[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""]
JUGEMテーマ:ファンタジー小説 でもどうせ、ティルラドはまたパレスを抜け出すんだろうな。 そして俺の財布から食事代がたっぷり消えて、ルナ(他、不特定多数の女子)達をおっかけまわすティルラドを、俺がまたおっかける……と。 俺は皿を洗いながら、つい吹き出してしまった。 アルスとティルラドが怪訝な顔をしているようだが俺は、「なんでもない、なんでもない」 と誤魔化す。 するとまた、女の子達のにぎやかなおしゃべりが、洗い場まで響いてきた。 「ところでね、聞いてよ。さっき変な焦げた男が『大魔王アルセイス...
三日月の聖書〜景澤 晶の創作思考 | 2012.05.06 Sun 13:01
JUGEMテーマ:ファンタジー小説 じゃぶじゃぶじゃぶ。 俺は今、皿を洗っている。 いや何でって言うか……飯を食ったら、洗わないかんわけでな。 ……うん。 ここは俺の屋敷。あの後、いつもの面々にルナを交えて、ぱあっと楽しく晩餐を囲んだのである。晩餐の料理はアルスが中心になって、セルティとシェーダ、そしてルナとで手分けして作った。と言っても、女3人は材料切り分けただけで、その後はずっと暇こいてたリエと一緒にかしましくおしゃべりに興じていたようだが……。 女の子達(リエのぞく)だって料理に関し...
三日月の聖書〜景澤 晶の創作思考 | 2012.05.05 Sat 21:15
JUGEMテーマ:ファンタジー小説「お、おのれ……っ」 しかしそこでルナが動く気配があった。 だが。ぎらっと瞳を光らせたティルラドは目にも止まらぬ速さで剣を抜き放ち、ルナの剣をはね飛ばしていた! 「東岸文化地方の剣術の一種、居合い……」 驚愕に瞳見開くルナは、剣をはねとばされて空っぽになった手を押さえ、そのまま……力なくへたり込んでいた。 「……もう、いいわよ」 ルナは恨めしげにティルラドを見上げて言った。 「わけ、わかんないわよ……。もういいわ。捕まえなさい。あたし、あんたを聖大使としてしか、見たことなかっ...
三日月の聖書〜景澤 晶の創作思考 | 2012.05.04 Fri 12:15
JUGEMテーマ:ファンタジー小説「……あたしは、あんたみたいなのが嫌いよ。権力も富も生まれながらに約束された、世間知らずの王子様! なんでも自分の思い通りになると思ってるんでしょう!けっこうなことだわ!」 「そんなことはないけどねぇ……」 「どうだかね!……あんた達国の上層が勝手に起こした戦争で、どれだけ私達民草が迷惑しているか。私の父も帝国との戦いで散ったわ。母や兄弟は戦渦に巻き込まれて今や不虞の身よ。あんた達がきらびやかなパレスで贅沢三昧をしている最中、スラムに流れた戦災孤児達は、そのほとんどが飢え...
三日月の聖書〜景澤 晶の創作思考 | 2012.05.03 Thu 15:07
ところで、ウィルシード国軍でこうしてマントをつけることが許されるのは『称号持ち』と呼ばれる栄誉将校だけなんだ。例えば俺の称号は『蒼穹の騎士』だから空色のマントなわけだが……称号持ちはそんなに人数いないから、こうして翻るマントもそうそう見られるものではない。 特にティルラドの聖なる高貴を示す紫のマントは、軍の頂点たる国軍聖大使しか身に付けることを許されないんだ。 だから要は、一発でばれるのである。 ティルラドが、国軍聖大使だっていうことが……。 俺はそれについての懸念を口にするも、しか...
三日月の聖書〜景澤 晶の創作思考 | 2012.05.02 Wed 12:01
JUGEMテーマ:ファンタジー小説「閣下ぁーーッ!」 道の向こうからけたたましい音をたてつつ、二頭の馬が勢いよく走ってくる。 片方の芦毛の馬の背に乗っているのは、ティルラドの側近の春の変態イールだが……。あいつが乗ってんの、ティルラドの馬のサーシェリアだよな。 「遅いよ! 一瞬で来いって言ったでしょっ!?」 「ん、んな……無茶言わないで下さいよ、閣下下っっっ!」 こき使われて哀れだな、イールの野郎……。 ところで、今俺たちは『ラズベリー・キュート』に居る。ティルラドはあの後、 「電話借りたいからリエちゃん...
三日月の聖書〜景澤 晶の創作思考 | 2012.05.01 Tue 15:08
JUGEMテーマ:ファンタジー小説 「有名人なのに、気づかない私も私ね。……でも、聖大使もそうだけど、私服だとよくわかんないのよねえ〜……。聖大使はオカマしゃべりのチャラ男だし、蒼穹の騎士はちょっとボーイッシュな可愛い女の子にしか見えないし……」 ……、……。 俺とティルラドは顔を見合わせ、二人して肩を落とす。 「……いくらなんでも、ここでまたそんなこと言うことないと思わないか?」 「山場なのに決まらないね〜……。蒼穹の騎士なエヴィンと国軍聖大使な俺、二大ヒーローなはずなんにさあ……」 「……まあしか...
三日月の聖書〜景澤 晶の創作思考 | 2012.04.26 Thu 12:37
JUGEMテーマ:ファンタジー小説 気配にはっとなって振り返ったときは、もう遅い。 銃声! 「ティルラドッ!」 発砲された弾丸の先にティルラドがいる。ただその事実だけが俺の頭を支配して、脳裏から一切の思考が吹っ飛んでいた。 「ば……馬鹿! あんた、何考えてんだよ!」 俺に突き飛ばされたティルラドが、咄嗟にもの凄い力で俺を引き寄せるのがわかった。同時に、左腕上腕部に熱い衝撃が走る。 ……つ……! ……か、かすった……っ! 「こんの馬鹿! 何考えてんのよ! 人のこと勝手にかばって……俺がひっぱらなかっ...
三日月の聖書〜景澤 晶の創作思考 | 2012.04.25 Wed 11:34
JUGEMテーマ:ファンタジー小説 「それにやっぱ黒の貴公子ティラちゃんにはドラマが似合うわよね。あんたよくわかってるねえ〜。百点あげちゃう」 「そ、そうか」 そこで喜ぶなよ、にーちゃん……。 「てなわけで! そこの小柄で気が強そうな青いお目々が可愛い金髪のボーイッシュな彼女は、俺のフィアンセのビアトリーチェだ!」 俺はコケた。 ……つうか、コケる以外にどういうリアクションをしろというのだ、この場合は!「それはとある、うららかな春の日の午後。桜吹雪が舞う街中で二人の薬指にはお揃いの銀の輪……。二人を...
三日月の聖書〜景澤 晶の創作思考 | 2012.04.24 Tue 11:35
JUGEMテーマ:ファンタジー小説 春。それは冬の間眠っていた命が、一斉に目覚めを迎える鮮やかな季節。 しかし話の冒頭でも散々言ったモノだが、春になるとどうしてこーゆーのまで目覚めを迎えてしまうのだろうか……(暗)「そこの可愛らしいお嬢ちゃん! おれと一緒に遊ぼうぜ〜」 何をして遊ぶ気なんだか知らないが、きったならしい無精髭にベレー帽、汚れたチョッキによれよれの穴あきズボンの見るからに「お金も職もありません!」って風情の若いにーちゃんよ。よっく見ろ、まっったいらだろうが俺は……なのにどおしてお嬢ちゃん…...
三日月の聖書〜景澤 晶の創作思考 | 2012.04.23 Mon 14:16
全485件中 471 - 480 件表示 (48/49 ページ)