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「何?」 顔をしかめた和則に、圭はそんな顔しちゃ駄目よと注意をした。「圭、いいって。和則、とにかくおいで」 克は手招きして、近づいてきた和則を抱き上げた。「今日から仲良くする事にしたんだよな? お母さんを困らせちゃいけないよ」 抱きかかえながらにっこりと微笑み、それを見てふてくされる和則がいる。「まあ、いつの間に!」 呆れながらも苦笑いして、隣の部屋へ行って双子の様子を見た。「ぐっすり寝てるわね……どうしようかしら?」「連れて行きましょう。乳母に頼むのもあれですし」 克がそう言ったので圭...
:+: notebook :+: | 2010.08.12 Thu 09:42
「お待たせしましたっ」 古谷との待ち合わせに十分ほど遅れて来た圭は、駆け出しながら古谷に寄った。「いえいえ、私も来たばかりですし」 照れながら車から降りて、圭に助手席に座るようドアを開けるためにわざわざ助手席の方まで回ってきた。「どこか、行くんですか?」 しげしげと赤い車を見ながら古谷を見た。「ええ、いいところへ連れて行ってあげますよ」 にっこりと笑いながらドアを開けてどうぞと手でゆっくりと助手席を指した。圭はありがとうと言いながら乗り込む。 古谷もまた、運転席に座ってエンジンを掛けた。
:+: notebook :+: | 2010.08.10 Tue 09:29
「……分かりました」「え?」 目を丸くしながらきょとんと首をかしげている圭の頭をそっと撫でて、深いため息をつきながらこう言う。「無理矢理でした。ごめんなさい」 たくし上げられたブラジャーをそっと下ろして、体を屈ませてホックを締めた。そのまま黙ってブラウスのボタンを一つ、一つはめていった。「僕は会社があるので――戻りますね」 そう言うと、圭の唇に軽く口付けをしてそのまま出て行こうとしたので圭が慌てて上着! と叫んだ。
:+: notebook :+: | 2010.08.10 Tue 09:29
いつまでたっても降り止まない雨に、圭は鬱陶しさを感じる。自宅の窓からどんよりと曇った空を見上げて、大きなため息をついた。「どうかしましたか?」 後ろでソファに腰掛けて紅茶をすすっていた克が、首を伸ばして圭を見やる。振り返った彼女は、まるでわたしのようだわ、と言った。「心の涙が雨となって表れてるんですか?」「ええ、そうなのよ。だから――晴れるにはわたしが元気になって、子供達に笑顔を向けないといけないと思って」「……そうでしょうが、あまり無理しないように。我慢はよくないですよ」 カップをそっ...
:+: notebook :+: | 2010.08.10 Tue 09:28
深秋の雨は何とも言えない、肌寒さがある。 もうすぐ冬だろうか、それともまだなのか――微妙な温度で服の調節が難しく、苛々させられる。おまけに、このひんやりとした鬱陶しい雨に降られると、一層着るものに困ったりする。 滝川和也の通夜も丁度そんな日である。 圭は喪に服しながら雨空を眺めている。彼女が一応喪主なのだが、親族のみだけの参列としている。彼女の精神を煩わせない気遣いであり、それがとても助かっている。 克も参列したのだが、事情を知らない人は誰もいなかったので彼自身も出入りしやすかった。
:+: notebook :+: | 2010.08.10 Tue 09:27
「お母さんは僕が守るっ!」 傍にいた和則がいきなり立ち上がって克を睨みつけながら叫んだ。突然の事に克は驚いて和則を見たが、彼は毅然とした態度で克に挑発している。 克はじっと見つめた後、ふっと口角を上げた。「和則君――立派な事だ、褒めよう。だが、実際に何が出来る?」「――お前に指一本でも触れさせない!」 いきなり母親から引き剥がそうと飛びつく。克は抵抗しながら小さな和則を強引に抱き上げた。
:+: notebook :+: | 2010.08.10 Tue 09:26
■オスヨンの小説「秋の童話」と「スターの恋人」の共通点「スターの恋人」の脚本家オスヨンの小説作品を読むコーナー。これまで、オスヨン作品は「冬のソナタ」(脚本のみなので小説は別ですが)「ラブレター」と読んできましたが、今回は、韓国純愛ドラマの原点と言われている?「秋の童話」を読んでみました。たしか前回は、同じ四季シリーズの「夏の香り」でしたが、あの後から夏→秋に移り、ようやく最近読み終わるという、これ一冊(313ページ)読み終わるのに、1ヶ月も掛かってしまいましたが、この「秋の童話」もまた、「夏の香...
韓国ドラマ「スターの恋人」で韓国語を学ぶ! | 2010.08.09 Mon 23:42
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