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JUGEMテーマ:詩 遠くから一人でやって来て 小さな部屋で夜を越えながら 遠くに残してきた家族の為に 疲れも苦しみも堪えて モップを掛け 鍋を洗い 大盛りの賄いに唸り 信念を語っていた 彼は今頃どうしているだろう ドキュメンタリーで見ただけの ずっと昔の人が頭を過る 報われていればいいなと 極端に寒い曇りの日に 出会ったこともない人の身を案じる
SANNI YAKAOO | 2022.10.09 Sun 10:37
JUGEMテーマ:詩 神輿の行進 街角に立つノボリ 出店のトウモロコシの匂い フランクフルトを片手に歩く人 四方八方から響く喧騒に 祭りの空気が染みてくる
SANNI YAKAOO | 2022.10.08 Sat 13:28
JUGEMテーマ:詩 棚田に色づく稲穂たち 畦を歩けばバッタが飛び出し 泥を被ったコンバインが 納屋の傍で休んでいる コスモスもちらほら咲き出して 逆光に透けて美しい 目を上げればまばらな雲 斜光が稲穂の色を強くして 息づく絵画が生まれる 黄金の秋
SANNI YAKAOO | 2022.10.06 Thu 08:10
JUGEMテーマ:詩 目を閉じても見える 光を放つ球体 手を伸ばしても距離が変わらないのは まるで天体のように 遥か遠くにあるからだろう あそこへ辿り着くのは並大抵じゃない だけどこの目で見えているなら まだ救いがある どこへ行こうとあれは輝き 道しるべになる 手が届かない光だからといって 捨てる必要はない 頭上に浮かんでほのかに照らしてくれるだけで...
SANNI YAKAOO | 2022.10.05 Wed 11:11
JUGEMテーマ:詩 屋根の無い商店街に激しい雨が降る 光が差す時には濡れたタイルの上を 自転車が小さな飛沫を上げて駆け抜ける 饅頭屋から誰かが出てきて 喫茶店に誰かが入っていく どこにも寄らずに通り抜けて行く人もいる 雨上がりの商店街に少しずつ人が増えていく 雨が人を呼ぶ
SANNI YAKAOO | 2022.10.04 Tue 10:24
JUGEMテーマ:詩 出かけようと思った矢先 屋根を叩く音が鳴る 車が走り抜けて水しぶきが撥ね テールランプが光を伸ばす 青い傘を片手にコンビニへ ほんの短い雨の時間が 一日の心の汚れを洗い流す
SANNI YAKAOO | 2022.10.02 Sun 14:26
JUGEMテーマ:詩 土星の人が宇宙船で木星を目指し 木星の人は双眼鏡で土星の輪を見る 海王星の人は両者が出会うことは無いと知っていて 天王星の人はそれは私たちも同じだと呟く 冥王星の人は我関せずと自由に銀河を眺めて 木星より内側の星の人たちは自分の心配をしている 太陽は身内の問題には口を出さず オールトの雲でみんなを守り 灼熱の光でみんなを照らし 強い重力でみんなを引っ張っていく ...
SANNI YAKAOO | 2022.10.01 Sat 10:04
JUGEMテーマ:詩 街が様変わりして ワクワクしながら選んだ画材屋も 紙の匂いが心地よい本屋も 落ち着ける喫茶店も無くなった 外へ出る機会が減り 知らない間にまた様変わりしていくのだろう 街は生き物だから仕方なく ほんの二年前が遠い昔のように思える
SANNI YAKAOO | 2022.09.30 Fri 11:44
JUGEMテーマ:詩 このままでは胃に穴が空く 頭が痛い 熱もある 飯も食いたくない 菌やウィルスのように ストレスがジワジワと 心身を侵食していく こんなどうしようもない時は 遠ざかっていた昔の曲を聞き ノスタルジーで誤魔化す 現実は変わらなくても 胃の痛みが少し和らぐ
SANNI YAKAOO | 2022.09.27 Tue 08:37
JUGEMテーマ:詩 掛け軸の虎はいつもと変わらず 堂々とした風情で水を飲む 古い絵だが迫力は健在で 小さな絵だが目を釘付けにする 絵に時間はなく 宿った魂だけが磨かれる 時代を飛び越えて 虎が強く輝く
SANNI YAKAOO | 2022.09.26 Mon 11:28
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