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文化の日、旗日、祝日。ふと思い立ち自宅から高速に乗って40分ほどのところに湧く、やや人里から離れた肌馴染みの温泉へと馳せ参じた。"100%天然温泉かけ流し"がここの「うり」である。施設内は広く、清潔で、従業員のサービスも細かく行き届いている。割りに、いつ訪れても客足が疎らで、浴室は空き空きとして見える。時間帯によっては、いくつかある内の浴槽を1つ、悠々と独り占めすることも間々可能であり、つまりはそこがたいへん気に入っている。温泉は人並み外れて好きではあるが、得意な方ではないのである。まっ...
わたし歩記 | 2010.11.04 Thu 20:36
大好きなあなたへ元気ですか?もう私たちが別々の道を歩き始めてから、随分経ったね。今日は、あなたに最初で最後の手紙を書きたいと思います。とても長くなっちゃうと思うけど、毎日少しずつ書くから面倒くさがりなあなたも読んでくれるよね?もっと話したいことはたくさんあったんだけれど。二人の時間があまりにも短くて。だからここに書いておくね。私が話したかったこと、全部。明日読んでくれるかな?明後日かな?それとも一年後だったり?ううん。それは私にもわからない。でも、もし読んでくれてたらその時は私のことを少しで...
最初で最後のラブレター | 2010.10.31 Sun 04:33
先日、正統派、400字詰め原稿用紙を買った文房具店に、今度はクリアファイルを求めに行った。書き終えた原稿を郵送するのに、むき出しのまま茶封筒に入れても、それはそれでよい気もしたが、実際、中に入れて見ると、それは儚げでどうにも不甲斐無いのであった。こんにちは。風圧でなおさら重たくなったガラス扉をぐいと押し開けると、前回同様、店番のお婆さんが1人、奥のレジの脇にぽっと佇んでいた。「はいはい、いらっしゃいませぇ。」そう言いながら、チラと私を一瞥した後、お婆さんは直ぐに視線を手元へと戻した。何やら...
わたし歩記 | 2010.10.19 Tue 19:49
JUGEMテーマ:エッセイJUGEMテーマ:日記・一般先日、森美術館のミュージアムショップに立ち寄ると、数年前からすっかりファンになってしまったKami-Roboがあった。当時ほとんど誰からも賛同を得られなかったし、結局欲しかったバッグも、フィギュアも買っていないのだけれど、やっぱり私はKami-Roboが大好きで、最高だと思っている。30才目前に、衣食住すべてにおいてがらりと趣味が変わってしまって(極端ではないけれど自分の中では)、こういうこともあるのだと、さらに最小限の持ち物で暮らしたいと思いなおした所で、Kami-Roboに...
Oracion.yのブログ 『manzana』 | 2010.10.15 Fri 10:53
クローゼットの中で朝の着替えをしていると、隣の部屋から「さぁーみしぃーよー」と、なにやら生気なく頼りなげな声がして来る。耳だけをそちらの方に向け、構わず自分のことをせっせと行っていると、も一度、「さぁーみしぃーよー」と声が言う。声のぬしは、週末から泊まりに来ているわが妹である。うつむき加減で、みぞおちあたりを浮遊する下着のホックを留めるのにまごまごと悪戦苦闘しつつ、「なぁーにがぁー」とくぐもった声で訊ね返すと、「こころがぁー」とまるで木霊のような返事が戻った。「心がどんな風にさみしいのー」着...
わたし歩記 | 2010.10.10 Sun 22:49
「それで、その坊さんがさー...」語尾をねっとりとためたまま、アツコさんが何時まで経ってもその続きを語ろうとしないので、ついつい、じれったくなって「..屏風に上手に坊主の絵でも描いたのお?」とちゃちゃを入れると、まさに、ここからがイイところなのにぃ、と言いた気にアツコさんが顔の左半分をんっもう、と仰け反らせた。アツコさんは司会業を生業としている。それも、専門分野は「冠婚葬祭」で言うところの「葬」である。この道10年。結婚式などの御めでたい席ならいざ知らず、失敗が限りなく許されない葬儀での仕切りにお...
わたし歩記 | 2010.10.09 Sat 10:26
くすりやさんで、ハンドクリームを買った。もう二度と、夏がワスレモノを取りに帰って来ることはない、そう、確信した朝、カーテンのたっぷりとしたドレープを束ねながら、「ハンドクリームを買わなければ」と、決めた。ついこの間までのカーテンは、さら雪のゲレンデを指先でなぞるような感触だった。なのにその朝、ゲレンデは突如として枯れ木と砂利の混ざった荒野へと変わってしまった。そう言って、指がしくしくと泣いた。無論、これはカーテンのせいではないのだけれど。ハンドクリームは種類が多すぎる、と思う。ぜんぶが同じよ...
わたし歩記 | 2010.09.28 Tue 19:48
友達からの贈り物の中にひらりと地域の女性向け情報誌。恐らくは「緩衝材」と言う大役を担って、のことと思う。遠い道のりを"任務遂行"ここまで一緒に旅して来たのだね。ご苦労様。ありがとう。今は、インターネットがあるから、その気になれば、どんな国、どんな場所の情報でも、ある程度、知ることが出来るけれど、それよりは、ずっと情報量の少ないであろうその情報誌が、小包を送ってくれた友達に真っ直ぐ通じる「どこでもドア」のような気がして、いつまでも、いつまでもページ数にして3,4枚ほどのそれを、何度も、何度も捲...
わたし歩記 | 2010.09.15 Wed 00:02
先週末、健康診断帰りの妹が我が家に二泊した。職場から指定された病院が、家からだと割に近いこともあって、それならせっかくだし...と、一見、私の方から誘い水をかけた。と言うのも、健診数日前に、妹からこんなメールが届いたからだ。「健康診断に行く●●病院が私の家からだとすごく遠いの。この暑さとオマケに検査の為に朝から何も食べられないから、終った後、空腹で無事に家まで辿り着けるか不安だよ。」実はこの文章の中には2つのメッセージが潜んでいる。1つは「だから泊まってもいい?」と言うお伺い。そしてもう1つは、「...
わたし歩記 | 2010.09.06 Mon 20:32
ゆきひらなべが、好き。先ずはその名前。ゆきひら って音、すごく静やかでやんごとない感じがする。それから、(名前とは逆で)ぶきっちょにボコボコしたまあるい形も、好き。かと思えば、両端に絶妙なおちょぼ口を潜ませている、あの"はしっこさ"も、憎めない、好き。でも、それより、なにより、金属と木製の取っ手が、仲良く手を繋いでいる佇まいが、好き。異質なもの同士が、睦み合っている様は、人智を超えて麗しい。異質なもの同士、と言えば、私が作っている石鹸もそうだ。酸性のオイルとアルカリ性の苛性ソーダが溶け合って...
わたし歩記 | 2010.09.02 Thu 19:22
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