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【読書】『彼女について』よしもとばなな

JUGEMテーマ:恋愛小説 いつものばななワールド、と言う感じ。私は彼女の全部の作品を読んだわけではないのだけど私が読んだ話は、同じことをテーマにしてる、と思う。基本は、死をテーマにしてる作家だと思うのだけど一番多いのが、身近な人が死んでその人と、この世とあの世の間の世界で会う、というもの。それは、眠りに落ちている間だったり酔っ払ってる間だったりある街のある川の向こう岸だったり。読んでるときはかなりのめり込んで、2時間くらいでざっと読破してしまった。ラストの悲劇感とか救われない感じは相変わ...

ひよこProducts*New | 2010.08.20 Fri 10:47

【読書】『イルカ』よしもとばなな

JUGEMテーマ:恋愛小説 先日は、死後の世界の話が多いと書いたばなな作品だけどこの話はちょっと趣が違った。ちょっと世間とずれた感覚で生きてきた主人公・・・と、たびたび本文中に一人称で出てくるんだけど私の感覚では、え?そんなにはずれてるかなぁ???と思ってしまう。・・・そもそも、私自身が世間からずれているのだろうか?自分では、とっても常識的だと思っているんだけど。物語の途中に、主人公が「自分自身の選民意識がつくづくいやになる」と言うようなくだりがあるんだけどばななさんの作品って、選民意識の塊...

ひよこProducts*New | 2010.08.20 Fri 10:41

第八部 15.

 「克も成長したのね……」 圭が振り返って克と向き合う形になり、彼のつややかな薄い茶色の髪の毛をいじる。「僕も二十四になりましたよ。成長しますよそりゃ」 幸せそうに笑いをかみ殺しながら圭の全てを包み込むようにして抱き締めた。「あの頃はまだ小学生だったのに――」「十年ですよ。十年以上も経ってます」「そうよね。わたしも年を取ったものだわ」「年齢は増えてますが、十年前よりも更に美しくなってますよ――それだけ美しい生き方をしてきたっていう事だと思いますよ」 克のその言葉は本音なのだろうか――それはどうで...

:+: notebook :+: | 2010.08.19 Thu 21:31

【読書】『くまちゃん』角田光代

JUGEMテーマ:恋愛小説 いきなりネタばれです。失恋ばかりの短編集です。まず、主人公が失恋して、失恋した相手がまた次の話で失恋すると言う流れ。それはわかったのだけどそれでも、最後までぐいぐい読ませてしまう。すっごく共感できた。恋愛に、仕事を絡ませているのが特に共感させられたのかもしれない。この物語の登場人物の年代の頃から今も私自身も、恋と仕事は、いつも無関係ではないから。仕事について、いくつかの登場人物が言ってることがすごく心に響いた。「自分が行けるときというのは、周りのことが気にならない自分し...

ひよこProducts*New | 2010.08.19 Thu 02:37

第八部 14.

 圭の実家の帰りに二人は久し振りに公園にやってきた。かつてここで二人が出会った場所である。 公園の風景は変わっておらず、昔そのままであった。圭は思わず声を上げて懐かしい、と言った。「わたしがいつも漕いでいたブランコ、まだあるのね」 嬉しそうにブランコに駆け寄って、早速腰を下ろして地面を蹴る。キイ、と音を鳴らしてブランコが揺れ始めた。

:+: notebook :+: | 2010.08.18 Wed 10:20

性愛にっき(2)-2-

ピンク色のシャツを亜希子、着てるんですけど、真一が、すそから右手を入れてきます。シャツのしたには、ブラですけど、亜希子、ブラのなかへ、手を入れられてしまうの。「ふうううっ」キッスされたまま、おっぱい、さわられ、乳首を触れられちゃう大学生の亜希子。亜希子だって、真一が降ろしたズボンのジッパーから、左手、入れちゃいます。真一の左腕を背中へまわされ、抱き寄せられてる亜希子。「ふぅううっ、すぅううっ、ふぅううっ」<ああ、、しんいちの、おちんぽ、ああん、おちんぽぉ>亜希子、抱かれておっぱい触れられなが...

あっこの愛の部屋 | 2010.08.17 Tue 11:46

第八部 13.

 「んっあまり高望みしないほうがいいよね――」 圭が諦めたような言い方をしたので、克は何も言わず彼女の肩に手を回して徒幅を合わせる。「そうですね……本来なら、人生うまくいかないことの方が多いんですよ。だからって諦めちゃいけないだろうけども――」「ええ、そうね」「だから、これからは僕達が歯を食いしばって生きていけばいいと思います。それが、供養です」 圭はゆっくりと頷き、そのまま家へ向かって行った。

:+: notebook :+: | 2010.08.17 Tue 11:16

第八部 12.

  それから二ヵ月後、古谷から電話が掛かってきた。内容はもちろん、歯の分析結果である。 圭は急いで子供達を乳母に任せて一人で事務所へ向かった。「古谷さんっ」「圭さん、いらっしゃいましたね――結果がわかりましたよ」 彼女はかなり走ってきたようで息遣いが激しく、深呼吸を行った。「あの検察官の言うとおり、この歯は滝川さんのものではありません」「ああ……そう――だったんですね――」 緊張の糸が解け、全身の力が抜けてしまってその場で座り込んでしまった。古谷は彼女を起こしてソファに座らせる。「やっぱり、何ら...

:+: notebook :+: | 2010.08.16 Mon 09:01

第八部 11.

 「どうしました? 圭さん」 圭が駆け込んで来たのを視界に入って思わず立ち上がって彼女の傍へ駆け寄った。「聞いてください――夫が、夫が生きてるかもしれないんです!」「ええっ?」「あ、もちろん……確率は低いかもしれないのですが、夫が何らかの事件に巻き込まれた可能性が少なくともあるんではないかという話を検察官から聞きましたの」 息を切らしながら興奮気味に話すので落ち着いてください、と彼女をソファに座らせた。

:+: notebook :+: | 2010.08.15 Sun 13:58

第八部 10.

  二人が科学館にて見学している間に圭は留守番しながら家事を次から次へとさっさとこなしていく間に来客があったので急いで玄関に向かった。「ハイ、どなたでしょうか?」 ドアを開けるとそこには神妙な顔つきをした若い男性が立っていた。圭は不思議そうに首をかしげながらその男が口を開くのを待つ。 神妙に、口を開くその男の顔は滑稽なものであったので、圭は少しドアの間隔を狭めた。「ええと、お宅の旦那さんの担当をした検察官ですが――ちょっといいでしょうか?」 若い男は手帳を見せて圭を安心させようとした。

:+: notebook :+: | 2010.08.14 Sat 12:00

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