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JUGEMテーマ:小説/詩 ◇◆◇◆聡明鬼◆◇◆◇ 第64話 墜落(全100話) 「戻って、来る?」リューシュンは訊き返した。 「ああ」リンケイは空を見上げたまま答えた。 「陽世に、か」 「ああ」リューシュンを見る。「空にある、天心地胆からな」 「どうして」 「無論、打鬼棒を取り戻す為さ」 「あ──」 「ということは」再び空を見上げ、二指を唇に当てる。 ──ジライを狙って来るぞ。 ──ジライを? リョーマが念にて訊き返してくる。 ──打鬼棒を持ってるから? ──そうだ。しっかりと守りなさい。 ...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2019.09.07 Sat 23:19
JUGEMテーマ:小説/詩 「ツィックル」瞬時に私がさけんだのは、そのことばだった。 さけびながら窓枠に足をのせ、外へ飛び出す。 はっ、と、息をのむ声がした。 だれの姿も見えないけれどたぶん、その見えない人(かどうかわからないけど)が、息をのんだのだろう。 でも私はこれっぽっちも不安になったり怖くなったりしていなかった。 なぜなら、私のツィックル箒がちゃんと“目ざめ”て、私が窓から落ちるその下にまですばやく飛んできてくれて、私をじょうずに受け止めてくれ...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2019.09.02 Mon 14:18
JUGEMテーマ:小説/詩 ◇◆◇◆聡明鬼◆◇◆◇ 第63話 後悔(全100話) 「貴様」テンニは唇をわななかせ叫んだ。「その棒を返せ」 ケイキョは返事もせずに再び身を翻し、一目散に走り出した。 「待て」テンニはそれを追うべく一歩踏み出した。 だがその体を巨大な馬の尻尾がするりと巻き取り、締め上げた。 「ぐふッ」テンニは息もできず空中高く持ち上げられたのだ。 「リョーマ」ジライがその尻尾の主、龍馬の名を呼ぶ。 「よく焼けてるな」リョーマは尻尾に巻いた獲物を眺めて言った。「けど...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2019.09.02 Mon 08:46
わたしをしらせるにはどうしたらいいだろう そこにたったとしてもだれにもわからない 脳のなかから 胸のうちから そおっとさしだす でも、血はどくどくとながれるだろうなぁ もっと手順をふむべきなのだろうか 作戦をねるべきなのだろうか うでぐみしても埒があかないことばかりだ はじめにたちかえろう わたしをだれにしらせたいのか わたしのなにをしらせたいのか あぁ どうしよう 問題がやまづみになるばかりだ しかたがない あとでもういちどかんがえるのだ そうしてわたしは蛇口をひねりコップに1杯のみずをくむ す...
with a kiss, passing the key | 2019.09.01 Sun 00:00
この記事は、このブログで短編連載している、SF小説『'99-Polaris』の第7話です。 <作品紹介> 人類が地上から消え去った後の世界で、ポラリスは生きている。 自分が、何者か、何物かも、わからない。 ただ、自分自身の、生き終わっていく「物」を看取る「看取り人」という役目の確信と、 自分がこの地上の「最後のひとり」になるという、強い予感は持っている。 ひとりで生きていたポラリスは、 病院でケアロボットとして働いていた、AR装置による立体映像の男・サザンクロスと出会う。 まったく違う生き方をしてき...
StarGazer | 2019.08.30 Fri 22:41
誰かに責められている気がする。 面と向かって、何か言われた記憶はない。 ただ、何をしているにも、私の行動を責めている誰かがいるのだ。 運転をしている時も、買い物をしている時も、家にいる時も、もっとスピードを上げられないのか、買い物カゴがぶつかりそうになったじゃないか、何もしないでただ家にいるなんていい身分だなあ。 その誰かなんて居ないことを私は知っているのだ。だけれど、私を責めている誰かがいるような気がするのだ。気がするだけなのだから、これは私自身の問題なのだ。 きっと、両親も私を...
未消化排出物 | 2019.08.30 Fri 00:33
JUGEMテーマ:小説/詩 部屋で本を読んでいると、ふいにツィックル便が上から降ってきた。 手に取ると、それは祖母からのものだった。 「ポピー、ユエホワに会った?」 「あ、うん、会ったよ」私はツィックルカードに向かって返事をし、投げ上げた。 ほとんど直後に、また祖母から返ってきた。 「どうしてうちに来ないのかしら?」 「あー」私は正直に伝えるべきかどうか少し迷ったけど、やっぱり伝えることにした。「ハピアンフェルに会いたくないって、言ってた」 「あらまあ」祖母はそ...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2019.08.29 Thu 00:00
JUGEMテーマ:小説/詩 ◇◆◇◆聡明鬼◆◇◆◇ 第62話 降妖師対降妖師(全100話) 「これは」コントクは立ち竦んだ。 「やはりな」ジライも立ち止まり、その往来の凄惨な光景に眼をすがめた。 彼ら兄弟は今、血塗られた町に辿りついていた。 すなわち建物に、道に、そこら中に血の跡がついている町だ。 「テンニが、ここへ来たのだ」コントクは弟とともに予測したことを口にした。 「ああ。打鬼棒を持って」ジライも兄の言葉に頷いた。 「降妖師、あの悪鬼は何処に」コントクは辺りを見回した。...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2019.08.26 Mon 15:53
緩慢なのぼりくだりがいつまでもつづく あおぞらのしたのくすんだきいろ そこにいくつものにごったような足跡がある だからうんざりする ここにくればだれもいない だれの痕跡もない そうおもうからわたしはきたのだ しかし むしろなごりのあとばかりが眼にやきつく これならば街にいたほうがまだましだ ひとっこひとりいないとおり だれもすんでいない住居はいくらでもある そのとき かぜがふく わたしをおすように そして わたしのあとはのこっているのだろうかと ふりかえるのが怖い
with a kiss, passing the key | 2019.08.25 Sun 00:00
文字書きを始めてから、雪乃には一度は書いてみたいと思うジャンルが二つありました。 一つは推理物。こちらは純粋に頭足りない問題で早々に諦めていたんですが、脳みそフル回転させてやっとそれっぽいものを書くことが出来たので、ひとまずは目標クリアと相成りました(でも出来るならもう一度チャレンジしてみたい…出来るかどうかは別として) そしてもう一つは、復讐劇 実は過去に何度かチャレンジしたことがあったのですが、残念ながら未だ完遂したことがありません… &nb...
雪乃に!サイコロ振らせろ!! | 2019.08.20 Tue 23:53
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