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第二章 3-6 波及−5

JUGEMテーマ:恋愛小説 事の成り行きを見計らったかのように、すみれから『ごはんよ〜』という号令が届いた。「杉浦くんも、食べてってねーえ♪たくさん作ってあるから!」「あ、ハイ。すみません、じゃあ、お言葉に甘えて・・・」 出張中で不在の光三にかわって杉浦が腰掛け、すみれがこれまた張り切って作りすぎたご馳走を前に、夕食が始まった。「あああ。裸を撮られると思うと、メシも美味くない・・・。」 まだぐずぐずと抵抗を見せる陽が、鶏肉のグリルを箸でつつきながら言う。「なんで、ヌード見たいとか言うかなー・・・。」「なんで...

小説 カラスト 〜Color stories〜 | 2009.06.30 Tue 08:31

第二章 3-5 波及−4

JUGEMテーマ:恋愛小説 「え」 朱里の表情から、笑いが消える。「あおい?っていう、事務所なんですか?」 蒼衣にまだ会ったことのない杉浦は、陽の言った名前が本当のプロダクション名だと信じているようだ。「違う!蒼衣、っていうのは・・・」 朱里が、杉浦に説明しようとしたそのとき。「え、なあに?」 背後から、当の本人である蒼衣が、森と一緒に現れた。「・・・あれが、蒼衣。」 杉浦は、朱里の妹の存在を知らなかったようだ。髪形が違うだけで、全く同じ造作の蒼衣を見て、朱里と蒼衣の顔を交互に超スピードで見比べてい...

小説 カラスト 〜Color stories〜 | 2009.06.29 Mon 08:35

愛の糸 #27 森弥露海(もりやろみ)の戸惑い

JUGEMテーマ:恋愛小説初めから読まれる方はここから  「露海(ろみ)、公園にいこうか?」 森弥露海は昼食を終えると、父・拓真から声をかけられた。 露海はちょっと嫌な顔をした。  「露海、行かない。」 「どうして?」 拓真が露海の顔を覗き込んできた。 「だって・・・。」 おにいちゃんとお話したいもの。     露海が別の所に住んでいる兄がいると、母・佳苗から聞いたのは、つい最近の事だ。何のことなのか、正直 露海には解らなかった。しかも、佳苗の話だとその露海の兄・玲王(れお)は、近々家...

シリウスの泉  「愛の糸」 | 2009.06.27 Sat 19:13

第二章 3-4 波及−3

JUGEMテーマ:恋愛小説「すみません・・・・・・・・・」 静かに陽の背後に立っていた若い男は、驚いて仰け反る陽になぜか謝って、ぺこりと頭を下げる。「いや・・・、いいんだけど・・・ビックリした・・・。」「あ、杉浦。こっち、座って」 朱里が、男に向かってぽんぽんと一人掛けソファの座面を叩く。「こちら、陽ちゃん。陽ちゃん、同じ大学の杉浦だよ。共同の課題、ガッコでできなくなったからウチに来てくれたの」 なんで学校でできなくなったかは、言わずもがな、か。週刊誌やワイドショーには、普段の朱里の性格などをペラペラと語る自称 ”仲...

小説 カラスト 〜Color stories〜 | 2009.06.27 Sat 09:28

第二章 3-3 波及−2

JUGEMテーマ:恋愛小説 週刊誌発売の日。予測どおり、朱里は報道陣に囲まれて質問攻めにあった。「朱里さん、大嶺さんとの交際報道は本当ですか?」「大嶺さんの奥様とも面識があるとのことですが、申し訳ないと思わないんですか!?」「関係は、いつごろから続いているんですか!?」・・・・・・・・・ 黙ってて。先に車の運転席に乗り込んだみどりから、無言のメッセージが目線を通じて伝わる。朱里だって、黙っているつもりだった。ある記者からの問いかけを、耳にするまでは。「ご両親は、あなたのその行動について、どうおっしゃってい...

小説 カラスト 〜Color stories〜 | 2009.06.26 Fri 08:32

第二章 3-2 波及−1

JUGEMテーマ:恋愛小説 その日の夜。光三とすみれも帰宅して、一家全員で首を長くして朱里の帰りを待っていた。 皆、口数が少ないものの、心底悲観している雰囲気ではない。というのも、スクープされたという知らせが事務所から届いてはいたが、当の雑誌はまだ発行前だということが分かったからだ。 朱里の所属する事務所は、ものすごい大手ではないが、まあ中堅の類。もしかしたら、話し合い次第で記事が差し替えできる可能性だってあるかもしれない。 朱里がスキャンダルに巻き込まれないように、今は祈るばかりだった。その答え...

小説 カラスト 〜Color stories〜 | 2009.06.25 Thu 08:36

届かない想い

JUGEMテーマ:恋愛小説JUGEMテーマ:小説/詩 こんちは〜今回は、宣伝に来ました私、趣味で小説を書いているんです。普通の、恋愛小説を、ですよ?もし、興味があれば除いてやってください。届かない想い女の子が、交通事故に遭ったけど成仏できなくて…みたいな?アバウトですみません。主人公幽霊ですが、恋愛小説ですので!第4話UPです。ちなみに、他にも書いてますよん♪柚優の小説 読んでくれたら嬉しいですで、感想とかくれたら…もう嬉しすぎて死んじゃう!!なんて無理でしたらこっちのコメントとか拍手でもいいので…よろしく...

*花より嵐* | 2009.06.24 Wed 18:22

第二章 3-1 スキャンダル

JUGEMテーマ:恋愛小説「不倫!?」 森の説明後、最初に声をあげたのは陽だった。「朱里が?ウッソだろ」「ウソだよ。だけど、誰もそんなの信じない・・・」 森は、大きなため息とともに、どっかりとソファの背に身をもたせた。その顔は、知らせを聞いてからのこの2時間で一気に老け込んだようにも見える。 森の話は、こうだった。連続ドラマがクランクアップしたあとも、共演を機に師匠と慕っている大俳優・大嶺のマンションへ個人レッスンのために通っていた朱里の姿が、週刊誌にスクープされたというのだ。「大見出しは、コレらし...

小説 カラスト 〜Color stories〜 | 2009.06.24 Wed 08:42

第二章 2-20 ごめん。2

JUGEMテーマ:恋愛小説「・・・え?」 思わぬところで自分の名前が出てきて、混乱する陽。オレ!?「仕事が忙しいって言ってほとんど会う時間もないし、電話もないし、ほっとかれてるの」「・・・あー」 不可解な顔をして聞いていたのが、やっと蒼衣の意味するところがわかり、ニヤッと笑った。「それはひどいな・・・。こんなに可愛い子を、放っておくなんて」 蒼衣も笑って「もう私怒って、忙しくして連絡しなかったら・・・向こうは全然それでも気にならないのか、電話すらくれないの・・・よ」 会わなくても、気にならない。冗談ぽく言ったつ...

小説 カラスト 〜Color stories〜 | 2009.06.23 Tue 08:28

愛の糸 #26 森弥拓真(もりやたくま)のためらい

JUGEMテーマ:恋愛小説最初から読まれる方は ここから  「いつも、パパに入れてあげるの。パパ、露海(ろみ)かっこよかった?ちゃんと、『どういたしまして』言えたよ〜。」 露海は照れたように笑って、拓真の膝に乗ってきた。「えらかったね、露海。おにいちゃんのおもてなし、ちゃんとできだぞ。」 拓真は露海を抱き上げながら玲王を見ると、玲王も、少し笑っていた。露海はまたすぐ、玲王の所へ行き、何かと話しかけているようだ ・・・構える事なんてなかったね、義母さん。玲王(れお)は中学一年。兄も、中学一年だっ...

シリウスの泉  「愛の糸」 | 2009.06.22 Mon 11:54

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