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JUGEMテーマ:恋愛小説「朱里。ちょっと、いい?」実践授業で疲れきった朱里がリビングの扉を開けると、すかさず森の声が聞こえた。ソファに目をやると、すでに食後の酒を楽しんでいる森が、こちらを見ながら手招きしている。「あーっ、疲れたあぁぁ」どっさりとソファに腰掛けると、思いのほか体が深く沈んでビックリする。「喉カラカラ。森兄、ちょっとちょーだい」森が持っている茶色い液体を見ながら言う。「あと5日、待ちなさい」5日後は、朱里の二十歳の誕生日。すなわち、蒼衣の誕生日でもある。「ええええ、もうほぼ二十歳だ...
小説 カラスト 〜Color stories〜 | 2009.05.18 Mon 08:59
JUGEMテーマ:恋愛小説 わざわざ、こんな朝方からチェックインして愛し合うヤツもいないだろう。暗く閉ざされた部屋。空かない窓のカーテンをめくっても、案の定日の光は見えない。 森は、朝シャワーを浴びたあと車でここに直行した。なぜこんな時間なのか。理由は簡単、この時間でないと、会えないからだ。ベッドの上には、椎名こまりが横たわり、軽い寝息を立てている。彼女と寝たのは今日が初めてだ。会ったときから、そうなるだろうな、と思ってはいたけれど。 こまりは、グラビアアイドルの名に恥じない豊満な体つきと、そ...
小説 カラスト 〜Color stories〜 | 2009.05.17 Sun 21:34
JUGEMテーマ:恋愛小説翌朝、蒼衣は早起きして陽が来るのを待つ・・・ハズだった。「ええ〜!もう、行っちゃったの?」ダイニングテーブルの上には、白い紙袋に入れられた朱里のデジタルカメラがすでに置かれていた。「行っちゃったというか・・・、オレがジョギングついでに寄ったら、渡されたの」「ふうん」なんだ、会いたかったのに。森兄に、陽とキスしたり合鍵をもらったことはまだ話してないから、会いたがってるって気づかなくてもしょうがないんだけど・・・。 昔。4年前、陽の留学前に『陽のこと、好きなの?』と森に聞かれ『わから...
小説 カラスト 〜Color stories〜 | 2009.05.16 Sat 07:44
JUGEMテーマ:恋愛小説「なにいい、陽ちゃん、来てたの!?」大学の仲間との飲み会を終えて帰ってきた朱里が言う。朱里は現在、美大の映像演劇学科に籍を置いており、演劇だけでなく制作側の勉強もしているらしい。 以前から短めだった髪は、帰国した陽から“そのうちハゲになるんじゃね?”と言われるほどさらに短く茶色くなり、兄からは“モンチッチ”と呼ばれていた。しかし、自分と違い表情豊かな朱里には、顔を覆い隠さないその髪型がぴったりと似合っている。「陽ちゃん、今日カメラ持ってこなかった!?」「カメラ?ううん」「あっ...
小説 カラスト 〜陽のColor stories〜 | 2009.05.15 Fri 08:34
JUGEMテーマ:恋愛小説手に置いていた陽の手が頬にうつり、指でそっと顔の輪郭をなぞった。「あおい」陽が囁く声は、どこまでも甘い。「うん・・・」「・・・呼んでみただけ」「・・・ええ?」「いやー、呼び捨てにまだ慣れなくって。練習れんしゅー」パッと手を離すと、あおい〜、あおいぃ〜!などと、低い声やアニメ声などいろんな声色であおいあおいと連発する。ほのかに、顔が、赤い?「なに、してるの・・・」「どれがいい?」ドラえもん声まで披露する。・・・意外にも、似ていて笑えた。でも「いつもの声がいい」陽の声は、高すぎず低すぎな...
小説 カラスト 〜Color stories〜 | 2009.05.14 Thu 08:55
JUGEMテーマ:恋愛小説 最初から読まれる方はここから 「どうしたの?奈々緒!何かあったの?」 いつのまにか茉莉が戻ってきていた。 茉莉は、奈々緒が泣いている、という事にひどく動揺しているようだった。 かがんで奈々緒の顔を覗き込んできた。 「奈々緒、何かされたの?何を言われたの?」 玲王は驚いたように茉莉を見つめた。 その玲王を茉莉が見返す。 「玲王くん、何があったの?奈々緒に何をしたの?」 「やめて!」 突然奈々緒が叫んだ。茉莉は息を呑んだ。 「ママはいつもそう。勝手に決め...
シリウスの泉 「愛の糸」 | 2009.05.13 Wed 12:24
JUGEMテーマ:恋愛小説しかし、入ってきたのは・・・ドア枠に頭をぶつけないようひょいと頭を下げた、陽だった。蒼衣は、がばっと身を起こす。「ごめん、寝てた?」「ううん」「具合、悪いの?」「ううん」「そっか」沈黙。陽は、ドアとちゃぶ台の間に立ち、しげしげと部屋を見回している。「なつかしー」”甘さのかけらもない、実用的な部屋”陽が、高校生のころ初めてこの部屋に入ったときに感じた印象だった。ぬいぐるみとか、キラキラのシールとか、ピンク色のクッションなどはひとつもない。窓際にベッド、反対側に本棚、真ん中にち...
小説 カラスト 〜Color stories〜 | 2009.05.13 Wed 08:41
JUGEMテーマ:恋愛小説そうであってほしいと思いながらリビングに戻ると、久しぶりに陽という無二の親友に会った兄が、目じりをくしゃっとさせながら嬉しそうに笑っていた。「蒼衣。陽のトコの離れ、これからオレたちが自由に使っていいってよ?いつでも」「え?だって、鍵は?」「ほい」兄がチャラチャラと、真新しい鍵を振って見せた。「じゃあ、陽が使いたいときはどうするの?」8人掛けの大きなダイニングテーブルの、二人の向かいに腰掛けながら言う。「合鍵、つくったんだ。母屋との戸も鍵開けておくから、いつでも使って」「え...
小説 カラスト 〜陽のColor stories〜 | 2009.05.12 Tue 08:35
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