでも笑顔を作った。 大丈夫、これで最後ではないのだから、と。 祐大は眉間のしわを増やして、美香から少し視線をそらし、口を開いた。 「……俺も」 何が『俺も...
夏の約束 | 2013.11.16 Sat 19:17
JUGEMテーマ:恋愛小説 そんな話をしているうちに、駐車場までたどり着いていた。 楽しい時間はあっという間だ。 そのことを、今日は今までで一番実感したような気がする。 「ミカちゃんかリカちゃん、助手席にどうぞ。道を教えてもらわないといけないからね」 そう言って智大は一足先に後部座席へと座る。 美香と理香は目を合わせて、無言で頷き合った。それだけでお互いが何を考えて、どう結論を出したのかがわかった。 理香...
夏の約束 | 2013.11.16 Sat 19:15
JUGEMテーマ:恋愛小説 それからじっと、黙って花火を見ていると、後半の盛り上がり部分にさしかかったようだ。 次々と上がる色とりどりの花火に、自然とため息がこぼれた。 最近は円形以外の花火も増えてきたような気がする。 蝶のような形や、小さな花がたくさん集まっているような花火。輪っかの形や、ハートの形なんかも見たことがある。 変わった形の花火が上がるたび、面白いね、と言うように祐大に笑いかけると、彼も微笑み返してくれた。 ...
夏の約束 | 2013.11.16 Sat 19:14
JUGEMテーマ:恋愛小説 それから、唐揚げやベビーカステラを食べながら雑談をする。 話すのはもっぱら智大と理香で、たまに美香が口をはさむ程度。祐大は相づち役だ。 智大の大学での話や、理香の友人との間の話。よくそんなに話すことがあるなと感心するほどに二人は次から次へと話題を提供した。 そうこうしているうちに、いつの間にか花火が上がる時間が近づいてきていた。 「そろそろ移動しよっか」 智大の言葉に全...
夏の約束 | 2013.11.16 Sat 19:11
JUGEMテーマ:恋愛小説 「お姉ちゃんには、はいこれ」 そう言って、理香は美香にベビーカステラの入った袋を押しつけてきた。 美香が好きだから、という理由で探してまで買ってきてくれたもの。 きっと、美香が祐大と少しでも長い時間二人きりでいられるように、という気遣いによる副産物。 「ありがとう」 美香は笑顔でそれを受け取った。 ベビーカステラが好きなのは嘘ではないし、何より理香の気持ちが嬉しかったから。 ...
夏の約束 | 2013.11.16 Sat 19:09
JUGEMテーマ:恋愛小説 「どれにする?」 別々のパックに入れて貰ったおむすびから、明太マヨトッピングを取る。 伸ばした指先が触れそうなぐらいすぐ側で、何でもない様子で串焼きのパックを開けている大きな手。 側にいたかったのに。さっきまで繋いでたのに。 祐大の様子が悔しくて、切ない。恨めしく思いながら隣の智大を睨みがちに視線を向けると、面白そうに笑っていた。 目の前にいるのに、間にテーブルを挟んでいるせいで距離は遠い。 ...
夏の約束 | 2013.11.16 Sat 19:04
JUGEMテーマ:恋愛小説 「なに話てんのー?」 ニヤニヤとしながら智大と理香が帰ってきた。 「珍しい。兄貴が女の子と手を繋ぐとか」 智大に指をされて美香が真っ赤になるのと、慌てた様子で祐大が手を離したのは同時だった。 それを寂しいと思いつつ、そのまま繋いだままでいる勇気もない。 「遅かったね、なに買ってたの?」 慌てて美香が話を逸らすとクスクスと笑いながら智大が持ってた袋を掲げた。 「ベビーカステラ。リカ...
夏の約束 | 2013.11.16 Sat 17:34
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