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平成13。 「橡」同人。第3句集。 さねかづら父を男として論ず 雪折れの竹又竹や直指庵 落鉄の馬曳かれくる夕ざくら 父の日の師の長眉にまみえけり 零戦も遺品のひとつ露置きて 麺麭の山割って勤労感謝の日 ふくろふや楮ふた夜を川晒し 子の家の客となりたる素足かな 雪折れの木の仏性やほととぎす 菖蒲湯や男の子すこしく買被り 翁忌や歴々としてわが師系 沈む日や円板とまる草刈機 かのナチの国より戻り原爆忌 秋立つと朝刊にのるリルケの詩 足摺や岸摺...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.04.30 Tue 21:19
昭和41年。 「雪解」主宰。第8句集。 端に日ののりて大冊読はじめ 松過ぎの金屏を立てのこしたる ふもとより牛の一列牧開き 春雷のいまの怒りの夏の如 栄螺焼く夜の二見へ宿を出づ 故友また故友青きも踏みあへず 新茶古茶しらず疲れに喫したる 草引きし大渇には古茶くまむ 大事些事過ぎつつ欠かさざる昼寝 苺置き辞書置き子の名選ぶなり うすものの機上夫人に雲ぞ敷く 鏡台のみだれ香水澄むほかは 遊船をあがりて蟹の中の道 玉虫を拳はげしくとらへたる 秋...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.04.23 Tue 21:56
俳句ライフ FM Kawaguchi で 紫主宰・山?十生の「俳句ライフ」放送中です。 4月10日放送分より 今週の秀句紹介 いい人が一番苦手山笑ふ (秩父紫3月例会 特選句) 今週の十生一句 (表記は俳句スパイスによる) 天 山笑い柔らかな風降りそそぐ ビン(小学生) 地 引っ越しのトラック見守り山笑う サキママ 人 眠気来る嬰児(やや)の手温し桃の花 モコちゃん 先週から村重美加さんに加えて...
俳句スパイス | 2019.04.17 Wed 08:58
昭和60。 「雪解」「懸巣」「いてふ」同人。 第2句集。 吹きわれて大萩叢のうつろあり 磨崖仏見守る峡田一人植う 滴りのふくらむ束の間を光り 朝靄のしりぞく田の面草を刈る 頭上つと止みてかなかなかみな遠音 鴨たちて池に山影よみがへる うらうらと移る天日初蹴鞠 花の雨傘のいづれも二人づつ 子らの荷のさきがけ着きて避暑の宿 春時雨耳成の消え香具の消え 仏見よ月見よと開け招提寺 摘みし手にしかと地の冷え蕗の薹 妻端居柱くらきに背をもたせ 月は望...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.04.16 Tue 21:40
2003年。 「氷室」主宰。第5句集。 理不尽に疎まれし日の蜆汁 睫おもく霧の丹波をあゆむかな 聖夜劇神父の靴の巨いなる 進学の荷を造り子をうしなひぬ 花翳に影重ねてもひとりかな 宥さんや梅の紅の実淡ければ 忘れむと洗ひし髪の重さかな ー寺町ー 古書店のあるじあるとき涼しげに 黄落の明るさ不安いづこより 波郷忌や叱られてゐし膝がしら しばらくは柚子湯に佇ちし女身かな 梳る髪を冬日の逃げやすし 崖に遊ぶ冬日見る間も父焼かる 掌もて拭く机に春の塵す...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.04.10 Wed 22:24
1984年。 「夏草」「夏炉」同人。 蚊を打つて愚かに夜を過しをり 母の日の子犬の息のあたたかし 風の萩病後の力計りをり 無駄金を使つてしまひ懐手 キヤバレーの階拭く寒夕焼に這ひ 花冷の肩ホステスの長電話 夕闇の白菊あをきまでしろし キヤバレーの灯が消えて雪明り 啄木の貌して凍る釧路川 逆光の蓑虫垂るる光堂 サラリーマン一方向に落葉踏む 梅雨の吾が靴跡いつも油紋生む まぎれ来し蝶に一瞥機械工 残業の灯がゆらぎをりプールの面 時雨るるや仁王もバ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.04.07 Sun 12:09
7月29日(日)、 埼玉県川口市で第28回彩の国ベガ俳句大会 (埼玉県芸術文化祭2017協賛事業)が開催されます。 会場は駅徒歩1分の好立地です! 当日の講演は、俳句結社「天為」同人で、 俳人協会新人賞や同評論賞等、受賞歴も多数、 現在NHK俳句の選者も務めておられる岸本尚毅氏です。 多くの方のご参加をお待ちしています。 日時 2018年7月29日(土) 11時受付開始、開会1時 会場 川口総合文化センターリリア 11階大会議室 ...
俳句スパイス | 2019.03.31 Sun 14:29
昭和59。「ホトトギス」同人。 琵琶湖畔の堅田に生れ住み続けている作者の湖に関する句ばかり。 鳰や鴨、魞、芦がこれでもかというほど頻出するが、これだけの数を詠めるのはすごいこと。 定期船遊覧船と波止の春 暮れ切らぬ湖に出てゐる春の月 夕焼に身をそらしつゝ舟を漕ぐ 内湖を渡りおほせし梅雨の蝶 みづうみの水に育ちし菊なりと 月の浜ただ歩きたく語りたく 句碑を見し歩を新涼の桟橋へ 朝戸開くたのしみ浦の浮寝鴨 波の間に光るは残り鴨らしき 鴨絶えず動...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.03.28 Thu 21:31
俳句スパイスインターネット句会 2月 結果 兼題「 椅子 」 数字は得点 *はそのうちの特選の数 1 信号の黄色は注意いたちぐさ 蘭丸 2 もういない隣の椅子や春の月 Rin 2 3 ふうはりと椅子のかたちに春ショール すみれ 5* 4 樹形図の差別と区別春の雪 マヨマヨネーズ 1 5 もう聴けぬカセットテープ春浅し 人見 2* 6 筆進む椅子は何処に沈丁花 はるくん 7 待つよりも手立てのなきや雛飾る すみれ 8 リハ...
俳句スパイス | 2019.03.27 Wed 11:17
昭和63。 「いてふ」主宰。第3句集。 教員、校長を経て寺を継ぐ。 よって寺関係の句が多い。 影の濃きところをたまひ花筵 まなじりに生きの涙を土用仏 朝寒の髪をすなほに梳かるる子 抱かるるをいとふ子となりあたたかし いま散りし花の筏につながらず 十畳をひとりにたまひ紅葉宿 買うて来し貰うて来しと柿提げて もどされし駅になじみぬ絵双六 箸正し持つ子となりて冷奴 老いてなほ兄は長上簟 冬もみぢ楓と楓ならざると 午笛鳴る一村茶摘休めよと ナイターの...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.03.25 Mon 22:30
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